とにかく「書くこと」で記憶の定着率を上げよう!

  • 投稿者:さぼてんさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月半

はじめに

 私が日商簿記3級を取得しようと思ったきっかけは、再就職のためでした。長い間、専業主婦をしていて職からは遠ざかっておりましたが、再就職をしたい!と思い、ハローワークのインターネットサービスで職を探し始めました。

 結婚前は事務職ばかりでしたので、今回も事務職を中心に探していたところ、必要資格に「日商簿記3級以上」がとても多いことに気が付きました。資格を持っていなければエントリーすらできませんので、一念発起して独学で資格取得を目指そうと勉強し始めました。

テキスト

 まず最初に、独学で理解できるかがとても心配だったので、書店に立ち寄ってテキストを立ち読みしました。何冊か手に取ってみると、サクっとうかるシリーズがその名の通りサクサクっと頭に入るような気がしたので購入することにしました

 サクッとうかるテキストを半分ほど進めたところで、トレーニング(問題集)も購入。最初に勉強した部分の復習も兼ねて、一から進めていきました。

 その後、試算表・精算表問題を解き始めるとびっくりするほど時間がかかることに気が付き、これではマズいと思い、出題パターンと解き方(過去問題集)を購入し、試算表・精算表問題を何度もこなして、目標タイム(20分~25分)で解けるようにがんばりました。

 そして最後に、第132回当てるTAC直前予想を購入。こちらがまたとても難しく、時間を計って模擬テスト形式で挑戦しましたが、合格点には程遠くて心折れそうになりました。

 私がテキストのほかに助けられたのは、YAHOO知恵袋さんです。私の初歩的な質問にもたくさんの回答を寄せてくださり、最後には見ず知らずの私に「頑張って!」と言葉をかけてくださり、本当に勇気づけられました。

 もちろん、簿記検定ナビさんの仕訳問題もかなりの回数をこなしました。このように、ネット上で質問・勉強できる環境が整っていたのも自分にとってはプラスでした。

 11月に入って試験日まであと2週間ほどになり、落ち着きをなくしておりましたところ、これまた掲示板で「日商簿記3級プラス8点のための問題演習が役立つ」との書き込みを見つけ、3級最後のテキストとして購入し、試験日前日まで解きまくりました。

勉強法

 私の勉強法は「とにかくノートに書くこと」でした。テキストの太字部分はもちろんですが、太字部分の説明文を自分の字体で書くことで、記憶の定着率が上がったと思います。

 ノートに書く際には蛍光ペンを2色用意し、サクトレ・サクテキのどちらからの引用かも色分けして後で見やすくなるようノートにまとめていきました。

ノート画像1
ノート画像1
ノート画像2
ノート画像2

 あと、どんなに忙しい日でも「10分でもいいから簿記に接する時間を作ろう」と毎日テキストを開くようにしました。逆に、たくさん勉強時間が取れるときはひたすら仕訳をし、タイマーで時間を計って試算表・精算表問題を解くようにしました。

 なお、間違った箇所はきちんと自分で復習して理解しないと、数日後、同じ箇所でまた間違うことに気づいたので、その場で徹底して理解するよう心がけました。

 このような勉強法を続けた結果、勉強を始めた当初は簡単な試算表問題に1時間もかかっていた私が、目標タイム内で合計を合わせられるようになりました。

  • 5:30

 11月中旬ということもあって外はまだ真っ暗。布団から起きだすのも少し辛い季節でしたが、いよいよ今日が試験当日…今日にかける!と心に決め、起床。

  • 6:30

 朝ごはんに卵を食べると脳の働きが良くなる?と聞いたことがあったので、ごはん・味噌汁・卵焼きを食べる。

  • 7:00

 テキストをぱらぱらめくるも全く頭に入らず、気持ちばかりが焦っていることに気付く。それならばと、一度解いた試算表を時間まで解こうとタイマーをセットし解き始めるが、まったく合計が合わず余計に焦るという悪循環に…。

 もうじたばたしてもしょうがないと観念し、すべてのテキストを閉じて普段通りにテレビを見て過ごすことにしました。

  • 8:20

 自家用車で会場へ向かう。事前に商工会議所近くのパーキングをチェックしていたので、そこに車を停めて徒歩で会場入りしました。

  • 8:35

 商工会議所3階の試験会場まで階段を上る。初めての受験で右も左もわからずにいたが、人の流れにそって歩いて行くとそのまま会場へ到着。受付があるのかと思っていたが、ぞろぞろと受験者が会場に入っていくので、私も後ろについて自分の受験番号の席に着く。

 長テーブルに二人ずる着席するようになっていて、私の左隣りにはテキスト(サクテキ)を開いて勉強している男性が座っていた。私は「ここにきて新たに覚えることはない」と思って、試験会場にはテキスト類は一冊も持って行かなかったが、特に焦ることなく試験開始の時間を待っていました。

  • 8:45

 試験官数人が問題用紙が入っていると思われる段ボールを抱え、会場入り。一気に緊張が高まる。

  • 9:00

 試験官から受験時の注意事項・試験結果の送付日時などの説明を一通りうける。その後、問題用紙が配られ、解答用紙の左上に受験番号と名前を書くよう指示される。

  • 9:17

 試験官の始め!の声と共に、受験者が一斉に問題用紙をめくり問題を解き始める。カタカタと電卓を打つ音と、解答用紙に答えを記入する鉛筆の音だけが響く。

 試験が始まるまでは、他受験者の計算機の音が気になったらどうしようかと心配していたが、実際に始まってみると全く気にならず、自分の解答作成に集中できた。

 第一問、仕訳。ひねった問題もなく、後回しにする仕訳は1つもなかった。

 第二問、当座預金出納帳からの仕訳。これもまた仕訳が完璧にできる人であれば、難しい問題ではなかったと思う。

 第三問、残高試算表作成。貸借対照表をもとに日付別の仕訳をした後、残高試算表に転記するという問題。とにかく仕訳のケアレスミスだけはしないように慎重に仕訳するが、1度目の計算で合計が合わず後回しにすることに。この時点で50分が経過していたが、時間配分はこんなものなのだろうと思って先に進んだ。

 第四問、空欄に合う言葉を選択肢の中から選ぶ問題。私の記憶では、過去問には出て来なかった形式の問題だったが、一通りテキストをこなしている受験生には特に難しい問題ではなかったように思う。

 第五問、精算表作成。有価証券が今までみたことがない出題形式だったが、冷静に考えれば解ける問題だった。精算表は20分ほどで、当期純利益まできちんと合わせることができた。

 ここまできて残りは30分になっていた。先ほど残した第三問の合計を合わせるために計算をし直すことにしたが、自分の中では再振替仕訳の部分が怪しいと思っていたので、他の仕訳には手を付けずに二つ仕訳を再度見直した結果、無事に合計を合わせることができた。

 この時点で残り10分しかなかったので、他の問題の見直しも漢字の間違いなどを見るだけで、もう一度考え直す時間はなかった。帰宅後に答え合わせをするために、第一問・第二問・第四問は問題用紙に自分でわかるように記入し、第三問・第五問は、合計と当期純利益のみを記入した。

  • 11:17

 試験官の止め!の声とともに、第132回日商簿記検定3級が終了。あっという間の2時間であったが、やり残した感はなく帰路につく。

試験終了後から合格発表まで

 午後1時半過ぎから各専門学校のウェブサイトで解答速報が見られるようになる。第一問・第二問・第四問は1問落としていたが、他はすべて正解。第二問・第四問はあまり手応えを感じられていなかったので、ここで点数を稼げたのはとても大きかったと思う。

 自己採点の結果、合格は確信していたが、解答速報はあくまでも予想に過ぎないということで、試験結果到着まで一週間はなかなか気持ちを落ち着かせることが出来なかった。

 一週間後、商工会議所から封書が届く。びりびりと封を開けると一枚の紙が入っており、そこには今回の受験者数と合格者数、合格率が書かれていた。

 焦って開封したため、もう一枚紙が入っているのに気付かず、これでは合格かどうかわからないではないか!と思っていたところ、点数表がもう1枚入っていることに気づく。

 あわてて封筒から紙を引き出すと、合否欄の合が赤ボールペンで丸く囲まれていて、点数欄には90点と書かれていた。思いもよらぬ高得点にこみ上げるものを感じた。

最後に

 努力は人を裏切らないと改めて感じました。くじけそうになった時もありましたが、あきらめずに最後までやり通した自分をよくやったと褒めてあげたいと思います。

 あきらめたらその先はない。その先も、もっと先も!と思えた日商簿記3級でした。簿記が楽しくなってきたので、来年の2月に2級を受験予定です。今まで以上に頑張って、一回の受験で合格できるよう勉強に励みたいと思います。

管理人からさぼてんさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 使用電卓はCASIOのJF-100ETで、10年ほど前に購入したものです。今回勉強を再開するにあたって新調しようか迷い、簿記検定ナビさんでお勧め頂いているCASIO製の電卓を店頭で手にしてみましたが、この電卓は3級取得のため一緒に頑張ってきた相棒ですので、とりあえず新調せずに使用することにしました。

 この電卓は好き嫌いが分かれるようですが、わたくしは%ボタンが上部にあるのが使いやすいと思っております。クリア、オールクリアボタンが0の上にありますが、簿記の試験で何円単位までの計算結果があまりないので、押し間違いの最後が0ならば、上にあるクリアボタンをさっと押せるのが使いやすいと思いますのでお勧めです。

 さぼてんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点というか問題は第一問の仕訳です。どこかのサイトで「3級は仕訳に始まり仕訳に終わる」という言葉を見つけ、とにかく仕訳の力を付けないと点数が取れないと思い、ひたすら勉強した結果、仕訳はほぼ完璧になりました。

 あとは、第五問の精算表も得意です。仕訳の力を付けたことで、修正記入がきちんとできるようになったからだと思います。もちろん、純利益が合わなくてどこだろう…と計算し直すこともありましたが、単なる記入漏れや借方貸方の転記違いなど、ケアレスミスが原因であることが多かったので、処理の正確性を意識するようにした結果、得意な論点になりました。

 一方、苦手な論点は費用の見越し・繰延べです。苦手意識があり、処理方法を勘違いしてしまうことも多かったので、第三問の精算表は、合計が一度で合うことが少なかった気がします。

 なぜ?再振替仕訳?なぜなぜ?を繰り返すと、頭が真っ白になってしまうので、こういう仕訳なのだ!と理屈抜きに覚えてしまうようにしました(この方法はあまりよろしくないのかもしれませんが…)

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 テキストや問題集によっては解答用紙をダウンロードできるサービスがあるんですが、家のプリンタの調子が悪く印刷できなかったので、2回目以降に問題を解くのが大変でした。

 私のように何らかの事情でプリンタが使えない方は、後から何度も繰り返し解けるように、最初にコピーを取っておくことをおすすめします。

管理人コメント

 さぼてんさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 「これから勉強を始められる方へのアドバイス」のところで解答用紙の無料ダウンロードサージスの件に触れていただきましたが、特に過去問題や予想問題等の総合問題については予め問題用紙・解答用紙のコピーを取っておいて、そのコピーのほうを使って勉強することをおすすめします。解答用紙だけでなく問題用紙もコピーしておくのがポイントです。

 問題用紙・解答用紙の両方のコピーを取ることによって、毎回まっさらな状態で総合問題を解くことができるので、「問題用紙の重要ポイントに印をつけるクセが付いているか」等の解答テクニックの確認や、(同条件での)解答時間・点数の比較が可能になります。

 問題用紙のコピーについては見落としがちですので、ぜひ参考にしてください。

さぼてんさんが使われた教材や電卓のまとめ