「考える勉強」と「間違いノートの作成」。私はこれで1発合格しました!

  • 投稿者:maruhikoさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

受験のきっかけ

 営業職に就いている社会人3年目のhiroです。財務諸表を業務で読む機会が増えてきたので、簿記を学習してみようと軽い気持ちで思い立ったのがきっかけでした。また、大学時代の友人や会社の同期・先輩の中にも専攻や業務に直接関係ないにも関わらず、簿記2級を保持し ている者が多いことも刺激になりました。

勉強形態

 勉強形態は独学です。知人の中にも専門学校にわざわざ通った者はいなかったので独学でいけると判断しました。使用教材は以下4点です。

  • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
  • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級
  • 簿記検定ナビ仕訳問題対策

 テキスト選びに関しては、知人やネットなど多くの人の意見を参考にしたところ、「スッキリわかる日商簿記2級」か「サクッとうかる日商2級 」の2冊が簿記初学者には最適と判断しました。そして、店頭にて実際に手にとって確認したところ、テキストと問題がセットになっている 「スッキリわかる日商簿記2級」を選びました。

 これらテキストを使い終わった今、独学でも対応できるすごく良いテキストにめぐりあえたと素直に感じています。ただし、テキストだけでは 実戦に全く対応できませんので、過去問題集に取り組むことは必須だと思います。

 また、「簿記検定ナビ」さんの仕訳問題対策には大変お世話になりました。5回ほど繰り返したと思いますが、仕訳問題対策のおかげで簿記の基本が身についたと心から感謝しています。この場をお借りしてお礼申し上げます。

勉強した期間・ペース

 簿記2級に費やした学習期間は約2ヶ月です。ポイントは、どのように効率的な学習姿勢を維持するかだと思います。私の平均的な勤務時間は平日の9時から21時前後ですが、私の周囲も似たような条件下で合格している者が多かったので、時間が無いというのは言い訳になりませんでした。

 それゆえ、平日は朝1時間早く起床し勉強に充て、どんなに遅く帰宅しても1~2時間は学習するよう心がけました。忙しい平日に集中して行うことで、頑張って作った時間を有効に活用しようという意識が生まれ、無駄のない学習姿勢を維持することができたと思います。

 週末は土日のいずれかで4~5時間は勉強しました。しかし、だらだらと長時間机に向かっていられない性質であり、勉強を理由に友人などとの付き合いが悪くなるのも嫌だったので、どちらかと言えば平日に徹底的に集中して学習しました。

勉強方法

 簿記学習を通じて意識した点は以下2点です。

  • いちど理解した類似問題を何回も繰り返さないこと

 生半可な自信だけが生まれますし時間がもったいないです。また、理解できていないところも理解できた気になってしまい、本当に必要な対策がおろそかになってしまいます。私の場合、伝票や総合原価計算はすぐに理解できたので、2度ほど問題を解いただけでそれら単元の問題には手をつけず、理解しにくかった本支店会計・標準原価計算の過去問題に集中して取り組みました。

  • 間違いノートの作成

 これは皆さん行われていることと思いますが、理解できずに間違えた問題は、間違えた理由・誤解答・正答方法などを書き留めておくことが大切です。同じ間違いを減らすことができますし、空いた時間にぱらぱら眺めるだけでも効果は大きいと思います。

勉強の流れ

 初めの2週間ではテキストで全体の流れの理解に努め、残りの1ヶ月半で過去問題集をやりこみました。テキストを学習する際に留意したことは、個々の仕訳に集中するのではなく、簿記全体の流れと簿記独自の考え方を頭に叩き込むということでした。

 商業簿記であれば財務諸表作成にいたる流れ、工業簿記であれば勘定体系がポイントになるでしょうか。細かいことを気にし出すと芋づる式に気になることが増えてきますし、理論ばかりを習得しても試験問題を解くことはできません。テキストを一通り読み、流れを理解 した後は、仕訳問題対策にて個別に苦手な論点をつぶしにかかりました。

 過去問題集に関しては、とにかく問題をひたすら解きました。もちろん、ただ単純に機械的に解くのではなく、論理的に考えて解答を導き出すことを心がけていました。そして間違えた問題は解説を読み、テキストに戻り、そして改めて理解した上で解けるまで何度でもトライし続けました。

 テキストでは理解した気になっていても過去問題にあたると手が出ないということがほとんどでしたので、ひとつずつ理解できる よう過去問題に取り組んだのが最大の成功の要因です。

試験日当日の1日の流れ

 朝はいつもの週末通り9時頃に起床。間違いノートをぱらぱらと眺め、本支店会計の過去問題と仕訳問題に取り組みました。簡単に昼食を作って食べた後に試験会場に向かい、試験開始30分前の13時には到着しました。

 試験会場では、30分前にも関わらず既にたくさんの受験生が集まっていました。熱心に勉強する人、落ち着かない様子でそわそわしている人など様々でしたが、そういった環境の中でも特に緊張はしませんでした。過去問題の不明箇所は全て理解できるまでやり続けた反復練習から来る自信が大きかったと思います。

 試験開始後は、まず全体を眺め、解答に時間がかかりそうな問題が出ていないかどうかを確認し、解答順序は1-4-5-2-3としました。特にこだわりは無いのですが、第4問・第5問が基本問題だったので先に解答しました。仕訳問題を除いて詰まるところもなく時間内に余裕を持って解答を終え、92点(仕訳2問間違い)で合格しました。

管理人からmaruhikoさんへ追加の質問

 「間違いノートの作成には時間がかかるので不要」という意見もありますが、これについてはどう思いますか?
 私は必要だと思います。理解できずに間違えた問題は、実際に手を動かし要点を書き留めることで意識が集中し、より早い理解につながるからです。

 しかしながら、ご指摘のように丁寧に作成しようとすると時間がかかりますので、私の場合は殴り書き程度のメモに留めておき、時間をかけずに効率的に作成していました。

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 電卓は「Canon LS-121TU」です。職場で支給されたものを使いました。12桁表示でキーも押しやすく使いやすいのでおすすめです。
 maruhikoさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は伝票・総合原価計算です。苦手な論点は特にありませんが、理解し難かった論点は本支店会計・製造間接費の差異分析です。

 今思い返すと、本支店会計を克服できたポイントは、簿記の基本である仕訳と転記の理解にありました。ただ単に過去問題を繰り返し解いただけですが、それでも少しずつ精度とスピードが上がってきたのを実感できましたし、貸借の一致が学習をする上での楽しみになってきました。

 製造間接費の差異分析については、シュラッター図の理解が必須となります。当初、図を描かずに解答できないものかと試みていたのですが、正答を導き出すのに時間がかかり正確さにも欠けるのですぐに諦めました。その後、解説を熟読し何度もノートに書き写すことで、図の意味を理解するように努めた結果、格段に正答率が上がりました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 効率的な学習姿勢の維持・間違いノートの作成・とにかく書いて覚えるなどいくつか紹介しましたが、最後にもうひとつ挙げるとするならば、情報の取捨選択をしっかりするということでしょうか。

 簿記2級は各種資格の中でもかなり人気のある部類に入ります。それゆえ、巷にはたくさんの情報が氾濫しており、参考書ひとつ決めるのも容易ではありませんが、自分でしっかりと考えた上で情報を選び、決定したことをやり抜く意志が合格への近道となるのだと思います。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 簿記2級はビジネスにおける基礎を学ぶつもりで取得したので、資格自体を活かせるとは考えておらず上位資格に挑戦するつもりもありません。今後は、連結会計など業務に関連した分野を必要性と興味に応じて学びたいと思います。

管理人コメント

 maruhikoさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!「勉強方法」の項で挙げていただいた「いちど理解した類似問題を何回も繰り返さないこと」と「間違いノートの作成」の2点については、僕もすごく大事だと思います。

 前者については、仕訳問題対策の使い方にも通じるものがあります。簿記3級・簿記2級ともに仕訳問題のリストを用意していますので、そちらを使って「理解できた問題」と「理解できなかった問題」を把握するようにしてください。個人的には、2回連続で正答した問題については「理解できた問題」として処理し、次回以降はスキップすると効率よく勉強できると思います。

 後者については、「間違いノート作成による時間的なロス」以上の効果が得られますので、ぜひ作成して有効活用していただければと思います。ただ、maruhikoさんもおっしゃっていますが、丁寧に作りすぎないように気をつけてください。ポイントを端的にまとめた間違いノートは、作成時間の短縮だけでなくチェック時間の短縮にも繋がります。

 あと、試験が始まったらすぐに問題を解き始めるのではなく、問題用紙と解答用紙に目を通して問題の難易度を把握するようにしてください。その上で、目を閉じて大きく深呼吸をして、一度気持ちを落ち着かせてから問題を解き始めるようにしてください。たったこれだけのことですが、やるのとやらないのとでは大きく違いますので、騙されたと思って取り入れてみてください。

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