通学講座のメリットを最大限享受して満点合格!

  • 投稿者:Yassyさん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月半

はじめに

 私は地方に勤務する技術職です。今まで経理とは全く無縁でしたが、最近では技術職でも決算書を読みこなすことを求められるようになりました。そのため簿記でも勉強してみようか?という軽い気持ちで勉強を始めました。

使用したテキスト・問題集・電卓

  1. 大原の授業で使ったテキスト・問題集
  2. なるほど!わかるテキスト 日商簿記3級(TAC)
  3. 合格するための過去問題集 日商簿記3級 117~128回(TAC)
  4. 出題パターンと解き方 日商簿記3級 98~117回(ネットスクール)
  5. CASIO DF-120GT(電卓)

 4.については、amazonの中古品を200円くらいで入手しました。問題集は解答用紙がネットからダウンロードできる本を選ぶと勉強しやすい、と感じました。その点でいえば大原で使った問題集は使いにくかったです。

 5.については、電気屋で手のひらサイズの12ケタのものを選びました。使って気付いたのは、キーを叩く音が若干大きいのと3キーロールオーバー機能がないことくらいです。特に困ったことはありません。予備の電卓も同じ機種を買いました。

勉強方法について

 簿記って何のこと?と思っていたくらいで、簿記の勉強といっても何から手をつけていいか全く分かりませんでした。そのためネットで合格体験記を探してみました。すると3級であれば問題集を読んで1ケ月で合格できる、という体験記を多く見つけました。

 それであれば参考書を1冊買って読めばいいんだろう、と思ってしまい、本屋に行って簿記の問題集が陳列されている棚の手前にある参考書(これが2.です)を買って読んでみました。最初の10頁くらいはすんなり頭に入るのですが、その後はまるで宇宙人と会話をしているのか?と思うほど分からなくなってしまいました。

 こりゃいかん、と思って専門学校を探しました。理解できなかったテキストがTACのテキストだったので、TAC以外で大原とLECを探し出し説明を聞いてみました。大原は簿記の講師がしっかり説明してくれて、また説明を聞いた1週間後から11月試験目標のクラスが始まる、ということもあり、大原に通うことにしました。

 大原では週2回、夜間クラスに通いました。生活のリズムが出来ましたし、同じ目標に向かって努力する仲間と知り合うことができたのが最大の収穫でした。大原の授業を受け、習った範囲の問題を解く、ということを8月から9月末まで続けました。この頃は過去問に手を出す余裕が全くありませんでした。

 10月から答練が始まり、同時に過去問を解き始めました。その時に仕訳の知識があやふや、ということに気づきました。そこで簿記検定ナビの仕訳対策をダウンロードし、2日ほどで全てを解きました。そうすると仕訳は簿記の基礎であり、仕訳ができないと簿記検定合格はできない、と思えるようになりました。

 10月中旬までに3.の問題集を一通り解きました。そうすると自分の弱点が分かってきました。第2問と第4問で得点できないことが度々ありました。どんな分野なのかな?と思ってじっくり見なおしてみると、だいたい同じ内容で得点できていない、ということに気づきました。自分の場合は「損益」勘定の使い方がよく分かっていませんでした。

 そのためテキストに戻って勉強するとともに、第2問と第4問については、更に古い問題にまで遡って解いてみることにして、4.をamazonで入手しました。損益勘定は、最後に借方と貸方を合わせる時に使う都合のいい勘定、と割り切りました。

 11月に入るまでに3.を2回、4.の第2問と第4問を1回解きました。大原での答練でもほぼ満点を取ることが続きました。3.の3回目の解きなおしでは、悪くても90点が取れるようになりました。あと、間違いノートは作りませんでした。というより、作る余裕がありませんでした。自分の弱点の問題に付箋を付けて、時間があれば眺めていました。

問題を解く順番について

 かなり試行錯誤しました。

  • 最初:1→2→4→5→3
  • 途中:1→5→3→2→4
  • 最後:5→1→3→2→4

 当初は「まず仕訳をして、時間がかからない第2問と第4問を先に解いて、その後は得意な精算表をやって、最後に時間のかかる試算表」と思っていました。

 ところが大原の先生から「第2問と第4問はものすごく難しい問題が出ることがあり、そういう回は合格率が低い」という話を聞きました。そのために仕訳・精算表・試算表という配点の大きい問題から先に解いて最後に第2問と第4問を解く、という方法に変更しました。

 ところが大原の直前模試で部屋の異様な雰囲気に飲みこまれてしまいました。「はじめ!」の合図で頭に血がのぼってしまい、その状態で仕訳を解こうと思っても全く手が動きませんでした。結果的には満点近く取れましたが、今までの自分の勉強方法を否定されてしまったような気がしました。

 直前模試の後にあった授業で先生にそのことを話すと、「試験が始まった直後は緊張しているだろうから、長文を読んで理解しなければならない仕訳を解くのにはふさわしくないんじゃないかな?」というアドバイスを頂きました。

 そのため得意(だと思っていた)精算表を最初に解き、少し落ち着いたところで仕訳を解くという順番に変更してみました。これが意外にしっくり合いました。本番でもこの順番で解きました。

メンタル面について

 いくら学校に通っていたといっても、最後は自分との戦いになります。分からない分野に出会った時に何度も投げ出したくなりました。そんな自分を支えてくれたのが、同じ目的を持ったクラスの仲間でした。簿記3級のクラスは高校生をはじめとして比較的若い人が多く、自分のような「おじさん」は数人しかいませんでした。

 そんな仲間がお互い支えあうことができたのは大きな収穫でした。こんなにも自分にプラスの影響を下さった仲間に心から感謝しています。ちなみにクラスでは「おじさん友の会」なるものができて、試験が終わった後は食事に行きました。今でもお付き合いがあるくらいです。

試験日の1日の流れ

  • 6:00

 起床。今までの問題演習でよく間違えた問題を中心に解きなおす。

  • 7:30

 最後の持ち物チェックをして出発。実は直前模試で電卓を忘れる、というミスをしてしまいました。午後の試験であれば近所の電気屋で買うことができるかもしれませんが、午前9時からであればコンビニで売られている小さな電卓くらいしか買うことができません。気をつけたい点です。

  • 8:25

 試験会場到着。いつもの大原の校舎でした。仕訳と付箋のついた問題を見て過ごす。試験官が入ってきたときにトイレに行く。

  • 9:00

 説明開始。問題が配られる。解答用紙に名前を書くときに、第3問が合計残高試算表、第4問は伝票か?第5問が精算表の標準問題であることが予想できました。

  • 9:14

 試験開始。予定通り5→1→3→2→4の順。特に鉛筆が止まるところもなく、1時間ちょっとで解き終わりました。残った時間は電卓を叩きまくり、ひたすら検算をしていました。

  • 11:14

 試験終了

  • 12:00

 大原での解答速報会に出席。満点でした。

試験を終えて

 合格発表の日に自分の受験番号をネットで見つけることができました。点数を確認したら、やっぱり満点でした。今回は簡単な回だったようですが、それでも一つの結果を出すことができたのは嬉しかったです。

 今は2月を目標に簿記2級の勉強をしています。仕事では簿記3級の知識で事足りるのですが、せっかく勉強を始めたのだから工業簿記を勉強してみたい、また自分の仕事と無縁の本支店会計や社債についても勉強してみたい、と思ったからです。簿記2級は簿記3級の知識が必要となります。学校でしっかり基礎を固めておいてよかった、と何度も思います。

 簿記の勉強を止めようと思ったことは多くありました。試算表でどれだけ頑張っても合計が合わない時は、自分は理系で数字が好きなのにどうして?と涙が出たこともありました。でも頑張っているのは自分一人ではない、と励まし合う仲間がいたことは本当にありがたかったです。

 決まった日の決まった時間に学校に行かなければならない、というデメリットを感じる方は多いと思いますが、そのデメリットを遥かに上回るメリットが自分にはありました。

 簿記検定ナビには質問もさせて頂き、何度も助けられました。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

管理人からYassyさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 大原のテキストは分かりやすいのですが、問題集は解答用紙がwebからダウンロードできず、コピーを事前に取る必要があったため、お薦めできません。テキストは90点、問題集は50点です。

 なるほど!わかるテキスト 日商簿記3級(TAC)は挫折してしまったので40点です(今読めば分かりますが)。

 合格するための過去問題集 日商簿記3級 117~128回(TAC)は解説が詳しくてお薦めです。100点ですね。

 出題パターンと解き方 日商簿記3級 98~117回(ネットスクール)は第1問、第2問という順に並んでいるのが、自分には使いにくかったです。また解説もあっさりしていました。70点です。

 Yassyさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は決算手続きです。見越し繰り延べは一度分かると確実な得点源となります。苦手な論点は「損益」勘定の使い方でした。これについては以下の3つの対応をしました。

・大原のテキストを読み返した(あまり効果なし)
・なるほど!わかるテキストを読み返した(これもあまり効果なし)
・98回からの問題集の第2問からピックアップして何度も解いた(抜群の効果あり)

 最後に借方と貸方の合計額を合わせるときに使う勘定科目、と割り切りました。

管理人コメント

 Yassyさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 解答手順に関しては、ラストスパート模試では1→5→3→4→2を推奨していますが、個人的にはどんな順番で解いてもいいのかな~と思っています。なお、本試験で難しい問題が出題された場合は、予め解く順番を決めていたとしても、その問題を強制的に一番最後に持っていくようにしてください。「(本試験では)取れるところから優先的に取る」のがポイントです。

 あと、Yassyさんも「(専門学校に通って勉強することにより)生活のリズムが出来ましたし、同じ目標に向かって努力する仲間と知り合うことができたのが最大の収穫」とおっしゃっていますが、これは本当にでかいと思います。

 最近では、TwitterなどのSNS経由で受験生同士が気軽に交流できるようになりましたが、やはりリアルに顔をあわせて切磋琢磨するに越したことはありません。昔に比べると受講料もこなれてきましたので、時間を捻出できる方にはTACや大原等の通学講座をおすすめします。

Yassyさんが使われた教材や電卓のまとめ