ネットを使って賢く情報収集しよう!勉強は「理解」重視で!!

  • 投稿者:ユーゼスさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月

受験までの経緯

 職業訓練で簿記3級を勉強し、それから簿記に対して興味を持ちました。3級に合格後「就職に役に立つかもしれない」「せっかく3級に受かったのだから2級も勉強してみよう」という、割と軽い気持ちで2級の勉強も始めました。

使用テキスト・問題集

勉強方法

 はじめに、勉強期間は約1ヵ月ですが、私は夜に時々アルバイトがある以外は基本的にフリーな、いわゆる「フリーター」あるいは「半ニート」という状態ですので、この「1ヵ月」は有り余る時間を活用したうえでの勉強期間となります。一般的な社会人あるいは学生の方とは全く異なる時間基準ですので、当てにしないでください。基本的な勉強方法は、以下のような流れです。

  1. テキストを1つのテーマの分流し読みする(よく分からない箇所があっても無視する)
  2. 1で読んだ部分をもう一度集中して読み直し、理解する
  3. トレーニングを解いて理解が十分かチェックする

 トレーニングで間違えた場合は「どうして間違えたのか」を把握することが大事です。単なる計算ミスや転記ミスなどは気にすることはありませんが(あまりに多いようなら対策を考える必要も出てきますが…)、公式を間違って覚えていたり、覚えていない箇所があったせいで間違えた時はちゃんと正しい内容を覚え直す必要があります。

 すぐ上でも言いましたが、最も重要なのは「理論を理解する」ことだと思います。公式を覚える場合でも、単に公式を暗記するより「どうしてそういった公式になるのか」という理由も含めて覚えた方が忘れづらくなります。

 短期集中型の勉強なら暗記メインでも何とかなるかと思いますが、まとまった時間が取れない社会人などは、時間の合間を縫っての長期的な勉強になると思いますので、面倒でも理論をちゃんと理解しながら進めたほうがいいと思います。「急がば回れ」です。

 テキストを読んでもよく分からない時にはインターネットを利用しました。インターネットは大変便利です。実際のところ、これなしでは私は途中で諦めていたと思います。簿記検定ナビのように総合的に簿記を扱う便利なサイトがありますし 分からない項目名で検索すると、その項目に関する詳しい説明を掲載しているサイトが見つかります。

 テキストの説明よりも細かく解説したり用語を噛み砕いて分かりやすく解説してくれているサイトも多いので便利です。解説をしているサイトが見つからない場合でも、yahoo!知恵袋のような質問サイトを利用すれば他人から意見を求めることも可能です。

 ただ、いずれにせよ完全に納得のいく解説が得られる保証はありませんので、そこは独学の欠点としてあらかじめ了承しておく必要があると思います。

試験対策

 問題集は模試8回+過去問3回が収録されているものを購入しましたが、実際にやったのは模試2回と過去問2回の計4回だけです。4回しか解いてない人間が言っても説得力がないでしょうが、模試や過去問はできる限りたくさん解いておいたほうがいいです。

 自分の理解が不十分な点が分かったり、試験当日の雰囲気に慣れることができます。特に過去問で合格点を取得できると、大きな自信になります。逆に言うと、過去問で不合格になると結構落ち込みますが、そういう時は「これが本番じゃなくてよかった、助かった」とポジティブに考えましょう。

試験日の1日の流れ

 試験当日の流れですが、相当ひどいです。土曜の深夜に毎週楽しみにしているインターネットラジオがあるので、それを聴き終えて寝たのが午前4時過ぎごろでした。その後一旦8時半に起きて軽い朝食を食べた後二度寝。

 正午に起きて自宅を離れ途中飲食店で昼食を取り、試験会場に着いたのが試験開始30分前の午前1時。前日に夜更かしするというのが非常識に思われるでしょうが、2級試験は午後実施と知ったので、これなら夜更かししても問題ないと判断したためです。

 試験は「3問目は後回し」「その他面倒そうな問題も後回し」という自分ルールに則って進めました。全体的に問題は易しめだったのですが、そのせいで逆に「これは何かトラップがあるのでは…?」と勘繰ってしまい、普段より余分に時間がかかってしまいました。

 3問目は問題自体はそれほど難しくなかったものの、整理事項の数がかなり多く時間がかかり、結構焦ってしまいました。随分と内容が少ないと思われるかもしれませんが、試験本番は合格するだけの実力が備わっていれば受かり、逆に実力が備わっていなければ落ちる、それだけだと思いますので、あれこれ考えずに平常通りにリラックスして過ごせればそれがベストだと思います。

 最後に、簿記において最も重要なことは「諦めないこと」だと思います。不幸にも問題が難しかったり、計算ミスをしたりして不合格になってしまうこともあるかもしれません。しかし、合格できるだけの実力が備わっていれば、いつかは合格することができます。2級は独学でも十分合格できる難易度です。頑張ってください。

管理人からユーゼスさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 商業簿記のテキスト&トレーニングは90点、工業簿記のテキスト&トレーニングは85点、直前対策の問題集は80点です。テキストは初心者にも分かりやすいように説明されていますし、発展・応用的内容も適時触れられています。

 資格学校の講座でも実際に使われているためか、文章の内容もしっかりしていて読みやすいです。ただ、それゆえに噛み砕いた説明が欲しい人にとっては、一部説明が分かりづらい箇所も出てくるかもしれません。

 トレーニングはテキストの復習的内容の基本と、難易度の高い発展に分かれています。発展の問題にはかなり面倒で難しいものもありますが、ちゃんと回答を読んで解法を理解できれば力も確実につくはずです。工業簿記のトレーニングは、基本的な部分の解説が省略されている箇所が結構ありますので、その分を5点減点してあります。

 直前対策問題集は…可もなく不可もなく、といったところでしょうか(笑)別に出来がよくないというわけではありませんので、私が使ったものも安心して購入していただいて構いません。ただ、直前対策の問題集はどれを選んでもそれほど大差はないと思いますので、その場で適当に決めてもいいと思います。

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 SHARPの「ELSIMATE EL-BN611」を使いました。自宅にたまたま置いてあったものです(笑)色々な機能がついているようですが、私は基本的な機能しか使ってません(笑)大き目の電卓なのでボタンも押しやすく、その点は非常に良かったと思います。電卓はボタンを押しやすいのが一番!!だと私は考えます。
 ユーゼスさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意(だと思っている)分野は工業簿記の差異勘定の算出です。最初はシュラッター図が理解できずチンプンカンプンでしたが、図を理解できた途端一気に得意になりました。シュラッター図はとても便利な図なので、苦手な人も何とかして理解して使いこなせるようになってもらいたいです。

 あとは今回の試験の第2問に出てきたような、伝票会計の穴埋め問題も得意です。穴埋め問題は、極端な話簿記の知識がない人間でも解ける問題だと思います。ただし、一箇所でも間違えるとその後の箇所もすべて間違えてしまうという危うさも孕んでいますので間違いがないようじっくり解く必要があると思います。

 苦手分野は商業簿記の本支店会計、特に内部利益の扱いに苦戦しました。実際のところ完全に克服できたとは言い切れませんが「『どの商品に』『どれだけ』内部利益が含まれているのか」をちゃんと理解するように心がけてからは、間違うことが減ったと思っています。

 未達商品にも内部利益が含まれていることや、支店の期首商品に含まれる内部利益は「繰延内部利益」で処理される場合があること、支店の期末商品は外部仕入(内部利益なし)と本店仕入(内部利益あり)に分かれる場合がある…など、その時々に応じた内部利益の扱いをしっかりと把握するようにしました。

 やはり「理論をちゃんと理解する」ことが苦手分野の最大の解決策だと思います。

管理人コメント

 ユーゼスさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ユーゼスさんは1か月という短い勉強期間で見事1発合格されていますが、忘却曲線が示すように「短期間に集中して勉強する」のが一番無駄が少なくて効率的なので、比較的時間に余裕のある文系大学生の方には、ぜひこの合格体験記を参考にしていただきたいと思います。

 ユーゼスさんはネットの情報をうまく活用されたとのことですが、管理人が運営している簿記検定ナビ以外にも、「簿記の勉強に役立つサイト」というのは結構あります。ちなみに、管理人がおすすめする「簿記・会計サイト」は以下の3つです。

 上記の3つのサイトは、管理人が自信をもっておすすめできるサイト(簿記検定ナビのライバルサイトでもあるんですが…笑)ですので、興味のある方はアクセスしてみてください。

 あと、ユーゼスさんもおっしゃっていますが、過去問・予想問題は出来るだけたくさん解くようにしてください。最近は新形式の問題がよく出題されていますが、それ以外の大多数の部分については、相変わらず過去問と同じような問題が出題されていますので、奇を衒わずに正攻法で勉強を進めてください。

ユーゼスさんが使われた教材や電卓のまとめ