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  • 第141回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.21

    独学+Webサイト+直前対策講座=短期合格!使えるものは賢く使いましょう!

    • 投稿者:たくさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    はじめに

     第141回簿記検定3級・2級に合格しましたので、私の受験体験がこの先どなたかのお役に立てればと思い投稿しました。

     簿記検定を受けようと思ったきっかけは学生時代の先輩の一言です。理系の大学に通っていたのですが、「理系で簿記2級を持っていれば周りよりも評価してもらえる」と言われ、社会人になったら受けてみようかなと、やや打算的な動機をもっていました。

     ただ就職後は忙しさにかまけて後回しになってしまい、せっかく購入したテキストも開くことなく数年放置していました。今年の秋口になり少し時間が出来たため、11月の受験を決め勉強を開始しました。

    勉強開始時の知識レベル

     社会人5年目。会計関係の予備知識は全くのゼロ。

    使用したテキスト

    • スッキリわかる 日商簿記3級 テキスト&問題集
    • スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集
    • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集
    • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集
    • スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集

     テキストは数年前にあまり考えず安さ重視で購入していたもの。受験を決意してから選びなおすか悩み本屋で見比べましたが、とっつきやすさでは随一と感じたのでそのまま使用することにしました。

     過去問題集は今回初めて購入しましたが、テキストとリンクしていたら役立つなと考えたこと(これは思い過ごしで、使ってみると単独でも問題ありませんでした)と、同じ回の過去問解説を他の問題集と見比べたところ、内容や分かりやすさに大きな違いはなかったことから、同じシリーズで揃えることにしました。

     他のテキストは詳しく読み込んでいないので分かりませんが、このシリーズでは新しい仕訳や勘定科目が出てくる度に「まず今まで学んだ知識で仕訳を切ってみる」ところから始めるストーリーになっていることが特徴です。

     この構成のおかげで、暗記しなければならない新しい内容も頭に入ってきやすく、一度覚えたことの復習にもなるのでスムーズに勉強を進めることが出来ました。

     欠点としては、細かいことには触れないよう解説されているので稀に不十分と感じる箇所があったり、過去問に出てきた勘定科目がテキストで網羅されていないことが挙げられます。

     分からないときは簿記検定ナビの解説を読んだりネットで調べたりする必要がある点はイマイチで、決してこれだけで全て分かるテキストではありません。

     ただ、自力で調べなければならないボリュームは感覚的には1割にも満たないレベルであり、少し時間に余裕があればストレスに感じるほどではありません。

    使用した電卓:SHARP EL-N802-SX

     簿記の勉強をする前までは電卓と言えば手のひらに乗るサイズと思っていましたが、卓上で使うにはもっと大きいものが適していることを知りました。

     この電卓はシャープでは”ナイスサイズ”というところに分類されるもので、手の大きい私でも窮屈な思いをせず気持ちよく使える良品です。

     あまりこだわりはありませんでしたが、背面の脚を立てるとディスプレイの角度が変わり見やすくなること、すべり止めのゴムが背面に4箇所ついていて安定性が高いこと、そして何より見た目がシンプルで仰々しくないところが気に入っています。

     なお、簿記だけを考えれば機能としては必要十分ですが、√ボタンがある電卓の方がより汎用性は高いと思います。

    勉強方法

     予備知識ゼロの状態から始めることになったので、まずはテキストを読み進め、練習問題を一通り解きました。スッキリ シリーズは数ページ毎に練習問題がついていて、学んだ知識をすぐに問題の形で確認することが出来ます。

     初めて聞く言葉も多くとまどいましたが、「簿記ではこう処理する」を身につけることが重要なので、なぜなぜと深追いはせず「こんなものだ」と受け入れる姿勢を心がけました。

     簿記の試験は特に問題が解けてなんぼなところがあるので、テキストを熟読するようなことはせず、1周した後すぐに過去問題集へと移りました。

     スッキリシリーズでは過去6回分+予想問題3回分の演習ができ、それぞれ2回ずつ解くころには試験のくせや解法を身につけられたかなと思います。

     2級の勉強も基本的には同じでしたが、特に本支店会計や本社工場会計、標準原価計算の単元では知識が定着しておらず、過去問を2周した後に再度テキストの練習問題を解き直しました。

     要した時間を整理すると…

    • 3級 テキスト+練習問題:20時間
    • 3級 過去問+予想問題:20時間
    • 2級 テキスト+練習問題:30時間
    • 2級 過去問+予想問題:100時間
    • TOTAL:170時間

     …といった具合です。2級の過去問には特に時間をかけましたが、漫然と解いていては時間ばかり過ぎてしまいます。回数別に一通り解いた後は大問毎に解答解説を熟読し、不明点を放置せず納得した上で次の問題に移るよう心がけました。

     また、過去問を解いていく過程で苦手だなと思う分野が出てきました。試験本番では大問一つ丸々落とすと得点へのインパクトが大きいため、苦手分野にしっかりと向き合い克服していくことが、合格への近道だと考えています。

     そのため、大問を苦手な分野毎(有価証券、本社工場会計、標準原価計算など)に振り分け、同じ分野を集中・連続して解き解法を身につけていくよう工夫しました。

     過去問の中では「これはさすがに分からないよ・・・」とか「これはちょっと複雑すぎないか」と思うものもありました。しっかりと理解することが重要である一方で、本番では70点とれれば合格です。

     簿記検定ナビでは、過去問の解説や受験生アンケートを見て難易度を確認し安心することも出来ましたし、みんなが取れないところは潔く捨てることで時間を効率よく使えたかなと思います。

     資格試験では「絶対とるべき問題」「無理しなくて良い問題」を見極めることが非常に大切ですが、特に独学ではこの判断がつきません。

     その点、「精算表の当期純利益は取れなくても良い」など、過去問ひとつひとつについて重要度が分かる簿記検定ナビは、独学の強い味方だったと思います。

    少しだけ作ったまとめノート1
    少しだけ作ったまとめノート1
    少しだけ作ったまとめノート2
    少しだけ作ったまとめノート2

    試験直前

     独学での勉強に不安があったこともあり、受験票に同封されていた直前対策講座の案内を見て受講することにしました。

     講義形式のものを1回、模擬試験を2回受講しましたが、独学での理解が正しいか直接講師に質問が出来たり、試験の雰囲気を味わえたりと、良い機会になりました。1回1,000円程度で受講できるので、独学で息が詰まっている方には是非勧めたいと思います。

    ※編集注 TACや大原だけでなく、独自の試験対策講座を開講している商工会議所もあります。たくさんが受講されたのは、おそらく商工会議所主催の直前対策講座だと思われます。興味がある方は、各商工会議所に直接お問い合わせください。

    試験日の1日の流れ

    • 7:00 起床

     簡単に朝食をとり、試験会場近くの親戚の家へ車で向かいました。慣れない駐車場に止める際、壁にバンパーを擦ってしまったことは内緒です。泣きながら電車に乗り継ぎ試験会場へ向かいました。

    • 8:15 到着

     少し早過ぎたかなと思いましたが、会場は半分ほど席が埋まった状態でした。ミスノートをまともに作成していなかったので試験直前の時間を過ごすのに適したアイテムがなく、テキストのメモ書きを見返したり周囲をキョロキョロ見渡したりしていました。完全に挙動不審です。

     9時に近づくにつれ人は増えていき、5分前には欠席者を除き全員着席していたように思います。3名掛けor4名掛けの机に2人ずつ着席、150名ほどの受験者に対して試験監督員は3名という配置でした。

    • 9:12 3級 試験開始

     試験に関する簡単な説明を受けたあと、3級の試験が始まりました。模擬試験を受けていたおかげで問題用紙や解答用紙のイメージが出来ており、普段の勉強通り緊張せずにペンを進めることが出来ました。

     3級の問題は過去問でも軒並み90点前後を取れており、今回の試験でも極端に難しいと感じる箇所はなくスムーズに解けたと思います。一通り解いた段階で時間は1時間ほど余っており、見直しと問題用紙への解答書き写しをした後、40分程度残して途中退出しました。

     試験中、特に大きな出来事はありませんでしたが、斜め前の受験生が試験官に電卓をしまうよう注意されているのを見ました。どうやら簿記検定試験に持ち込めない電卓を使おうとしていたようです。

     遠目にはごく普通の電卓のようだったので、こんなピンポイントでよく見つけたなと感心する一方、注意された女性は気の毒に感じました。

     今回の試験では特に第三問 試算表の計算量が多く、電卓がないとなかなか大変だったと思います。私は自分用のほか、予備でもう1台電卓を持ち込んでいましたが、電卓の貸し借りは禁止と忠告されていたので貸すことは出来ませんでした。

     これから受験される方は受験案内をよく読み、間違いのない電卓を用意するよう注意してください。

    • 10:40 昼休み

     会場内にはテキストを広げられるような場所がなかったため、外のカフェで食事をとりつつ午後の試験を待ちました。ここでもミスノートがあれば活用できたと思うのですが、テキストを読み、不安な箇所を一つずつ潰すように復習を繰り返しました。

     午前の試験で割と皆早めに入室することが分かっていたので、12時過ぎには会場へ戻り、またキョロキョロと人間観察をして過ごしました。

     3級の試験では右側の席だったため問題用紙、解答用紙、電卓を気持ち良く配置することが出来ましたが、会場が変わった2級の試験では左側になってしまい、少し窮屈でした。

     椅子も固定式だったため、椅子の位置で調整することも出来ません。座席を変えてもらいたいところでしたが、変更は机が破損している等物理的に使用出来ない場合に限るとのことで、認められませんでした。

    • 13:10 2級 試験開始

     3級と異なり2級はあまり余裕がなかったので、何が出題されるかずっと気になっていました。特に工業簿記は最後まで不安なままでしたが、解答用紙を見ると後半は割と得意な精算表、本社工場会計の仕訳問題、CVP分析であると分かり、少し安心しました。

     直前講座では「問題構造の把握に比較的時間のかかる工業簿記から」解くようアドバイスを受けましたが、それまでの過去問演習ではずっと第1問から解いていたので、本番もこの順序で解き始めました。

     第1問:初めて目にする”構築物”という勘定科目や”貯蔵品に計上されている修理用部品”という「何を言っているのだい?」と思う記述が出たりと、出鼻をくじかれる問題でした。

     ただし、過去問でも素直に考えればそうだよな、という仕訳ばかりが出題されていたので、不安を覚えつつも分かる範囲で素直に埋めていきました。

     第2問:第1問に引き続き、今度は解答形式が見たことのないものだったので「終わった・・・」と思いました。

     何をしたかは理解できるのですが、特に問1はどういうルールで解答欄を埋めていけば良いのかよく分からず、これもとにかく分かるところを素直に解答するよう心がけました。

     後から気付きましたが各勘定の仕丁欄は見落としてしまい、全部空欄のまま終えてしまいました。過去問や練習問題では仕丁欄に”省略”と記載されている場合が多いのですが、完全に注意力不足でした。

     第3問:得意な精算表の問題。これまでの勉強でも仕訳でつまずくことはなかったので、計算ミスにだけ気をつけて解き進めました。普段過去問を解くときの1.5倍程度時間をかけるイメージで進めていった結果、各列の貸方借方が一致したので少し気持ちが持ち直しました。

     第4問:過去問を解く過程で苦手だなと感じ、念入りに復習することで得意分野となった本社工場会計の問題が出たので、救われた思いでした。本社工場会計とは言ってもほとんどが工場内で簡潔する仕訳であり、こちらも計算ミスに注意しながら進めていきました。

     第5問:得意なCVP分析で安心したのも束の間、どこを読んでも販売数量の記載がないことに慌てました。

     「こりゃ奇問だな・・・」と諦め半分になり、販売数量を適当に仮定して計算を進めたところ、なんのことはない。設問は売上高だけを聞いているので、販売数量は計算途中で消えることに気がつきました。

     「してやられたな」と思いながら販売数量を2倍にして検算し、間違いのないことを確信しました。

     退出可能時間になった瞬間に男性が一人出ていったので、半分も進んでいなかった私は焦りましたが、集中して解き進めたところ30分程度残して一通り解答が終わりました。

     3級と同様、見直しと答えの書き写しを行い、第2問に最後まで唸りながら時間切れ。結果に自信はなく、第1問、第2問の出来次第だなぁと考えながら会場を後にしました。

    試験結果

    • 3級:94点
    • 2級:82点

     3級は自己採点通り。不安だった2級の勘定記入の問題も、部分点がもらえたため10点/20点となっており、まずまずの成績でした。

     なお、後述の通り仕丁欄は全て空欄、問2は正解、問3は(1)のみ正解で10点だったため、問1は1行全て正解が必須というわけではなさそうです。

    やってよかったこと

     簿記の勉強には、仕訳問題を除いて解答用紙が必須になります。

     地味なことですが、解答用紙を予め何回分か印刷し解答用紙ファイルをきちんと作っておくことにより、調子の良いときにリズムを崩さず勉強を続けられたり、過去問を繰り返し解く際に前回の振り返りが出来たりと、メリットは多かったと思います。

    解答用紙ファイル
    解答用紙ファイル

    反省点

     ミスノートはしっかり作っておくべきでした。大切な点をたまにメモすることはありましたが、メモ用紙に殴り書きをして終わってしまっていました。

     もっとちゃんと作っておけばすきま時間に見返すことで記憶が定着したり、試験直前に見直すお守りのようにも使え、もっと余裕をもって合格出来たかなと思います。

    最後に

     学生時代以来の独学はなかなか辛いものがありましたが、一生懸命勉強を続けた結果、念願の合格にたどりつくことが出来ました。目標をもってコツコツ地道に進めていく感覚は久しぶりで懐かしく、良い経験になったと思います。

     今回の試験問題についてはさまざま意見があるようですが、正直なところ難易度の割に良問とも言えず、解けないからといって気にするほどのものでもないと思います。

     それよりも頻出する仕訳問題や決算整理、勘定連絡図など、それぞれ基礎となる知識・解法を身につけていくことが先決です。

     これから受験される方は、簿記検定ナビを参考に「皆が取れる問題は着実に」「皆が難問と感じるものはほどほどに」取り組んでいくことで、必ず合格に近づいていくことが出来るでしょう。

     長くなりましたが、これで合格体験記を終わりにしたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。試験合格を目指し、頑張ってください。応援しています。

    管理人からたくさんへ追加の質問

     勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     社会人で時間もなく、今回で絶対受かろうという気持ちが強くあったので、モチベーションの維持にはそこまで苦労しませんでした。期間が短めで追い込まれていたことも、結果的には良かったと思います。

     もちろんやる気が出ず1日、2日サボってしまうことはありましたが、サボっては解けなくなって、というのを何度か繰り返してからは、毎日少しでも机に向かうようになりました。

     どのようにして合格を知りましたか?合格発表日の様子を教えてください。
     商工会議所のHPで公表されると案内があったので、そこでまず結果を確認しました。前日の夜は何故か本番以上にドキドキして眠れなかったのを覚えています。

     朝からPCの前で待機し、発表時刻にはF5連打です。web上では合否の確認のみでしたが、帰宅してみると商工会議所から封筒が届いており、そこで点数を知ることが出来ました。

    管理人コメント

     たくさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!WEBサイトや直前対策講座をうまく使って短期合格をされたたくさんの戦略は、まさに「お見事!」の一言です。

     個人的に、一番参考にしていただきたいのは「大問を苦手な分野毎(有価証券、本社工場会計、標準原価計算など)に振り分け、同じ分野を集中・連続して解き解法を身につけていくよう工夫しました」というところです。

     簿記検定ナビでも、このような解き方を「まとめ解き」いうネーミングでご紹介していますが、苦手分野の克服にはうってつけの手法ですので、同様の悩みを抱えている受験生の方はぜひやってみてください。

     あとは、たくさんは「皆が取れる問題は着実に」「皆が難問と感じるものはほどほどに」とおっしゃっていますが、メリハリを付けて勉強するのも重要です。

     ただ漫然と勉強を進めていくのではなく、合格点の70点を取るために絶対落としてはいけない論点は厚く、落としても合否に響かない枝葉末節な論点はサラッと済ませる…というような感じで、メリハリを付けることをおすすめします。

    たくさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.20

    TAC・大原の無料サービスを賢く利用して、3級・2級のダブル合格を達成!

    • 投稿者:ぴっぴさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2~3か月

    はじめに

     こんにちは。私について簡単に説明させていただきます。

     私は現在、外国語大学4回生在学中です。今回簿記検定を勉強したのは、就職活動中に大手監査法人で面接があったことがきっかけです。

     実は、大学2回生の時に簿記3級を受験したことがあります。同じ大学の他の学部の友達が勉強していたので、私もチャレンジしてみたい!と思ったのです。

     ただ当時、勉強時間は20時間程度で、簿記がよく分からないまま受けたので、結果は確か50点ぐらいだったかと思います。不合格という結果も納得でした。

     その後、肝心の監査法人の面接には落ちてしまいましたが、せっかく簿記を勉強を始めたのだから…という思いと、悔しさで勉強は続けることにしました。

     また、これを機に会計・経理に携わりたいと思うようになり、結果として、ある企業の経理として内定を頂くことができました。

     面接時点では会計の授業を履修したこともなく、資格も何もない状態でしたがやる気をアピールし、入社までに簿記2級を取得することを約束に、試験前に内定をいただきました。

     そして、今回の試験で3級と2級にダブル合格しました。現在はBATICの勉強をしていますが、仕事が落ち着いたら米国公認会計士の資格を取得し、将来アメリカに住むか、国内ならば監査法人に転職したいと思っています。

    テキストについて

     2回生の時に古本屋さんで買った、平成19年版の3級のテキストがあったので、まずはそれをもう一度読み直したりするのに使いました。その後は、「2015年度版 スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級」を使って、過去問を2~3周しました(予想問題は除く)。

     勉強を再開した当初は、今回の試験で2級を受験することは考えていませんでしたが、時間も余力もありましたので以下のテキストを購入して続けて勉強することにしました。

    • 日商簿記2級 みんなが欲しかった問題演習の本
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第4版
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記 第3版
    • 2015年度版 スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記2級

     試験前には、上記に加えて「第141回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級」を購入し、直前の予想大会もネットで見ました。また、大原の無料模試にも行きました。

     これ以外に簿記検定ナビ予想模試を解いたり、その他試験情報を集めるのに活用させていただきました。今回は一緒に勉強する友達や、すでに2級を取得している者が周りにいなかったので非常に助かりました。

     あとはStudy Plusで、試験前に勉強時間を管理していました。

    勉強について

     上で申し上げたとおり、以前勉強したことが少しあるのにも関わらず、いざ始めてみるとほとんどすべて忘れていることがわかりましたので、今回は3級のはじめの知識からすべて勉強し直しました。

     結論から申し上げて、総勉強時間は2,3級で300時間程度だったと思います。さよなら論点に関しては試験直前に知ったので、一通り勉強はしていました(これは時間の無駄だったかも知れません)。

    ※編集注 さよなら論点…2016年度の試験(第143回試験~)から試験範囲外になる論点。詳細は日商簿記検定の試験範囲(出題区分)の変更まとめページをご確認ください。

     私は日頃からあまり勉強する習慣がありませんでしたので、とにかく1日すこしでもいいので勉強するところから始まりました。

     しかし勉強していくうちに、もっと色々学びたいと欲が湧くようになりました。そして後に、「1発合格するぞ!」という気持ちも出てきて、モチベーション維持にもなりました。

     私からできるアドバイスは、とにかく問題を解きまくることです。苦手な論点があってはいけません。あと、これは今後の試験でも大事になるかと思いますが、簿記一巡を理解することです。

     勉強したことはすべて、他の論点と関連づけれるようになれるといいと思います。というのも、やはりこれがわかっていないとうまく得点できない、今自分が何をやっているのか分からない、結果としてモチベーションの低下につながるからです。自分の好奇心やモチベーションを保つためにも大事なことです。

     補足ですが、私は他の方々がやっているような間違いノートは作りませんでした。その代わりに間違えたところはすぐにやり直して、分析も十分にしました。

     これにより、自分のミスする傾向などが頭に染み付いて、他の問題を解いている途中でも思い返して同じミスを繰り返さないようになりました。

     学習開始からやったことを簡単にまとめますと以下のような流れになります。

    1. 【まずは3級】平成19年の簿記3級の本で一通り確認
    2. 過去問を2,3周解いて理解を深める
    3. 【次に2級】みんながほしかった教科書(商業)2周読み
    4. みんながほしかった教科書(工業)2周読み
    5. みんながほしかった問題演習も加えてもう1周、さらに理解度をあげる
    6. 過去問2,3周ずつ
    7. 簿記ナビさんの予想問題(3級もしました)
    8. あてる!直前予想を3周ずつ

     試験直前1週間ぐらいは、何をやったらいいのか分からない気持ちになりましたが、自分にできる対策を今まで通り地道にやって試験当日を迎えました。

    試験日の1日の流れ

     試験当日の朝は普段どおりに起きて、普段どおりに朝食をとり、落ち着いて準備をしました。試験会場には余裕を持って到着し、席についてからは電卓を叩いて緊張をほぐしていました。

     午前中は3級です。試験監督が説明を開始する直前に、持っていたチョコを2粒食べました。試験監督の方がとても丁寧で、心も落ち着きを保ちながら試験を開始することができました。

    • 3級の試験開始!

     問題は1から5まで順番に解きました。楽勝だと思っていたら、問3の試算表で…なんと合計が合わない。少し焦ってしまいましたが、落ち着いて見直すことで最終的にはできました。

     電卓を叩くのが異常に速い受験者がいて、「あれは電卓で遊んでるのか?」など余計な思考が頭をよぎりそうになったり、また、自分の電卓の音が他の受験者より少し大きいのが気になって「周りに迷惑かけてないかな…」など心配になりましたが、なるべく気にせず自分のペースでやることを心がけました。

     時間をかなり持て余したので、残り時間はゆっくり見直しをしました。すると、問4で間違いを発見!訂正してすべて完璧に終えて、試験終了を迎えました。

     その後、2級の受験まで時間がありましたので、近所の適当なカフェでお昼ごはんを食べました。各予備校の解答速報が待ち遠しくて、スマホの画面を何回も更新しました(このせいでデータをたくさん使ってしまい、月末に通信制限がかかってしまいました…)。

     この速報をカフェで待つ時間がかなり長く感じました。結局、96-100点ぐらいかな、という具合だったので安心して2級に臨みました。

     2級の説明が始まる前にもチョコを2粒食べました。2級も同じ試験監督で、同じように丁寧に試験の説明をして頂いたので、とてもリラックスした状態で試験を開始することができました。

    • 2級の試験開始!

     しかし、それの反動で問1の難しさにかなり焦りました。焦りを通り超して半分おもしろくなり、「構築物ってなんやねん…」と笑いそうになってしまいました。わかるところだけ適当にやって、次は問4,5に移りました。

     工業簿記は比較的易しい問題が出ると、TACの予想大会で講師の方がおっしゃっていたので、満遍なくきちんと対策した甲斐がありました。少し見慣れない問題もありましたが、これは満点を確信しました。

     次に問3。これはTACの講師がしつこいぐらいに「炸裂する!(難しいのが来る!)」とおっしゃっていたので、覚悟していましたが、実際解いてみるとなんとなんの引っ掛けもない。これも満点を確信しました。

     次に問2。これは問題用紙をぱっと見ただけで少し疲れてしまいました。しかし、取引自体はそんなに難しいわけでもなく、しっかり落ち着いて解けばいけるな、と思いました。仕訳をいちいちせずに頭の中で摘要欄などを考えながら解いていきました。

     そして最後、問1を苦戦しながらとにかく埋めました。この時点でもまだ時間がかなり余っていましたので、隅々まで見直しをして問題用紙と計算用紙をフルに活用して、自分の答えを写しました。

     この後、帰宅してから各予備校の解答速報で答え合わせをしましたが、問2の勘定記入が仮に0点でも、全体で76点を見積もれたのでダブル合格を確信しました。

    試験結果

     3級は満点で、2級は「14・12・20・20・20」の合計86店でした。私の地域の商工会議所で3級満点は私だけだったので、とても嬉しかったです。また、2級の合格率は15%程度で例年に比べて非常に低かったようです。

    最後に

     私は数学が大の苦手です。中学時代、高校を選ぶ時も普通科に行くと数IIや数Bがあると知っていたので、他の専門科がある高校に進学したぐらいです(数Iと数Aだけでかなり辛かった思い出があります)。

     そして大学では文系に進みました。先日、SPI(就活の一般常識試験)の対策では、「2次方程式ってどうやって解くっけ?」というところから始まりました。

     …何が言いたいのかというと、簿記は数学ができなくても、苦手でも大丈夫です。四則計算しかないですし、複雑な計算も特にありません。

     たまに減価償却の問題で固定資産の原価を求める時に、Xを使って多少複雑そうな式を組み立てる必要がありますが、基本的には簡単です。

     そしてもう一つ。2,3級は初学者でも独学でもダブル受験でも、しっかり対策すれば必ず合格できます。私は独学で、しかも分からない問題があっても周りに聞いたりできる環境がなかったので、多少孤独感があったり辛かったことがあります。でも、それにめげないでください。

     とにかく、諦めないこと。後々勉強を振り返ってみて、「もっと勉強できたのにな、すればよかったな」という後悔はしないように今勉強してください。

     私は簿記ナビさんで以前の受験者様の合格体験記を読んでとても励まされました。今回は私の体験記が今後の受験者様の励ましになれば私はとても嬉しいです。

    管理人からぴっぴさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     教材はどれも良かったと思います。点数で言うと …90点ぐらいです。

     みんながほしかった簿記の教科書は図解があったり、解説はしっかり理論立ててあったので独学でも十分簿記の理解を深めることができると思います(とはいえ、一周だけでは難しいので3周読んであとは適宜確認のために読みました)。

     みんながほしかった問題演習の本はおすすめです。理論について一つずつ確認しながら問題を解くことができます。徹底的に勉強できるので、充実感もありました。

     第141回をあてるは本番形式で問題が解けるので時間配分などの良い練習になりました。

     簿記ナビさんの予想問題は解説が丁寧で、例えば私の苦手だった損益の見越しで図解がしっかりあって分数の組み立て方も書いてあり、非常に重宝しました。

     スッキリとける過去+予想問題集は良くも悪くもなく普通ですが、本自体がもう少し大きくてもいいな、と思いました。

     テキスト系は例えば電車とかで読むこともあると思うのでコンパクトでいいのですが、過去問は電車の中で解いたりする方はあまりいないと思うので…

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓はCanon 12桁電卓 HS-1220TUGを購入して使いました。少し大きめですが、見やすいし使いやすいしおすすめです。

     ただ、大学2回生のときに買ったものをしばらく使っていたのですが、リュックの中にそのまま入れて持ち運んでいたせいか、小数点の答えが出てこないはずの計算で小数点が出てきたり、たまに間違った計算結果がでてきているような気がしましたので、試験前に同じものをもう一つアマゾンで購入しました。

     100 均の薄いスポンジの袋でもいいので、何かケースに入れて大切に保管されるといいと思います。

     TACの直前予想大会と、大原の無料模試の様子を教えてください。また参加して良かったと思いますか?
     TAC直前予想大会は、インターネットの動画配信で見ました。本試験にどの論点が出るかの予想とワンポイントレッスンなども見れます。

     講師にもよるかと思いますが、今回は今後の試験の傾向や出題者の意図などいろいろな話が聞けましたので、情報収集にもかなり役立ちました。

     大原の模試は、まずインターネットで事前に予約して当日参加しました。2,3級両方参加で丸一日大原にいる予定だったのですが、朝は寝坊したので午後の2級のみ参加しました。

     問題が配られてその場で他の参加者達と解いて、休憩後解説などがあります。途中や最後に税理士講座の紹介や、解答速報会の案内などがありました。

     自宅で自分でやる過去問や予想問題と違って、他の人たちと同じ場所で本試験に限りなく近い環境で模試が受けれるのはとても良かったと思います。

     本試験を想定して、他の受験者に惑わされない練習もできたと思います(後ろの席の人の鼻をすする音がすごく気になりましたが、なるべく集中を持続できるようにしました)。

     そのおかげで本試験の時、後ろの席の受験者のため息が異常に大きくて耳障りだったのですが、ストレスをあまり感じることなくしっかり問題に取り組むことができました。

    管理人コメント

     ぴっぴさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     TACや大原の無料サービスを賢く利用して、見事に3級&2級にダブル合格されましたが、この「独学+α」のスタイルはぜひ他の受験生の方にも見習っていただきたいです。

     多少の宣伝時間は組み込まれていると思いますが、強引に有料講座を契約させられることは絶対にありませんし、独学だけでは得られない情報または体験をすることができます。

     第142回試験以降も実施されると思いますので、興味のある方はTACや大原の公式サイトをチェックしてください。無料サービスは賢く使う、のが短期合格・一発合格の鉄則です。

     あと、ぜひ参考にしていただきたいのは、「勉強について」のところに書いていただいたとにかく問題を解きまくること簿記一巡を理解することの2点です。

     不合格になってしまう原因で一番多いのは「合格に必要な勉強時間が足りていない」です。勉強する環境や元々の能力によって必要な勉強時間は異なりますが、短期&一発で合格する人の多くはきちんと勉強しています。

     簿記はスポーツと同様に体で覚えてしまうのが一番ですので、ぴっぴさんのおっしゃるとおり、勉強時間を確保してとにかく問題を解きまくることに力を入れてください。

     さらに、ぴっぴさんのおっしゃるとおり簿記一巡を理解することも重要です。取引が発生してから勘定を締め切るまでの一巡の流れは必ず押さえておきましょう。

    ぴっぴさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.72

    分からなくても粘り強く続けることが大事。続けることで道は開かれます!

    • 投稿者:におさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     私が簿記を勉強しようとした理由は、元々事務系の職業に就きたいと考えていたためです。職場の同僚にその事を話したところ、「それなら簿記は持っていて損はない」と言われ、簿記3級の試験を目指し勉強する事にしました。割と軽いノリだったと思います。

     しかし今、私は長時間のアルバイト勤務をしているので、勉強時間の確保には大変苦労しました…。

    テキストについて

    • 日商簿記3級 合格これ1冊
    • 合格するための過去問題集 日商簿記3級 2014年11月検定対策
    • 第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級

     テキストについては、とっつきやすそうなネズミのイラストの「合格これ1冊」を選びました。それに加え「簿記は過去問を3周したら何とかなる」とブログの体験記にあったので、過去問題集を購入。定価で買うと2000円位するので、前年のものを中古で購入しました。

     勉強が進むにつれ、過去問題集も無事3周出来そうだったので、ついでに「あてる」も購入して勉強する事にしました。今となっては、この判断は正しかったと思います。

     電卓はアマゾンで「カシオ スタンダード電卓 時間・税計算 ミニジャストタイプ 12桁 MW-12GT-N」を購入。1000円程度でした。少し0の位置が押しにくいなと感じましたが、慣れたら違和感は少なくなりました。

    点数をつけるとすると?

     合格これ1冊は70点です。簿記のとっかかりとしては、まずまずではないかと思います。ただ、これだけで過去問に挑戦しようとすると厳しいものがあります。お勧め…好みによると思います。

     過去問題集は90点です。過去問で簿記の問題に慣れる事が出来ますし、冒頭の「第1問対策」などが意外と役に立ちました。お勧めというか必須です。

     あてるは95点です。値段の割には問題が少なすぎる、最低でも三周せよという指針なら、三周できるように解答用紙を三部付けて欲しい…などの要望はありますが、この問題集のお陰で私は合格したと思っております。過去問よりは少し難しいですがおすすめです。

     電卓は、可もなく不可もなく…50点です。他に良い電卓があれば、好みで使うのが良いかと思われます。

    学習環境

     私は現在、長時間のアルバイト勤務をしていて、出勤日はまともに勉強時間が取れません。その為、休日にまとめて勉強をする事にしました。

     しかし、休日に5~6時間まとめて勉強をするのは非常に大変でした。休日にちゃんと休暇を取れず、常に勉強をするとなると、どうしてもモチベーションが下がってきてしまいます。やはり勉強をするのなら、1~2時間でも良いので毎日勉強をする事がベストだと思います。

     また、家だとなかなか集中出来なかったので、勉強場所は主に喫茶店でした。

    学習方法

     まず最初に「合格これ1冊」をパパっと読み、そのあと過去問題集に挑みました。しかし、いざ問題を解くとなると、訳が分からず混乱…。最初のうちは答えとにらめっこをして問題を解いていきました。

     しかし、過去問題集を2周、3周としていくうちに慣れてゆくものです。3周をする頃には、大体の問題で満点近くを取ることが出来ました。

     「合格これ1冊」の中で、どうしても為替手形と繰越の所がイマイチ理解できず四苦八苦しましたが、過去問を解いていくうちに理解できるようになりました。為替手形については、今も分からない所がありますが…。

     工夫としては、少しでも問題を早く解くために、仕訳の下三桁の000は-で省略。現金、当座預金、買掛金、売掛金などを「G」「T」「kk」「uk」と略して記入するようにしました。これによって記入のスピードが圧倒的に速くなりました。

     また、電卓も「10,000円」の時は「10」と入力するようにして、少しでも手間を省くようにしました。しかし、これはしない方が良いかもしれません。

     過去問題集は「第一問→第五問→第三問→第四問→第二問」の順番で解いていきました。自分にとっては、この順番が最もベストだったと思います。

     また、間違えた部分はテキストやノートに何度も書いていくうちに、次第に間違えなくなりました。

    まとめノート1
    まとめノート1
    まとめノート2
    まとめノート2

     過去問題集も大体3周解けた所で、試験日まで少し余裕もあったので、「あてる」を購入。「あてる」も3周しました。「あてる」の問題は難問ばかりでとても苦労しました。

     また、過去問題集と「あてる」の解答用紙を2部コピーして解いた為、コピー代がかなり嵩んでしまいました。プリンタがある方は、お家のプリンタでコピーをするか、または元々解答用紙が3周分付属されている問題集を購入した方が安上がりかと思われます。

    ※編集注 市販の問題集で3回分の解答用紙が付属されているものはありませんので、安くコピーできるところを探したり(1枚5円~)、1枚あたりの印刷コストが安い「モノクロのレーザープリンタ」を利用することをおすすめします。

    試験日の1日の流れ

    • 試験開始までの過ごし方

     試験日前日はお休みを取り、一日中みっちりと勉強をしました。今までの間違えた部分を全て見返し、特に弱い部分は簡潔にノートにまとめました。

     しかし、試験当日の事を考えると段々眠れなくなり、結局1時間程の睡眠で試験に臨む事になりました…。コンディションは最悪だったと思います。

    • 試験会場の様子

     当日は小雨でした。受験会場の商工会議所は通ったことがある場所だった為、スムーズに会場まで行く事が出来ました。試験開始までは、まとめノートだけをじっと読んでいました。とにかくなんとか眠気に負けないように、精一杯頑張ることだけを考えました。

    • 試験中の出来事

     試験がスタート。第一問で早速悩んでしまいました。「自動車を購入し…」とあったので、「車両」と仕訳したのですが、「販売目的で自動車を購入」の一文があったので、「もしかしたらこれ仕入なんじゃ?」と思い、結局「仕入」で仕訳しました。これが正解でした。

     第五問が精算表ではなく、財務諸表でした。しかも、現金や資本金を推定させるタイプです。かなり混乱してしまいました。とりあえず第五問は後に飛ばし、簡単そうな第三問、第四問、第二問を順々に解いていきました。第三問は、過去問通りの試算表だったので、スムーズに解けました。

     急いで解いたので、第五問に割ける時間が出来ました。しかし、このタイプの問題は以前「あてる」で解いたことがあるので、それを思い出しつつ何とか完答しました。

     現金の推定が一番大変でしたが、精算表の一番左端の部分を思い出しつつ、「資産・負債・費用・収益」を紙に書き出して金額の差で推定しました。過去問題集だけの勉強では、この問題は解けなかったと思います。

    合格発表

     「サクラサクメール」を確認したところ、98点でした。悩みに悩んで解いた第五問が満点だった事がとても嬉しかったです。

     第141回の試験はかなり難問だったようで、合格率もぐんと下がったとの事ですが、第五問は「あてる」で財務諸表に慣れておいたおかげで解く事ができました。

    感想

     一番最初に過去問題集を解くときに、数字の羅列に頭痛がして「もうヤメたい」と早速弱音を吐いた3ヶ月前…。しかし、この「98点」の結果を見たとたん、今までの苦労は吹き飛んでしまいました。今では、勉強して良かった、やれば出来るものだなと自負しております。

     無事合格できましたので、更に簿記2級にも挑戦する予定です。恐らく3級で簿記の基礎的なところは勉強したので、とっつきやすいのではないかと思っています。

     自分の経験からですが、過去問題集を解くだけではなく予想問題集も解く事をお勧めします。また、自分は文字だけ読んでもなかなか頭に内容が入って来なかったので、一番初めに過去問題集を解くときにつまづかないように、DVDなどのメディアを使って解説をしてくれる教材を使ったほうが良いと思います。むしろ、使いたかったです。

     独学で勉強するとどうしてもしんどい事もあると思うので、通信教材やスクールなどを使うのも1つの手かと思われます。

    管理人からにおさんへ追加の質問

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     やはり独学は厳しい道のりでした。どこが厳しいかと言いますと…

    ・文字ばかりで理解できない事がままある。
    ・どこまでやればいいのか分からないのでスケジュールを立てにくい。
    ・ペース配分がつかめない。
    ・モチベーションが上がりにくい

     逆に、独学のメリットとしては…

    ・自分のペースで勉強できる
    ・費用が安く済む

    …などが上げられると思います。

     確かにお金がない方にとっては独学での勉強が良いとは思いますが、特に私などはそうなのですが…じーっと文章を読んでいても、いまいち理解できない所があるんです。

     そういう時は「あれ?ここ意味分からない…横で見てもらって講義してもらえたらいいのに」などと思いました。

     よって、独学で勉強する場合も、DVDなどのメディア教材を積極的に使う方が効率が良いと思います。

     また、もうひとつの問題として「ペース配分がつかめない」という事もあります。自分で勉強していると、「何をどこまで勉強したら合格するのだろうか?」などと考えて気が遠くなってしまいます。

     しかも、あまり根を詰めて勉強すると、ケアレスミスが頻発してしまう…。ペース配分は最初にしっかりと組んでおかなければならないと思います。

     簿記は「覚える」というよりは「反復」「計算力」が必要な試験だと思いますので、あまり疲れた状態で勉強をすると良くないと思います。

     これは私が大学受験のときに実践したのですが、「50分勉強、10分休憩」というやり方も有効かと思います。学校の授業のようなペースで勉強をするわけですね。

     「モチベーションが上がらない」という問題もありますが、そこは気合で頑張るしかないと思います。

     ただあまりにも長期間だとどうしてもモチベーションが下がるので、期間は三ヶ月ぐらい見ておけば余裕も持ちつつ勉強できるのではないでしょうか。

    管理人コメント

     におさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     第141回試験は2級だけでなく3級もかなり低い合格率になりそうな中、見事に1発合格をされたにおさんの勉強スタイルはとても参考になります。

     個人的に、一番参考にしていただきたいのは「少しでも問題を早く解くために、仕訳の下三桁の000は-で省略。現金、当座預金、買掛金、売掛金などを「G」「T」「kk」「uk」と略して記入するようにしました」というところです。

     簿記検定ナビでも、勘定科目の省略パターン一覧表で詳しくご紹介していますが、すぐに使いこなせるうえに効果も高いので、いつも解答時間が足りなくなってしまう…という方はぜひ参考にしてください。

     なお、省略パターンに決まりはありませんので、例えば現金でしたらにおさんのように「G」と書いてもいいですし、私のように「ゲ」と書くのもアリだと思います。自分にしっくりくるものを選んで使いこなしてください。

     あとは、書籍だけの学習では理解しづらいという方には、におさんもおっしゃっていますがDVDやWEB通信などを利用することをおすすめします。3級であればかなり安い価格(数千円)で受講できますので、興味のある方は各学校のサイトをチェックしてください。

    におさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.130

    ただ問題を解くのではなく、苦手部分を分析しながら進めていくのが大切です!

    • 投稿者:さっちさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    はじめに

     私は現在26歳社会人です。仕事で経理関係の業務もなく、簿記を勉強したこともありませんでした。転職に活用できればということと、経理関係は勉強していて損はないと思い受験を決めました。

     私の性格上、モチベーションの上り下りが激しく、全く勉強が手につかない時もあり、正直スムーズに勉強はできませんでした。しかし今までやってきた勉強の中で一番楽しい分野だったことは間違いありません。

    • 2015年02月:139回3級合格
    • 2015年11月:141回2級合格

     これから勉強&受験される方の少しでも役に立てればうれしいです。

    教材 ※利用した順に

    Livoo!(リブー!) ★★★☆☆

     無料オンライン学習サイトの「日商簿記3級コース・2級コース」にて学習しました。無料会員登録をすれば無料で動画の講義を見ることができます。とても分かりやすく、導入としては助かりましたが一日中PCの動画を見るというのは辛いものがあり、途中でやめてしまいました。

    サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト ★★★☆☆

     雑誌感覚で書かれているので、読みやすいです。3級の復習も少し入ってるのでお勧めです。

    パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 テキスト&問題集 ★★★★☆

     最初に四コマで簡単なストーリーがあり、その後解説、最後に練習問題、と、とても分かりやすいです。他のテキストに比べて情報が少ないという指摘も見ますが、初心者にはとっつきやすくお勧めです。

    パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 総仕上げ問題集 ★★★★★

     この問題集はかなりお勧めです。分野ごとに分かれていて、解答解説もすぐ読めます。過去問30回分を分析して作られたものなので、過去問題集の代わりにもなります。

    TAC 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’15年11月検定対策 ★★★★☆

     このシリーズは、解答用紙をダウンロードできるので何度でも解けるところが魅力です。解説もわかりやすいと思います。

    その他

     「簿記検定ナビ」や「パブロフ簿記」のサイトも参考にしました。

    勉強の流れ

     おおよその流れはこんな感じです。

     テキストを読む→練習問題を解く→問題集&過去問を解く→ミスノートに間違った問題をメモする→苦手な分野を分析する→苦手分野中心に問題を解く

    商業簿記

     改定の関係で出題可能性の低い「特殊仕訳帳」「特殊商品売買」「社債」等は、改定の発表があってからはほとんど勉強しませんでした。それより、「精算表」や「財務諸表」が気になっていたのでそれらを中心に勉強しました。

     勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

    • 間違えやすい仕訳や論点はノートにまとめていつでもすぐ見れるようにしておく。
    • 似たような問題を何度も解いて実力をつける。
    ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート
    ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート

    工業簿記

     工業簿記は、最初はなかなか理解できす苦手でしたので、まずは、工業簿記の概要をA4紙にまとめて、一目で分かるようにしました。

    工業簿記の概要をまとめたもの
    工業簿記の概要をまとめたもの

     その後「パブロフ流テキスト」を読んで解いてを繰り返し、全体を理解してきたら、「パブロフ流 総仕上げ」と「TAC 過去問題集」を解いて問題に慣れました。

     勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

    • 間違えた問題をノートにまとめて、いつでもすぐ見られるようにする。
    • 今解いてる問題が、工業簿記の全体の流れの中でどの部分の計算なのか確認する。
    工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート
    工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート

     また、パブロフ簿記のサイトで「過去問の工業簿記の問題だけ切り取って、問題集をつくる」方法が紹介されていたので、躊躇しましたが思い切ってハサミをいれ、分野ごとに分けてホチキスでとめました。

    工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの
    工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの

    実践・予想問題

     過去問だけでなく、見たことのない問題を解いて実力を確認したかったので、パブロフ簿記テキストの特典の6回分実践問題や、簿記検定ナビさんの「簿記ナビ模試」を解きました。

     「簿記ナビ模試」は結構難しく、70点を下回りましたが、第2問に有価証券が出てきたので、試験でも実際に有価証券が出たときは、かなり勇気づけられました。また、簿記検定ナビの2級「過去問分析」や「試験問題予想」もかなり参考にしました。

    試験日の1日の流れ

    • 9:00頃

     起床。起きてから出かけるまで音楽を聴きながらミスノートを眺めたり、解いた問題集を眺めたりしていました。

    • 12:00

     早めに家を出て、コンビニで軽いお昼と糖分補給にチョコレートを買う。

    • 13:00

     試験会場に到着。先にトイレに行っておく。周りの人で、試験開始直前まで、鉛筆と電卓をたたいて何か問題を解いてる人もいましたが、ギリギリで問題を解くのは効果がないように思います。

     それよりミスノートや間違った問題の答案用紙を眺めて最終チェックしながら、できるだけリラックスすることをお勧めします。

    • 13:30 試験開始!

    第1問

     なんとなく第1問の仕訳問題から解きました。1問目以外は難しいけれど、何度かよく考えれば理解できたので、応用編なのだと思います。「基礎力」+「読解力」が必要だと感じました。

    第2問

     次になんとなく第2問を解きました。有価証券の文字を見たとき、簿記ナビ模試を思い出し、「大丈夫、やったことある」という気分になれたので、落ち着いて問題に臨めたと思います。でもやはり難しかったです。

    第4問

     工業簿記の見慣れた「本社工場会計」の問題でした。第1問、第2問が見慣れない問題だったので、いかに冷静になって見慣れた問題に挑めたかということだ大事だった思います。簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

    第5問

     見たことのある「直接原価計算・CVP分析」の問題でした。こちらはパブロフ簿記の総仕上げ集に似たような問題がありました。こちらも自分にとっては簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

    第3問

     精算表は最後に解きました。しっかり時間をかけて確実に点数を稼ぎたかったからです。思ったよりも簡単でシンプルな問題でした。

     最後に見直しと一緒に、(試験後に自己採点をするために)自分の解答を問題用紙に書き写しました。あとカンマ「,」を正しく書けているかも念のためチェックしました。

    • 15:30 試験終了

     その後、17時半ごろにネットで解答速報を探して自己採点しました。

    試験の反省点

     解く順番は、1→2→4→5→3でしたが、今回は1と2が難しかったので、それらを後回しにしても良かったのかなと思います。ぱっと見て難しいか簡単かを見分けられるようにしておいた方が良かったと思います。

     仕訳問題は5問中4問は正解しましたが、(1)の源泉所得税の問題を間違えました。もっと139回の過去問を復習しておけばよかったと反省してます。

     仕訳に関しては、3級試験からずっと勉強しているので、自分の中ではほとんど大丈夫だと高をくくっていたところがありました。よく考えると、仕訳問題は配点がかなり高めに設定されているので、全て正解したいところでもありました。

     「パブロフ簿記アプリ」や「簿記ナビ仕訳対策問題一覧」などで沢山練習することをお勧めします。

    最後に

     簿記の勉強は、とにかく根気が必要だと感じました。最初は分からないなりに淡々と問題を解いていくしかなく、少しずつ理解度を深めていきました。とくに私は忍耐力がないので、途中で飽きたり、音楽聴きながら勉強してみたりと、少し大変でした。

     でも独学だからこそ、のびのび勉強ができるし、簿記ナビさんのようなサイトから沢山情報を得られるので、結果的には独学は自分に合っていたんだと思います。

     独学でも、予備校などで勉強する方でも、結局は演習問題などをひたすら一人で学習していくのが基本だと思いますので、自分なりの気分転換方法などを実践しながら、根気良く頑張ってほしいです。

     また問題をただ解くのではなく、自分の苦手部分を分析しながら進めていくのが大切だと思います。

    管理人からさっちさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「SHARP EL-N942」(Amazon¥3,645)です。簿記ナビさんで紹介している「SHARP EL-G37」とほぼ同じものだと思います。価格は少し高いですが、かなりお勧めです。サイズがちょうど良く、 試験中も机の上で邪魔になりませんでした。

     また、指に吸いつく感じがあり、キーの間隔もちょうど良いので押し間違いがありません。簿記の勉強のために買いましたが仕事でも使っちゃってます。

     さっちさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は特にありません。苦手なのは、商業簿記では「有価証券」「財務諸表」、工業簿記では「直接原価計算」「標準原価計算」です。

     苦手な論点を克服するためにとにかく問題を解きました。間違えるたびにテキストやネットの情報で確認して復習しながら、その都度、どういう風に考えれば正解したのかを反省してから次にいきました。

     さっちさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     試験範囲改定の発表があり、141・142回を逃すと勉強が大変になるだろうと予測できたので、それまでに合格すべしと自分を追い込んだこと。

     また、自分の性格上、部屋が汚いと気持ちも怠けてしまうので、勉強する部屋を常に綺麗にしておくよう心がけました。集中力がなくなってきたら、音楽を聴いたり本や漫画を読んだり、一旦他の事をして気分転換もしました。

    管理人コメント

     さっちさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     勉強と仕事の両立は大変だったと思いますが、勉強方法をいろいろと工夫されていて、私も「なるほど、こんな勉強方法があるのか…」と感心してしまいました。特に、工業簿記の概要をまとめる作業は、一巡の流れをひと目で把握できるので良いと思います。

     また、工業簿記の問題を分解して分野ごとにまとめられていますが、これは簿記検定ナビでも紹介している「まとめ解き」と同じような効果がある方法だと思います。

     練習段階では試験回ごとに問題を解くよりも、分野ごとに問題を解いたほうが費用対効果の高い学習ができるのでおすすめです。

     なお、出題範囲の改定に関しましては2016年度の試験(第143回試験~)からの適用ですので、2016年2月に行われる第142回試験には直接的な影響はありません。

     ただ、「2016年度から削除される論点の2015年度の取り扱いについて」の箇所は学習を進めるうえで大きなポイントになります。第142回試験を受験予定の方は内容をご確認ください。

    さっちさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第140回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.19

    デジタル(Webサイト・スマホアプリ)とアナログ(ミスノート)を有効活用!

    • 投稿者:じろーさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    はじめに

     私は24歳で社会人です。売上を常に求められる中で、会社の数字をみて考察できることに魅力を感じ、最終的には公認会計士を目指し、勉強をはじめました。

     勉強方法を調べるにあたって、様々あり、どれを選んだらよいのか悩みましたので、これから勉強される方には、こんな方法もあるんだと参考にしていただければ幸いです。

    勉強開始時の知識レベル

     会社において、毎月の売上や大雑把な費用等を見てはいたものの、知識がなかったのでふーん程度でしか見ておりませんでした。

     また出身大学の学部は経営学部でしたが、会計学は退屈そうで勉強は一切しませんでした。そのため、簿記に関しては初心者からのスタートです。

    使用した教材

    簿記3級

    • 簿記検定日商3級に面白いほど受かる本・基本編(中経出版)
    • 簿記検定日商3級に面白いほど受かる本・実践編(中経出版)

     4年ほど前に買ったもので、今は書店にはおいてありませんでした。サクサク進められるので導入としては良かったと思います。

    簿記2級

    • スッキリわかる日商簿記検定2級 工業簿記 第四版(TAC)
    • スッキリわかる日商簿記検定2級 商業簿記 第七版(TAC)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級 128回ー139回(TAC)

     3級の学習が終わる前に、2級のテキストは何がいいか探していたところ、圧倒的にスッキリシリーズが人気があるということを知りました。実際に購入してみると「わかりやすく」かつ「サクサク進められる」のでやりやすかったです。

     ただ、過去問にうつった時に、記載されていない項目(スッキリでは委託買付などが書いてなかったと思います。)があったので少し焦りました。しかし、合格するための問題集には過去問とは別に頻出問題が第1問~第5問でそれぞれあったので、知らない知識もそこで穴埋めできました。

     スッキリを使う方で時間に余裕ある方は、過去問にうつる前に「TACのみんなが欲しかった問題演習の本」をやった方が、応用問題等の解き方が丁寧に書いてあるのでいいと思います。私も購入しましたが、余裕がなく過去問に取り組む時間がなくなるためやめました。

    使用した電卓

    • Canon HS-1220TUG

     いろいろネットで調べて、悩みましたが結局ホームセンターでこれを見つけ購入しました。比較的安い電卓ですが、標準機能は備わってますし、試験会場でもこれを使っている方がたくさんいました。

     ただ、少し(サイズが)大きいので、試験会場の机が小さいと少し窮屈に感じるかもしれません。

    その他利用したもの(ウェブサイト&アプリ)

     独学する上で、効率の良い下書きの書き方や時間のかかる第3問をどう解いていくかがわからなかったため、上記2つのサイトに無料で動画がのっているので参考にしました。結果的に、効率の良い下書きの方法がわかり、解く時間や計算ミスが減ったので良かったです。

     過去問をやる上で、どの問題がみんな解けず、どこを得点源に、どこを捨て問とするのかを判断するために過去問分析のページを利用しました。また、出題傾向も参考になりました。

     勉強時間を管理できるスマホとPC対応のアプリです。1日の勉強時間と進捗を毎日記録していました。自分と同様に簿記の勉強している人の勉強時間や教材、こんなところでつまづいた等がわかるので、お互いに励まし合ったり、もっと頑張らねばと思えたり、モチベーションの維持につながりました。

    勉強時間

    • 簿記3級:約50時間
    • 簿記2級:約200時間

     試験日の1か月半前から勉強を開始し、10日間で3級、10日間で2級商業、10日間で2級工業、残り2週間ほどで過去問対策という計画で行いました。漠然とした計画でしたが、1日平均6時間やって計画通りに行えました。

    勉強方法

     まずテキストの各論点を読んで、各章の練習問題を解く。最後のページまでいったら練習問題のみもう一周解く。さらに解けなかった問題をもう一周解く。このような形で問題集を3周回すことをやりました。また復習は必ず翌日行うようにしました。

     また、わかりにくかった部分などは付箋を貼り、さらに間違えたところなども含めてミスノートにまとめていました。これを直前期は1日の終わりに見直すことで、同じミスは繰り返さないよう心がけました。

    ミスノート1
    ミスノート1
    ミスノート2
    ミスノート2

     さらに、どうしてもわからない部分はネットの動画を探せば、参考動画がたくさん出てくるのでそれらを参考にしました。

     過去問をやっている中で、最初は決算仕訳の貸倒引当金や期末商品・棚卸減耗費などの計算ミスが多かったのですが、上記のミス対策のせいか徐々になくなっていきました。

     また、過去問を一通り解き終わった後で、各回の点数をみたところ、合格点にいたっていない回が必ずといっていいほど工業分野の得点率が5~6割ほどでした。

     そこで、試験5日前に動画を参考に曖昧な知識を挽回し、解答をじっくり読むようにし、ミスノートにも図を書いて理解するように努めました。その結果、工業簿記は得点源にできる自信がつきました。

     最後に他の方とは違うと思うのは、3級の過去問対策をしなかったことです。

     これは2、3級同時受験とはいえ、やはり2級の合格に重きをおいたので、2級の理解が進めば、必然的に3級も解けるだろうと考えたためです。そのため3級の過去問分の時間を2級にまわすことができました。

    試験日の1日の流れ

     午前に3級、午後から2級の日程でした。

     不安な問題や予想問題は前日に行い、当日はすっきりとした気持ちで挑むようにしました。しかし、予想問題があまりに難しく、これは当日の昼休みに見直そうと思い、少し遅めの午前2時に見切りをつけて就寝しました。

    • 7:30

     起床し、眠くなることを避けるため朝食を取らず、準備して電車で会場へ。

    • 8:10

     試験会場に到着しました。教室内は100人以上はいたと思います。高校生から中年の方まで幅広くいました。幸いにも机2つ分を1人で使えたので、机の上は余裕がありました。

     トイレをすませ、「今から受験するのは3級なんだ」と気楽な気持ちで試験開始まで待ちました。

    • 9:00

     3級試験開始です。問題を一通りみて解けそうな問題を探しました。

     過去問をやってなかったのでわからなかったのですが、第3問の試算表問題と第5問の精算表問題で60点分の配点ということに気がつき、さらに2級の学習でこれらには自信があったので最初はこの2題から取り組みました。

     簡単と思ったものの…試算表は合計の金額が、精算表は当期純利益が一致せず焦りました。ひとまず後回しにすることにし、他の第1、2、4問に取り組みました。

     第1、2問はあっさり解けましたが、第4問が3伝票制の伝票会計で、2級では見かけない問題だったので少し焦りました。自分の持ってる知識の中で空欄を埋めました。

     一通り問題が終わった時点で残り1時間余ったので、第3問と第5問の数値合わせと、第4問の考える時間に残りをあてました。結局、第5問の当期純利益は求められましたが、どうしても第3問の数値が合わずに時間切れになってしまいました。

    • 11:10

     3級終了後、やはり眠気を防ぐために昼食はとらず、トイレを済ませすぐに2級の教室へ。誰もいませんでしたが、3級と違うのは机が1つ分で、電卓を置くと少し邪魔だなということが気がかりになりました。

     13時の開始までまだ時間はたっぷりあるので、前日にやった予想問題の見直しに取りかかりました。

    • 12:10

     予想問題の見直しを終え、最後にこれまでの集大成であるミスノートを見直しをし、試験ではこんなミスはしないと自信をつけ、時間まで待ちました。

    • 13:00

     2級試験開始です。誰もが驚いたと思うのが、第2問でまさかのもう出ることは少ないと思われていた伝票会計でした。しかし、過去問をやった限りで得点源になっていたので安堵です。

     他は第3問が財務諸表で、やはり137回からの傾向通り、決算仕訳と未処理事項をいかにかみ砕いて理解するかが難しい問題でした。これは難問だと思ったので後回しに決定し次へ。

     第4問と第5問もぱっと見でとくにひねりは感じず、ただ過去問ではあまり見なかったシングルプランが第4問に、積数が第5問にだされている程度で、いけそうという印象。

     全体を一通りみたところで、簡単そうな工業簿記から終わらせました。2つで30分ほど。次に第2問。これも得意にしていただけあって15分ほどで終了。次に第1問。3つ目の仕訳問題で、売上割戻引当金の処理がわからず、適当に埋めましたが、これは落としたなと捨て、いよいよ問題の第3問へ。

     残り1時間ほどありましたが、まあ難しく、部分点狙いで簡単な決算仕訳から対処しました。

     残り10分になったところで、全体を見直し。第2、4、5問は満点の自信があり、第1問は3つ目以外はできただろうということで、合格点はいったんじゃないかという気持ちに溢れました。

     残り数分は引き続き第3問に取り組みましたが、あまりいい感触は持てずに試験終了。

     あと蛇足ですが、試験中、電卓を打つ音が凄まじく早い人が教室内にいて、遅い私は焦りました。早いにこしたことはないものの、全体を通してそこまでの早さが必要とは感じない内容でしたので、途中からはあまり気にならないようになりました。

    試験結果と反省(簿記3級)

    • 第1問:12点/20点
    • 第2問:10点/10点
    • 第3問:28点/30点
    • 第4問:07点/10点
    • 第5問:24点/30点
    • 合計:81点/100点

     過去問対策しなかった割には解けたので、おそらく比較的簡単な回だったとは思います。

     また、予備校の解答速報では第2問の帳簿名が「買掛金元帳」となっておりましたが、実際に2級の知識から「仕入先元帳」と書いてしまい、しくじったなと思ったのですが、第2問は満点の点数だったのでほっとしました。

    試験結果と反省(簿記2級)

    • 第1問:12点/20点
    • 第2問:20点/20点
    • 第3問:09点/20点
    • 第4問:20点/20点
    • 第5問:20点/20点
    • 合計:81点/100点

     3級と同じ点数でした。おおむね予想通りの結果でしたが、第3問に関しては過去問の見直しが不十分だったと痛感しました。もし、第2問に伝票会計ではなく個別論点などの難問がきていたら、合格点は厳しかったと思います。

    最後に

     教材の選択から、過去問での自分の苦手分野や予想問題などいろんな部分で分析と決断をしました。独学ではどれが正解なのか判断しにくいですが、今回の試験では運良く有効だったのだと思います。

     実際に勉強管理アプリを使っている中で、予想問題に時間を割きすぎたために、今回の第2問などの予想外の問題に対処できない方もいたので、予想問題とのつきあい方も注意が必要だと思います。

     過去問の傾向から次回試験が予想しにくいようなのが最近のようなので、山を張りすぎず満遍なく学習するのが近道だと思います。

     長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。これから学習する方々を応援しております。

    管理人からじろーさんへ追加の質問

     じろーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    ■商業簿記:第三問(とりわけ決算整理事項の貸倒引当金、期末商品の期末整理)

     精算表や財務諸表の問題は解くのに30分~1時間など時間がかかります。しかも、一つ間違えると連鎖的に点数を落としてしまうことになるので、過去問をやっていてもなかなか点数が安定しませんでした。

     基本はスッキリシリーズの問題でできていると考え、あとは過去問を解きながら慣れることにしました。実際にやったこととして、過去問を間違える度、ミスノートにどう間違えたのか、こうすれば正しいということを書きました。そして毎日寝る前にノートを見返しました。

     その結果、試験の約1週間前には「貸倒引当金は数値の誤記入がしやすい」「本店と支店の数値をごちゃまぜにしやすい」など、自分の間違える習性の多く理解できるようになりました。

    ■工業簿記:全般

     解ける時と解けなかった時の差があまりに大きかったので、これは本当の意味で理解できていないと思い、今までさっとしか見ていなかった過去問の解答部分をちゃんと読むことにしました。

     それから、勘定連絡図などをちゃんと書き、仕掛品・製品などの流れをつかむようにし、少し時間はかかっても解き方を変えるようにしました。

     また、改めて丸2日間かけて、Youtubeの解き方動画等を参考にしながら過去問の工業のみに取り組み、ミスノートにも勘定連絡図の書き方など書き込むなどして毎日見返しました。

     じろーさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     簿記の知識を身につけていき、キャリアアップにつながっていくイメージを強くもつようにしました。また、勉強時間管理アプリで、同じように2、3級を勉強している人達の状況を見て励みにしていました。

    管理人コメント

     じろーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     デジタルツール(Webサイト・スマホアプリ)とアナログツール(ミスノート)をうまく使って短期合格された、じろーさんの合格体験記には参考になる点がたくさんあると思います。

     簿記関連のWebサイト・スマホアプリは玉石混交で、全く使えないものもたくさんありますが、パブロフ簿記さんや弥生カレッジCMCさんは、私も自信を持っておすすめできるサイトなので、ぜひ一度アクセスしてみてください。

     また、ミスノート(間違いノート)に関しては、追加の質問の回答のところに「毎日寝る前にノートを見返しました」と書いていただきましたが、この点はぜひ参考にしていただきたいポイントです。

     ミスノート(間違いノート)は、苦手な論点・よく間違える論点を脳に意識づけすることが目的なので、とにかく何度も目を通す必要があります。通勤・通学の移動時間や、昼休みや就寝前のちょっとした細切れの時間を有効活用してください。

     あとは、2級受験時の「全体を一通りみたところで、簡単そうな工業簿記から終わらせました」という一文も見逃せません。

     本試験では、得意な問題・点数が取れそうな問題を優先して解くのが鉄則なので、試験開始後にすぐに問題を解き始めるのではなく、じろーさんのように全体をひととおりチェックしましょう。

    じろーさんが使われた教材や電卓のまとめ