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  • 第153回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.168

    簿記は頭で考えるよりも、ひたすら手を動かすことが合格への近道です!

    • 投稿者:たっつんさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     フルタイムで仕事しながら、あまりまとまった学習時間がとれなくても日商2級に合格できたという記録を残すことで、これから受験しようと考えている皆様の一助になればと思い、合格体験記を投稿させていただきます。

    受験動機

     直前まで別の資格試験の勉強をしていました。

     試験は終了したものの、せっかく身についた毎日学習する習慣を止めてしまうのはもったいないと思い、以前から興味があった簿記を受験することにしました。

     また、将来起業することを考えており、その際にせめて簿記2級程度の知識はあった方が良いのではと思い、3級をとばして直接2級を受験することにしました。3級との併願も考慮しましたが、目的はあくまで2級合格のため2級単願としました。

    使用テキストなど

    TACの教材
    TACの教材(2級)

    3級対策

    • わかる!できる!うかる!日商簿記3級 テキスト+問題集+模擬試験(ネットスクール)

     簿記初心者なので、最低限の知識を得るために3級の学習は必要でした。

     よく言われるように簿記2級のテキストは簿記3級の知識があることが前提で作られていて、実際にどのテキストを見てもその通りなので、私のような簿記初心者の方がいきなり簿記2級を受験する場合でも、まず3級のテキストから始めることを強く勧めます。

     この本はタイトルの通り、テキストから模擬試験までが1冊にコンパクトにまとまっています。テキスト部分はカラーでわかりやすく、かつ、かなり要点を絞った内容に感じました。

     テキストで学習した後に問題集で知識の定着を図り、模試も難易度別に3回分用意されていて定着度合いを確認できるので、短期間で2級を学習するベースを作るという目的には最適だったと思います。

    テキスト

    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記(TAC出版)
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記(TAC出版)

     書店で他のテキストと見比べた上で購入しました。

     2色刷りのテキストが多い中、フルカラーで解説も丁寧であり、あまり試験に出ない項目は後ろの章にまとめて参考として記載するなど、学習期間があまり無い私にとって都合の良い構成だったのが決め手です。

     商業簿記の巻末についていた仕訳対策の別冊も、勘定科目に対する知識の定着を図るうえで有用でした。

    問題集

    • みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 商業簿記(TAC出版)
    • みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 工業簿記(TAC出版)

     テキストの章末ごとに問題が載っていたので当初問題集を購入するつもりはなかったのですが、商業簿記のテキストと間違って購入してしまい(表紙が似ている…)、どうせならと工業も揃えました。

     テキストでは参考扱いだった項目もしっかり扱っており、結果的にテキストの内容を知識として定着させるのに役立ったように思います。巻末についていた模擬試験は、時間がなくて出来なかったので評価保留です。

    過去問・予想問題

    • よくわかる簿記シリーズ 合格するための過去問題集 日商2級(TAC出版)

     実際に出題された問題が解ければ合格できるだろう、と考えて予想問題ではなく過去問に重きを置きました。過去問を解くさいには本番と同様に時間を測って解くことが大事だと思います。

    その他

     学習する中で簿記における仕訳の重要性を感じたため、スキマ時間にひたすら繰り返しました。スマホで行っていたこともあり、PDF版ではなくWEB版の方が利用しやすかったです。

    電卓

    • Canon LS-100TU

     機能より慣れを重視し、自宅にあったものを使用しました。GT(グランドトータル)はありませんが、12桁表示でメモリ付きなど簿記の学習するうえで必要最低限の機能はついてましたので、特に支障を感じることはありませんでした。個人的には表示部がチルトしているのも評価が高いです。

    学習の流れ

     基本的に日曜日は休みにして、ストレスを溜めないように学習を進めました。各日の学習時間は、往復通勤時間1.5時間+帰宅後1.5時間の計3時間程度です。

    <第1週 ’19/9/9~9/15>3級の学習

     テキスト読み→問題集の流れで章ごとに進め、全て終えたら予想問題を3回分解きました。いずれも70点以上取れたので、そのまま2級の学習へ進みました。

    <第2~3週 ’19/9/16~9/29>商業簿記テキスト

     テキスト読み→章末問題を解くという流れでまず1周することを優先しました。1周目でなるべく深く理解するために、章末問題は理解できるまで何度も繰り返してから次の章に進みました。

    <第4週 ’19/9/30~10/6>商業簿記問題集&工業簿記テキスト

     通勤中など電卓が使えないときは工業簿記のテキスト読み→章末問題を解く、自宅など電卓が使えるときは商業簿記の問題を解いていました。1日のうちで商業簿記と工業簿記の両方を行うことで、忘却防止に努めました。

    <第5週 ’19/10/7~10/13>商業簿記テキスト&工業簿記テキスト

     工業簿記の章末問題は電卓が無いと解くのに苦労する問題が多かったので、通勤中は商業簿記の章末問題、自宅学習では工業簿記の章末問題を解くという流れにしました。

    <第6~7週 ’19/10/14~10/27>予想問題&商業簿記テキスト&工業簿記テキスト・問題集

     簿記検定ナビとネットスクールの無料模試を解いてみたところ、第1・4・5問で得点を稼げそうなことが分かったので、商業簿記の仕訳と工業簿記で満点近く取り、第2・3問で合わせて10~15点取る作戦で学習を進めることにしました。

     工業簿記は完ぺきを目指して問題集を解きながら間違えたところはすぐ復習し、合わせて通勤中などのスキマ時間に仕訳演習&商業簿記のテキスト再読み込みをしていました。

    <第8週 ’19/10/28~11/3>商業簿記問題集&工業簿記テキスト

     商業簿記の問題集のうち保留していた第2&3問対策を進め、工業簿記についてはテキスト再読み込みを中心に忘却阻止に努めました。連結に関しても時間はかかるものの、何とか精算表や財務諸表を埋められるくらいまで仕上げました。

    <第9~10週 ’19/11/4~11/16>過去問題集&仕訳演習

     1日1回分のペースで12回分(第141回と第142回は工業簿記のみ)の過去問を時間を測って解きました。

     当初の目論見通り、第1・4・5問で50点前後を取れるようになっていたため、間違ったところはすぐさま解説を読んで復習し、学習量が相対的に少なくなってしまった第2&3問については、同じミスを繰り返さないように気を付けて進めました。

     通勤中など電卓が使えないスキマ時間は、ひたすらテキスト読み&仕訳演習を行いました。

    補足:テキストへの書き込みについて

     問題を解いて復習するさいには、その都度テキストに戻って該当箇所に付箋を貼り、場合によっては自分なりの解説を記入しました。この作業をしておくと、テキストを読み込むさいに優先的に見直すことができるのでおすすめです。

    テキストへの書き込み1
    テキストへの書き込み1

    テキストへの書き込み2
    テキストへの書き込み2

    試験日1日の流れ

    試験当日

     寝不足にならないよう前日は23時くらいには就寝、当日は8時くらいに起床。普段の休みと同様に午前中に掃除・洗濯・スーパーへの買い出しを済ませ、11時半くらいには出発。

     最寄り駅には12時半くらいに到着して牛丼屋で昼食をとった後、試験開始30分前の13時くらいに試験会場に到着しました。

    試験開始まで

     試験会場は専門学校でしたが、高校の教室のような机と椅子の教室でしたので久々の学生気分を味わえました。私が受験した教室は50人分程度の机がありましたが、試験開始までに着席してたのは3割程度。他の資格試験でも満席になることはなかなか無いですが、それでもちょっと欠席率が高いように感じました。

     直前までテキストを開いたりしてる方もいましたが、私は今更な気がしたのでスマホで電子書籍を読んでリラックスしてました。あと試験中はトイレによる退室ができないと聞いていたので、試験開始の2分くらい前にトイレに行きました(実際に試験開始前の諸注意で、試験中はトイレ退出不可と言っていました)。

    試験開始

     答案用紙が配られ、受験番号や名前などを記入する時点で第3問がいつも解くのに時間がかかる連結精算表であることが分かったので、いつも通り1→4→5→2→3の流れで進めることに決定。

     試験開始後は特に悩むこともなく第5問まで解答。第2問は空欄推定という過去問演習でもやらなかった形式に少々戸惑いましたが、解き始めるとそれほど難解でもなく、テキスト読み込みの成果が出たと思います。

     この時点で試験時間が1時間以上残っていて、あとは第3問だけなので余裕×2と思っていたら問題読んでもさっぱりわからない。意味すらよくわからない。最近の第3問は難化傾向でしたがここまでとは…。

     完答を目指してとりあえず15分くらい頑張ってみたものの、これはいくら何でも無理と判断。第3問以外で合計70点以上取れていそうな手応えはあったので、第3問は完全に部分点狙いに切り替えました。のれんなど比較的簡単に対応できる個所をできるだけ埋めた時点で残りは20分くらい。

     資格試験では途中退室はあまりしないので、今回も試験時間終了まで解答の見直しなどして試験終了の時間を迎えました。

    試験終了後

     第3問除いてかなり手応えはあったので、気分も軽く試験会場を後に。帰宅した時間には既に各予備校の模範解答が出回っていたのでチェック。自己採点では16-18-6-20-20の合計80点と、試験中に感じた手応えとほぼ同じ。おかげで夕食時の晩酌が美味かったです。

    結果と総括

    合格証書
    合格証書

     結果は16-18-8-20-20の合計82点で無事合格。ほぼ自己採点&作戦通りでした。

     簿記の理解を深めるという意味では中途半端な学習になってしまいましたが(特に連結関連)、早期に試験の傾向と自分の能力を精査した上で方針を固めて学習を進めた事が、今回の合格につながったと思います。

     簿記はまず仕訳がとても大事だと感じました。少しでも時間があれば仕訳対策するようにしたことで得点力が格段に上がりました。また、独学でも自分が信じたテキストや問題集を素直にモノにしていければ合格できると思います。

     学習できる期間が短く、問題集と過去問は1回ずつ解くので精一杯でしたがそれでも何とかなりました。演習で間違えたところは間違えなくなるまですぐに繰り返すなど、簿記は頭で考えるよりもひたすら手を動かすことが合格への近道だと思います。

    管理人からたっつんさんへ追加の質問

     たっつんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
      工業簿記全般は得意な部類に入ると思います。簿記の問題を解く時は私にとってパズル感覚なのですが、特に工業簿記についてはよりパターンが決まっているように思えたので、問題を解いていて楽しかったです。

     連結関連は解くのに時間がかかるという意味では不得意に当たります。当初は普通に仕訳してから答案用紙を埋めていたのですが、非常に時間がかかり完答できないこともしばしば。

     ネットなどで対応策をいろいろ調べるうちにタイムシート使いこなせるようになると部分点稼げるようになるとあったので、まずそれをマスターしてから攻めることで完答までの時間を短縮できるようになったと感じます。

     たっつんさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
     特にモチベーションが下がることもなかったので何とも言えませんが、仕事等で疲れていたりした時は素直に休むようにしたり、週1日は勉強を休むなどして過剰にストレスがかからないようにはしていました。

     また、逆に学習しないと落ち着かない事もあり、特に通勤中はテキストとか読んでないと時間を持て余す感じでした。別の資格の勉強をする中で既に毎日学習するクセが身についていたので、それが良かったのかもしれません。

     勉強期間2か月半の「総勉強時間」はだいたいどれぐらいですか?
     たまに帰宅後学習しない日もあったので、1日の平均学習時間は2時間くらいだったとして、1日平均2時間×週6日学習×10週間=総学習時間120時間くらいだと思います。

    管理人ひとことコメント

     たっつんさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

     たっつんさんの合格体験記の中で、受験生の方に特に参考にしていただきたいのはテキストの読み込みや仕訳対策といった基礎的な学習に力を入れている点です。

     簿記の基礎をしっかり身につけておくことで、直前期の過去問対策にスムーズに入ることができますし、結果的に仕訳(第1問)と工業簿記(第4問・第5問)の点数が安定するのでメンタル的にも良いです。

     間違いノート(まとめノート)を作る時間がない方は、たっつんさんのようにテキストに情報を集約化して何度も読み込むことをおすすめします。

     また、本試験では第153回の第3問のように「今までに見たこともないような問題」が出題されることがあります。そのような問題に遭遇した場合は、たっつんさんのように無理に完答しようとせずに部分点狙いに切り替えましょう。

     簿記2級は100点中70点取れば合格です。仕訳の4点も連結会計の超難しい処理をしてやっともらえる4点も同じ点数なので、「点数を取りやすい問題」と「点数を取りにくい問題」をしっかり見極めて解答しましょう。

    たっつんさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第153回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.167

    育児と勉強の両立は、細切れの時間の使い方がポイントになります!

    • 投稿者:あゆみみさん
    • 勉強形態:職業訓練
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約11か月

    はじめに

     出産を機に仕事を辞めましたが、子供が1歳になり少し生活も落ち着いてきたところで求職活動をしようと思い、約1年前からハローワークに通い始めました。

     そこで職業訓練の講座の中に簿記2級の取得を目指す講座があると知りました。仕事を辞める前は一般事務の仕事をしていたのですが、これからはもう少し専門性が高い経理事務の仕事をしたいと考えていて、いずれは簿記2級の資格を取得したいと数年前から思っていました。

     このチャンスを逃したらもう2級をとることはできないだろうと思い、職業訓練で大原学園に通うことを志望し選考が通り、2級の勉強を始めました。

     ちなみに、3級は約4年前に独学で取得していたので、2級の勉強もすんなり入ることはできました。しかし、実際は勉強・試験はそう簡単にはいきませんでした。

     勉強を始めたころは1回目で合格すると思っていたのですが、結局、3回目での合格となりました。本当にもがき苦しんだ11か月でしたので、私みたいに苦しんでいる方の参考になればと思い、合格体験記を投稿することにしました。

    使用した教材・電卓

    • スッキリわかる日商簿記2級商業簿記(TAC) A+
    • スッキリわかる日商簿記2級工業簿記(TAC) A+
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC) A+
    • 直前予想 第(152回・153回)をあてる(TAC) A-
    • ズバリ!2級的中(152回) 完全予想模試(ネットスクール) B+
    • 簿記ナビ模試 A+
    • 職業訓練時の大原のテキストと問題集
    • 電卓:Canon HS-2200A

     TACのスッキリわかるシリーズは、3級に合格した後にすぐ購入したものです。開かないまま本棚で眠っていましたが、職業訓練が終わった後にもう一度基礎からやり直そうと思って読み直しました。説明がとても分かりやすかったです。

     合格するための過去問題集は、12回分の過去問はもちろんですが、個人的には第1部の「TAC式 出題別攻略テクニック編」がとても役立ちました。特に連結会計の問題がたくさん載っていたので、繰り返し解くことにより理解が深まりました。

     TACやネットスクールの予想模試に関しては、難しめに作ってあると思うので、あまり点数は気にしなくてもいいと思います。

     153回試験対策の簿記ナビさんの模試では、試験範囲の改定で追加されたけどまだ出題されていない論点の問題が第3問で出題されていました。これを1回解いておくだけで、すごく安心できたのでよかったです。

     今までに見たこともないような問題がいきなり出題されて、解き方も分からず点数をごそっと落としてしまうリスクはできるだけ避けたかったので、予想模試などを使って未知の問題を解いておくことは大事だと感じました。

     Canonの電卓は簿記3級の勉強を始めた時に買ったものです。電卓のサイズが大きめなので、キーが押しやすくて使い勝手もよかったです。

     ただ、試験の時など限られたスペースで使用することを考えますと、もう少しサイズが小さい電卓のほうが良かったかもしれません。

    学習期間・方法・落ちた時の結果

    151回(2019年2月実施)に向けて

     2018年11月下旬から職業訓練が始まりました。最初の3週間で3級の範囲を学習し、12月上旬から2級の学習が始まりました。

     1月中旬にはテキストの範囲がすべて終わり、そこから試験までは「授業中に問題を解く→家に帰って復習する」という毎日を繰り返しました。

    • 結果:58点
      • 第1問:4点
      • 第2問:12点
      • 第3問:10点
      • 第4問:18点
      • 第5問:14点

    152回(2019年6月実施)に向けて

     2回目の挑戦にもかかわらずなかなかモチベーションが上がらず、今思うとエンジンがかかるのが遅かったです。

    • 結果:61点
      • 第1問:12点
      • 第2問:18点
      • 第3問:16点
      • 第4問:4点
      • 第5問:11点

    153回(2019年11月実施)に向けて

     153回で絶対に受かりたいと思い、以下のような計画を立てました。

    • 7月:大原で使っていた問題集2周目を解く
    • 8月:TACの過去問題集の第1部(攻略テクニック編)の問題を解く→間違った問題だけもう一度解く
    • 9月~10月:TACの過去問題集の第2部(本編)の問題と153回をあてるTAC直前予想日商簿記2級を解く
    • 11月:苦手なところをもう一度復習

     途中、なかなか思うように進まないこともありましたが、ある程度割り切って計画通りに勉強を進めることを優先したため、おおよそこの通りに実行できたと思います。

     勉強していて感じたのは、問題を解くのはあまり時間がかからないけど、解説を読んで理解してテキストに戻って…とやっていると思った以上に時間がかかることです。

     計画より時間がかかってしまうのは当然で、それで出来なかったと嫌悪感を抱いてネガティブな感情になるより、「時間は限られてるからしょうがない。次へ次へ!」と、ある程度割り切って先に進むメンタルが大事だと感じました。

     また、私は152回の試験のさいに工業簿記で点数を落としたので、試験2週間前は工業簿記の苦手論点を中心にもう一度問題を解き直しました。

    メンタル面

     はじめにも書きましたが、私は151回で合格するつもりでした(今思うとおこがましいですが…笑)。

     151回の試験は第3問で難問が出てしまい、ケアレスミスしたこともあって58点でしたが、職業訓練に通っている時は答練で60~80点くらいの点数を推移していたので、次は普通の問題が出れば受かるだろうと思っていました。

     しかし、152回の試験では「これでやっと受かる。家族に良い報告ができる」と余計なことを思ってしまい、工業簿記を解いている最中に様々な邪念が入ってきてしまって全く集中できなくなってしまいました。結果は61点でした。

     前回よりも3点しか上がっていなくて、本当に自分に幻滅しました。どうしてこうなるんだ、もう自分は一生受からないんじゃないかとも思いましたが、ここまで勉強した以上、あとには引けない状況なので受かるまで受け続けようと決意しました。

     私の場合、本番でマイナス20点になるのだから練習では90~100点を目指さないと受からないと考えました。

     例えば、今までに見たことがないような難度の高い問題に遭遇した場合、それまでだったら「こんな問題は出ないでしょ」と思っていましたが、それからは「こういう問題も解けないと受からないんだ」と思って自分を奮い立たせていました。

    勉強時間について

     私は専業主婦ですが、子供の前では勉強をしないということを決めていたので、勉強時間を確保するのは大変でした。毎日の勉強時間は以下のような感じです。

    • 子供のお昼寝時間(約1時間半~2時間)
    • 夫と子供がお風呂に入っている時間(約15分)
    • 子供を寝かしつけてお風呂に入った後(1時間)
    • 歯磨きをしている時間(約5分)

     田口先生がよくツイッターなど仰っていた「細切れ時間を有効に活用しましょう」というアドバイスを参考にして、毎日の細切れ時間を勉強にあてて少しでも多く勉強時間を確保しようと工夫しました。

     子供がお風呂に入っている時間は、仕訳問題や大原簿記のツイッター(簿記トレ2級@資格の大原/関西)の問題を解いていました。

     また、歯磨きをしている時間は、自分の間違った問題や苦手な所をまとめたものをA4用紙に書いて、それを冷蔵庫に貼って歯を磨きながら眺めていました。

     特に主婦の方にオススメしたいのは冷蔵庫にまとめノートを貼ることです。歯磨きをしている時だけでなく、料理している間とか洗い物が終わった後とかにちょっと眺めるだけで勉強になります。

    A4用紙にまとめたもの1
    A4用紙にまとめたもの1

    A4用紙にまとめたもの2
    A4用紙にまとめたもの2

    A4用紙にまとめたもの3
    A4用紙にまとめたもの3

    A4用紙にまとめたもの4
    A4用紙にまとめたもの4

    苦手分野

     商業簿記の苦手分野は連結会計でした。なかなか理解できなかったので、とりあえず形を覚えようと思い、開始仕訳の形を中心に冷蔵庫に貼ってある用紙で覚えました。

     私は弥生カレッジCMCさんの連結会計の無料動画がとても役に立ちました。特に連結2年度の問題の開始仕訳の解き方は、すばやく処理できるようになって感動したのでオススメします。

     工業簿記の苦手分野は標準原価計算直接原価計算でした。苦手分野の対策は、間違った問題を自力で解けるようになるまで何度も解くことが一番の効果的だと思います。

    試験日1日の流れ

    8時 起床

     いつもの休日の朝と同じ位の時間に起き、朝食をとりました。

     田口先生のツイッターで「簿記は暗記科目ではありません」という忠告を頭に入れていたので、前日も早く寝て、朝食後も不安な所を見直す程度で、あまり頭を動かし過ぎないように心掛けました。

     13時半に試験開始なので、早めに11時前から家で昼食をとりました。そして11時過ぎから30分程度ベッドの上で目を瞑って体を少し休ませてから家を出発しました。

    12時30分 試験会場到着

     試験会場には試験開始の約1時間前に到着しました。

     試験の前に、いつも使っていたノートに今の心境をつらつら書き留めました。「今まで頑張ってきたね。やれるだけのことは全てやってきたよ。支えてきてくれたみんなに感謝をしながら試験を受けよう」と書いていました。

     私はこれで、心が整えられて、スムーズに試験に入ることができました。

    13時30分 試験開始

     第1問~5問までの問題を確認した時に、第3問で151回の連結会計のような問題が出題されていることが分かったので、第3問は一番最後に解こうと決めて第1問から解き始めました。

     いつもは1→4→5→3→2の順番で解いているのですが、第2問の空欄推定問題は時間が掛からず解けそうだったので、第1問が終わったあとにそのまま第2問を解きました。

     次に第4問、第5問と解いたのですが、第5問の途中で割り切れない数が出てきてすごく焦りましたが、まだ時間はあると自分に言い聞かせて最初から見直しをしていったところ、間違えている箇所を見つけたのでひと安心しました。

     最後に残った第3問は「深入りしちゃだめだから30分で解けるところまで解こう」と決めて、基本的な処理だけは絶対点数を落とさないように気をつけながら慎重に解きました。

    結果

    • 結果:90点
      • 第1問:20点
      • 第2問:20点
      • 第3問:10点
      • 第4問:20点
      • 第5問:20点

     過去問や模試では必ずと言っていいほどケアレスミスをしていたので、90点という結果を見てびっくりしました。

     模試や過去問をたくさん解いたことにより、確かな自信を持って試験に臨むことができたからこそ、ずっと集中力を維持しながら最後まで解けたのではないかと思います。

    最後に

     私は3回目の挑戦で合格できましたが、この1年間はとても苦しかったし悔しかったです。でも合格した時の喜びはひとしおでしたし、受かったからこそ言えることですが、簿記のことを深く知ることができて良かったと思います。

     1回目・2回目で受かっていたとしたら簿記の知識も浅かったと思いますし、なかなか実力を発揮できない自分の精神力・弱さとも向き合えていなかったと思います。

     世の中にはきっと、なかなか合格できなくて何度も試験を受けている人、苦しんでいる人がいっぱいいると思います。でも苦しんだぶんだけ合格した時の喜びも倍になるので、悔しい経験を活かして勉強して次の試験にその想いをぶつけてほしいと思います。

    合格証書
    合格証書

     今後は…子供がある程度大きくなったら、経理職の正社員の仕事に就きたいと思っているので、簿記2級の資格を活かして税理士事務所でパートの仕事をして実務経験を積みたいと考えています。

     また、本屋さんでFPの試験の参考書を手にとってみたところ、自分が興味のある分野だったので、時間ができたらFPも勉強したいと思っています。

    管理人からあゆみみさんへ追加の質問

     大原の職業訓練の講座の様子を教えてください。
     簿記3級から2級までの取得を目指している講座だけあって、講座・教室の雰囲気はピリッと引き締まっていて、集中して講座を受けることができました。受講生の年齢層は20代前半から50代前半までで幅広い年齢層の人たちが集まっていました。

     4か月という長い訓練だったので、最初から協力し合って4カ月を乗り切りましょうという声かけを大原学園の先生がしてくれたこともあって、受講生同士で各々コミュニケーションをとっていました。

     簿記の試験や仕事のことなどの情報交換をする友達もでき、試験勉強を続けていく中でもとても励みになりました。

     過去問題集や予想問題集に収載されている問題を何回ぐらい解きましたか?
    ・過去問題集
    工業簿記は間違えた問題を自力で解けるようになるまで1回~3回ぐらい解きました。商業簿記は時間の余裕がなくて1回~2回ぐらいしか解けませんでした。

    ・予想問題集
    過去問と同様、工業簿記は間違えた問題を自力で解けるようになるまで1回~3回ぐらい解きました。商業簿記は時間の余裕がなくて1回しか解いていませんが、苦手なところだけピックアップして2回解きました。

    管理人のひとことコメント

     あゆみみさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

     幼児の子育てと勉強の両立は大変だったと思いますが、途中でドロップ・アウトすることなく合格を勝ち取ってもらえて本当に良かったです。

     あゆみみさんの合格体験記の中で、受験生の方に特に参考にしていただきたいのは細切れの時間を有効活用されている点です。

     塵も積もれば山となる、という言葉があるように、細切れの時間も合計するとそれなりの時間になります。なにかと忙しい社会人が、この時間を有効活用しない手はありません。

     なお、時間の使い方に決まりはありません。あゆみみさんのようにまとめノートを冷蔵庫に貼ってこまめに目を通してもいいですし、単語帳やアプリを使って仕訳対策をしてもいいと思います。

     いろいろ試行錯誤して、自分にとってのベストな活用方法を見つけてください。

    あゆみみさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第152回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.27

    計画に拘りすぎて本来の目的(合格)を見失わないように気をつけましょう!

    • 投稿者:Lightさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     勤務先の経営状況・財務状況が大きく変わっている中で、会社の数字について正しく理解できていない(営業利益と経常利益の違い、利益剰余金とは何かなど)のは、今後の社会人生活で大きな問題ではないかと思い、簿記の勉強と受験を決めました。

     社会人になりたての約10年前にも3級のテキストを買い少し勉強をしましたが、ほとんど理解できないまま勉強を辞めてしまったので実質的に初めての勉強です。

    使用したテキスト・電卓

    • スッキリわかる日商簿記3級
    • スッキリわかる日商簿記2級(商業簿記)
    • スッキリわかる日商簿記2級(工業簿記)
    • スッキリとける日商簿記2級 過去+予想問題集
    • 合格するための過去問題集 日商簿記3級
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級
    • 簿記検定ナビ仕訳対策
    • CANON LS-122TUG(電卓)

     巷では簿記の教材が溢れていますが、同じ種類のものに複数手を出さないようにしました。どの教材もプロが作っているので、その教材だけで合格できるはずです。

     また、自分でまとめノートなども作りませんでした。テキストはプロが作っているので、それに勝るまとめノートを素人が作るのは困難だと思っています。スッキリわかる日商簿記2級(商業簿記)には各章の終わりにまとめページがあったので、それを活用しました。

    3級専願から3級・2級併願へ

     3月の1週目から3級のテキスト「スッキリわかる」を読み始めました。4日ぐらいでテキストを読み終え、テキスト付属の練習問題に取り掛かりましたが、3級の難易度であれば1カ月ぐらいで受かると感じました。

     この時点で試験まで3ヶ月あったため、200時間ぐらいの勉強が必要な2級にも手が届くと思い、2級も併願することにしました。職場の同僚も3級・2級の併願で第152回を受けると言っており、同僚の後押しも力になりました。

    勉強の進め方(前期:3月上旬~4月中旬)

     3級のテキストを読み、その後、テキスト付属の練習問題を2周行った後に2級のテキスト(こちらも3級と同様のスッキリわかるシリーズ)に移りました。以降、3級の勉強はほとんど行わず、2級の勉強だけに注力しました。

     2級は、まずは商業のテキストを読み、商業の練習問題を2周やり、練習問題の2周目と併行して工業のテキストを読み始めました。

     テキストを読むさいは、まずは全体像を掴むために完全に理解していなくても何となく分かったら次に進むことを心掛けました。

     4月中旬頃に2級の商業・工業のテキストと練習問題が終わったので、そこから146回以降の過去問を軽く解き始めました(※4月下旬までに第151回までを完了)。

     ここでの目的は実際の試験の難易度や頻出する分野、自分が苦手な分野を知ることなので、点数はあまり気にせずに練習問題の延長という気持ちで取り組みました。

     第146回の大問2(銀行勘定調整表)の解説がよく理解できず、ネットで他の解説を探していたところ「簿記検定ナビ」に辿り着き、以降、大いに活用させて頂きました。

    勉強の進め方(後期:4月下旬~6月上旬)

     4月下旬から第146回~第151回の過去問の2周目に入りました。ここでは1周目よりも解説の内容を理解することを意識しました。

     過去問の2周目が終わった5月中旬以降は簿記検定ナビの試験問題予想のページを参考に「絶対に解いておくべき過去問5題」「できれば解いておくべき過去問」を繰り返し解きました。(以下の画像を参照。〇の中の数字は、解答した時のそれぞれの点数です) 簿記検定ナビに全幅の信頼を寄せておりました(笑)

    学習記録1
    学習記録1

    学習記録2
    学習記録2

     また、過去問だけでは出題傾向が変わった場合に対応できなくなると思い、通勤電車の中で商業・工業のテキストを流し読みも行っておりました。

     特に商業のテキストには各章の終わりにまとめページがあり、そこを眺めることで繰り返し復習を行いました。(これは大問1の仕訳対策にもなっていたと思います)

     さらに、仕訳対策として簿記検定ナビに掲載されている仕訳の過去問題集を印刷し、第130回以降の過去問を2回解き、2回目で間違えた問題をマークしておき、間違えた問題だけを改めて解きました(4月中旬から試験の1週間前まで)。

    勉強時間・勉強場所など

     平日は朝1時間、昼休み10分、夜1時間+通勤でテキストを流し読み。休日は朝1時間、子供の昼寝中に1時間or図書館で2~3時間。

     平日は通勤ラッシュを避けるために朝7時過ぎに会社の最寄り駅に着くようにしているので、近くのカフェでコーヒーを飲みながら1時間程勉強することができました。

     また、帰宅後は子供を寝かしつけた21時半頃から1時間程勉強をしトータルで2時間ぐらい勉強しました。試験を受けることを理由に家事を疎かにする訳にはいかないと思い、夜の勉強後には洗い物や洗濯を以前と同じようにやるようにしました(家族の理解は大切です)。

     休日ですが、妻が仕事の日は私が子守りをする必要があり、勉強があまりできないので、朝の6時から7時半まで自宅近くのファーストフード店で朝食兼勉強を行い、日中は子供が昼寝をしている間に勉強をしました。

     しかし、休日も5時半ぐらいに起きるのはなかなか大変で、朝に勉強をしたのはいいものの、疲れてしまい子供と一緒に昼寝をしたことを何度かあり、休日の朝の勉強が本当に効果があったのかは怪しいです(笑)

     ゴールデンウィーク期間中は勉強する日は上記の休日と同様のスケジュールで勉強しましたが、家族で出かける日などは「勉強をしない日」と決め、その日は全く勉強せずに家族と過ごしました。

     試験直前は、妻が休みの時は子守りを任せ図書館で勉強させてもらいました。家族の協力により勉強時間を確保できたので感謝しています。

    各級の対策

    簿記3級

     2級に受かる可能性は半々ぐらいだと考え、2級に落ちてもせめて3級は受かっておきたいと思い、試験の3週間ぐらい前から会社の昼休みに10~15分ぐらい過去問を第151回から順に解きました(記憶は定かではないですが第148回ぐらいまで遡れたと思います)。

     2級の勉強をしていたので難易度的には難しくないのですが、帳簿の問題などは2級では出題されず、3級特有の問題なので効果はあったと思います。

    簿記2級

     以下の6つの点に気をつけて対策を進めました。

    1. 過去問や予想問題を大問1~大問5まで通しで解く時間が確保できそうに無かったので、大問2と大問3はそれぞれ30分以内、大問4と大問5はそれぞれ15分以内に解くことを意識して解くようにしました。
    2. 過去問を解くさいは、途中でテキスト等は見ずに、分かる範囲で解答しました。分からない問題・難しい問題であっても、部分点を取るクセを付けるためです。テキストを見ながら解く勉強方法もあるので好みは分かれるかと思いますが、自分は前者のやり方を選択しました。
    3. 一時期、問題をよく読まないことが原因のミスを頻発させたことがあり(減価償却率は25%と問題文に記載されているのに先入観で20%で計算していたなど)、問題文をよく読み、内容を確実に理解することを意識しました。
    4. 過去問題集に付いていた予想問題は時間を十分に確保できなかったこと、直前に解いて低い点を取ってしまったときに焦りが生まれてしまうことを考慮し、あえて解かずに過去問の繰り返しに注力しました。あと1週間ぐらい時間があれば解きたかったです。
    5. 簿記検定ナビの予想問題は大問3以外は解きました。大問3は試験前日に解こうと思っていたのですが、前日に新たな問題に着手するのは良くないと思い、こちらもあえて解きませんでした。
    6. 2級の対策をまとめますと、簿記検定ナビの試験問題予想に沿った過去問の繰り返し、仕訳の過去問、テキストの流し読みだけしか5月以降は行っておりません。

     また、勉強をする時に「いつまでにどこまで進めよう」と計画を立てることが多いですが、計画通りにこなすことにこだわりませんでした。

     仕事・家事・育児・体調などの関係から計画通りに進まないことはよくありますし、最終的な目的は簿記2級に合格することであり、計画をこなすことは目的を達成するための過程や手段に過ぎません。

     計画通りこなすことにこだわりすぎると、計画を守ることが目的となり、本来の目的からズレてしまう可能性があります(計画を守るために、十分に理解できていないのに次に進むなど)。

     本来の目的(試験に合格する)を達成するために、過程や手段(勉強計画など)は状況に応じて変更することを厭わないことが重要ではないかと思います。

    試験日1日の流れ

    試験当日(3級)

     8時頃に会場に着き、近くでコーヒーを飲みテキストを流し読みしました。

     3級は2級の練習という位置づけでしたので、問題用紙・解答用紙・計算用紙の大きさを確認し2級の試験に備えることを意識しました。

     過去問を解いた感じから大問1から順番に解いても時間に余裕があると思い、大問1から順に解きました。時間を意識せずに丁寧に解き、試験開始から1時間15分で一通り終わり、以降は見直しや再考の時間としました。

    試験当日(2級)

     3級試験で予想以上に疲れてしまったので、軽めの昼食をとった後は本屋に立ち寄ったりして休憩しました。再び試験会場近くでコーヒーを飲み、テキストを軽く眺めて過ごしました。

     2級は「4→5→1→2→3」の順で解くことを決めていたので、その順番で解き始めました。大問4はほぼ解けたのですが、大問5は問題文の意味が理解できず、5分ぐらい経っても全く解けなかったので大問1を先に解くことを決めました。

     大問1は直近の過去問に比べれば簡単でしたが、金利の期間をよく確認して解くなど、問題文をよく読み丁寧に解答することを心掛けました。

     大問2は第146回の大問2とよく似ていたため、過去問を思い出しながらこちらもケアレスミスをしないように丁寧に解きました。大問1・2・4を終えた時点で試験開始からまだ45分しか経過していませんでした。

     大問5が全く解けなかった時点で合格を諦めたのですが、大問1、2、4で高得点が狙えそうで、まだ時間もじゅうぶんあったため、再び合格へ向けて気合が入りました。

     大問3はあまり対策を行ってこなかった税効果勘定が出題され戸惑いましたが、それ以外の点数が取りやすい部分に注力し、短い時間で10点程度を取ることを意識しました。

     また、得点になりそうな減価償却や未払消費税などの問題はミスをしないように丁寧に解きました。

     試験開始から1時間20分が経過した時点で大問3が終わり、大問5へ戻りました。過去問の傾向から問1と問2は容易に解けるはずと判断し、問題文を改めてよく読み、シンプルに考えて解きました。

     その後もゆっくりと分かるところから数字を埋めていき、最終的に大問5も完答できました。残り時間が5分ぐらいあったので大問1・2を見直し、試験は終了となりました。

    試験結果

     帰宅後に解答速報を確認したところ、2級も80点前後は取れていそうな感じだったので、合格できたかな?と思っていました。最終的な結果は以下の通りです。

    • 簿記3級:93点(①:20点、②:10点、③:27点、④:06点、⑤:30点)
    • 簿記2級:88点(①:20点、②:20点、③:12点、④:16点、⑤:20点)

    最後に

     当初の受験目的である「会社の数字について正しく理解する」については、今回の勉強と受験を通じて、理解するためのベースが身に着いたと思っています。今後も勉強を続け、会社の数字をより理解できるようになりたいと思います。

     また、3か月間勉強を続けたことで、勉強する習慣を身に着けることができました。仕事・家事・育児などで時間に追われがちな生活となっていますが、何となくテレビを見ていたり、スマートフォンをいじっていたりする時間を減らすことで、(たぶん)家庭に影響を与えることなく、勉強する時間を確保できました。

     この勉強する習慣はあらゆる分野に生かせると思いますので、2級に合格した以上に今回の収穫だったと思います。

     同時期に受験した同僚、平日の夜や休みの日に勉強させてくれた家族、そして合格へ導いてくださった簿記検定ナビの管理人様には感謝しております。

     自分の経験を書くのは得意ではないのですが、簿記検定ナビの更なる発展や今後受験される方のお役に立てればと思い今回投稿させて頂きました。

    管理人からLightさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に(100点満点で)点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめできますか?
     100点です。初めて勉強する人にも分かりやすい内容で解説されており、スッキリシリーズだけで合格できると思います。これから受験される方にもおすすめできます。
     今回、勉強に使われた電卓に(100点満点で)点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめできますか?
     100点です。価格も他の物に比べれば安価で使い勝手も良かったです。こらから購入を検討される方にもおすすめできます。
     得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は工業簿記全般です。製造業に携わっており、「仕掛品」など工業簿記で出てくる言葉が社内で使われているので、概念が理解しやすかったのだと思います。

     苦手な論点は連結です。対策として繰り返しテキストを読みました。1、2回読んだだけでは理解できなかったのですが、何度も読むことで、ある時急に理解が進みました。

     勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
     簿記の勉強を始める前は英語の勉強をしていましたが、簿記に注力するために3ヶ月間は英語の勉強を止めていました。今回の試験に落ちると、英語の勉強が後ろ倒しになってしまうので、今回で終わらせようという思いがモチベーションの維持にに繋がりました。

     また、体調が悪い時や家庭の事情で時間が確保できない時は勉強をしなかったのも、最後までモチベーションを維持できた要因だと思います。

    管理人コメント

     Lightさん、簿記3級・2級試験のダブル合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     最初の「使用したテキスト・電卓」のところでまとめノートについて書いていただきましたが、こちらはよくご質問いただくところなので補足させていただきます。

     まとめノートは「テキストの内容を再編集して要約するもの」と「自分の苦手な論点を簡潔にまとめるもの」の2種類に大別することができます。

     Lightさんは前者のほうをイメージされていて、「テキストはプロが作っているので、それに勝るまとめノートを素人が作るのは困難」と書いていただきましたが、こちらに関しては私も同感です。

     要約する過程で理解が深まるという考え方もあると思いますが、前者のまとめノートを作るのにかなり時間がかかってしまうので、よっぽど時間がある方以外はおすすめしません。

     逆に、私がおすすめしている後者の「自分の苦手な論点を簡潔にまとめるもの」については短時間で作れますし、こまめに目を通すだけで苦手論点を克服することができます。

     後者のまとめノートの作り方・使い方のコツは「苦手論点の要点・解き方のみを簡潔にまとめる」「とにかく何度も目を通す」の2点です。作るのに時間をかけてはいけません。使うのに時間をかけましょう。

     また、Lightさんのようになるべく早い段階で試験範囲を1周するのはとても大事なことだと思います。試験範囲を1周すると簿記2級の全体像を把握することができる…言い換えますと、簿記2級の全体マップを手に入れることができます。

     マップがなければ今自分がどこにいるのか、また、合格までの距離も分かりませんが、マップを手に入れることによって、現在の自分の状況やゴールまでの距離を随時確認することができます。ぜひ参考にしてください。

    Lightさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第152回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.166

    短期間で合格するには効率重視の勉強が必要。マイルールを決めましょう!

    • 投稿者:fu-mamaさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月半

    はじめに

     私は2人の娘がいるワーキングママです。今回、簿記2級取得に至ったのは、職場が閉店して転職せざるを得なくなったためでした。

     育休中からその噂が流れていたため、ハローワークに行き、希望する事務職の転職先を探していると「簿記2級必須」という会社が多く、子持ちの転職は厳しいことが予想されたので、資格取得を目指すことに決めました。

     同じように働きながら子育てされていて、資格取得を目指す方のお役にたてれば幸いです。

     ちなみに、簿記3級は育休中に取得しました。3ヶ月間、毎日1日30分~2時間勉強した結果、試験直前には過去問で90~100点近く取れるようになり、本番でも一問ミスしただけで98点で合格できました。

     自己採点で合格がわかっていたので、試験の3日後には簿記2級の教科書と問題集を買って勉強を始めました。

    使用したテキストと電卓の評価

    教科書(みんなが欲しかった 簿記の教科書:95点

     本屋で手に取り、読みやすいものをと選びました。分かりやすく書かれているのと、巻末の最後にある「参考」のページまで読み込むと、細かい論点まで把握できるので良かったです。

     連結会計はタイムテーブルを書けるようになると、連結4年度以降でも部分点狙いができると知り、連結会計の問題を解く度に「参考」のページのタイムテーブルの書き方を読み返し、タイムテーブルを書けるようになったのが、本番前に自信に繋がりました。

     また、付録で付いてくる仕訳集は毎日持ち歩き、通勤時間や会社の休憩時間にパラパラめくり、スキマ時間を活用できたので大変役に立ちました。かなりボロボロになるまで使い込みました。

     読み返すうちに「ここがもっと丁寧に書かれてあれば良かったな…」と何回か思ったので5点引きました。

    問題集(みんなが欲しかった 簿記の問題集:70点

     商業・工業を2冊買うと、模試6回分付いてくるのがお得な気がして買いました。

     ただ、模試の問題が簡単なのと、問題集の問題がすごく難しい問題と簡単な問題と両極端なので「いまいち」と評価いたしました。特に、仕訳問題は過去問と比べると偏っているし簡単すぎます。

    電卓(CASIO MW-C20C)

     選んだ理由はデザインです。12桁、メモリー機能、GT機能、早打ち機能など…欲しい機能が全てあり、なおかつ勉強のモチベーションが上がるような可愛いデザインが良いなと思って選びました。

    参考図書(簿記の電卓操作の本:100点

     タイトル・著者名は忘れてしまいましたが、調べるといくらでも出てくると思うので、こんな感じの本を一冊読むだけで、問題を解くスピードと正確性が上がるので「必読」だと思います。

     簿記の勉強の合間に、気分転換がてら図書館で借りてきた本を流し読みしただけで、正確性とスピードが格段に上がりました。特に、メモリー機能とGT機能は知っていたほうが良いと思います。

     ネットにも電卓操作術など書かれていますが、私は本のほうが見やすく、練習問題など実践してみて理解できたことが多かったので本をオススメします。

     新品にこだわらなければ古本屋で安く手に入りますし、自信にも繋がるので読んで損はないと思います。

    効率重視の勉強

     転職するために1回で合格しなければならず、簿記ナビさんの合格体験記を読み込んだ結果、3ヶ月で合格を勝ち取るには効率重視の勉強法が必要と感じ、自分なりのルールを決めて勉強しました。

    ルール1:10分でも良いから必ず毎日勉強する

     簿記3級を勉強するときに感じたのですが、少しでも勉強しない日があると簿記の感覚が鈍ります。他の方は商業・工業別々に勉強の期間を設けている方が多いですが、私はどちらの感覚も鈍りたくないので、3ヶ月間毎日、商業・工業両方を勉強しました。

    ルール2:情報収集を徹底し、合格体験記を読んでイメトレする

     簿記ナビさんの合格体験記には、テキスト活用術、苦手対策の克服法など、独学で合格するためのヒントが凝縮されています。人それぞれ合う勉強法は違うので、いろんな方の合格体験記を読んで、自分に合う勉強法を模索しました。

     また、合格体験記を読んで簿記2級に一発合格してる自分をイメージすることで、より合格が身近に感じることができたのが良かったです。私は、簿記ナビさんに合格体験記を書くところまで妄想してました(笑)

    ルール3:自分の頭で考えて答えを導くことにこだわる

     タイトル・著者名は忘れてしまいましたが、有名塾講師の方が書いた本の中に「数学は自分の頭で考える過程で力がつく」と書かれていました。

     初めは教科書を見ながらでも良いので、問題を解くさいは「頭を使って答えを導く過程」にこだわってみてください。教科書を見ながらでも「問題を解くさいに頭に入れるべき論点はどこか」を意識することで、自然と論点が頭に入っていきます。

     初めは教科書を見ながらでもちんぷんかんぷんですが、何回も同じ過程を辿ると段々理解できるようになりました。

    ルール4:スキマ時間こそ合格のカギ

     合格体験記を読んでいると、アプリなどでスキマ時間を有効活用されている方が目にとまりました。

     私は通勤で電車に乗ってる時間は6分しかありませんでしたが、電車を待つ4~5分と乗車時間に仕訳集をパラパラめくり、駅から会社に向かう道中では頭の中で仕訳を反復してました。

     特に「試験1ヶ月前には九九算レベルで瞬発的に仕訳を切れるようになりましょう」と、他サイトに書かれていたのを読み、意識して仕訳集を読み込んでいました。

     また、連結会計の精算表と財務諸表を苦手としていたので、見慣れるために、問題を解いた後の解答用紙をコピーして、そこに覚えるべき注意点を書き込み、暇さえあれば見て覚えるようにしました。

    学習期間と1日の学習時間

    • 学習期間:3ヶ月と11日(103日)
    • 学習時間:合計260時間くらい

     前述したとおり、仕事と育児と家事の合間に勉強しなくてはならず、まとまって勉強時間を確保するのが難しかったので、とにかくスキマを縫って勉強してました。

     育休中は次女の昼寝の1時間。長女を保育所に迎えに行き、次女と長女が遊んだりテレビに夢中になっている間、仮眠30分とって夜の勉強に備え、娘たちを寝かし付けた後に2時間勉強していました。

     仕事復帰後は、通勤時間と会社の休憩時間に仕訳集をパラパラ。娘たちを寝かし付けた後に1~2時間勉強しました。仕事と育児の疲れで眠い日は無理せず寝るようにしてましたが、自分が決めたスケジュールよりも遅れてしまっているときは無理やり勉強しました。

     仕事の休みが平日1日と日曜・祝日なので、平日の休みは娘たちを保育所に預け、6~8時間勉強しました。土曜は主人が休みで、主人が娘たちを見ているので、朝ごはんを用意して出勤する準備をしたら早めに家を出て、会社の近くの商業施設のフリースペースで45分くらい勉強してから出勤してました。

    学習方法

     まずは簿記のテキスト(商業・工業)をさらっと読み流しました。簿記2級の用語に慣れるためです。次はテキストをしっかり読み込み、テキストを見ながら章ごとにある基本問題を解きました。

     その次に問題集に手をつけました。仕訳問題は簡単でしたが、2問~5問対策の問題は難しく、テキストを見ながらでもかなり時間がかかりながら問題を解きました。終わったのは勉強を始めて1ヶ月後くらいだったと思います。

     なんとか問題集を一周して、力試しに過去問の第151回を解いてみました…が玉砕。一発合格は無理なんじゃないかと不安が押し寄せてきて、ただでさえ「転職するために一発合格しなくちゃ」とかなりプレッシャーを感じていて勉強に集中できない日もありました。

     主人に相談したところ「6月じゃなくて11月の試験を目指せば?」と言ってくれたので「一発合格は目指すけど、一発合格したらラッキーってスタンスでいこう」と割り切ることにしました。それからはプレッシャーを感じず勉強に集中できました。

     この時点で残り2ヶ月でした。過去問に手を出すと自信がなくなると感じ、またテキストに戻りました。テキストの基本問題を、今度はテキストを見ずに解き、一周しました。

     それから問題集もテキストを見ずにもう一周。間違えノートを作る時間がなかったので、間違えたさいは自分用テキストを仕上げるつもりでテキストに書き込みました。

     それからやっと模試に手をつけました。まとまって勉強できる時間がなかったので、平日休みの1日に模試と過去問を3回分解き、解説を読み込み、間違えた箇所はテキストに書き込んでいきました。

     模試6回分、過去問3回分はあっという間に解き終えてしまったので、簿記ナビさんと他サイトの模試も解きました。どちらも難易度が高く、「このままでは合格できない!」と気を引き締めました。

     そこで、テキストの基本問題と問題集の間違えた問題を一周しました。そして、模試7回分をもう一回解き直し、試験当日に至ります。

    テキストへの書き込み1
    テキストへの書き込み1

    テキストへの書き込み2
    テキストへの書き込み2

    テキストへの書き込み3
    テキストへの書き込み3

    テキストへの書き込み4
    テキストへの書き込み4

    苦手問題の対策

     娘たちが機嫌よく遊んでいる時間を見計らい、Youtubeの無料講義をひたすら見ました。目からウロコが出る解き方を教えてくれるし、机に向かわないので気楽に勉強でき、とても重宝しました。試験で使えるテクニックがあれば、その都度、テキストに書き込んでいきました。

     特に、連結会計は4年度以降の問題はタイムテーブルを書いて整理したほうが部分点狙いができるので、Youtubeとテキストのタイムテーブルの書き方を何回も見て、連結会計の問題が出れば必ずタイムテーブルを書いて解くようにしたら、本番前までに連結会計が得意な論点になりました。

     また、会社の休憩時間に簿記のサイトを巡っては、苦手とする固定資産や有価証券を理解しようとネットサーフィンしてました。

     工業簿記は問題をこなせばこなす程得意になっていると感じたので、ひたすら問題を解きました。標準原価計算、部門別原価計算、全部原価計算を苦手としていたので、とにかくいろんなパターンの問題を解くように意識しました。

     近年の過去問を見ていると、問題の資料の与え方をひねって出すパターンが見受けられます。そういうパターンの対策のために、いろんな問題に慣れるというのは2問~5問対策に良いかもです。

    試験日1日の流れ

     有名塾講師の方が書いた本の中に「数学のテストは頭を使うので寝不足はダメ。徹夜せずに睡眠をとること。」と書かれていたので、前日は娘たちと一緒に21:30に寝ました。

     当日は試験前に頭を疲れさせたくなかったので、簿記ナビさんの予想出題に書かれてあった銀行勘定調整表の問題1問だけさらっと解いて終わりました。

     11時半から昼食をとり、12時15分に家を出る予定でしたが、家にいてもソワソワするだけなので12時に家を出ました。乗った地下鉄が途中で立ち往生したり、駅に着いてから道に迷ったりするハプニングがありましたが、試験45分前には会場に着きました。

    試験開始までの過ごし方

     電卓とシャープペンと消しゴムを2個ずつ机に並べました(※1個は予備)。その後、トイレに行きました。チョコレートを食べるつもりで持ってきましたが、お腹がすいていなかったので食べませんでした。

     周りの方はテキストやノートを見返してましたが、直前にやっても焦って頭に入らないと思っていたのと、頭を疲れさせたくなかったので、試験が始まるまでiPodで音楽を聴いてリラックスしてました。

    試験中の出来事

     まず試験開始前に答案用紙が配られ、記名するように指示されます。そこでざっと問題を把握しました。

     3問目が得意な連結会計や精算表じゃなかったことにがっかりしましたが、4問目が得意分野になった部門別原価計算だったので、心の中でガッツポーズしました。

     また、2問目が簿記ナビさんが出題予想されていた銀行勘定調整表で「朝解いたばっかり!簿記ナビさんありがとうございます!」とテンションが上がりました。「今回は自分と相性の良い回だから合格できる!」と言い聞かせました。

     試験が始まると、いつも解くように「1→5→4→3→2」の順に解いていきました。

     過去問対策を全然しなかったため、1問目の仕訳から苦戦しました。答えが合っているか不安なまま解き終わり、5問目に入ると、資料の与え方がひねってあり、これまた苦戦しました。問題の最後のほうが分からなかったんですが、時間が足りなくなるのが怖かったので空白のまま4問にいきました。

     4問目は簡単だったのでさらっと解き終わり3問目にいくと税効果会計の財務諸表…一筋縄じゃいかないと感じ、先に2問目を取り掛かることにしました…が、問題集で解いたような銀行勘定調整表とは違い、難しいと感じたので分からないところは空白のままにして、3問目に戻りました。

     この時点でまだ1時間以上あったので、気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて取り組めました。なんとか答えを埋め、残った時間で5問目と2問目の空白を埋め、ざっと見直しました。それでも10分くらい余ったので、解答を書き写して試験終了の時間になりました。

    試験終了後

     半年間の勉強から解放されて、清々しい気持ちで試験会場を出ました。予備校の解答速報は17時からだったので、家に帰ってから答え合わせをしました、自己採点の結果は68点。別の予備校の解答速報で答え合わせをしても68点。もう合格はないだろうと思いました。

     息抜きするのが怖かったので、息抜きをせず3ヶ月みっちり勉強していたこともあり、「努力しても報われないんだ」と落ち込みました…が、合格発表の日に結果を見るとまさかの合格。「予備校の配点は厳しめだから実際は3~4点プラスに考えていい」というネットの情報は本当かもしれません。

    試験結果と反省

    • 合計:70点
      • 第1問:16点
      • 第2問:12点
      • 第3問:12点
      • 第4問:16点
      • 第5問:14点

     買ってきた問題集(みんなが欲しかった 簿記の問題集)の模試が簡単だったのは、基本的な力をしっかりつけることが目的なのかもしれないと思いました。

     もし「みんなが欲しかった」シリーズを買われた方は、テキストと問題集と模試を2~3周するのプラス、簿記ナビさんの無料模試を2~3回解くのと、簿記ナビさんの仕訳対策をしっかりやりこめば「合格」に近付けるのではないでしょうか。

     私は簿記ナビさんの仕訳対策を試験の1週間前に知り、ほとんど手を付けないままいたことを後悔しています。もし、ちゃんとできていたら試験でも焦ることなく第一問目を自信持って完答できていたと思います。

    合格証書
    合格証書

    管理人コメント

     fu-mamaさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     fu-mamaさんの勉強スタイルでぜひ参考にしていただきたいのは、ネットを有効活用しているところです。ネット上には論点ごとの詳しい解説や解説動画がたくさんありますので、うまく使えばピンポイントで理解を深めることができます。

     説明する人が変わると説明の仕方や論点の切り口が変わるため、教材だけではなかなか理解できなかった論点もスーッと理解できることが多々あります。まずは、苦手な論点を「●● 解き方」などのキーワードでググってみましょう。

     また、「効率重視の勉強」のルール4のところに「連結会計の精算表と財務諸表を苦手としていたので、見慣れるために、問題を解いた後の解答用紙をコピーして、そこに覚えるべき注意点を書き込み、暇さえあれば見て覚えるようにしました。」と書いていただきましたが、こちらも苦手分野の克服に効果的です。

     特に連結精算表・連結財務諸表は個別の精算表・財務諸表と表示形式や集計方法が異なるため、まずは精算表・財務諸表の基本形(ひな形)や解答手順を覚えることが重要です。ぜひ参考にしてください。

    fu-mamaさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第152回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.165

    簿記の勉強はアウトプットが大事。問題をたくさん解きましょう!

    • 投稿者:菜緒さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約7か月半

    受験しようと思った理由

     勤務先の会社は中小企業ということもあり、会社に経理が1人しかおらず、経理は会社の財務状況を何でも知っていて当たり前のように周りから色んなことを質問されます。

     私は高校生の時に簿記3級を取得して以来、簿記・会計のことは全然勉強していなかったので聞かれても答えられないことが多々あり、日商簿記2級を取得すればこの問題が解決するのではと思い受験することにしました。

    使用した教材

    テキスト

    • パブロフ簿記 3級商業簿記 テキスト&問題集(100点
    • パブロフ簿記 2級商業簿記 テキスト&問題集(100点
    • パブロフ簿記 2級工業簿記 テキスト&問題集(100点
    • スッキリわかる 2級商業簿記 テキスト&問題集(70点
    • スッキリわかる 2級工業簿記 テキスト&問題集(70点

     3級取得からブランクがあり、このまま2級の勉強を始めても途中で挫折しそうな気がしたので、基礎固めのためにパブロフ簿記3級のテキストを購入して勉強しました。

     パブロフ簿記には模擬問題集も付いているので、テキストを読んでインプットした後に問題集でアウトプットして基礎力を付けていきました。約1ヵ月間、問題集でほぼ満点近く取れるまで勉強しました。

     最初にパブロフ簿記商業のテキスト読んで問題を解いて2周させた後に、スッキリわかる商業簿記を読みました。私は勉強にあまり慣れていないので、パブロフ簿記の方が4コママンガになっていて初心者でも分かりやすく内容が理解しやすかったです。

     商業簿記を2ヵ月勉強した後に、工業簿記を約1ヵ月間半勉強しました。工業も商業と同じようにパブロフ簿記を2周した後にスッキリわかる工業簿記を読みました。

    問題集

    • パブロフ簿記 2級商業簿記 総仕上げ問題集(100点
    • パブロフ簿記 2級工業簿記 総仕上げ問題集(100点
    • ネットスクール 模擬試験問題集(80点
    • TAC 網羅型完全予想問題集(100点
    • 第152回をあてるTAC直前予想(80点
    • ネットスクール ズバリ2級的中完全予想模試(70点

     パブロフ簿記の総仕上げ問題集は、テキストを読んだ後のアウトプット用に使用しました。こちらの問題集は解き方も詳しく書いてあったので、独学でも分かりやすくて勉強しやすかったです。

     その後、商業・工業の知識が付いた後に、実際の試験形式に慣れるために模擬問題集に取り掛かりました。

     試験2ヵ月前までには基礎力が付いていたので、模擬試験をする時間は割とあり新しい問題に慣れるために問題集を増やしていったら結果的にたくさんの量になりました。それぞれ2~3周回し、模擬試験・過去問でトータル84回分をこなしました。

    電卓

     CASIOのJS-20WKを使いました。本格実務電卓なので、キーも打ちやすく使いやすかったです。カラーバリエーションも豊富で、私は大好きなピンク色を使っていたので、見ているだけでも癒されて良かったです。

     簿記検定の勉強前に電卓検定を受験し、1級の資格を持っていたので電卓の使い方も左手で電卓を打つ技術もあったので、その分だけ他の人より早く問題を解けたと思います。

    1日の勉強スケジュール

     平日は仕事をしていて勉強する時間が限られているので、スキマ時間を有効活用しました。

     朝は少し早めに起き早く準備して会社に行き勉強しました(30分~1時間くらい)。お昼も早く済ませ30分くらい勉強しました。仕事から帰ってからは家で1時間~2時間しました。

     休日はだいたい2時間~4時間ほど。試験が近づくにつれモチベーションが上がり、勉強時間も増えていきました。7ヵ月半のトータル学習時間は425時間です。

    勉強内容

     前回の試験(第151回)で見たことがない問題が出題されていたので、本試験ではどんな問題が出るか不安で、テキストに載っていることはすべてマスターしようとたくさん問題を解きました。

     模擬問題も前回よりいい点数が取れ、かつ、早く解けるとモチベーションがあがるので、点数表を作成して記録していきました。網羅型完全予想問題集は難易度が高く、初めて問題を解いたときは工業簿記のレベルが高すぎて相当苦労しました。

     でも、本試験の直近のレベルを考えれば、このレベルの問題が出題されてもおかしくないと思い何回も何回も解き全12回分を3周させました。最初は、平均70点くらいだったのが、3周目の時は平均96点近く取れるようになっていたのでモチベーションも上がりました。

    点数表
    点数表

    ミスノート
    ミスノート

    試験日1日の流れ

    7時 起床

     緊張であまり眠れず、早く起きました。試験中のお腹痛くならないように、またトイレに行きたくならないように朝ごはんも少なめにし、水分も必要最低限にしました。

     家にいても落ち着かなかったので、試験会場近くの図書館で勉強しようと早めに家を出発しました。図書館で軽く勉強したあとは、近くのショッピングモールで早めの昼食をとりました。

     1時間前に試験会場に到着し、テキストを読んだりして過ごしました。

    13時30分 試験開始

     試験開始前に答案用紙に受験番号・名前・生年月日を書く時間があるので、その時に答案用紙から問題内容を確認しました。

     第2問が当座預金勘定調整表、第4問が部門別計算、第5問が標準原価計算ということが確認でき、いずれの論点も自信があったので心の中でガッツポーズ。「第1問→第2問→第4問→第5問→第3問」の順に解きすすめることにしました。

     13時40分頃に試験が始まりましたが、緊張で手が震え、下書きを問題文の上に書くという失態を犯しました。

     第1問がすべてテキストで勉強した内容だったので緊張が解け、第2問からは第1問の緊張が嘘のように落ち着いて解くことができました。

     第2問・第3問は今までにない出題形式で少し驚きましたが、たくさん模擬試験を解きまくっていろんな出題形式の問題に触れていたので、本試験でもすんなり対応することができました。

     全体的に簡単な印象を受け、1時間ちょっとで全問解き終わり見直しをしました。見直し中に2問ほどケアレスミスに気づいたので訂正し、それでも時間が少し余ったので、自己採点しやすいように問題用紙に答えを記入しました。

    試験結果

    • 合計:96点
      • 第1問:20点
      • 第2問:20点
      • 第3問:20点
      • 第4問:16点
      • 第5問:20点

     第4問の差異をケアレスミスして勘定科目を逆に書いていましたが、初めての2級受験で90点台の高得点で合格できたので上出来だと思います。

    勉強の感想

     ほぼ簿記の知識を忘れている中で、独学でここまでできるとは自分でも思っていませんでした。

     商業簿記2級では覚えることの量の多さに何度も間違えては不安になり、工業簿記では今まで学習していた商業簿記と内容が異なり戸惑い何度も不安になりました。

     それでも進まなければゴールできないので、何度も間違えては次は間違えないように頑張ろうと自分のモチベーションを上げ続け勉強を続けました。

     毎日やれば少しずつでも成長でき、今まで分からなかったこと・出来なかったことが分かるようになるのを感じられるのでやっていて楽しい時もありました。

     特に、ある程度理解できるようになってからは勉強していて楽しかったです。簿記の知識以外にも人間的にも成長できたので、日商簿記検定を受験して本当に良かったと思いました。

    管理人から菜緒さんへ追加の質問

     パブロフのあとにスッキリを利用されていますが、スッキリを併用した理由があれば教えてください。
     どこかの情報で、テキストを1つにすると情報が偏ると書いてあったので2つ併用しました。スッキリシリーズは一度読んだらほとんど使用しなかったので、簿記2級は1つのテキストで問題なかったと思います。
     菜緒さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    得意な論点:精算表・総合原価計算

     精算表は最後に一気に計算するのが好きなのと、B/SとP/Lの当期純利益(損失)の金額がきっちりあったときの喜びがあるからです。総合原価計算は工業簿記の中でもパズルみたいで、計算していて楽しかったからです。

    苦手な論点:製造業会計・直接原価計算

     製造業会計は仕訳の量も多く、工業簿記の範囲では分かっていても商業簿記と一緒になることで自分の中では一気に難易度が上がり苦手でした。直接原価計算は工業簿記の中では一番理解しにくく、固定費をなぜ含めるか含めないか元々の理解が分からず一番苦戦しました。

     苦手な論点を克服するために、たくさん問題を解きました。間違えたときはその部分が理解できていないので、何度もテキストを読んで頭に叩き込みました。

     あとは、苦手な論点をネットで検索して詳しく書いてある記事を見つけて理解するようにしました。最初の頃は標準原価計算のシュラッター図がよく分からなかったので、ネット記事を読んだり動画を見て理解を深めていきました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     一番失敗したと思うのは、インプット期に商業簿記の後に工業簿記を始めたのですが、工業簿記を勉強している約1ヶ月半ずっと工業簿記の勉強ばかりしていたので、その後商業簿記の問題を解いたとき、ほとんど忘れてしまい、またテキストを見て再度勉強する羽目になりました。

     工業簿記の勉強中も商業簿記の勉強を並行して行っていれば、もう少し早く模擬問題にかかれたと思います。その時に改めて簿記の勉強は毎日しないと忘れるものだと痛感しました。

     良かったと思うのは、模擬試験形式の問題をたくさん解いたことです。簿記の勉強はインプットよりアウトプットが大事なので、たくさん問題を解いて慣れていくことが大切だと思います。

     いろんな問題に触れることで、本試験で見慣れない形式の問題が出題されても慌てることなく取り組むことができました。

     実際に今回の本試験も事前に難易度が高めの問題をたくさん解いていたので、簡単に思えて緊張することなくできたと思います。

     簿記2級の勉強を始める前と合格した後とでは仕事の取り組み方が変わりましたか?(どんなところで2級の知識が役立っていますか?)
     簿記取得前は分からない会計処理あったらすぐに会計事務所の人に聞いていましたが、簿記取得後は自信がついたこともあり、自分で考えた答えであっているかを聞くようになりました。

     会社での質問事項も取得前は自信なく答えていたことも、取得後は自信をもって答えられるようになりました。

     また、財務諸表がすんなり読めるようになったことは、簿記の知識がすごく役に立っていると思います。

    管理人コメント

     菜緒さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     仕事柄、日商簿記検定の短期合格・一発合格のコツを聞かれることが多いですが、菜緒さんがおっしゃっているように「問題演習(アウトプット)に力を入れること」はかなり重要です。

     特に、商業簿記の第1問(仕訳問題)や第4問・第5問の工業簿記は出題パターンがある程度決まっているため、たくさん問題を解いて「対応できるひきだし」を増やしておくと本試験でかなり有利になります。

     また、菜緒さんのように点数表を作って解答時間や点数を記録しておくと、徐々に力がついていく過程を目で確認することができるため、モチベーションの維持に役立ちます。こちらもぜひ参考にしてください。

     なお、基本テキストは「管理人から菜緒さんへ追加の質問」のところで菜緒さんもおっしゃっていますが、基本的には1種類でじゅうぶんです。時間に余裕がる場合は基本テキストではなく問題集を追加購入して問題演習(アウトプット)に力を入れましょう。

    菜緒さんが使われた教材や電卓のまとめ