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  • 第132回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.13

    朝の時間と間違いノートを有効活用して、見事に1発&ダブル合格!

    • 投稿者:舞浜さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月半

    はじめに

     私が簿記の勉強を始めたきっかけは脱サラして飲食店を始めようと思ったからです(その夢はしばらく胸の内にとっておくことになりそうですが。。。)

     そのため、簿記は現在の仕事とはまったく関係ありません。ただ、決算表の見方とか原価計算の考え方とかが分かったのは、大きな収穫だったと思います。

    テキストについて

     テキストはTAC出版の『簿記の教科書』および『簿記の問題集』、『合格するための過去問題集』を、3級と2級それぞれ使用しました。

     テキストの選定には特に理由はなく、書店で平積みしていて新しそうな雰囲気だったので選んだというくらいです。あとは値段かな?正直どのテキストでも変わらないのかなと今では思います。テキストは1度読んだきり、それほど多くは振り返っておりません。

     TACのテキストは解答用紙をネットからダウンロードして使用できたので、2周目を解いていくときに、非常に役に立ちました。

    勉強方法

     勉強は基本的に朝起きて、出勤するまでの時間でやりました。朝5時30分に起きて40分頃から勉強を開始し、6時20分頃まで約40分間勉強しました。あとは、帰ってきてから残った問題を少しだけ片づけてたくらいです(時間にして20分ほど)。休みの日も特にスケジュールは変わっていません。

     勉強のスケジュールは次の通りでした。

    • 7月上旬:3級の教科書を一通り読む(だけどさっぱり意味が分からない)
    • 7月中~下旬:3級の問題集を解く(問題を解いてみて、ようやく仕訳の意味とかが分かってくる)
    • 8月:2級の教科書を一通り読む(3級である程度分かってはいたけど、やっぱりよくわからない)
    • 9月~10月上旬:2級の問題集を2周解く(問題を解いてみると、だんだんわかってくる。工業簿記は特にそう感じた)
    • 10月中旬~11月中旬:過去問を2周解く(最後のほうは、抜けがないか確認するイメージ)

     まず、勉強の初期段階では仕訳をする意味が分からず、精算表とかも軽く読み飛ばしてしまっていて、簿記のことがよくわからない状態でした。しかし、精算表の問題を解き始めると、ようやく仕訳の意味やなぜ複雑な処理をしていたのかがわかってきました。

     さらにこのタイミングで、簿記検定ナビ仕訳問題対策を20回分くらいをまとめて解いてみました。すると仕訳問題のコツのようなものが分かり、3級の問題はほとんど問題なく解けるようになりました。

     3級の問題集についていた予想問題のようなものを試しに解いてみると90点くらいとれたので、とりあえず3級は良しとして2級の勉強を開始しました。

     また、簿記検定ナビを参考にして、問題集を解き始める段階から間違いノートを作成しました。A5サイズのノートに、間違えた論点を簡単にまとめて書いていきました。2級も引き続き同じノートを使用して書きました。

     普段の学習では間違いノート書き込む一方でしたが、教科書に戻るほどではないちょっとした確認や試験直前に苦手なところをざっと振り返るのに最適な学習ツールでした。

    間違いノート
    間違いノート

     2級は3級の下地があったので根本的な理解は3級よりは早かったのですが、手形や特殊商品売買、そのほか細かい処理でつまづきました。これらについては問題の数をこなして、慣れることで対応しました。工業簿記に関しては、私は特に難しいと感じることはなく納得しながら学習を進めることができました。

     問題集で一通り学習した後は過去問を解き始めました。過去問をやってみると、問題集では抜けていた論点とかがあって結構焦りましたが、解いた回は全て70点以上を取れたので抜けを見つけることに注力しました。

     ちなみに、過去問を解いているときは、朝に第1問~第3問を解き、帰ってきてから第4問・第5問をやっていました。解いた後見直しはせずにすぐに解答を確認し、間違えたところはミスなのか理解していないのかチェックしていました。

     過去問は試験直前まで解いていました。2級と3級の配分は大体1割程度を3級に、残りを2級にというイメージです。3級特有の問題(問2とか問4)は解けなくなっていましたが、合格点を超えれば合格なのだからと割り切って対策していました。

    反省点

     今回勉強をするうえで、いくつか反省があります。

     一つ目は教科書の使い方です。ひと通り教科書を読んだ後は、それほど立ち返ることなく本棚の肥やしとしてしまいました。ひと通り読む段階があまりに軽すぎて(例題は読み流し、章末問題の際に参考にする程度)もったいない使い方をした気がします。

     二つ目は3級・2級の同時受験についてです。過去問を解いた段階で2級はほぼ合格できそうだったので、3級を申し込む必要がなかったなぁと思いました。2級だけならもっと集中して勉強もできましたし、当日も無理なく対応できたと思います。

     三つ目は当日の時間の使い方です。今回は会場が近かったのでよかったですが、もっとゆとりを持った会場入りが必要だと思いました。さもないと、忘れ物とかがあった際に対応できなかったでしょう。

    試験日の1日の流れ

     もともと朝早くから起きて勉強していましたし、会場が家から歩いて10分くらいだったので、朝は特に何も気にすることなく過ごしていました…が、家事を済ましていると思ったより時間がたっていて、大急ぎで会場入りすることになりました。会場へは自作の間違いノートのみを持っていき、それを軽く確認して時間を待ちました。

     ちなみに、周りの席の人で電卓を忘れた人がいたのが印象的でした。その人はたまたま2つ電卓を持ってきている人に借りることができたみたいですが、貸した人は途中退席もできなくなるわけですし、忘れ物はしないようにしましょう。

    • 試験開始!

     3級は第4問で文章題が出るなど変わった問題がありましたが、よく考えれば難しいことはなく落ち着いて解くことができました。50分程度で終了し、退出しました。

     2級は3級でヒヤヒヤしたにも関わらず、またもやぎりぎりで会場入りすることになってしました。午後の時間帯ということで眠くなりそうだったので、眠眠打破を飲んでいきました。

     第2問でなんだかよくわからない問題が出たので、後回しにして先を解いていきました。幸いそれ以外の問題は難しくなく精算表も金額がきちんとあったので、最後に落ち着いて第2問を解きました。満点は無理でも部分点を取ることはできそうだったので、何とかくらいついて解きました。「諸口」を入れる発想はありませんでしたが…。

    試験結果

     3級は97点(問3で3点減点)、2級は92点(問2で8点減点)で無事にダブル合格することができました。

    管理人から舞浜さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓は「CANON HS-1220TUG」を使用しました。単純に簿記検定ナビにてお勧めしてあったので選んだだけです。

     安かったので良かったですが、キータッチが若干シビアで軽く押した時に反応しないことがありました。また、キータッチがサイレント設計になっていないので、若干音も気になりました。

     舞浜さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     工業簿記は全般的に得意でした。苦手な論点は伝票会計と本支店会計でしたが、解き方を確認しながら過去問を何度かまとめてといて、部分点を半分くらいは取れるようにしました。
     舞浜さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     モチベーションの維持は特にしませんでした。僕の場合は1日の勉強時間も少なかったので、ある意味、日常生活の中で簿記の勉強をしていた感じです。そんな感じだったので、問題解いて数字がピッタリあった時は気持ちよかったです。

    管理人コメント

     舞浜さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     朝は「頭がクリアな状態」「誘惑が少ない」「周りが静か」と勉強するには一番良い時間帯ですが、舞浜さんはそれを有効活用して見事に短期&ダブル合格されています。この点は受験生の方にもぜひ見習っていただきたいです。

     また、苦手な論点を克服するために「解き方を確認しながら過去問を何度かまとめてといた」と書いていただきましたが、この「まとめ解き」は弱点克服に本当に有効です。

     やり方自体はとても簡単で、予想問題集や過去問題集から苦手な論点だけを拾ってきて、集中的に問題を解くだけです。まとめて解くことにより、どの部分が理解できていないかが明らかになりますし、問われ方のクセなどを知ることができます。

     なお、「試験ギリギリに到着する人」「電卓を忘れる人」はどこの試験会場にも必ずいます。最高のコンディションで試験に臨むためにも時間には余裕を持って、忘れ物には気をつけて試験会場に向かってください。

    舞浜さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第132回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.67

    とにかく「書くこと」で記憶の定着率を上げよう!

    • 投稿者:さぼてんさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     私が日商簿記3級を取得しようと思ったきっかけは、再就職のためでした。長い間、専業主婦をしていて職からは遠ざかっておりましたが、再就職をしたい!と思い、ハローワークのインターネットサービスで職を探し始めました。

     結婚前は事務職ばかりでしたので、今回も事務職を中心に探していたところ、必要資格に「日商簿記3級以上」がとても多いことに気が付きました。資格を持っていなければエントリーすらできませんので、一念発起して独学で資格取得を目指そうと勉強し始めました。

    テキスト

     まず最初に、独学で理解できるかがとても心配だったので、書店に立ち寄ってテキストを立ち読みしました。何冊か手に取ってみると、サクっとうかるシリーズがその名の通りサクサクっと頭に入るような気がしたので購入することにしました

     サクッとうかるテキストを半分ほど進めたところで、トレーニング(問題集)も購入。最初に勉強した部分の復習も兼ねて、一から進めていきました。

     その後、試算表・精算表問題を解き始めるとびっくりするほど時間がかかることに気が付き、これではマズいと思い、出題パターンと解き方(過去問題集)を購入し、試算表・精算表問題を何度もこなして、目標タイム(20分~25分)で解けるようにがんばりました。

     そして最後に、第132回当てるTAC直前予想を購入。こちらがまたとても難しく、時間を計って模擬テスト形式で挑戦しましたが、合格点には程遠くて心折れそうになりました。

     私がテキストのほかに助けられたのは、YAHOO知恵袋さんです。私の初歩的な質問にもたくさんの回答を寄せてくださり、最後には見ず知らずの私に「頑張って!」と言葉をかけてくださり、本当に勇気づけられました。

     もちろん、簿記検定ナビさんの仕訳問題もかなりの回数をこなしました。このように、ネット上で質問・勉強できる環境が整っていたのも自分にとってはプラスでした。

     11月に入って試験日まであと2週間ほどになり、落ち着きをなくしておりましたところ、これまた掲示板で「日商簿記3級プラス8点のための問題演習が役立つ」との書き込みを見つけ、3級最後のテキストとして購入し、試験日前日まで解きまくりました。

    勉強法

     私の勉強法は「とにかくノートに書くこと」でした。テキストの太字部分はもちろんですが、太字部分の説明文を自分の字体で書くことで、記憶の定着率が上がったと思います。

     ノートに書く際には蛍光ペンを2色用意し、サクトレ・サクテキのどちらからの引用かも色分けして後で見やすくなるようノートにまとめていきました。

    ノート画像1
    ノート画像1
    ノート画像2
    ノート画像2

     あと、どんなに忙しい日でも「10分でもいいから簿記に接する時間を作ろう」と毎日テキストを開くようにしました。逆に、たくさん勉強時間が取れるときはひたすら仕訳をし、タイマーで時間を計って試算表・精算表問題を解くようにしました。

     なお、間違った箇所はきちんと自分で復習して理解しないと、数日後、同じ箇所でまた間違うことに気づいたので、その場で徹底して理解するよう心がけました。

     このような勉強法を続けた結果、勉強を始めた当初は簡単な試算表問題に1時間もかかっていた私が、目標タイム内で合計を合わせられるようになりました。

    • 5:30

     11月中旬ということもあって外はまだ真っ暗。布団から起きだすのも少し辛い季節でしたが、いよいよ今日が試験当日…今日にかける!と心に決め、起床。

    • 6:30

     朝ごはんに卵を食べると脳の働きが良くなる?と聞いたことがあったので、ごはん・味噌汁・卵焼きを食べる。

    • 7:00

     テキストをぱらぱらめくるも全く頭に入らず、気持ちばかりが焦っていることに気付く。それならばと、一度解いた試算表を時間まで解こうとタイマーをセットし解き始めるが、まったく合計が合わず余計に焦るという悪循環に…。

     もうじたばたしてもしょうがないと観念し、すべてのテキストを閉じて普段通りにテレビを見て過ごすことにしました。

    • 8:20

     自家用車で会場へ向かう。事前に商工会議所近くのパーキングをチェックしていたので、そこに車を停めて徒歩で会場入りしました。

    • 8:35

     商工会議所3階の試験会場まで階段を上る。初めての受験で右も左もわからずにいたが、人の流れにそって歩いて行くとそのまま会場へ到着。受付があるのかと思っていたが、ぞろぞろと受験者が会場に入っていくので、私も後ろについて自分の受験番号の席に着く。

     長テーブルに二人ずる着席するようになっていて、私の左隣りにはテキスト(サクテキ)を開いて勉強している男性が座っていた。私は「ここにきて新たに覚えることはない」と思って、試験会場にはテキスト類は一冊も持って行かなかったが、特に焦ることなく試験開始の時間を待っていました。

    • 8:45

     試験官数人が問題用紙が入っていると思われる段ボールを抱え、会場入り。一気に緊張が高まる。

    • 9:00

     試験官から受験時の注意事項・試験結果の送付日時などの説明を一通りうける。その後、問題用紙が配られ、解答用紙の左上に受験番号と名前を書くよう指示される。

    • 9:17

     試験官の始め!の声と共に、受験者が一斉に問題用紙をめくり問題を解き始める。カタカタと電卓を打つ音と、解答用紙に答えを記入する鉛筆の音だけが響く。

     試験が始まるまでは、他受験者の計算機の音が気になったらどうしようかと心配していたが、実際に始まってみると全く気にならず、自分の解答作成に集中できた。

     第一問、仕訳。ひねった問題もなく、後回しにする仕訳は1つもなかった。

     第二問、当座預金出納帳からの仕訳。これもまた仕訳が完璧にできる人であれば、難しい問題ではなかったと思う。

     第三問、残高試算表作成。貸借対照表をもとに日付別の仕訳をした後、残高試算表に転記するという問題。とにかく仕訳のケアレスミスだけはしないように慎重に仕訳するが、1度目の計算で合計が合わず後回しにすることに。この時点で50分が経過していたが、時間配分はこんなものなのだろうと思って先に進んだ。

     第四問、空欄に合う言葉を選択肢の中から選ぶ問題。私の記憶では、過去問には出て来なかった形式の問題だったが、一通りテキストをこなしている受験生には特に難しい問題ではなかったように思う。

     第五問、精算表作成。有価証券が今までみたことがない出題形式だったが、冷静に考えれば解ける問題だった。精算表は20分ほどで、当期純利益まできちんと合わせることができた。

     ここまできて残りは30分になっていた。先ほど残した第三問の合計を合わせるために計算をし直すことにしたが、自分の中では再振替仕訳の部分が怪しいと思っていたので、他の仕訳には手を付けずに二つ仕訳を再度見直した結果、無事に合計を合わせることができた。

     この時点で残り10分しかなかったので、他の問題の見直しも漢字の間違いなどを見るだけで、もう一度考え直す時間はなかった。帰宅後に答え合わせをするために、第一問・第二問・第四問は問題用紙に自分でわかるように記入し、第三問・第五問は、合計と当期純利益のみを記入した。

    • 11:17

     試験官の止め!の声とともに、第132回日商簿記検定3級が終了。あっという間の2時間であったが、やり残した感はなく帰路につく。

    試験終了後から合格発表まで

     午後1時半過ぎから各専門学校のウェブサイトで解答速報が見られるようになる。第一問・第二問・第四問は1問落としていたが、他はすべて正解。第二問・第四問はあまり手応えを感じられていなかったので、ここで点数を稼げたのはとても大きかったと思う。

     自己採点の結果、合格は確信していたが、解答速報はあくまでも予想に過ぎないということで、試験結果到着まで一週間はなかなか気持ちを落ち着かせることが出来なかった。

     一週間後、商工会議所から封書が届く。びりびりと封を開けると一枚の紙が入っており、そこには今回の受験者数と合格者数、合格率が書かれていた。

     焦って開封したため、もう一枚紙が入っているのに気付かず、これでは合格かどうかわからないではないか!と思っていたところ、点数表がもう1枚入っていることに気づく。

     あわてて封筒から紙を引き出すと、合否欄の合が赤ボールペンで丸く囲まれていて、点数欄には90点と書かれていた。思いもよらぬ高得点にこみ上げるものを感じた。

    最後に

     努力は人を裏切らないと改めて感じました。くじけそうになった時もありましたが、あきらめずに最後までやり通した自分をよくやったと褒めてあげたいと思います。

     あきらめたらその先はない。その先も、もっと先も!と思えた日商簿記3級でした。簿記が楽しくなってきたので、来年の2月に2級を受験予定です。今まで以上に頑張って、一回の受験で合格できるよう勉強に励みたいと思います。

    管理人からさぼてんさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     使用電卓はCASIOのJF-100ETで、10年ほど前に購入したものです。今回勉強を再開するにあたって新調しようか迷い、簿記検定ナビさんでお勧め頂いているCASIO製の電卓を店頭で手にしてみましたが、この電卓は3級取得のため一緒に頑張ってきた相棒ですので、とりあえず新調せずに使用することにしました。

     この電卓は好き嫌いが分かれるようですが、わたくしは%ボタンが上部にあるのが使いやすいと思っております。クリア、オールクリアボタンが0の上にありますが、簿記の試験で何円単位までの計算結果があまりないので、押し間違いの最後が0ならば、上にあるクリアボタンをさっと押せるのが使いやすいと思いますのでお勧めです。

     さぼてんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点というか問題は第一問の仕訳です。どこかのサイトで「3級は仕訳に始まり仕訳に終わる」という言葉を見つけ、とにかく仕訳の力を付けないと点数が取れないと思い、ひたすら勉強した結果、仕訳はほぼ完璧になりました。

     あとは、第五問の精算表も得意です。仕訳の力を付けたことで、修正記入がきちんとできるようになったからだと思います。もちろん、純利益が合わなくてどこだろう…と計算し直すこともありましたが、単なる記入漏れや借方貸方の転記違いなど、ケアレスミスが原因であることが多かったので、処理の正確性を意識するようにした結果、得意な論点になりました。

     一方、苦手な論点は費用の見越し・繰延べです。苦手意識があり、処理方法を勘違いしてしまうことも多かったので、第三問の精算表は、合計が一度で合うことが少なかった気がします。

     なぜ?再振替仕訳?なぜなぜ?を繰り返すと、頭が真っ白になってしまうので、こういう仕訳なのだ!と理屈抜きに覚えてしまうようにしました(この方法はあまりよろしくないのかもしれませんが…)

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     テキストや問題集によっては解答用紙をダウンロードできるサービスがあるんですが、家のプリンタの調子が悪く印刷できなかったので、2回目以降に問題を解くのが大変でした。

     私のように何らかの事情でプリンタが使えない方は、後から何度も繰り返し解けるように、最初にコピーを取っておくことをおすすめします。

    管理人コメント

     さぼてんさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     「これから勉強を始められる方へのアドバイス」のところで解答用紙の無料ダウンロードサージスの件に触れていただきましたが、特に過去問題や予想問題等の総合問題については予め問題用紙・解答用紙のコピーを取っておいて、そのコピーのほうを使って勉強することをおすすめします。解答用紙だけでなく問題用紙もコピーしておくのがポイントです。

     問題用紙・解答用紙の両方のコピーを取ることによって、毎回まっさらな状態で総合問題を解くことができるので、「問題用紙の重要ポイントに印をつけるクセが付いているか」等の解答テクニックの確認や、(同条件での)解答時間・点数の比較が可能になります。

     問題用紙のコピーについては見落としがちですので、ぜひ参考にしてください。

    さぼてんさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第132回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.106

    本試験では臨機応変に対応するのがポイントです!

    • 投稿者:スミレさん
    • 勉強形態:専門学校(通信)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約8か月

    はじめに

     私は32歳の現在専業主婦です。娘が来年3歳で保育園に入るため、いずれ就職する際に有利な資格として簿記取得を決意。

     今年の2月に3級を受験し、問題が簡単だったせいもあり満点合格。2級は勉強量が倍になるとのことで、6月受験は自信が無く、11月受験を目指すことにしました。

    使用した電卓と教材

     電卓は「Canon HS-1210TU」で、教材は大栄教育システムのCD-R通信教育を利用しました。教材の内容は以下のとおりです。

    • 商業簿記の講義16回(CD-R16枚)+問題集1冊+添削問題2回
    • 工業簿記の講義16回(CD-R16枚)+問題集1冊+添削問題2回

     1回の講義はだいたい2時間程度でした。先生が黒板に書いた内容がまとめられたレジュメがプリントされていて、講義を聴きながらいちからノートをとる必要が無くとても便利でした。大栄はテキストは文字ばかりだし、言い回しも小難しいのですが、先生の講義はとてもわかりやすかったです。

     ひと通り勉強した後は、以下の答練を受けました。

    • 商業簿記・単元別答練全5回(CD-R5枚)
    • 工業簿記・単元別答練全5回(CD-R5枚)

     今度は商業簿記から工業簿記まで、それぞれ単元ごとに5回に分けて細かく復習していきます。1回につき、基本問題・応用問題・宿題問題と分かれていて、時間を計って問題を解いたり、単元を深く理解したり、苦手箇所を見つけてつぶしていく期間でした。

     CD-Rの内容は解答解説で、これまた先生が復習を兼ねて細かく説明してくれます。あらためて講義を聞いているような感じになるので聞くのは長いですが、忘れてしまっている箇所や苦手科目についてはありがたかったです。

     さらにその後は、「模擬試験1回」「直前ゼミ全10回」「仕訳問題集」というボリュームたっぷりの内容でした。

     3級は、大栄教育システムの授業をアビバに通って聞いていたので2級も大栄にしましたが、今回は通学ではなく自宅でCD-Rで講義を聞くという通信にしました。

     私は育児休業を取得していて、退社してから1年以内に勉強を始めたので、教育訓練給付金制度が利用できるコースを選択しました。

    2012年4月~8月

     4月から勉強を開始しました。パソコンで講義を見聞きし、テキスト・レジュメで確認。メモはレジュメに直接書き込み、自分でノートなどは作りませんでした。ひとつの講義が終わるとその単元の問題集を解く…という流れです。

     大栄では、1週間に2講義のペースで進めていって無理のない内容となっているとのことだったので、このペースを念頭においてはじめに学習計画を立てました。

     計画では商業簿記のひととおりの講義が2ヶ月ほどで終わる予定だったのですが、自宅ということでついだらけたり、子供を寝かしつけてからの勉強になかなか慣れず、結局、商業簿記の講義16回と添削問題で3ヶ月もかかってしまいました。

     また、3級とのあまりの難度の違いに先制パンチをくらったような気分になり、早くも自信喪失しかかってしまいました。3級では大得意だった仕訳が2級は苦痛で仕方が無く、ちっとも頭に入りませんでした。

     特に特殊商品の仕訳はこの頃は全くできてなかったと思います。何とか学習計画があまり狂わないように…という考えが先に立っていました。

     その後、商業簿記がひととおり終わると、工業簿記の講義を聴き始めました。だいたい1講義は2時間程度でしたが、まるっと2時間講義が聴けないときは1時間ずつ2日に分けて聞き、3日目に問題集を解くというやり方にしました。

     工業簿記は「予定価格」がいまいちよくわからず、なんで実際価格が出ているのに、予定で計算するのかなぁ…などと考えすぎて、訳がわからなくなることがたびたびありました。

     ただ、商業簿記よりもはるかに早く理解できたのでやる気が出て、勉強のペースもアップしました。特に総合原価計算は楽しく勉強できました。

    2012年9月~10月

     単元別の復習に入りましたが、この時期が一番苦しかったです。商業簿記のいちばん始めに戻り、復習~応用をコツコツとやります。まず、自分の書き込みをしたレジュメを読み返して自力で思い出し、基本の問題を解きました。その次は何も見ず、応用問題に取り掛かりました。

     1問につき15分と時間が決められているので、時間内に解けないものは付箋を貼り、後でまた復習をする目印としました。すっかり忘れてしまっていた「本支店会計」や「標準原価計算」などは、再度講義を聞きなおすところから始めました。

     大栄の通信にはパソコンから質問できるシステムもあるので、それを利用することもたびたびありましたが、私は質問して理解するよりも、テキストを読み返したり問題集に戻ったりして自力で理解する方がその後も絶対に忘れないので、なるべく自力で頑張るようにしました。

     ひとつでも理解できない問題があれば、つくづく「逃すものか」という気持ちで絶対分かるまでしつこくしつこく考えました。これは意外に良かったです。

    2012年11月~試験前日

     10月の最終週から2回に分けて、模擬試験・直前ゼミ10回分・仕訳問題集が届きました。試験形式になっており、過去問から色んな問題がピックアップされているのだと思いますが、試験と同じく2時間はかって取り掛かりました。もっとボロボロの点数かと思っていたら、意外にも最初に68点取れたのが、私のやる気に火を付けました。

     私のネックはいちばん大事な仕訳でミスが多いことだったので、仕訳問題集をひととおり解いて仕訳力のアップを図りましたが、その後にゼミをやると、10回のゼミのうち数回は合格点が取れるようになっていて、その効果にびっくりしました。

     また、単元ごとの復習の時点では理解が浅いと思っていたのに、実際に過去問を解きだしてからはまるでパズルのピースがカチカチはまっていくように、ぐんぐん理解できるようになっていったのです。

     すごく不思議な感じでしたが、「もしかして、合格できるかも!」と希望を持てるようになりました。直前の時期になって、自分のモチベーションがぐんと上がったのは、すごく良かったです。

     試験1週間前からは、2時間計っての試験形式と、132回の問題予想で苦手な箇所(特殊商品売買・個別原価計算・本支店会計・標準原価計算・直接原価計算など)を重点的に個別で復習しました。

     それと復習のたびによく間違える箇所を、忘れないよう思いつくままにノートに書きました。忘れっぽい箇所ばかり書きなぐるように書いたのですが、それが「間違いノート」のようなものになりました。

     あと、簿記検定ナビにも書いてありましたが、試験1週間前からがいちばん伸びる時期というのは、全くそのとおりだなと思いました。

    試験日の1日の流れ

     試験前日の夜~試験当日までは、簿記検定ナビの日商簿記検定 前日・当日マニュアルの流れのとおりに動きました(笑)前日の夜はシャワーのみ。深夜1時半には布団に入りましたが、体は疲れているのに、緊張しすぎてなかなか寝付けず…

     ほとんど眠れないまま9時に起床。アドレナリンのせいか、まったく眠くありませんでした…。熱めのシャワーを浴びて、緊張で食欲もありませんでしたが、無理矢理朝食を食べて最後の勉強に取り掛かりました…といっても、仕訳問題集をまたひととおりやっただけで、過去問などには手をつけませんでした。お昼ごはんはウィダーインゼリーにしました。

     試験会場は車で20分ほどの場所でした。駐車場がない会場だったので家族に送って行ってもらいましたが、早く着きすぎて12時45分くらいに着いてしまいました。ちなみに、会場には書きなぐったノートと直前ゼミを持って行きましたが、読み返したのはノートだけでした。何度も繰り返し読んでいました。

     着席したのが早い時間だったからか、開始まで時間が経つのがものすごく遅かったです。この時間がイヤでした。

     13時30分になり、試験官から簡単な説明と答案用紙に名前と受験番号、生年月日を書くように言われましたが、答案用紙を広げた時に第2問が総勘定元帳になっていたのを見て、冷や汗がでてきました。「あれっ伝票でも特殊でもない!!??」と焦っていると、13時40分になりました。

    • 試験開始!

     仕訳の解答を書く手が緊張のあまり震えて、何回も消して書き直しました。普段の倍の時間を掛け何とか第1問を終えて、第2問を見た瞬間、今まで見たことの無い問題に頭がパニックになってしまい、問題を読もうにも全く頭に入りませんでした。

     いつも1→2→4→5→3の順番で解くのですが、とりあえず落ち着こうと思い、先に第4問へ。しかし、第4問も最初はさっぱり問題の意味がわからず、ここでもパニックで頭が真っ白になりました。完全に「神様は私を見放した」と思い、こんなかたちで終わるのか…と涙が出そうになりました。

     しかし、問題を繰り返し繰り返し読むうちに、「あっ!」とまさかのひらめきがあり、時間がかかりましたが何とかクリア。少し落ち着きを取り戻して第5問へ。これは予想通りの直接原価計算でした。

     次に第3問へ行きましたが、こちらも予想通りの精算表でした。割と簡単な感じがしましたが、私は電卓の打ち間違いが多いので、計算は丁寧に丁寧にやりました。

     2回計算しても最後の合計があわなかったのでとりあえず飛ばして、最後の第2問へ挑みました。この時点で残りあと40分ほどになっていましたので、もう時間との闘いでした。

     問題を読んでみると、さほど難しいことは言っていないということがわかりました。幸いにも特殊商品売買のなかでは比較的覚えている委託販売と試用販売だったので、とにかく時計を確認しながら解き進め、全てを解き終えたのは終了15分前くらいでした。

     2時間フルに頭を使い切って、精も根も尽き果てました。自分がやれることは全てやったけれど、合格する自信は全然ありませんでした。終わって数日間は落ち込んでいました。解答速報を見る気もせず、試験問題もその後一切見ませんでした。

     27日の合格発表は見るのが本当に怖くてまたも緊張しましたが、意外にも82点で合格することができました。合格の文字を見たときは恥ずかしながら泣けてきました。

    試験勉強を振り返って

     私は、独学では絶対理解できないと思っていたのと、小さい子供がいるので通学は難しいため通信を選びました。しかし、独学も同じだと思いますが、通信教育も本当に孤独だなぁ…と思いました。モチベーションの維持が本当に大変でした。

     また私は、平日にあまり勉強時間がとれなかった分、週末に1人家にこもって勉強をすることが多かったので、家族とは週末別居のような状態になってしまっていました。

     子供にも寂しい思いをさせているという負い目があり、絶対に一発で合格しなければ…という気持ちがモチベーションにつながったと思っています。

     大栄の通信教育については…添削問題の返信にも、特に何もコメントなどをつけてくれないため、もうちょっと励ましなどがあれば心強かったのにな、と感じます。

     1級をとるつもりはありませんので私の勉強はひとまずこれで終わりますが、あきらめず合格を取れたことは私の自信になりました。直接の武器となれば一番ですが、就職の際にも少しは評価してもらえたらいいなと思っています。

    管理人からスミレさんへ追加の質問

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     少しの時間でも毎日勉強を続けること。仕訳を苦手としないこと。過去問題をたくさんやること。簿記検定ナビや他の簿記サイトなどにも書かれている、基本の勉強方法が一番大事だなぁとつくづく思いました。1日休むとあっという間に忘れます。

     あとは、私は勉強期間が8ヵ月もかかったので、長くても6ヵ月くらいまでにできたらもう少し楽だったかと思いました。長すぎて途中何度も心が折れそうになりました。人間のモチベーションも、そうそう長くは続かないものだと思いました。

    管理人コメント

     スミレさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     まず、スミレさんの合格体験記で参考にしていただきたいのは、試験日当日の流れのところに書いていただいた「いつも1→2→4→5→3の順番で解くのですが、とりあえず落ち着こうと思い、先に第4問へ」という部分です。

     解く順番については、練習段階から「自分に合う組み合わせ」を考えながらやることをおすすめしていますが、この解く順番はあくまでも仮のものなので、本試験では問題の難易度に応じて弾力的に変更・修正してください。

     たまに、解く順番を完全に固定されている方がいらっしゃいますが、このやり方ではドツボにはまって解答時間を浪費してしまう可能性が高くなるので、必ず試験開始直後に第1問~第5問の全てに目を通して、解く順番の確認をしてから問題を解き始めるようにしてください。

     あとは「(第2問の)問題を読んでみると、さほど難しいことは言っていないということがわかりました」と書いていただきましたが、これも大事なポイントです。

     本試験の緊張状態の中で未知の問題に遭遇すると、スミレさんのように頭の中が真っ白になると思いますが、こういう状態で無理して解いても余計に混乱するだけなので、さっさと飛ばして他の簡単な問題を解いてください。

     その後、気持ちが落ち着いた状態でもう一度戻って問題を考えてみると…冷静さを失っていた時とは問題の見え方が違うと思います。未知の問題については満点を取る必要はないので、「取れるところだけ確実に取ればいい」と気楽に考えて取り組むようにしてください。

     本試験で未知の問題に遭遇したときのポイントをまとめると、「ひとまず飛ばす(無理に解かない)」「気持ちを落ち着かせた上で再チャレンジする」「満点は狙わない、むしろ必要ない。粘り強く部分点を積み上げていく」の3つです。

    スミレさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第132回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.105

    捨てる分野を作らないで全ての分野を丁寧に取り組むことが合格への近道!

    • 投稿者:しろにゃんさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約8か月

    はじめに

     こちらに掲載されております合格体験記は私から見るとどれも短期間で1発合格や独学で合格などの方が多いので、本当に凄いなぁと思いながらいつも拝読し、また「私もここに書けたらいいな」と目標の一つにしておりましたので、こちらに投稿いたしました。

     私は計算がとても苦手で商業簿記のテキストを見ただけで吐きそうになった事もありましたし、TACに通いながら8か月かかりましたので、どこまでお役にたてるかわかりませんが、少しでも誰かの役に立てたら良いなとと思います。

    簿記2級を受けようと思ったきっかけ

     会社で部署の経理をしており、3級合格で勉強はやめる予定でしたが、合格した時にとても嬉しかったことと社内評価もあがる様でしたので2級の勉強することに決めました。

    独学か通信か通学か?

     計算は苦手ですので独学は元から考えておらず、3級は通信(LEC)で自宅学習でしたが、2級となると約250時間も苦手な計算を一人ですることに耐えられないし、疑問が出た際のサポートや切磋琢磨できる友人ができるかもしれないと思って迷わず学校に通うことにしました。

     会社帰りに立ち寄れるLECかTACの2校で迷いましたが、自習室が無料であることと、会計系の講座が充実していたTACにしました。

    131回を受験するか?132回にするのか?

     3月後半から学校に通うことにしたのですが、学習に必要といわれている250時間からTACの総授業時間である80時間を引いた合計170時間を4月5月で消化するのは予定的に厳しく、11月の受験を第1に一旦は考えました。

     しかし、TACは一度不合格になっても2回目までは無料で受講できる合格保証制度があることと、11月を第1目標にして受けるよりも6月を第1目標にすることで学習にメリハリがでるのではと思い、6月受験を決めました。

    使用教材・電卓など

    • TACで頂いたもの
    • 合格テキスト(商業・工業)
    • 合格トレーニング(商業・工業)
    • ミニテスト(商業・工業各9回分)
    • 直前答練(全4回)
    • 的中答練(全4回)
    • 自分で用意したもの

     電卓については、私は3級のときから「000」のキーのついた電卓を探し求めて納得いくまで家電量販店を何店舗か回りました。

     そして、最終的に本屋さんの簿記コーナーで「簿記会計専用電卓」という電卓に出会いました。これは「000」のキーが左下にあり、とても打ちやすかったのでこれにしました。

     お恥ずかしながらこの電卓に出会うまで5台くらい買いました。家族に「あんた、電卓屋でも始めるの?どうするの?」と言われる位、電卓が机の上に並んでました(笑)

    電卓を叩く手

     普段は右利きなのですが、130回の3級受験を決めた時に「左手で電卓を打ち、右手で鉛筆を持つスタイルの方が効率が良い」と習ったことと、左手を使うことで脳細胞が活性化するかもしれないと思い(笑)左手で打つ練習をしました。

     上記の電卓を2台買って会社と家に置き、打ち間違えてもいいので左手しか使わないことを徹底したところ、左手で打つことにドーパミンが出たようで楽しくなり、130回の3級試験までに間に合いました。

    131回(不合格)までにしたこと~3月から6月~

     とにかく時間がなかったので、解いていて楽しかった工業簿記と仕訳で満点を取るプランを立てました。授業には出て次回までに復習し、ミニテストで満点を目指しました(※実際に満点をとれたのは工業簿記の数回のみでした)。

    • 合格テキスト例題(商業・工業ともに授業の復習として1回)
    • 工業簿記トレーニング(2回)
    • 工業簿記ミニテスト(2回)
    • 商業簿記トレーニング(1回・仕訳部分は2回)
    • 簿記ナビさんの仕訳帳1回

     直前答練と的中答練は1・4・5問目だけを直す事にしましたが、ほとんど消化できず受けっぱなしの状態でした。この作戦は4・5問目は満点でしたが、1問目が12点しかとれず(特殊商品売買を落とす)合計64点で失敗に終わりました。

     商業簿記の2問3問をほぼ捨てて合格できる程甘い試験ではありませんでした。そして的中答練で取っていた点数がそのままだったので、日ごろの積み重ねがいかに大事かということと、的中答練は本試験より難しいといわれているのは甘えであることを痛感しました。

     学習時間はこの時点で177時間(授業80時間を含む)でした。

    132回(合格)までにしたこと~6月から11月~

     2問目3問目対策と苦手な特殊商品売買の仕訳を中心に勉強することにしました。工業簿記は好きだったので132回も満点を取ることを心に決めて商業:工業=7:3くらいの割合で勉強をしておりました。

    • 合格テキストの例題(2回目)
    • 合格トレーニング(3回目)
    • ミニテスト(3回目)

     上記の3つは、いずれも商業簿記・工業簿記でわからないところがなくなるまで取り組みました。

    • 131回 直前答練(2回目)
    • 131回 的中答練(100点を取るまで徹底的に潰しました)
    • 132回 直前答練(授業の後に間違えた箇所のみやり直しました)
    • 132回 的中答練(授業の後に間違えた箇所のみやり直しました)
    • 過去問(10月~1回だけ)
    • 簿記検定ナビさんの仕訳帳(3回+α)

     簿記検定ナビさんの仕訳帳は、持ち歩いて時間があれば解いていたのと、直前期は答練・過去問等で間違えた箇所の類題を解いていました。

     解説に「この問題は過去問の●回と●回でも出題されています」と書いてくださっていたのはありがたかったです。そのおかげで間違えた問題の関連する回を解くことができ、苦手な仕訳を効率よく解くことができました。

    仕訳帳1
    仕訳帳1

    仕訳帳2
    仕訳帳2

     3月からの合計勉強時間は約277時間で、131回受験時+約100時間(うち授業40時間)でした。

    直前期の過ごし方(10月~)

     9月までは休みの日もカラオケやライブに行って遊んでおりました(学習時間:1日平均すると1.5~2時間位)。10月からは誘いを全部断り、TACの自習室に通いつめました。

    勉強が嫌になる

     学習時間が250時間を越えた10月15日あたりから、過去問や答練などで80~100点を取れるようになりました。それと同時に中だるみが始まりました。「あと1ヶ月もこの勉強を繰り返すのか」と思うと苦痛になって勉強する気が全く起こらなくなりました。テキストを見るのも嫌になりました。

     友人との誘いは全て断っていたので、気分転換を図ろうとDVDを借りてみたり、ファッション雑誌を読んだりしましたが、やる気は起こらず「今日もできなかった」というストレスだけが溜まっていきました。

     このままの精神状態で受験すると絶対にうまくいかないと思い、簿記の試験が終わったら勉強しようと思っていた法律系の資格の勉強を並行して始めることにしました。この時点で10月26日。

     直前期にもう1教科を始めるという事にかなり悩んだのですが、「何もしないよりはいいかな」と思って始めました。結果「両方落ちたら本末転倒」という危機感も生まれましたし、計算→暗記→計算→暗記という風に勉強することでメリハリがつき、とても良かったと思います。

     また法律系の資格の試験範囲に会社法や割賦販売や委託販売が含まれていましたので、相互に理解を深めることができ、少し楽しくなって再び勉強することができました。

    簿記を楽しく勉強するために気をつけたこと

     私の場合、一人で勉強するにはとても厳しいと思ったので、簿記検定ナビさんのオフ会に参加させていただきました。そこで知り合った方々は皆さんそれぞれの目標を持ち勉強に取り組んでいらっしゃり、とても良い刺激になりました。

     たまたま同じ学校の方もいて、直前期に私が喘息で倒れたときも試験当日まで励ましてくださいました。自分で「勉強する」と決めたのですが、内容的に苦手な試験で、いつ挫折してもおかしくない状態でしたので、仲間がいなければきつかったと思います。

     簿記ナビさんがオフ会をしてくださったことに心から感謝をしています。ありがとうございました。

    体調管理について

     当日、電卓で計算する作業が伴う簿記試験においては体調管理はかなり大事です。受験生は驚くほど免疫力が低下すると思いますので、当日ベストパフォーマンスを発揮するためにも体調管理には十分気をつけてください。

    学習管理(スケジュール)について

     トップページに1年の目標を書き、1週間見開きのもので、左横に1週間の目標を書きスケジュールを調整していました。ちなみに、シールの色は「緑…仕事」「赤…遊ぶ」「青…簿記の勉強」「黄…買い物など」です。

    手帳1
    手帳1

    手帳2
    手帳2

    手帳3
    手帳3

    手帳4
    手帳4

    試験日前日・当日の過ごし方

     試験日の前日は過去問で間違えたところだけをやり直しました。緊張してしまいなかなか眠れず、深夜の4時頃にようやく眠れました。

     試験日の当日は、11時起床→12時出発→13時到着→13時半説明開始…という感じでした。試験開始前に答案用紙をミシン目で破る作業があるのですが、その時に2問目と5問目の解答欄を見て少し不安になりました。でも、今まで答練で80点以上をとっていたので、絶対に落ち着いて解けば大丈夫だと言い聞かせて問題をめくりました。

    • 13時40分 試験開始

     問題は「5→4→1→2→3」の順に解きました。

     5問目(25分):直接原価計算と費目別計算を合わせた様な問題でした。この問題については予備校や色々なところで予想されていたので、5-3まではスラスラとけましたが、5-4の質問のされ方がいつもと少し違っていたため(単価ではなく売上が与えられていました)少し戸惑いました。

     ただ、この問題を解かないと5-5も落としてしまうことは明白でしたので、「なんとしてでも解くんだ」と言い聞かせて問題に向き合いました。

     5-4の損益分岐点売上高の求め方については、私はいつも単価×個数を「X」と置いて計算しているので、少し迷いましたが、頭の中で軽い例題を考え、「X」とおいた場合と「S」とおいた場合で数式を計算用紙で計算して答えが一致したので、考えたことに間違いはないと思えて5-5まで取り組みました。この時点で25分くらいかかってしまいました。

     4問目(20分):いつも答練で勉強している内容でしたので、スラスラ解くことが出来ました。ただ、最初に解いた5問目が合っているのかやや不安でしたので、この問題も絶対に落とすわけにはいかず、何度も見直しをしていたので20分くらいかかってしまいました。

     1問目(20分):1~4題は過去問等でも繰り返し問われている仕訳でしたので、特に問題なく解けました。5の委託買付については掘り下げて勉強しておらず、落としてしまいました。しくみを理解していないと暗記の勉強では駄目だと思いました。

     2問目(30分):特殊商品売買に重点を置いた問題でした。最初は少し戸惑いましたが、答練に似たような問題が出ていたことと、過去問でも「難しいと思った箇所の配点は意外と低い」ということや「難しいであろう問題がでたら他の問題で調整してくる」ということが頭にあったので、この問題についてはとにかく仕訳さえしっかりできたら、あとは問題の指示にしたがって転記するだけだと思い仕訳をしっかりすることにしました。

     仕訳は全部できましたが、特殊商品の決算整理の部分でつまずいてしまい、部分点狙いで埋められるところだけ埋めました。この問題終了時点で残り25分になってしまい、かなり焦りました。

     3問目(25分):標準的な精算表の問題でした。25分で解かないといけないので、細かい仕訳問題だけ下書き用紙に書いて、あとは直接精算表に書き込みました。横一列に配点が来ると教えられていたので、仕訳した該当箇所のみをひたすら横に埋めていきました。

     なんとか仕訳の記入が終わった時点で残り5分しかなく「当期純利益」まで出せませんでした。さらに修正記入欄の合算が左右合わない事にも気づきました。

     下書き用紙に書けなかったので、仕訳を見直すことも今からやり直すこともできないので、とにかく書いた問題の記入欄を書き間違えていないかということだけ見直していた所、仕入欄の左右が逆になっていることに気づきました。でも、この時点で試験が終わってしまって、書き直すことが出来ませんでした。

     今まで時間が足りないことはなかったので、試験が終わった瞬間「もうダメだ」と思ってかなり落ち込みました。今回3問目は満点が狙える問題だと思ったので、こちらから先にとけば良かったと後悔し、また2月に向けて勉強しないといけないのかとも思いました。

     解答速報会にも行かず、答えを合わせる気力もなくこの日は家で落ち込んで過ごしました。でも、法律系資格の試験が3週間後だったので、一眠りしてからそちらの勉強をすることで気を紛らわせておりました。

    結果発表当日

     試験から結果発表までは10日ほどあったのですが、もう一つの試験が直前に迫っていたため、そちらに没頭し落ち込む暇もなくこの日を迎えました。

     当日の朝、合否の通知メールを開けるのも怖くて、べランダに住み着いている野良猫の「しろにゃん」に話しかけながら開けたところ、合格の文字が見えたのでぽろぽろ泣いてしまいました。

     部分点狙いの2問目は14点、ボロボロだと思っていた3問目は書けなかった当期純利益と仕入以外は全て合っていたので16点を取れていました。仕訳を徹底して練習していて本当に良かったです。

    成績

    • 131回
    • 直前答練:72~86(TACの目標は80点:1度しか取れませんでした)
    • 的中答練:62~64(TACの目標は70点:1度も取れませんでした)
    • 本試験成績(12・4・8・20・20 合計64点→不合格)
    • 132回
    • 直前答練:88~100
    • 的中答練:78~98
    • 本試験成績(16・14・16・20・20 合計86点→合格)

    最後に

     簿記2級は基本のしくみを「暗記」ではなく「理解」すれば絶対に合格できる試験だと思います。理解さえすればあとはひたすら仕訳の練習です。

     「ベストキッド」という空手を描いた映画で基礎の型をひたすら練習する際に「WAX ON!WAX OFF!」という有名なセリフがありますが、簿記もそれと同じようにひたすら仕訳の練習をされることが大事だと思います。

     「仕訳をして(ON)間違ったら消して(OFF)また書いて(ON)」この繰り返しに勝る王道はないと思います。

     また、過去問を通じて「捨てようかなと思った論点」や「苦手な論点」が2つ以上組み合わさって出題された場合、一気に70点を切ってしまう試験だとも思いました。繰り返し言われていることですが、捨てる分野を作らないで全ての分野を丁寧に取り組むことが合格への近道だと思います。

     簿記2級は合格後、半径3メートル以内の人の反応が少し変わる資格だと思いますので、少しでも興味があれば是非TRYされてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

    管理人からしろにゃんさんへ追加の質問

     TACの簿記講座に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     90点です。他の方にもオススメします。理由は…先生はとても親切丁寧でしたし、自分自身が望めば勉強に関して大抵の事は叶う環境が整っているからです。

     また、無料講座のお知らせはあってもその他の勧誘は一切なく、プリントを頂く程度でした。上記を含めてもTACは完全に「学校」だと思いました。

     あとの足りない10点は「1年に1度でも簿記の合格祝賀会があれば良いなぁ」という期待点です。

     しろにゃんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     まず、簿記学習に対して全般的に苦手意識がありましたので、テキストに自分の好きな柄のカバーをかけて、問題集と教科書と思わない様にしました。視覚から認識を変えました。

     得意な論点は工業簿記全般で、どの問題でも「百ます計算」をしている様な感覚になりまして楽しく解くことができました。特に部門別個別原価計算と標準原価計算が好きでした。

     一方、苦手な論点は商業簿記全般で、中でも特殊商品売買が苦手で何回解いてもなかなか正答率が上がりませんでした。対照勘定だの所有権留保だの(民法?)ややこしい概念を数値化して計算しないといけないのが苦手でした。

     苦手克服のために、先生にできるだけ質問に行く様に心がけましたが、この特殊商品売買の論点については「この問題はどんな回答を求められているのかが全くわかりません。手も足も出ません」と質問に行った事もありました…。

     でも声に出して質問することで頭の中の知識が整理されて、だんだんと特殊商品売買の世界観に慣れたのだと思います。とにかく苦手意識をなくすように心がけました。

    管理人コメント

     しろにゃんさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     私が編集していて一番共感できたところは「簿記2級は基本のしくみを「暗記」ではなく「理解」すれば絶対に合格できる試験だと思います」という一文です。

     時間的制約によりある程度、暗記で対処することも必要だと思いますが、しろにゃんさんのように「理解」にこだわって学習を進めるクセを付けておくと良いと思います。

     例えば「簿記上の現金」に「配当金領収証」や「郵便為替証書」がありますが、これらを丸暗記するよりも「簿記上の現金=銀行や郵便局に持って行ったらすぐに換金してもらえるもの」と理解しておくと、他の「期限が到来した公社債の利札」や「送金小切手」等を知らなかったとしても「すぐに換金してもらえそう→現金として処理」と弾力的に対応できます。

     また「捨てる分野を作らないで全ての分野を丁寧に取り組むことが合格への近道」と書いていただきましたが、これも大事なポイントです。

     人間、苦しいことから逃げたくなるのはみんな同じですが、(簿記に限らず)資格試験に関しては「得意論点をさらに伸ばす」よりも「苦手論点を克服する」ほうが得点に与えるインパクトは大きいわけで、この苦しい勉強に耐えられるかどうかが合否のカギになります。

     なお、苦手論点の克服にはまとめ解きが最適です。同じ分野の問題を集めて、集中的に解くだけの簡単な方法ですが、費用対効果はかなり良いので、直前期に伸び悩んでいる人は騙されたと思って試してみてください。

    しろにゃんさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第132回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.104

    教材は「狭く・深く」やること、何度も反復することが合格への近道!

    • 投稿者:コーヒーアレルギーさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月

    受験までの経緯

     私の勤務先の業種は半導体の製造業でして、工場の管理会計についての勉強会が社内で開催されたのですが、いまいち理解できず自分でも勉強してみようと思ったのが簿記受験のきっかけです。第130回に3級を取得し、第131回に2級を受験したのですが、あえなく不合格。今回2回目のチャレンジとなりました。

    これまでの学習状況

     3級はかなり勉強をやりこんだという手ごたえもあり、結果は満点でした。第131回に2級を受験した際は、66点とあと一歩合格には及びませんでした。工業簿記に重点を置きすぎたのが敗因でした。3級の成績が良かったので、商業簿記は何とかなるというおごりもあったように思います。

     この時の勉強期間は2ヶ月半ほどでしたので、今回の勉強期間の1ヶ月半と合わせると、2級に割いた学習時間は合計で4ヶ月ほどとなります。

    使用した電卓

     「CASIO DS-20eco」です。特にこだわりはなく、家にあったものを用いました。ボタンは押しやすく、特に不満はなかったです。「000」ボタンがあればなお良いと思います。

    使用した教材

    • サクッとうかる日商簿記2級 商業簿記 テキスト(ネットスクール出版)
    • サクッとうかる日商簿記2級 商業簿記 トレーニング(ネットスクール出版)
    • サクッとうかる日商簿記2級 工業簿記 テキスト(ネットスクール出版)
    • サクッとうかる日商簿記2級 工業簿記 トレーニング(ネットスクール出版)

     3級からの流れで「サクッとシリーズ」で学習を行いました。使用した教材は上記4冊と簿記検定ナビのみです。学習を進めるにあたって、「サクッとシリーズ」はよくもわるくも分量が少ないので、3級の学習では気にならなかったのですが、2級の学習では何度かつまづきました。

     その時は「なぜそうなるのか」「どうしてこんなめんどうなことをするのか」などを考え、「こっちのほうがよいのではないか」などと、勝手に会計のルールを自分で変えてみて検証するなど、とことん考え抜きました。

     どうしても自分の納得する答えが見つからないときは、ネット上でヒントを探したりもしました。このように自分で考えたおかげで力がつきましたが、ルールを覚えるだけでなく、なぜそうなるのかまでを考えるための教材としては分量が足りなかったように思います。

    学習スタイル

     片道30分程の電車通勤の時間を利用してテキストを読み、家でトレーニングの問題を解くスタイルです。勤務時間が不規則なのと、家では1歳児の息子がおり、息子が起きている間は学習より育児を優先したく、家での勉強時間が確保出来るかどうかが非常に不確かでしたので、スケジュールについては、ざっくり始めの4週間を商業簿記に、あとの2週間を工業簿記にあてるくらいしか決めてませんでした。

     テキストは前回の受験時にもある程度勉強していましたので、読み直すところから始めました。今回の勉強で商業簿記を4回、工業簿記を2回ほど読み直しました。

     トレーニングは、今回は「基本問題」は省略し、「本試験レベルにチャレンジ」を一通り解きました。前回の学習では解説ページは間違えた問題を見直す程度でしたが、今回は問題を解いた後、正解・不正解に関わらず、解説ページをしっかり読み込むことに重点をおきました。解説ページには結構いいことが書いてあることがあります。

    トレーニングの答案用紙
    トレーニングの答案用紙

     上の画像はトレーニングの答案用紙です。私は間違いノートは作りませんでしたがその代わりに答案用紙に、間違えた箇所はなぜ間違えたかを、また解説ページを読んでためになったことなどを赤字で書き出しました。試験会場にもこの答案用紙を持っていき、間違いノートの代わりに直前の確認用に用いたりしました。

     なお本書の「本試験レベルにチャレンジ」のレベルは本試験より、質・量ともに簡単なので、これが解けたからといって油断は禁物です。ただ、同じ問題を見直し理解を深める方が重要だと考え、他の問題集に手を広げることはあえてしませんでした。最後にトレーニングの「模擬テスト」で最終確認を行い、本試験に臨みました。

     これから学習する方へのアドバイスですが、ついつい初めにテキストを理解してからトレーニングに取りかかりたくなるのですが、初めはテキストはさらっと流して、一度トレーニングの問題を解いてからテキストを読み直す方がはるかに理解しやすく効率がよいです。

     理解できないところがあってもあまり立ち止まらず、何度もテキストとトレーニングの学習を繰り返し行ったり来たりしていると、いつの間にか自然と理解出来る時が来るように思います。反復が一番の近道です。

     あと、ためになったのが簿記検定ナビの「仕訳問題対策」です。特に解説がすばらしく、類似問題の説明などもあり、体系的に理解するのに大きな助けとなりました。

    試験日の1日の流れ

    • 7:00 起床

     試験開始時間から逆算すると、昼食をちょっといつもより早めに取る必要があったので、朝もいつもより30分くらいはやく起きて朝食を取りました。

     その後、10:00くらいに20分程度これまで解いた問題の解答用紙をさっと見直しました。ここではあまり体力を使わないようにし、試験に体力を温存するようにこころがけました。

    • 11:00 昼食

     家で昼食をとってから出かけました。あまり食べ過ぎないように注意しました。また試験中はトイレに行けないので、このあたりから水分の摂取を控えました。

    • 12:40 試験会場到着

     会場につくと多少なりとも緊張状態を強いられるので、30分前くらいの到着が理想だと考えていましたが、利用する電車の本数が少ない関係で、50分前の到着となりました。

     会場でもう一度さらっと解答用紙を見直しましたが、ここでもあまり体力を使わないよう気をつけました。ずっと机に座っているのも疲れるので、廊下などに出てリラックスしていました。試験開始までにトイレには3回ほど足を運びました。

    • 13:30 問題用紙・解答用紙配布

     解答用紙に名前と受験番号を記入する際に、解答欄をちらっと見てどのような問題か確認しました。簿記検定ナビの試験問題予想が大体当たっていたので、少し気が落ち着きました。

    • 13:45 試験開始

     第2問は特殊商品売買の繰越を扱う問題で、あまり見慣れないものでしたが、きっちり仕訳をきればなんとかなると信じ、当初の予定通り1→4→5→2→3の順番で解き始めました。

     第1問は開始直後ということもあり、ついつい丁寧になりすぎて時間をかけすぎてしまう癖がありましたので、とにかくスピードを意識しました。また、これまで一度下書き用紙に仕訳を書いていましたが、これが結構時間をロスしていることに気づき、直接解答用紙に記入するようにしました。

     第4問はスタンダードな問題だったこともあり順調に解答出来ました。第5問は、簿記検定ナビの予想問題を見て直前にCVPの復習をしたのがばっちり当たりましたので、思わずガッツポーズをしたくなりました。一度計算間違いをしましたが、第5問を解き終えた時点で、開始から40分程と順調なペースでした。

     第2問は、見慣れない問題でしたが、とりあえずすべて仕訳を行いました。仕訳をきってみると、勘定記入への道筋が見えてきました。やはり簿記の基本は仕訳なんだと改めて感じました。また普段からルールを覚えるたけでなく、本質は何かを考えてきたことが、実を結んだ瞬間であったと思います。

     第2問を解答し終えた時点で60分経過、残り60分と十分な時間を残して第3問にむかえることになりました。

     第3問は決算の標準的な問題でしたので、きっちり仕訳をきって解いて行きました。ただ時間が十分あることに油断して丁寧に行き過ぎたのか、仕訳を終えた時点で残り15分と少し厳しくなって来ました。

     精算表に記入してみると賃借差額が合わなかったのですが、簿記検定ナビの電卓使い方講座の「賃借差額が合わなかった時の電卓テクニック」に助けられ、間違いを無事に見つけることが出来ました。

     すべて解いたところで残り4分。見直す時間はなかったので、とりあえず今後の自己採点のために解答を下書きにざっくり写したところで試験終了となりました。

     さすがに4分では解答の書き写しがあやふやで、試験当日の自己採点では正確な点数はわかりませんでしたが、合格の手ごたえはありました。その後、96点で合格していたことがわかり、喜びを噛みしめました。

    本試験の下書き_第1問・第4問・第5問
    本試験の下書き_第1問・第4問・第5問
    本試験の下書き_第2問・第3問
    本試験の下書き_第2問・第3問

     上の2枚の画像は本試験の下書きです。すべての取引の仕訳をきっちり切っているのは、多少参考になるかと思います。

     第3問の精算表の問題では、仕訳を精算表への転記する際の漏れを防ぐために、仕訳と仕訳のための下書き・計算を分けて、仕訳だけをまとめて記載しています。

    最後に

     簿記検定の合格をゴールだと思わず、スタートだと捉えて、今後の自分の仕事に活かしていきたいと思います。

    管理人からコーヒーアレルギーさんへ追加の質問

     コーヒーアレルギーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    【商業簿記】
     得意な論点は精算表です。3級の学習をみっちりやったのが活きていると思います。一方、特殊仕訳帳や本支店会計が苦手でした。対策としてはトレーニングの問題を繰り返し解いて、解説ページまできっちり読み込みました。

     その結果、特殊仕訳帳や本支店会計は問題自体の難度は高いものの、その出題パターンは限られていることに気づき、それからは苦手意識がなくなりました。

    【工業簿記】
     総合原価計算が得意でした。仕事がら、工場の管理会計に触れる機会が多々ありますので、全般的に工業簿記はとっつきやすかったです。

     ただ、仕訳問題は苦手でした。商業簿記では費用は主に借方だったのに、工業簿記では頻繁に貸方に仕訳されるのがいまいち腑に落ちませんでした(例:借方 仕掛品、 貸方 賃金 など)。

     克服するための勉強方法としては、やはり重点的に仕訳問題を繰り返し解いて解説ページを読み込みました。また、テキストとトレーニングを行ったり来たりしました。それにより、費用が貸方に仕訳されるのは、費用の置き換えをしているのだという流れを理解することが出来ました。

     コーヒーアレルギーさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     勤務先での管理会計の勉強会が開催された際にあまり内容が理解出来なかったのが簿記の学習を始めたきっかけですが、その後簿記の学習を進めるにつれ、ひとつの大きな目標が見えてきました。それはエンジニアに正しい会計知識を促すことによる「ものづくり日本」の再生です。

     私自身エンジニアですが、周りを見渡すと、エンジニアに正しい会計知識が浸透しているかというと、そうでないのが現状です。多少の差はあるにしろ、おそらく多くの日本の製造業が同じ問題を抱えているのではないかと思います。

     10年ほど前までしたら、高品質で高い信頼性の製品をつくっていれば多少高くても売れた時代でしたのでそれでもよかったのでしょうが、もうすでにエンジニアがコストと真摯に向き合わないければいけない時代は到来しています。

     文系と理系の垣根を越えて、エンジニアも高度な会計の知識が要求されるなかで、日本のものづくりの現場は、時代に遅れをとっているように思います。

     そこで自分が何を出来るかを考えた時に思いついたのは、まず自分が正しい会計知識を身につけること、そして社内で勉強会な どを主催し、エンジニアに、エンジニアである自分が、エンジニアにわかる言葉で説明をすることです。

     ゆくゆくは独立して、いろいろな企業にセミナーの講師として渡り歩き、日本のものづくりの現場を会計から変えていければなどと夢見ています。

     簿記の勉強はその大きな目標を実現するための小さな1歩だと思うと、モチベーションは上がることはあれど、下がることはありませんでした。

     大風呂敷を広げてしまい恥ずかしいですが、そう思うことでやる気が出たのは事実です。あまり参考にはならないかもしれませんが…。

    管理人コメント

     コーヒーアレルギーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     一般的には、試験に合格するために必要な教材は「テキスト」「トレーニング(問題集)」の他に、「過去問題集」「予想問題集」と言われていますが、コーヒーアレルギーさんは前者の2つをきっちりこなすことによって見事合格を果たされています。

     私自身は過去問対策は必須だと考えていますが、いろんな教材に手を広げすぎて全てが消化不良になってしまうよりも、「深く・狭く」学習することによって理解を深めるという勉強スタイルもあるんだな、と合格体験記を編集していて勉強になりました。

     あと、追加の質問に対する回答のところに書いていただいた「特殊仕訳帳や本支店会計は問題自体の難度は高いものの、その出題パターンは限られていることに気づき、それからは苦手意識がなくなりました」はとても大事なポイントです。

     この「気づき」を得るのに最適な勉強法がまとめ解きです。同じ分野の問題を集めて、集中的に解くだけの簡単な方法ですが、費用対効果はかなり良いので、直前期に伸び悩んでいる人は騙されたと思って試してみてください。

    コーヒーアレルギーさんが使われた教材や電卓のまとめ