試験では取れるところから解答することが大切!100点を狙う必要はない!

  • 投稿者:kuretaさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約4か月半

はじめに

 私は現在大学2年生です。検定を受けようと思ったきっかけは何か資格が欲しいと思ったからです。商業高校出身で簿記を勉強してきましたが簿記が大嫌いで商業高校主催の簿記検定も2級に3回も落ち、自分には簿記があっていないと思っていました。

 大学に入学してからも経営学部だったもので簿記は避けて通ることができず、毎週簿記の講義は苦痛でした。しかし、講義の中で先生が「簿記は武器になる」という言葉で日商簿記2級の勉強を始めることにしました。

 129回に日商簿記2級を受験したのですが、勉強時間が足らなくてヤマを張ってそこの論点だけを集中的に勉強したのですが、試験には出ないところも多く、落ちました。なので今回はヤマを張ることをせずまんべんなく勉強することにしました。

使用テキスト

  1. 近藤孝之著『日本一やさしく日商簿記2級を解説しました商業・工業簿記問題集[初版](とりい出版、2010年)中古品
  2. 渡部祐亘他著『新検定簿記ワークブック2級商業簿記[7版4刷](中央経済社、2010年)
  3. 岡本清他著『新検定簿記ワークブック2級工業簿記[6版1刷](中央経済社、2010年)
  4. ダイエックス簿記試験対策PJ著『日商簿記2級まるごと過去問題集[初版](ダイエックス出版、2011年)
  5. ネットスクール編著『第131回を完全予想!ラストスパート模試日商簿記2級[初版](ネットスクール、2012年)
  6. 簿記検定ナビ・仕訳問題2級

勉強方法

 独学で勉強を始める前に試験日までの勉強計画を立てました。計画を立てる際に気を付けたのは無理な勉強はしないこと、毎日勉強することです。無理な計画を立てると途中で挫折するかもしれないので、1日少しでも必ず勉強することを心がけました。

2012年3月の勉強

 この1ヶ月間は基礎固めを目標に勉強しました。テキストで分からなかったところは自分なりに調べ、苦手な論点を作らないようにしました。間違えた論点や間違えそうな論点はノートにまとめ、後で見直すようにしました。

まとめノート1
まとめノート1
まとめノート2
まとめノート2

2012年4月の勉強

 4月からは過去問題を取り組むようにしました。1日に2回分の過去問を解き、間違えた論点はノートにまとめました。過去問を解く時は必ず時間を計ってやるようにし、時間配分に気を付けました。過去問をやっていて気がついたのは「分かっていたつもりだっただけであまり力がついていなかった」ことです。

 1週目ではほどんど合格点に達してませんでした。ショックでしたが自分の学習理解度がどれくらいなのかがはっきり分かり、弱点が見えて良かったです。解説を見ながらなぜこうなるのか理解しながら進めていきました。

2012年5月の勉強

 過去問にもだいぶ慣れてきて合格点に達するまでになりました。でも点数は取れるようになってきたのですが、時間はギリギリ。原因は第3問の総合問題で特に精算表が苦手でした。頑張っても30~40分掛かり、一番ミスが多かったです。

 ある時から下書きを限りなく少なくするようにして、整理仕訳も1つ終わったら解答用紙に書き込むようにしたら飛躍的に時間短縮することができ、さらにケアレスミスもなくなりました。

 5月中旬からラストスパート模試を解き始めました。1週目は第1予想84点・第2予想78点・第3予想86点・第4予想76点で平均も80点を超え、過去問も90点超えるようになりました。

2012年6月の勉強

 6月は過去問(15回)、ラストスパート模試(4回)すべてで100点を取るまでひたすら繰り返しました。何回も繰り返したので時間も1回50分くらいで終わり、下書きも片面で済むようになりました。本試験もただ合格するだけではなく、満点合格を目指す勉強に変わってきました。

 4~6月の勉強の基本形態は午前に簿記検定ナビさんの仕訳問題2問、午後と夜に過去問を1問、寝る前に間違えノートを読むです。試験2週間前からは基本形態の2倍の問題と解きました。

試験日の1日の流れ

  • 前日~試験開始前まで

 前日の夜は早めに寝ようとしたのですが、全然眠れませんでした(笑)21時くらいに布団に入って寝ようとしたのですが緊張して全然寝られなくて、時計を見たら3時になってました。

 どうしても眠れなかったのでこのまま試験時間まで起きていようと決意しました。でも勉強はしないで10時まで映画やドラマを観ました。おかげでかなりリラックスすることができました。

 11時に昼食を食べてから余裕をもって試験会場に向かいました。試験会場は私が通っていた大学でしたので雰囲気に飲まれることはなかったです。試験会場には30分前に到着して、自分の席に着席。間違いノートを確認しながら試験に備えました。

  • 13時30分

 解答用紙が配られ、名前と受験番号、生年月日を記入しました。記入しながら解答用紙を見ました。第1問はいつものように仕訳問題、第2問は残高試算表。(変化球問題じゃなくて安心しました。)第3問はP/L。第4問は仕訳問題。第5問は工程別総合原価計算表。

 第3問・第5問が意外でしたので結構同様しました(汗)特に第5問はほとんどの予想で直接・標準原価計算でしたので焦りました。解答用紙を見ながら1→2→4→5→3で解くと決定。

  • 13時35分(試験開始!)

 まずすべての問題に目を通したうえで、仕訳問題から開始。特に難しい論点は出題されなかったので一安心。第2問をやっていると推定が多いことに気づく。時間が掛かりそうだったので第2問は飛ばして工業簿記をやることにしました。工業簿記はボリュームが少なく、簡単だったので15分くらいで終わりました。

 続いて第3問。見慣れない形だったので焦りました。しかもあまり出題されたことがない論点があり、悩みましたがなんとかできました。最後に第2問を解いたのですが、結構難しかったです。緊張もあり少しパニックになりました。

 結局解くのに30分掛かり、終わったのが試験終了30分前。一通り見直ししていると、第4問の差異分析で桁ミスを発見。急いで修正。結局B/Sの作成中に終了しました。

試験勉強を振り返って

 全体的な感想としてはやや簡単だったと思います。第2問は少し難しかったですがほとんど過去問と似たような問題でしたので過去問をやってきた人にはラッキー回だったと思います。

 しかし、解答する順番が合否を分けたと思います。商業簿記から解いた人は最後まで終わらなかったかもしれません。試験では取れるところから解答することが大切で100点を狙う必要はないです。100点と70点も同じ合格です。これから受験する方は解答する順番も気を付けて頑張ってください。

 日商簿記検定は「テキスストを読む→過去問を解く」この流れで十分合格を狙えると思います。予想問題もいいですがやはり過去問をやり込むことが大切だと実感しました。

試験結果

 6月21日に合格発表がありました。合格発表前は不安とドキドキで夜もあまり眠れなかったです。合格発表のときにWebで確認すると自分の受験番号があり、とても嬉しかったです。さらに自分の番号が枠づけされていて、満点合格だと知りました。自信はあったのですが正直不安でした。「のれん償却」を「のれん償却費」と記入したので。

最後に

 私は現在日商簿記1級の勉強をしています。ボリューム・難易度も格段に上がりますが簿記の土台がしっかりしているとそれほど難しくないです。基本が大事になりますので基本を怠らずに勉強を頑張ってください!

管理人からkuretaさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 使用したテキストは10点、問題集は90点です。テキストは安いのですが細かい解説がなく、独学には向いていないと感じました。問題集は詳しい解説があって、なんでこうなるのか?という疑問が解決できたのでこれから勉強する方におすすめです。
 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CANON HS-20TGです。押しやすいのでおすすめです。
 kuretaさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は工業簿記の直接原価計算です。多くの専門学校では131回の第5問は直接原価計算が第1予想でしたのでどんな問題が出てもいいように問題をこなしたので(笑)本試験で出なかったのでちょっとショックでした。

 苦手な論点は商業簿記の特殊商品売買です。いろんなパターンがあり、よく頭の中が混乱しました。なので簿記検定ナビさんの仕訳問題を使い、特殊商品売買だけをピックアップして何回も解きました。さらに図に描いてわかりやすくして理解しました。

 kuretaさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 集中力が切れたらその日の勉強をやめるようにしました。いやいややっても力がつかないと思ったからです。そうしたことで途中で挫折せずに済みました。
 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 当たり前ですがテキストは解説がわかりやすいものを使用するべきです。私は出費を抑えようとして一番安いテキストを使用したのですが解説が少なくて苦労しました。

 また、間違いノートを作るのもおすすめします。試験直前の空き時間に見直しができるからです。さらに寝る前に間違いノートを見ることで苦手な論点や間違えた論点を覚えることができます。

 あとは予想問題集はいらないと感じました。予想問題は本試験よりも難易度が高く、ヤマを張りがちでまったく別な論点が出題されたらパニックになります。ヤマが当たった時に気が緩んでケアレスミスの確率が高くなります。私はそうでした。予想問題を解くよりも過去問題を数多く解くほうが日商簿記では有効だと感じました。

管理人コメント

 kuretaさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!満点合格のコツが各所に散りばめられていて、読み応えのある合格体験記に仕上がりました。

 まず参考にしていただきたいのは、勉強の計画を立てる際は「遊び」をもたせて三日坊主にならないように気をつけるという点と、少しの時間でもいいから毎日勉強すること、の2点です。

 私の受験生時代の話しですが、現実を無視してギツギツな計画を立てて、「これだけやれば完璧だ。ふふふ。」なんて思っていましたが、すぐに計画倒れになってモチベーションが下がってしまいました。

 あとは、「試験勉強を振り返って」の欄に書いていただいた「試験では取れるところから解答することが大切で100点を狙う必要はない」というのも大事です。

 予想が外れたり見たこともないような問題に直面すると、ドツボにはまって時間を浪費してしまうことがありますが、そういう時こそ冷静になって部分点を積み上げていくことに力を入れましょう。

 「取れるところから取る!取れないところは部分点を狙う!」というスタンスを常に意識して総合問題を解くようにしてください。

kuretaさんが使われた教材や電卓のまとめ