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  • 第131回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.66

    専門学校の無料サービス(予想大会・直前講習)を有効活用しましょう!

    • 投稿者:そらさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     前職は営業で、請求書・納品書も基本的に機械化されておりミスがないかチェックするだけ、指定請求書のところだけフォームに従い書いていました。入金の確認も経理課、手形集金に数社行くだけでした。

     結婚後パート事務に転職し、営業所の事務全般を1人でしています。業種も変わり、職種も変わり慣れないこと色々でした。本社の経理の人と話している時に、「売掛金」「振出日」などと経理用語を言われても??ということもあり都度調べていましたが、一度勉強しようと簿記のテキストを買いましたがそのタイミングで妊娠、つわりで挫折。

     産後復帰しましたがそのままになり、今回は初めは簿記検定に関係なく簿記の勉強をしようと本を購入しました。しかし、やはり検定を挫折した思いもあり受検を決めました。

    メイン教材について

     前回挫折した時に買ったテキストはネットスクールのとおるシリーズでした。あまりにも古く、挫折したこともあり今回はネットスクールの「すいすい簿記マンガみてGO」にしました。また問題集は、対応している「サクッとうかる日商簿記3級 トレーニング」にしました。すいすいは、マンガも入ってとても読みやすく、サクッとトレーニングにも対応していて使いやすかったです。

     過去問は、同じくネットスクールの「出題パターンと解き方」にしました。こちらは回数別は2回分で、あとはパターン別に並んでおり使いやすかったです。予想問題集は、ネットスクールのラストスパート模試。こちらは本番に的中!!ビックリしました。

     ネットスクールは、ホームページに掲示板があるのでそこで質問ができたり、パタ解きのWEB解説があったり予想大会があったりと、独学者にありがたいサービスがたくさんあります。また、予想大会でアンケートに答えたら合格ストラップが当たり、試験会場にも持参しました。ネットスクールはかなりお勧めです。

    簿記検定ナビさん

     簿記検定ナビさんの仕訳問題は、問題だけ印刷して2回やりました。こちらはとても勉強になり、仕訳の自信につながりました。2回やりそれでも間違えた問題については、ラストスパート模試についていた「ラスパカード」と同じくらいのサイズの紙に書き、ラスパカードと一緒に持ち歩きました。

    大原の出題予想会

     こちらは思ったより、参加者が少なくてびっくり。私が参加したところは、出題予想会なのですがファイナルチェック問題(予想問題)をその場で解き(確か1時間半位と本番より短い時間でした)解説を受けました。

     今まで苦手で理解できていなかったポイント(帳簿の締め切り)も分かりやすい解説で理解できました。他にも出題予想や注意ポイントなどを説明があり役に立ちました。参加して良かったです。大原が近くにない方はネットでも見られるし、ファイナルチェック問題もダウンロードできるのでお勧めです。

     本当は「特別講義&問題特訓」も行きたかったのですが、私がホームページを見たときには載っていなかったので今年は無いのかなぁと思ってそのまま忘れており、気がついたのが開催日の翌日でした…。2級の時は受けたいです。

    TACの「無敵の予想大会」・書籍

     参加したかったのですがこの日は予定があり、参加できずオンデマンドで見ました。ネットスクールの書籍を見直す時間を考えると更に書籍を増やすか迷いに迷って、この予想大会で使うテキスト2冊「無敵の簿記3級」「131回をあてるTAC直前予想」を購入しました。

     買った時期が遅かったのもあり、直前予想のほうは1回しか見る余裕がありませんでしたが、本試験よりも難しく感じました。1回しか見られないと思ったので、間違いポイントは蛍光ペンで塗っておきました。パラパラパラと直前にそこは見ました。使うのはラスパを優先したという感じです。

     これは図書館で借りた「日商簿記3・2級 受かる勉強法、落ちる勉強法」という本で、ラスパが勧められていたからです。TACのほうは3級は勧められない、2級は勧められるとのことでした。ただ、この本を借りたのが試験3日前くらいでした。予約をしていたのですが、手元にきたのが3日前くらいだったのです。

     「無敵の簿記3級」のほうは、買った時には特集の見越し・繰り延べ等は理解できていましたし、「じぶんカレンダーをつくろう!!」などはネットスクールの予想大会のアドバイスなどで作るので不要で、いらなかったかなと思いました。ただ、付録の「ネコの手BOOK」というポイントをまとめた別冊は薄くて持ち歩きやすかったので結構使いました。結果的には、買って良かったのかもしれません。

    LECホームページ

     LECのホームページは登録すると「ファイナルチェック」というPDFファイルが見られます。こちらを印刷して持ち歩いていました。

    出題予想

     簿記検定ナビさん・ネットスクール・V倶楽部(TAC)など、出題予想は色々なところで見られます。全て信じてそれしかやらないというのはまずいと思いますが、頼るのはいいと思います。ネットスクールは、出題予想大会でラスパの問題と同じパターンのパタ解きやサクトレだとどの問題になるという説明もあったので使いやすかったです。

    試験日までの勉強法

     2月16日~22日…すいすいを読む。2月23日~3月17日…サクトレ基礎2回繰り返す。3月18日~4月3日…サクトレ本試験レベル2回繰り返す。この間すいすいも見直しています。

     4月4日からひたすらパタ解きをやりました。1週目は1問を全て解く。2週目は5問+1問の復習を。3週目は…という感じでしていました。まずは第1問・第3問・第5問を2回、第2問・第4問を1回した後に、回数別のほうに進んでいきました。

     この時にラスパやTAC予想なども使っていました。過去問はだいたい合格点には届いていましたが、ラスパは高得点の回もあれば59点という回もあり、TACのほうも高得点の回もあれば、50点くらいの回もあり…という状態でした。

     直前期になると大原のファイナルチェック問題を見直したり、無敵の簿記の問題を解いたりもしていました。直前3日前くらいからは、もう一度見直す時間はないだろうということで、間違えた問題には付箋を貼りました。

     私は今回落ちても次は2級と決めていたので問題や解説にラインを引いたり、付箋に間違えポイントを書いたりしました。パタ解きの表紙裏にも第1~5問の気をつけるポイントを書きました。当日はこれらを試験会場でチェックしていました。

    試験日1日の流れ

    • 試験日の朝

     あまり覚えていないのですが、起床後朝ごはんを食べ、娘にも食事をさせました。試験会場までは主人と娘に車で送ってもらいました。会場自体は色々な用事で行ったことがある建物でしたので特に困ることはありませんでした。

    • 会場にて

     まずトイレに行き、席でパタ解きに自分で書いたメモなどを見返していました。チョコレート持参し、チョコレートとお茶を飲みました。結構欠席の方が多く、私の隣もいなかったので三人席の真ん中の椅子を欠席者のほうに少し寄せておきました。

     隣がいなかったこともありスペースに余裕があったので、予備の電卓やシャープペンシル等も出しておくことができました。

    • 試験開始!

     試験は「1→5→3→4→2」の順番で解きました。第4問はラスパそっくりでびっくりしました。約1時間で解けてしまいびっくりしました。その後時間もあったので、直接問題用紙に解答を書きながらもう一度解き、解答欄と比べました。5問の1の現金過不足で悩んでしまいましたが、部分点ももらえるし、大丈夫かなという感じでした。

     まだ時間ありましたが、途中退席はイヤなので見直したりボーっとして今までの勉強の毎日を思い出したりしていました。

    家に帰ってから

     娘と主人に今までのことを感謝し、ネットスクールと大原の解答をネットでチェックしました。すると1~4問は全問正解。5問はメモをしましたが、自分のメモが理解できず…結果はよく分かりませんでした。それでも合っている答えが多そうだったので、この時点で合格を確信しました。

    合格発表

     100点満点での合格でした。合格はインターネットで知り、点数は郵送で希望者に送っていただけるので希望しておき翌日に届きました。

     2級もネットスクールのサクッとDVDセットと使い慣れたすいすい簿記で勉強を始めました。もちろん、簿記検定ナビさんにもお世話になりますので今後とも宜しくお願いします。

    管理人コメント

     そらさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     そらさんはネットスクール・大原・TACが実施している出題予想大会や直前対策講習を有効利用されていますが、これらの多くは無料ですし、参加したからといって強引な勧誘をされることもありませんのでおすすめです。

     あと、そらさんは2級については「DVD+書籍」で勉強するとおっしゃっていますが、現時点ではこの形が一番、費用対効果が良い勉強スタイルだと思います。

     通信講座・通学講座よりも安上がりですし、人気講師の授業を好きな時に受けられるので独学特有の不安も和らげることができます。個人的にはネットスクールとTACのDVDセットをおすすめいたします。

    そらさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.65

    合格に必要なもの…それは「合格したい!」という執念だと思います!

    • 投稿者:イルカ船長さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    簿記を学ぼうと思ったきっかけ

     仕入企画部門の仕事をしていた4年前、仕事の質を高めたいと思い、簿記を学び始めました。たまたま新聞の折り込みチラシでユーキャンの簿記講座を知り早速申し込み、到着した教材で気合いを入れて勉強開始!…ですが、残念ながら私はついて行けませんでした。

     理由はおそらく面白さを感じなかったことにあると思います。テキストの内容は充実しているのですが、教科書的な記述だったため馴染めず、次第に簿記の勉強が嫌になっていきました。テキストを半分程済ませたあたりで、挫折しました。

     昨年、配置転換で総務・経理の部署へ異動し、慣れない仕事を覚えることで精いっぱいの日々を送りながら、今度は本当に簿記の知識が無いとまずいことになると感じて、再トライを決意しました。

    テキスト選び

     挫折(マイナス)からのスタートということで、とにかく簿記アレルギーを払拭することから勉強を始める状態でした。インターネットの情報を参考にしつつ、実際に書店で手に取りよく確かめて「これならやっていけそう」と思えるものを選ぶことが大切だと思います。

    1. はじめての人の簿記入門塾(浜田勝義著/かんき出版)
    2. 日商簿記3級 最短集中ゼミ(浜田勝義著/かんき出版)
    3. サクッとうかる 日商3級商業簿記テキスト(ネットスクール)
    4. サクッとうかる 日商3級商業簿記トレーニング(ネットスクール)
    5. 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)
    6. 仕訳問題類題集(簿記検定ナビ)
    7. サクッうかる日商3級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)
    8. 出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)
    9. すいすい♪簿記3級 まんがみてGo!(ネットスクール)
    10. ラストスパート模試(ネットスクール)

    勉強の流れ

    はじめての人の簿記入門塾(浜田勝義著/かんき出版)

     1月中旬より軽い気持ちで読み始めました。簿記の目的から始まり、決算までの一連の流れがマンガをまじえながら読みやすく書かれているので、最後まで読み通すことができて一安心。

    日商簿記3級 最短集中ゼミ(浜田勝義著/かんき出版)

     基礎を身に付けるには同じ著者のテキストがいいかな?と思い、Amazonで中古本を購入しました。少し古い内容でしたが、3級で学ぶ範囲を知るには十分な内容でした。2月下旬までの約3週間、主に通勤電車で読み通しました。

    サクッとうかる 日商3級商業簿記テキスト(ネットスクール)

     サクテキはわかりやすい論点解説に加えて取引イメージのイラストが豊富で、とても理解しやすい良書だと思います。私は14日目標のスケジュールで焦らず学習しました。通勤電車の中や会社の昼休みのスキマ時間も使いながら、帰宅後毎日1~2時間程の時間をあて読み込みをしました。

    サクッとうかる 日商3級商業簿記トレーニング(ネットスクール)

     前記テキストに完全準拠している基本問題中心のサクトレ。テキストの単元に沿って同時併用しました。問題の解説が詳しいので助かりました。テキストとセットで何度も復習することにより、苦手な問題があっても必ず克服できるようになります。

     基本問題を2回転した後、本試験レベル問題を3回転しました。基本問題~本試験過去問のレベルはかなり違いますが、サクトレはこのレベルの違いを上手く橋渡ししてくれました。サクテキ&サクトレを使った総学習期間は、3月~4月中旬までの約50日間です。

    仕訳攻略ナビ(ネットスクール)

     「仕訳は簿記の要」とよくいわれます。私は仕訳に自信が無く、書店で良い参考書を探していたところ、この本に出合えました。仕訳に的を絞った本は「問題と解答だけ」「基本仕訳に偏っている」などの点に不満があり、適書を選ぶのに苦労しました。

     仕訳攻略ナビは基本論点はもちろんのこと、本試験レベル仕訳に至るまで一貫して理論的な解説がなされており、図も豊富なため、しっかりと取引をイメージしながら仕訳が理解できるようになります。5~6回転させた頃には、仕訳に自信を持てるようになりました。

    仕訳問題類題集(簿記検定ナビ)

     管理人様が無料で提供して下さっている本試験の仕訳類題集です。問題・解答・解説の全てをプリントアウトさせて頂き、前記「仕訳攻略ナビ」と並行して勉強しました。B5の用紙に両面印刷したので、3回分程度であれば鞄に入れても重さは感じません。毎日電車の中で活用しました。

     電車の中で行う仕訳のイメージトレーニング。この効果は絶大です。特に本試験第3問を解くさいにその効果は実感できると思います。

     定番の試算表作成問題では、数多い取引を正確に素早く仕訳なければなりません。私は頭の中で仕訳をして、計算用紙にはTフォームを設けて直接金額を記入していきました。時間が短縮されるとともに、集計のスピードと精度が高まりました。

    サクッうかる日商3級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)

     この本は過去問に慣れるための準備として使いました。付属の解き方集は一読の価値があると思います。

    出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)

     大問ごとに出題パターンが整理されていますので、どこに注力するべきかを把握しながら効果的な過去問対策ができると思います。解き方、解説ともに詳しいです。配点比率の高い1・3・5問を中心に過去問を解き、本番まで約2回転させました。

     今思いますと、過去問は3~4回転程こなしておいたほうが良いように感じます。時間管理ができなかった反省点です。最初は解けなくても、解説を読み理解し、再度解く。このサイクルで苦手なところが少しずつ解消できました。

     出題頻度は低くても全てのパターンにあたっておいたことはよかったと思います。問題の要求は同じでも、違う角度から考えてみると理解がより深まりますし、本番での対応力の幅が広がったと思います。学習期間は4月末~5月末まで、約30日でした。

    すいすい♪簿記3級 まんがみてGo!(ネットスクール)

     5月末に各論点の再確認のために読みました。著者は同じですが、サクテキの解説とは違う味わいがあります。スキマ時間だけでも2~3日あれば読めますので直前期にはおすすめです。

    ラストスパート模試(ネットスクール)

     4回分の総仕上げ模擬問題でした。出題予想に特化していますが、含まれている出題パターンは、過去の重要パターンがほとんど網羅された構成になっています。この4回分で満点が取れるまで、5月末~試験前日まで必死に取り組み、4回転させました。「自分なりにやるべきことは全てやった」と思いました。

     あとは、間違いノート・まとめノートは作りませんでした。作る余裕がなかったというのが正直なところです。こちらも今思えば作るべきだったと反省しています。

    使用した電卓・筆記用具・小物

    電卓:CASIO JS-20WK

    • 「0キー」が私の手に馴染む位置に置かれていました
    • キータッチが気持ち良いです
    • 電卓に触るのが楽しくなりました

    シャープペンシル:「クルトガ」0.3mmタイプ(芯はB)

     線幅が安定するので清算表などの小さい解答欄への記入に役立つと思います。Bは柔らかいので書きやすく、消しやすい気がします。

    消しゴム:コクヨ製「カドケシ」

     角がたくさんある形のため、狭い部分だけを消したい時にストレスを感じません。

    ストップウォッチ

     過去問とラストスパート模試を解くさいに使いました。計測開始とともに頭が問題に集中します。常に視野にストップウォッチを置いておき、自分にプレッシャーをかけながら問題を解きます。

     解答までに要した時間を秒単位で記録しておき、2回目・3回目と回を重ねるごとに時間の変化を確認することで、時間配分の意識が高まったと思います。

    • 5:30 起床

     熱めのシャワーを浴び、体全体を目覚めさせました。試験中のトイレリスクを回避するべく、朝食は普段より軽めにし、また水分も控えめにしました。

    • 7:30 出発

     会場までの所要時間は下見でわかっていましたが、電車遅延などがあってもあせらず対応できるように早めに自宅を出発しました。気温は少し汗ばむ程度でしたが、管理人様のアドバイスに従い、長袖シャツを1枚持参しました。服装はジーパンにTシャツと履きなれた靴です。

     電車の中ではラストスパート模試付属の仕訳カードに目を通しました。頭の栄養を与えるため、キャラメルを2個食べました。

    • 8:13 試験会場到着(商業高校)

     すでに受験生が到着していて、入室を待っている状況でした。半数以上の方がテキストなどを読んでいる様子。私は相変わらず仕訳カードで仕訳のイメージトレーニングをしていました。

    • 8:20 入室開始

     皆一斉に入室を開始しました。自分の受験室に荷物を置き、トイレへ。通路にトイレまでの案内掲示がなく、辿り着くまでに5分程かかってしまいました。

     部屋へ戻り、椅子に座ってみた感想は…「机が狭い」。学校なのである程度の覚悟はしていましたが、想像以上に狭く感じました(決して私が大きいわけではありません)。

    • 8:35 最終復習

     前日まで必死に取り組んだラストスパート模試を開き、第1予想の精算表問題を軽めに解こうと思いました。ネットスクールさんの教えに、「朝は手も寝ているので、電卓を叩いて起こしてあげることが大切」というものがあり従いました。

     しかし、私の手は寝ているどころではありませんでした。緊張で手の平が汗ばんでいることに気付き、さらに指は硬直して満足にキーが押せない状態でした。とりあえず深呼吸を数回繰り返し、解きなれた問題を見ているうちに、普段の勉強モードに戻ってくれたようで、指が動きはじめてくれました。

    • 8:50 顔の汗を拭く

     顔のベタつきが一番嫌いな私は、この時のために持参したフェイシャルペーパーでしっかり顔を拭き、フレッシュな気分を作りました。

    • 8:55 準備完了

     ラストスパート模試を鞄にしまい、机上は受験票・電卓・筆記用具のみ。目を閉じ、姿勢を伸ばし、静かに呼吸をしながら、勉強をしてきた5ヵ月間を思いました。

     「自分の実力を100%発揮して、試験に臨むことだけが今の自分にできること。今日のためにやるべきことはやったのだから、悔いはない。一度挫折した簿記に再トライしただけでも価値はある。受験できることに感謝。」このような気持ちに集中しながら、試験委員の到着を待ちました。

    • 9:00 試験委員入室

     試験にあたっての注意事項の説明を受け、問題用紙が配付されました。解答用紙に受験番号・氏名・生年月日を記入しながら、出題形式の把握。3問・5問はオーソドックス。2問と4問両方が勘定記入であることを確認。

    • 9:10 試験開始!

     全問に軽く目を通し、1→5→3→4→2問の順番で解くことを決定。1問と5問は問題なく解答しました。3問の残高試算表では、完璧にTフォームへの金額記入を行い、残高を算出したはずなのに、なぜか貸借が800円一致しない。慌てました。どうして?問題用紙をよく読み、頭の中で仕訳を最初からやり直し、Tフォームへの記入は正しいことを再確認しました。

     でもやっぱり貸借が合わない。半ば途方に暮れていると、目に飛び込んできたのは、計算用紙から解答用紙への金額転記ミス!これは勉強期間中に何度となく犯していた過ちでした。本番ではこの癖に注意しよう…そう思って臨んだ試験で、やってしまいました。背筋が寒くなりました。転記ミスを修正し、3問に費やした時間は約40分。すでに1時間を経過していました。

     残りの時間で苦手だった勘定記入問題へ。計算用紙にしっかりと仕訳を書き出し、これはこうだから、この部分はこうなる… 残りの時間を全部使い切るつもりで、一つひとつていねいに確認しながら解答しました。

     解答用紙への記入を全て終えたのは試験終了20分前。絶対に落としたくない1・3・5問を再確認し、納得。2問と4問についても確実に仕訳を追いながら解答内容を確認しました。

    • 11:10 試験終了

     解答用紙が回収され、退室。やりきったことに満足しました。

    自己採点と合格発表

     ネットスクールさんの解答速報会にインターネットで参加。模範解答と照らし合わせてみた結果、満点でした。

     6月21日(木)合格発表。発表までの10日間はとても長く感じました。仕事を終え帰宅後、商工会議所ホームページで合格を確認しました。嬉しさで涙が出てしまいました。

    簿記の勉強を振り返って

     まずは、管理人様を始め、ネットスクールの先生方、勉強する環境を整えてくれた家族へ心から感謝の気持ちを申し上げます。

     どうして簿記を勉強しているのか?目的を考えながら勉強すれば、きっと自分のためになるのが簿記だと信じています。「合格」はあくまで目標であって、到達点ではなく、もちろん目的でもありません。

     合格するために必要なことはたくさんあると思いますが、執念というものは大切だと思います。執念があれば、さまざまな誘惑にも打ち勝ち、努力は自然としてしまうものかもしれません。今回私の場合は、挫折した自分を覆したいという願いが根本にあり、それが執念となっていたことは事実です。

     ちなみに、挫折した時のユーキャン教材ですが、合格した今読み返してみますとなかなか読みごたえがありまして、若干古い内容になっていますが、復習に活用しているところです。今後は11月の2級合格を目指します。いつかは、1級へ…長文失礼いたしました。

    管理人コメント

     イルカ船長さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!教材だけでなくシャーペンやストップウォッチ等のレビューも書いていただきましたが、こういう筆記用具・小物というのは意外に重要ですのでぜひ参考にしてください。

     また、ストップウォッチの項で「解答までに要した時間を秒単位で記録しておき、2回目・3回目と回を重ねるごとに時間の変化を確認することで、時間配分の意識が高まった」とおっしゃっていますが、これもぜひ見習ってください。なお、「下書き用紙のチェック」も合わせて行うとより効果的です。

     あとは、イルカ船長さんは、6月試験にも関わらず長袖シャツを持参されたそうですが、試験会場によっては冷房がきついところもありますので、特に冷え性の女性の方は薄手の物を1枚カバンに忍ばせておくと安心です。

    イルカ船長さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.64

    過去問はなるべく早めに取り組むべし!電卓の準備もお早めに。

    • 投稿者:Ryouさん
    • 勉強形態:通信
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月弱

    きっかけ

     社会人になって働く理由は給料です。しかし私を含め、多くの方々は意外とその肝心な金の流れを知らない。自分が働いている会社の経済状況はどうなのか、自分が貰う給料明細の記載は正しいものなのか、自分の給料はどういう風に捻出されていて、どういう風に計算されているのか。

     私は、元は営業部でしたが転職に成功して某零細企業の事務になりました。労務に触れることで一会社の経営という視点から物事を見るようになりました。

     商業高校に通う弟が間近に迫る簿記検の勉学に励まず立場上注意することが多かったこと、職場にいる社長のゴマ擦りギツネの営業君が自分は簿記を持っているとふんぞり返っていたことにむかついたこと、自分が最も苦手とする数学という科目に挑戦したかったこと、数学的な思考を持ってみたいと思ったこと、何より自分が今後も収入を確保するため。そういったものが全て重なって簿記を受けることにしました。

    教材 通信か通学か独学か~勉強法~

     重ねて申し上げますが、私は数学が一番苦手です。数学の次は数学を使う物理とか化学とか。更に言うと自分の身の回りに数学が得意な人もおらず、経理や簿記に詳しい知人が一人でもいればその方を頼るのですが、そうしたこともまず望めませんでした。

     大手での通学も考えたのですが、受講金額を見て(簿記くらいなら独学か通信で受けるべきだ)と思いました。実際に簿記3級を受けてみて感じたことですが、簿記3級くらいなら独学や通信で充分受かる範囲です。

     大手通学はもっと専門的な資格を取る時にする、周囲に簿記に詳しい人が全くいない状況では市販のテキストと問題集のみでは不安、間違った覚え方をしたくない、飽きることは避けたい…等などさまざまなことを考え、以下が私が最終的にお世話になった教材です。

    • 某通信講座(3級・2級セット教材/講義DVD付/Email・TELでの質問受付有)
    • 簿記検定ナビ(電卓の選び方、試験問題予想、簿記の語呂、勘定科目の省略パターン一覧表、他)
    • TAC簿記検定講座 合格するための過去問題集
    • ネットスクール ラストスパート模試
    • TAC簿記検定講座 直前予想

    某通信講座について

     まず、某通信講座は基礎を勉強するのに大変有益でした。

     試験勉強飽きの対策として当初からDVD付の教材に着目していたのですが、これが私にとってかなり効果的でした。私のお世話になった通信講座のTEL受付は土曜のみ、社会人としての受験勉強時間を考えると大抵夜間に質問したいところが出るので、夜中にEmailで質問を入力、翌日以降の返事を待つ、という方法でしたが、まあまあ悪くはなかったです。

     簿記初心者は一つの問題につまづくと先に進むことに躊躇して真面目にEmailの返信が来るまで待ってしまうのですが、それは私も途中からやめました。Emailの返信が来る前に先に進んでしまった方がいいように感じます。

     主に活用したものは講義DVD、配布される講義内容のプリントとプリントテストです。付属の問題集は弱点補強の為にのみ活用しました。通信講座の終盤に模擬試験が一部送られて来ますが、本音を言うと全く使っていません。

     大手通学と通信講座の決定的な違いは講師の教え方の上手さであるように感じます。実際、試験中の時間短縮方法や語呂合わせなど、対試験用の実務的な内容は教えてもらえておらず、教科書の内容を浚う程度に等しいので、これは途中から自力で検索しました。

    簿記検定ナビについて

     簿記検定ナビは、簿記検を受けようと決めた当初からお世話になったサイトです。

     まず「電卓の使い方」と「おすすめテキスト&問題集」でお世話になりました。ナビを見てCANON HS-1220TUGを購入しました。試験会場に行くとあまり専門的な電卓を使っている人はいなくて、自宅にあるような小型の10桁電卓やカード電卓を使っている人もいましたが、私的には簿記や会計を念頭に入れている人の導入電卓としては価格、サイズ、能力、全体バランスにおいて申し分ないと思います。何にせよ試験用の電卓は早めの購入をおすすめします。

     電卓購入時はナビでおすすめされた通りamazon、その際「日商簿記受験生のための電卓操作自習帳」という本が目に入り、セットで購入しているのですがこちらは3級取得後の現在もほとんど活用出来ていません。2級では活用できるのかな、わからないのでとりあえず取っておいています。

     先述の通り、簿記検定ナビには簿記勉開始前からお世話になっていましたが、本格的にお世話になったのは簿記検直前です。安価な部類に入る通信講座では触れてくれなかった実用的な試験対策として「試験問題予想」「簿記の語呂」「勘定科目の省略パターン一覧表(下書きPDF)」にとにかく感謝しています。随所でサイト管理人さんの簿記に対する深い愛を感じました。

    他市販教材について

     告白すると、(既に通信講座で金額を払っているから、市販教材をあまり買いたくない)という意志が強く、分厚く持ち運びに不便そうで過去何年分あるかもわからない過去問題集1冊の金額と、薄く要点のみを纏めている2社の模試問題2冊を天秤にかけ、当初は後者を選択。

     過去問題集を購入せず、購入しないまま試験を受けるつもりでしたがそうはいきませんでした。結論から言うとこの過去問題集は買っておいて損は無いです(後述します)。

     模試はネットスクール社とTAC社の2社、それぞれ同価格の1,000(税抜)で購入できます。それぞれの模試問題には「第一予想」「第二予想」「第三予想」「大穴予想」の4種が挿入されている模試です。

     難易度はネットスクールは実試験より少し易しめ、TACは逆に実試験より少し難しめといった感じで、(この中間は無いのか)という感想が脳裏に過ぎったことを覚えています。模試をある程度こなしてしまうと回答自体を覚えてしまうので、より問題を解く為必然的に過去問題集が必要になりました。

     過去問題集は分厚さと、問題と解答と問題用紙の切り離しが出来ないのが短所で、商品としては改善して欲しいなと思うところはありますが、試験問題の勉強という意味では最も活用した本でした。なるべくなら1ヶ月前くらいにはもう購入しても良いんじゃないかなと思います。私は試験2週間前に購入したので激しく後悔しました。

    おまけ

     あとは、私はi-pod touchを持っていたので、無料iOSアプリの簿記問題を片っ端から集めました。一時期「音簿記」というリスニング簿記が売られていたそうなのですが、私が探した時には見つかりませんでした。

     最も活用したiOSは「ストップウォッチ」です。問3(30点)→問5(30点)→問1(20点)、この3問で点を獲得すれば合格ラインである70点以上は取れます。残りの問2、問4は部分点目的で他の問と比べ浅く勉強しました。

    試験日1日の流れ

    • 6:30

     起床。当初電車とバスを利用して試験会場に行く予定が、母が試験会場まで車で送って行ってくれるというので母に甘え、車での出向に変更。試験準備と睡眠時間の確保は前日までにしっかりと行っていました。

    • 7:30

     母と車でドライブ。車内でテキストやまとめノートを見直そうとしましたが、車酔いしそうになったので中断。無意味に電卓だけには触れてぽちぽちと指慣らしをしていました。途中コンビニに立ち寄って栄養ドリンクと飴を舐めました。

    • 8:30

     私の所定試験会場では開始前の30分前にならないと入室が出来ないので、時間ぴったりに試験会場に到着したとしても問3か問5のどれか1問しか解くことができません。

     トイレ休憩やら筆記用具の点検やらをしている内に15分が経ち、残り15分前から試験会場の試験担当から声が上がり始め周囲のざわめきが強くなります。家で問題を解いてくる、試験会場ではまとめノートを見返し簡単な問題を解いてみる、くらいが丁度いいように感じました。

    • 9:00

     問3→問5→問1→問4→問2の順で問題を解きました。問5で幾らかの問題を潰してしまった分、問4と問2のボーナス点に助けられました。

     試験のメンバーは本当に学生からご年配までと老若何女それぞれです。圧倒的多数で学生が多いのだろうなと思っていた分少し拍子抜けでした。

     試験終了まで残り50分と残り30分の段階で、問題を全て解き終えたので提出して帰るという一抜け組が現れはじめ、「おお格好良い、私もそうなりたい」と思ったので、2級の試験でその地位を目指してみようと考えました。

    試験を終えて

     3級をスキップして2級を受けてしまう方法もありましたが、試験の雰囲気を感じることを目的に今回3級のみ受けました。個人的には反省点、改善点諸々、小さな所でぽつぽつとありますが、結果的にはこの流れが自分にとってのベストだと感じています。この調子で2級を目指します。

    管理人コメント

     Ryouさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     まず電卓についてですが、Ryouさんのおっしゃる通りなるべく早め(出来れば勉強開始時)にきちんとしたものを用意してください。なお、簿記検定ナビでは2,000円前後の「CANON HS-1220TUG」、4,000円台の「SHARP EL-N36-X」、6,000円台の「CASIO JS-20WK」の3つが人気です。

     あと、過去問題集・予想問題集についても試験直前に購入するのではなく、なるべく早めに余裕を持って購入し取り組んでください。どちらも3回転ぐらいさせると「総合問題を解くコツ」が分かるようになるはずです。なお、どちらかひとつしかやる時間がないという方は過去問題集を優先してください。

    Ryouさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.103

    資格の大原の直前対策はお得すぎます!自習室も利用可能です。

    • 投稿者:四葉のクローバーさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    受験までの経緯

     3級の合格体験記(第130回・日商簿記検定3級 合格体験記 No.60)にも書いた通り、そもそもは宅建受験の前に簿記に挑戦する事で勉強癖をつけようと思った事がきっかけでした。

     勤務先で簿記も取得奨励資格のひとつになっていたので2級までは受験する事、10月の宅建受験は絶対に外せなかったので、2月の130回で3級、6月の131回で2級に合格しようと受験を思い立った時点で決めていました。

    3級受験経験を踏まえて

     2級の勉強を始めるにあたり、3級の反省点に書いた《スケジュールをきちんと立て、つど修正していく》を実践するために、自分で使いやすいように、3級受験時に作成したものに修正を加えて予定表を作成しました。

     予定表は、試験までの日数全体を大きく3分割し、A4サイズでひとめで全体が見通せるようにしました。残日数・予定勉強時間を記入、実績を入力するとその差が分かるようにし、1日の予定は3等分にして、午前・お昼・夜と、予定を割り振っていきました。

     当初の大まかな計画としては、3級と同様にテキスト・練習問題→問題集→過去問と進める予定で、検定まで残り60日位まで…商業と工業のテキスト読み&テキスト練習問題を2回転。検定まで残り30日位まで…プラス8点のための問題演習2回転。検定前日まで…過去問10回分を2回転と予想問題という、壮大かつ完璧な予定を立てたのでした。「立てたのでした」ということは、お察しの通り実際にはこの通りには進まなかった、という事です。。。

     ちなみに、予定表の下のほうに簿記検定ナビの管理人・田口さんのお薦めの学習の進め方と注意点が書いてあります。毎日必ず目を通す予定表に書いておくことで意識付けを図りました。この予定表を印刷して、日々の学習時間を記入しておき、1週間ごとにエクセルに入力、予定時間との差を確認しつつ、学習予定の修正を重ねていきました。

     また、3級同様に独学で勉強しながら専門学校を活用する事も考えていたので、セミナー等のスケジュールをこまめにチェック!受講するかもしれないと思った講座は予定表に仮予定として記入し、学習時間を入力する際に更新していくようにしていました。

    勉強予定表
    勉強予定表

    使用した教材・電卓

    • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記・商業簿記(TAC出版)
    • プラス8点のための問題演習 日商簿記2級(TAC出版)
    • これだけ仕訳マスター 日商簿記2級(TAC出版)
    • 簿記検定ナビの仕訳対策問題
    • よくわかる簿記シリーズ 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC出版)
    • 第131回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)
    • 「特別講義&問題特訓」「出題予想会」「直前答練」「模試」で貰った問題
    • SHARP 学校用電卓 EL-G36

     3級で使用した「スッキリわかるシリーズ」が私には合っていたので、2級も引き続き同じシリーズを使用することにしました。過去問は、別の出版社にすることも考えたのですが、書店で実際に見比べてみて「出題別攻略テクニック編」に興味を持ったのと、過去問解答解説が分かり易そうだったので、結果的にほぼ全ての教材をTAC出版でそろえる事になりました。

    教材
    教材

    勉強時間について

     3級受験時と同じく、基本的には朝型生活を続けるようにしました。季節が春になり、早起きが辛くなくなったのも良かったと思います。仕事が本当に忙しく、早起き出来なかった時には電車の中か昼休みに少しでも勉強するようにし、とにかく出来る限り勉強しない日を作らないように心がけていました。

     3級検定翌日から検定までの104日間、予定していた勉強時間は250時間。実際には、全く勉強出来なかった日は5日間、一日の勉強時間は最低30分から最高で7時間30分、トータルでは238.5時間でした。

    実際の学習の流れ

    検定まであと104日 / 商業・工業のテキスト読み(一巡目)

     3級の学習を通じて簿記の問題を解くのが楽しくなっていた私は、第130回検定の翌日には予定表を作成し、2級のテキストを読み始めました。3級の続きで始め易かったので商業からスタートし、全体像を把握する目的で一読しました。工業は初めて触れる内容ばかりでしたが、相変わらずゴエモンは可愛らしく楽しみながら読み進める事ができました。

    検定まであと99日 / 大原の無料セミナー受講

     大原の「第130回日商簿記検定 問題解説会」「日商簿記3級総復習セミナー」をこの2級のテキストを読み終えたタイミングで3級の総まとめにピッタリだと思い受講しました(詳しくは後述します。)。

    検定まであと97日 / 商業・工業のテキスト読み(二巡目)&テキスト問題解答(一巡目)

     テキストを読みながら問題を解き進めました。ここはかなりゆっくり丁寧に、商業から始めて10日間で13.5時間、商業を一通り終えてから工業に取り掛かり、13日間で26時間掛かりました。

    検定まであと74日 / 工業・商業のテキスト問題解答(二巡目)&これだけ仕訳マスター

     当初の計画では商業→工業の順で勉強する予定でしたが、一巡してみたところで工業を続けて勉強する事にしました。商業も、理解と記憶の定着に多少時間が掛かりそうな論点はありましたが、工業のほうが馴染みが薄い分、続けて学習する事で定着を図ったほうが良さそうな気がしたからです。

     テキストを見ずに問題を解き、間違えたところをテキストで確認する形で勉強を進めました。工業に12日間23時間、商業に7日間12時間でした。仕訳マスターは、仕訳の基礎固めとして電車の中で使用しました。正直なところ、かなり基礎に絞った内容のため、なくても良かったかなという印象です。

    検定まであと55日 / プラス8点のための問題演習&簿記検定ナビの仕訳対策問題

     この時点で、当初の予定よりも5日ほど遅れており、連休明けをメドに問題演習を終える計画で予定を練り直しました。ところが、勤務先でのあるトラブルから、業務はもちろん人間関係にも精神的に疲れ、勉強する気なぞ起こらない…という事態に陥りました。

     終電で帰宅する日が続き、電車でも座れれば寝ていたいほど疲れており、とにかくなんとか仕訳対策問題だけでもやろう、という日々が続いてしまいました。勉強したいのにモチベーションが上がらない、というのを過去に経験した事がなく、この時期はとても辛かったです。

     簿記検定ナビの仕訳対策問題は、問題・解答ともに全て印刷し、この時期から検定試験前日まで通勤電車の中で毎日のように使用していましたが、この時期は問題演習同様ほとんど進みませんでした。

     17日間で14時間。予定をはるかに下回り「やめていない」というレベルの勉強でした。

    検定まであと38日 / プラス8点のための問題演習&簿記検定ナビの仕訳対策問題

     勤務先のトラブルもほぼ終結。5月の連休でリフレッシュし、気持ちも新たに遅れてしまっていた問題演習を進めました。このプラス8点のための問題演習は、テキストの基礎的な問題から本番レベルの問題への橋渡し的な役割をしてくれています。実際の出題形式に沿って、回答の手順を示してくれているのが非常に使いやすいと思います。

     出来る限りテキストに戻らず自力で解くようにしましたが、やはりまだまだ力は付いていないというのが実感でした。

    検定まであと23日・大原の直前答練&工業簿記まとめ解き

     後に記述しますが、多少迷ったものの、大原の直前答練を受講する事を決めました。全く過去問に触れないまま、難しいと聞きドキドキしながら受けた1回目は、なんと30点しか取れませんでした。立て続けに2回受講し、あまりの出来のひどさにガッカリすると同時に私が痛感したのは「私が工業簿記をほどんど理解していない」「何を問われているのかすら判断出来ない」という現実でした。

     商業簿記も時間切れが多くボロボロだったものの、過去問を通して出題形式に慣れてしまえば点数は取れそうな気がしていました。それに引き替え工業簿記は、この時点で、私が自信を持って問題を解くことが出来たのは単純総合原価計算だけ…。それ以外は、問題によっては本当に手も足も出ませんでした。

     当初の予定としては直前答練と並行して過去問に取り組む予定だったのですが、このあんまりな結果を受けて予定変更。工業簿記の問題を、テキストの問題から、一から解き直す事にしました。

     過去問に取り組むのがさらに遅くなることが気にならないではありませんでしたが、今のまま解いたところで意味がないと思い、 テキストの一番簡単な問題から、プラス8点のための問題演習の第4・5問対策問題までひとつも抜かさず解き直しました。10日間で37.5時間。この頃から検定までの口癖は「間に合わないっ!」でした。

    検定まであと13日 / 過去問

     工業簿記のまとめ解きを終え、ようやく過去問にたどり着いた時には検定まで残り2週間を切っていました。一日一回分の過去問と、合間に苦手な出題形式の問題のまとめ解きをしていきました。

     過去問は毎日、朝7時過ぎには会社に着くように家を出て、始業前に一回分を設問ごとに時間を計り、トータルでは100分位で解くようにしていました。結果が気になるので、時間があれば答え合わせまで終了し、昼休みに解説を読みながら解き直しをしました。

     解き直しの時には必ず商工会議所の出題の意図・講評と、簿記検定ナビの過去問分析を読むようにしていました。特に、過去問分析には計算用紙の使い方等も載せてくださっているので利用しないのは絶対に損です。私は参考になるところをまとめノートに写したり、切羽詰ってきてからは、まるごとコピーさせて頂きました。

    まとめノート1

    まとめノート2

     直前答練と過去問の点数は設問ごとに出題内容(大原の資料を参考にしました)と点数を記録、14点以下だった設問は数日後に、解き直しをしました。解き直しは、どう考えてもやはり過去問よりも大原の問題のほうが難しかったので、過去問を先に、後から大原の問題を解きました。基本的には常に時間を計って解くようにしていましたが、問題によっては時間を掛けて取り組む場合もありました。

     また、出題内容を記入しておくと自分の苦手な分野や出題形式がわかります。そういった問題はプラス8点のための問題集や、過去問題集にある攻略テクニックを使ってじっくりと復習する時間も取るようにしました。

     最後の2週間で72.5時間。有給休暇を使い、大原の自習室を使い、とにかく必死で勉強していました。

    簿記得点表

    大原の利用

    2級の勉強を始める前に

     3級検定を受検した際に大原の無料セミナーを受講、その際に頂いた資料で知った「第130回日商簿記検定 問題解説会」「日商簿記2級受検セミナー」「日商簿記3級総復習セミナー」を受講しました。

     3級受検時に、多少なりとも不安な論点があった私は、2級の学習を進める前に3級の重要な論点を復習し、穴埋めをしておきたいと考えていました。また、3級のセミナーを受講した際に、独学とは異なる講義を受ける良さを実感していたため迷わず受講を決めました。

     このセミナーは第130回検定のほぼ1週間後に設定されており、実際に受検した試験問題の解説、2級受検にあたっての学習の進め方のポイント、3級の総復習と、それぞれ充実した内容でした。特に「3級総復習セミナー」は10時から17時までの6時間で、3級の重要論点を授業形式で解説してもらえるという、独学者にとっては夢のような講座でした。

    大原教材
    大原教材画像

    2級受検に向けて

     3級と同様に「特別講義&問題特訓」と「出題予想会」を受講することは早くから決めていましたが、2級の勉強を始めた時点でなんとなく気になり、迷っていたのが「直前対策(直前答練+公開模試)」の受講でした。

     こちらは他のセミナーとは異なり、有料のものになります。最終的には「特別講義&問題特訓」を受講した際に、講師の方にも相談し受講する事を決めました。

     受講を決めた理由は2点あります。

    • 本番で緊張しないための実践練習になること

     私は比較的本番に強いタイプだと自覚しているのですが、それでも3級検定本番では私自身が予想していた以上に緊張しているのが実感として分かりました。特に、計算が合わず、終了時間が迫ってきた時の焦りは電卓を打つ手の震えとなり、さらに私を慌てさせました。直前答練で実践練習を積むことで、克服出来る部分も多いのではないかと考えました。

    • とにかく勉強が進んでいなかったので、自分を追い込むため

     特別講義を受講したのは問題演習を進めていた頃で、何の根拠もありませんがこのままでは間に合わないと感じていました。直前答練の問題は実際の検定問題より若干難しめに作成してあり、それを実際の試験よりも短い時間で解くと聞き、受講したほうがより合格の可能性が上がるように感じました。

     話を伺った際に講師の方から「早めに設定してある講座を受講して、復習に時間を掛けるのが効果的」とのアドヴァイスを頂き、過去問にも取り組んでいないタイミングでしたが、むりやり受講をスタートさせました。

     いざ受講してみれば毎回模擬試験のようなもので、電卓を叩き壊しそうな勢いで叩く人がいたり、周囲が必死に問題に取り組んでいる中、余裕で退出する人がいたりと、やはり本番同様の状況を経験できたのはとてもプラスになったと思います。

     問題は本当に難しく(どの問題も少しずつひねりを加えてあります)、6回の答練のうち70点を超えたのはたったの一度だけ。あとの回は70点をかすめもしないという、見たこともない点数に倒れそうになりましたが、勉強しようというモチベーションにつながりました。

     また、首都圏在住だったため、直前答練だけでもいくつもの講座設定がされており、校舎をまたいでの振り替え受講が可能だったこともとても助かりました。さらに大原の自習室を利用できたり、本番一週間前には質問教室にも参加できたりと、正直なところ1万3000円はお得すぎると感じました。

    試験日1日の流れ

    • 7:00 起床

     試験は午後からでしたが、会場の近くで勉強したかったので家事を済ませて早めに家を出ました。

    • 10:30 試験会場近くのカフェに到着

     過去問ではそこそこ点数が取れるようになっていたものの、まだまだ工業簿記に自信が持てなかった私は、ここでタブーにチャレンジします。購入したものの時間がなくなってしまい取り組んでいなかった予想問題集を持参し、工業簿記の問題だけ解く事にしました。

     普通は直前に新しい問題を解く事はしないものですが、使わないのは勿体ないという気持ちと、色々なパターンの問題に触れておきたいという気持ちが勝ちました。

     試験当日ですので、あまり根を詰めて勉強する事はせずにのんびりペースで、また、全く理解できない問題はないだろうと思っていましたが、万が一の時には解説を読んでさらっと通り過ぎようと思っていました。

     こうして過去問とまとめノートを行ったり来たり、食事も軽めに取ってから試験会場に向かいました。

    • 12:45 試験会場入り

     トイレを済ませて会場に入り、頭を休ませようと思い、15分ほど目を閉じて休憩。あとはまとめノートを読んで過ごしました。会場はタイヤがついているテーブルが目一杯詰め込んでありゆとりがなく、しかも、ひざが机の下の棚にあたると大きな音を立てるという、おおよそ試験会場向きではなくちょっとテンションが下がりました。

    • 13:45 試験開始

     問題が配られ、名前を記入する段階で第3問が苦手な出題形式な事に気がつきましたが、とにかく答練や過去問に取り組む中で決めていた通り1→4→5→2→3の順番で解答していきました。

     第1・4・5問と順調にクリア、第2問は得意な形式でしたが、多少手間取ってしまいました。最後の第3問で案の定つまづき、営業利益が赤字に…(汗)そんな馬鹿なと思いつつ仕訳を確認、最後は必死に空欄を埋めましたが、当期純利益まで記入できずに終了。。。3級同様のバタバタした幕切れにガッカリしながら会場を後にしました。

    • 16:30 大原の解答速答会へ

     最後まで解き切れなかった悔しさで落ち込みながらも、結果が気になるので大原に向かいました。解答をきちんと写す時間はなかったので、記憶と計算用紙を頼りに採点した結果、予想以上の点数にビックリ。帰宅後、他の専門学校の解答速報も確認しましたが、よほどのミスをしでかしていない限り合格出来ていそうでホッとしました。

     1か月後、結果が郵送されてきました。第3問が18点、あとは各設問20点の合計98点で合格でした。

    最後に

     今回は工業簿記が比較的簡単で、私にとってはラッキーな回だったと思います。なかなか予定通りに勉強が進まず焦ったりもしましたが、工業簿記の基本に立ち返って、一からやり直したことが最終的には合格につながったのだと思います。

     2級は3級に比べて覚える事は増えますが、勉強方法を変える必要はないと感じました。特殊な事はせずに、テキストで基本をしっかり積み重ねた上で、問題を多く解く事が合格への近道だと思います。

    管理人から四葉のクローバーさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     個人的な好みに左右されると思いますので、あくまでも私が感じたポイントになりますが…

    スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記・商業簿記(TAC出版)

     90点。表現の硬いテキスト(例えば、TACの「合格テキスト」)では、勉強が進まなそうな方にお薦めです。色合いが眼に優しい点、キャラクターのゴエモンが可愛らしく、手軽に読みやすい点がとても良いと思います。全ての論点は網羅されていませんが、検定で合格点を取るための論点はきちんと網羅されているので問題ないと思います。

     減点の理由は、今後も改良の余地があるだろうという事で、特に私は自分でつけましたが、論点の見出しがあると勉強しやすいと感じました。

    プラス8点のための問題演習 日商簿記2級(TAC出版)

     95点。実際の過去問を解答するための手順が丁寧に説明されているので、テキストの問題と過去問の間を埋めてくれる問題集として非常に使いやすくお薦めできます。出題頻度の高い論点・形式ごとにまとめてあるので、苦手な問題のみを取り出して復習する際にも重宝しました。

    これだけ仕訳マスター 日商簿記2級(TAC出版)

     65点。本当に基礎レベルの仕訳問題しか載っていないので、それほど役に立ちませんでした。仕訳が苦手で苦労されている方には過去問レベルの仕訳問題に行く前に使用すると良いと思います。

    簿記検定ナビの仕訳対策問題

     100点。私は問題・解答解説の全てを印刷し、その日に使用出来そうな分を持ち歩き、主に通勤時間中に使用していました。やはり、仕訳は簿記の基礎の基礎なので、過去問レベルの問題を大量に解く事が出来たのは大変ありがたかったです。

    合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC出版)

     90点。過去問題集ですが、「出題別攻略テクニック」にかなりの分量を割いてある点、解説が丁寧な点が非常に良かったです。

     減点の理由としては、本のままだと問題が解きにくいのと、持ち運びが不便なため取り外しができる作りになっていると良かった思います。書店で探しましたが、そういった装丁の過去問大集は見つけられませんでした。私は過去問を会社で解いていたため、泣く泣く本を分解して使用していました。

     今回、勉強に使われた電卓(SHARP EL-G36)に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     95点。大き過ぎず小さ過ぎず、特に手の小さい方にお薦めのサイズです。打鍵感や静粛性の面でも気に入っています。

     もともと左利きな事もあって、3級の勉強を始めた際に左手で電卓を使うようにしたのですが、慣れるまでに時間が掛かった事もあり、2級の勉強を始めた頃に同じ電卓の一般販売向けバージョンの「SHARP EL-N36-X」を買い足し、会社でも同じ電卓を使用する事にしました。価格はそれなりにしますが、やはり良い電卓の使い易さは使って頂ければ実感して頂けると思います。

     四葉のクローバーさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     ほとんどモチベーションが下がる事はなかったのですが、一番は、簿記を好きになる事だと思います。私は3級を初めて勉強してみた頃とは比べものにならない位、簿記を楽しめるようになっていたので、工業簿記の問題が解けなくて四苦八苦していた時でも、投げ出そうとは思いませんでした。

     簿記を好きになるためには、やはり自分にあったテキストで勉強するのが何よりの近道だと思います。ぜひともご自分で書店で手に取り、迷った教材があれば同じ単元を読み比べて、ピタッとくる教材を選んで頂きたいです。

     また、《スケジュールをきちんと立て、つど修正していく》《直前答練と過去問の点数を記録する》のもモチベーションの維持に有効だと思いました。自分がどれだけの時間を勉強に費やしたのか、どれだけ問題を解き点数が取れたのか、を一目で見える状態にしていると、自分で思う以上にモチベーションを維持できると思います。

     私も、この簿記検定ナビの合格体験記をたくさん読ませて頂いて、アイデアをマネさせて頂いて自分仕様のスケジュール表と得点表を作りました。自分に合ったやり方を早く見つけるのも、合格への近道、モチベーション維持のひとつの方法だと思いますので、たくさんの合格体験記を参考にしてほしいと思います。

    管理人コメント

     四葉のクローバーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     資格の大原の直前対策講座を上手に利用して見事1発合格されましたが、リーズナブルな受講料で自習室が使えたり授業の振替えが可能とのことですので、(特に首都圏で勉強している人は)ぜひ参考にしてください。

     あと、四葉のクローバーさんは教材の選ぶ際に書店で実際に見比べて購入されていますが、これはぜひ見習っていただきたいです。「人気教材=自分に合う教材」とは限りませんので、自分の目で確かめて購入するのが一番です。

    四葉のクローバーさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.102

    本試験では各問題の難易度を見極めて、解く順番を再構築しましょう!

    • 投稿者:オレンジさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月半

    はじめに

     私は以前事務職員として勤務していました。経理事務としての勤務ではなかったのですが、働くうちに経理事務をやってみたいと思うようになり、とりあえず簿記3級の資格を取得しました。

     その後、簿記2級の資格取得を目指しましたが、仕事をしながらの勉強は思うようにいかず、経理事務の仕事も知識不足を理由に経験することができませんでした。退職を期に「資格を取るなら今しかない!」と思い挑戦することにしました。

    教材について

    テキスト

     簿記の知識に乏しいことから、わかりやすくて読むのに抵抗のないテキストを選んだ結果、サクッとうかるシリーズになりました。

     しかし勉強を進めるうちに、出題頻度の低い内容に関して掲載されていなかったり解説が少なかったりすることがあったので、追加で合格テキストを購入し、その部分を補って理解を進めました。

     ただ、試験で満点を取ることに執着しなければどちらか1社でよいと思います。

    過去問題集

     解答用紙がダウンロードできるので便利でした。解説も詳しくてわかりやすかったと思います。

    予想問題集

     できるだけ多くの出題形式に触れておきたかったので予想問題集は2冊購入しました。勉強する時間がなければ1冊で十分だと思います。

    仕訳問題集

     この問題集が出版されたのが今年の4月だったので、それまでは「簿記検定ナビ」の仕訳問題対策問題集を利用していました。

     家で学習するにはサイト内の問題集で十分なのですが、仕訳攻略ナビの方が持ち運びしやすいですし、また仕訳の形式を確認したい時にはさっと調べることができて助かりました。

    勉強スタイルについて

     正直「この期間にこれをする!」といったような明確な計画があったわけではありません。ただ、「過去問題集と予想問題集はすべて合格点を取れるまで何回も解く」ことを目標にしていました。(それでも予想問題集は難易度が高いものもあり、試験直前まで合格点がとれませんでした…)

     あと勉強を始める時には必ず最初に仕訳問題(簿記検定ナビ仕訳問題対策or仕訳攻略ナビ総合問題)をしました。試験問題の第2~5問の中でひねった問題が出た場合、合否を分けるのは第1問の正答率だと考えたからです。

     何度も仕訳問題を解いていくと解くスピードも速くなりますし、その分の時間を第2~5問を解く時間にあてられますので、やってよかったと思います。

     勉強の流れとしては、まずテキストを何度か読んで大まかな流れをつかみました。通常だとここでテキストに準拠した問題集を使用するのでしょうが、私はいきなり過去問題集を解きました。これには理由があり、実は私はテキスト準拠の問題集で問題が解けなくても「どうせこの形式では試験に出ないし~」と言い訳するタイプの人間なのです。(苦笑)

     ですが過去問題集だとこの言い訳は通用しないため、自分を追い込むべくあえてこの流れで勉強しました。ですからきちんと勉強ができる方には決してお勧めしません(汗)テキストからいきなり過去問題集だと当然ですが合格点は取れません。ですのではじめはテキストを見ながら問題を解いていきました。(1冊解き終わるのにかなりの時間を要しました

     2回目からはテキストを見ずに時間を計って解いていき、合格点を取れるまで何回も解きました。問題を解くにつれて、制限時間内に問題を解くことが課題になってきたのですが、これは仕訳攻略ナビの「過去問分析」に掲載されている下書きを参考にしました。

     過去問題集の解説に掲載されている図は詳しくてわかりやすいのですが、試験時間中に自分で書くにはあまりにも詳しすぎて、どのような下書きをすれば効率的なのかがわからなかったので、本当に助かりました。下書きの効率化を意識してからは制限時間内に解くことができるようになりました。

     過去問題集が一通り解けたところで予想問題集(2冊購入したので計8回分)を合格点を取れるまで解きました。ただ予想問題集ばかり解いていると、どうしても出題範囲が限られてしまうので、たまに過去問題集を解いて、どの範囲の問題でもまんべんなく解けるよう気をつけていました。

     基本毎日勉強することを心がけていましたが、モチベーションの上がらない日もありました。そういう日は本当に丸1日勉強をしませんでした。勉強しなかった翌日は「昨日勉強しなかったから今日はちゃんとやらないとまずいな」と思い、集中して勉強に取り組むことができましたので、向き不向きがあるかと思いますが、私にはこの方法があっていました。

    試験日1日の流れ

    • 10:00 起床
    • 11:45 昼食

     当日家で勉強をしてわからないところがあると不安になることがわかっていたので、家を出るまで一切勉強はしませんでした。

    • 13:00 試験会場到着

     早くに会場に到着してその場の雰囲気にのまれてしまうのが嫌だったので、この時間にしました。会場では「仕訳攻略ナビ」の基本問題を見ていました。問題を解くという感じではなく(解けないとあせってしまうので)仕訳の形式や勘定科目を確認するような感じてパラパラ見ていました。

    • 13:30 試験開始

     試験前によほどのことがない限り1→4→5→2→3の順番で解いていこうと決めていましたが、問題を一読し、第2問が時間がかかりそうだったので、1→4→5→3→2に順番を変更しました。

     第1問は直前に仕訳攻略ナビで見ていた仕訳がなんと3問も出て鳥肌がたちました。私の今年の運はすべてここで使い果たしてしまったような気がします。(笑)

     第4問・第5問は予想していたより簡単でした。簡単だったのでここで間違えては合格できないと思い丁寧に解きました。しかしここで時間をかけすぎて、第2問は時間が足りませんでした。第2問でわからないところがあり、それに時間を費やしてしまった結果、答案用紙を見直す時間が確保できなかったことが悔やまれます。

     ケアレスミスがないか確認する時間をラスト○分と事前に決めておき、その時間になったら解けない問題にはこだわらず見直す時間にあてたほうが確実に点数が取れると思います。

    • 15:30 試験終了

     解答を書き写す時間がなかったので、解答速報をみても自分が確実に合格できている自信がなく不安でした。ただ解答速報を見る限り、考え方は間違っていなかったので、計算ミスが多くなければ合格できているのではないか思いました。

    試験勉強を振り返って

     点数はわかりませんが、合格できたのでほっとしています。独学の私にとって簿記検定ナビは心強い存在でした。ありがとうございました。

    管理人からオレンジさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     使用した電卓はCASIOのJF-120VBという機種です。もともと仕事でこの機種の電卓を使用していたので、使い慣れている方が良いと思い買い替えることはしませんでした。

     使い慣れていることもあり、あまり不便は感じませんでしたが、キーをタッチする時の音が少し大きいので音に敏感な方にはおすすめしません。

     オレンジさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    【得意な論点】
     「これは得意だ!」と胸を張れるところはないのですが、しいて言えば工業簿記の総合原価計算です。パターンを覚えさえすればあとは比較的単純な計算をするだけなので、点数を稼ぎやすかったです。

    【苦手な論点】
     特殊商品売買はどれも似たような感じの内容に思えて混乱しました。そこで、特殊商品売買の中で自分が覚えやすそうな取引から確実に把握していくようにし、それが確実に仕訳できるようになるまでは他の特殊商品売買の勉強はしないようにしました。

     例を挙げると、まず仕訳問題で予約販売の問題が100%解けるようにする、100%解けるようになったら、試用品販売にとりかかるといった具合です。最終的にはすべての特殊商品売買を理解しなくてはなりませんが、どれも中途半端になってわからなくなるよりは、自信を持って解答できる論点を一つずつ増やしていくほうが確実に点数も取れますし、私にはこの方法が合っていたように思います。

     標準原価計算では差異分析が苦手でした。突如でてきたシュラッター図にとまどい、図の意味を理解しようとしてさらに訳がわからなくなりました。結局「これはそのまま暗記するしかない」と割り切って公式とともに丸暗記してしまいました。

     直接原価計算は全体的に苦手で、全部原価計算の考え方から直接原価計算の考え方に頭が切り替わらず苦労しました。これに関しては多くの問題を解いて徐々に理解していった感じです。CVP分析も最初は複雑な感じがして苦手意識がありましたが、公式をきちんと覚えれば問題を解けるということに気づいてからは、苦手意識はなくなりました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
    【テキストについて】
     自分でテキストの内容を確認して拒絶感のないテキストを選んでおかないと、勉強を進めていくうちに苦痛になりやる気がなくなりますので、よく吟味されることをおすすめします。

    【間違いノートについて】
     私は苦手な論点や間違えた論点について簡潔にまとめてあるテキストの文言や図をそのまま書き写して間違いノートを作成していました。問題が解けなかった時に、テキストからその部分を探し出す手間が省け、すぐにノートを見て復習できたのでよかったです。

     作成にあたり心がけていたのは「内容を盛り込み過ぎない」ことと「作成に時間をかけ過ぎすぎない」ことでした。ノートを作成した達成感に浸ってしまい、本来の勉強に支障が出てしまったことがあったのでその点は気をつけていました。

    【電卓について】
     簿記の試験は電卓の試験ではないので、電卓を極める必要はないと思いますが、慣れておくことに越したことはないと思います。特に勉強を始めたばかりの頃はただでさえ問題が解けずにイライラしがちなのに、電卓の操作に慣れていないと疲れが倍増します。「簿記検定ナビ」サイト内に電卓の使い方が掲載されていますので、そちらを参考にされることをおすすめします。

     私は勉強のモチベーションが上がらない時に、買い物のレシートを使って、自分が電卓で計算した結果とレシートに記載された合計金額とが一致しているか(電卓の入力ミスがないか)確かめるということをしていました。一度の計算で金額が一致した時に達成感を味わうことができるので、ちょっとモチベーションが上がりました(笑)

    管理人コメント

     オレンジさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     オレンジさんは「テキスト→過去問」という流れで学習されたとのことですが、やはり「テキスト→問題集→過去問」というスタンダードな流れのほうが良いと思います。

     テキストの例題と過去問はレベルが全然違うので、問題演習量が足りていない状態で過去問を解いても、結局、その都度テキストに戻って復習することになり非効率的です。

     あと、ぜひ見習っていただきたいのは、「問題を一読し、第2問が時間がかかりそうだったので、1→4→5→3→2に順番を変更しました。」という点です。

     日商簿記検定に限らず試験はなんでもそうですが、「取れるところから取る」のが鉄則です。試験開始とともにすぐに解き始めるのではなく、オレンジさんのように問題を一読して、解く順番を再構築する作業を必ず行なってください。

    オレンジさんが使われた教材や電卓のまとめ