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  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.132

    アウトプットの「量」を確保するために、進捗状況を可視化しました!

    • 投稿者:愛美さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年5か月

    はじめに

     会社で経理課に所属している私の業務は、伝票入力・銀行支払処理・締日更新・元帳整理…と毎月やることは決まっているので、簿記の知識がなくてもなんとかなってしまうのが現状です。

     ただ、お世話になった上司があと一年で定年退職で、「どうしてこういう作業になるのか、という知識の裏打ちがないとこれから応用が利かなくなる」と心配してくれたため、簿記の勉強を始めることにしました。

     今考えてみると、出納帳の書き方すら知らなかった私に一から教えてくれた人を、なんとか安心させたいという気持ちが一番強かった気がします。3級を2014年の6月に合格後、衛生管理者の勉強のために間を開け、2014年の11月頃から2級の勉強を開始しました。

    テキストについて

    日本一やさしく日商簿記2級を勉強しました(とりい書房)

     3級は「日本一やさしく日商簿記3級を解説しました」という教科書を使っていたので、引き続き2級もそれを使用しましたが、工業簿記の仕掛品のあたりでイマイチ理解が進まず、一度挫折。2月の試験は見送りました。

    スッキリわかる日商簿記 商業簿記&工業簿記(TAC出版)

     本屋へ行って読んだ印象と、簿記検定ナビの合格体験記から、スッキリわかるシリーズを買って再度勉強を始めました。また、合格TVという無料の動画配信サイトで講義を見ながら、実際の解き方を勉強しました。

     スッキリはその名の通りとてもわかりやすかったですが、実際に自分で解いてみると理解が難しい場所がありました。特に、先入先出法の計算は、合格TVのやり方のほうが私は楽だと思います。

    みんなが欲しかった問題演習の本、合格するための過去問題集、TAC直前予想(TAC出版)

     1回目の受験前は、スッキリわかるを一度やってからすぐに過去問へ移りましたが、はっきり言って全然わかりませんでした。解説を読んですら、理解できない状況でした。そこで、2回目の受験では、間に「みんなが欲しかった」を挟んだところ、うまく知識の橋渡しになってくれました。

    勉強方法

     1回目の受験勉強は「教科書を読む→問題を解く→その単元の動画を見る→過去問題集をやる」という流れで勉強していました。

     2回目の受験勉強は「テキストの問題を解く→解けなかった部分の教科書を読む→合格TVで解き方チェック→みんなが欲しかった問題演習の本で復習→直前予想の模試を解く→模試でできなかったところを復習→できなかった問題と同じ論点の過去問題集を解く」という流れで勉強しました。

     142回は試験内容改定の影響が大きい回だったので、それへの対応についても考えることになりました。まず、次回から消失する範囲は、出ないと思って対応する教科書、問題部分は大きくバツをを付け、最低限目を通すだけにしました。

     過去問より直前予想を先に解いたのも、この改定に一番対応しているのが直前予想の方だと思ったからです。そこで直前予想の問題を先に解き、その後、予想論点と同じ過去問を解くようにしました。

     1回目の受験に落ちてから勉強方法についても見直し、アウトプットの少なさを解決するために、解いた結果を視覚化するようにしました。

     具体的には、まず問題を解き、その結果を表に書き込みます。1回で自信を持ってできたものは書かず、なんとなくわかっているところ・できないところのページと問題番号をノートの縦軸に書き出します。

     また、横軸を解いた回数にした表を作り、解いた日にちと、できたらマル&できなかったらバツを付けました。できなかった問題は翌日解きます。この時点でできたとしても、前の答えを覚えているかもしれないので、時間をおいて再度解き、合計3回解くことにしました。

     3回もやるのは時間がかかりすぎると思うかもしれませんが、理解しないまま進んでも過去問レベルには歯が立ちません。逆に、ここで理解しておけば、過去問や模試で間違っても、解説を読めば納得できるレベルになります。3回やってもできないところは間違いノートとしてまとめ、見直すようにしました。

     テキストだけで理解が難しい部分は、合格TVの無料動画がオススメです。目の前でテキストが説明していた手順が再生されていくのを見て、理解できることも多いと思います。

     みんなが欲しかった問題演習の本は、1回目の受験で過去問に移る前に何かもう少しレベルを落とした問題で、理解を深めておけば良かったと思ったので買ったものですが、テキストの問題でできなかったところを3回解いた後のせいか、ほとんど復習のような気持ちで解くことができ、自信につながりました。

     直前予想の模試は、ちょうど1ヶ月前の仕事が休みの日に解き始めました。まず、午前中が2時間本番のように模試を解き、午後から解説と復習をしました。2時間ずっと頭を回転させるのは、慣れていないとすごく辛いので、学生さん以外はなるべく何回もやって慣れたほうがいいと思います。

     模試4回分を解いた後は、TACの直前予想と簿記検定ナビの出題予想で、重複している予想論点を先に復習しました。TACの直前予想にも簿記検定ナビにも「やっておいたほうがいい過去問題集の論点」が載っているので、それも重複しているところを先にやりました。

     まとめノートの他に、直前予想の模試問題は予想論点の詰め合わせなのでコピーを取っておき、空白部分にその問題で間違ったところの考え方と、その論点で重要なところ・よく間違えるところを書いておいて、試験前の見直しタイム用にしました。

    予想問題の使い方1
    予想問題の使い方1
    予想問題の使い方2
    予想問題の使い方2

     モチベーションの上げ方としては、間違った問題を繰り返しやる時に、1回解いたら10円、2回目は30円、3回目は50円、間違いノートを作ったら100円と決めておき、実際にやったらその金額でケーキを買う、美味しいコーヒーを飲む、というように自分へのご褒美を作っていました。

     また、私はよくネットサーフィンをしてしまい、勉強になかなかやる気が出なかったり続かなかったりしたのですが、いつネットをしてしまうのか、と分析したところ、難しい問題で考えるのが飽きた時や、眠いのに無理やり勉強していた時だとわかりました。

     つまり、難しい問題が解けずイライラする気持ちや、やりたくないのにやっている気持ちをネットをすることで楽にしたかったと気づきました。

     それに気づいてからは、気分転換の方法を短い章でできた自己啓発本を読むことに変えてやる気を高めたり、すっぱり勉強をやめて眠り、早く起きて勉強するように変えたりすることで解決することができました。

     けっして計画通りではなかったし、テキストも多めな私の勉強でしたが、以下の5点が合格のカギになったのではないかと思います。

    • 最新の情報に合わせて勉強すること
    • 基本は一つのテキストでも、どうしてもわからなくて挫折するくらいなら、本屋の立ち読みでいいので他の解説を読んでみること
    • 解けない問題は、繰り返し何度もやること
    • やったことは一目でわかるように表にすること
    • モチベーションが上がらない時は無理にやる気を出すのではなく、状況を分析して状況に合わせた解決策をとること

    試験日の1日の流れ

    • 5時半 起床

     朝方の勉強に変えていたので、この時間に起きました。寝直すのも体のリズムが崩れそうなので、起きて予想論点で間違いやすいところをもう一度解き直しました。

    • 10時半頃

     休憩を兼ねて30分ほど仮眠をとりました。

    • 12時

     試験だと知った家族がゲン担ぎにトンカツを作ってくれたので、それを食べ、眠気覚ましのコーヒーを飲みました。あとで思ったのですが、やっぱりトンカツにコーヒーは良くなかったです。ちょっと胃もたれしました…。

    • 13時 会場到着

     3級からずっと試験会場としてお世話になっている商業高校なので、迷うこともなく安心して到着しました。まとめノートといろいろ書き込んだ模試の問題用紙で最後の見直しをして、トイレに行きました。

    • 13時半 試験開始

     解いた順番は、1→2→4→5→4→3。

    1問目 仕訳 12点

     どれも見慣れた形式なので簡単だったと思いきや、営業外受取手形の営業外を見落とし、本店を支店名で書いてしまったので、満点にはなりませんでした。

    2問目 株主資本等変動計算書 ?点

     配当額の10分の1という文章を読んでいたのに理解しきれず、期首残高で計算してしまったので…ここの配点は読めませんが、半分いけばいい方だなと思います。やっぱり緊張と焦りがありましたがとにかく全部埋めて、検算でのチェックはしておきました。

    4問目 標準原価計算 20点

     いつもの解答パターンで直接材料費差異から求めてしまい、全然答えが出ずにかなり焦りました。

    5問目 工程別総合原価計算 20点

     いったん5問目へ移動し、普通の工程別計算に落ち着きを取り戻し、もう一度問題文を読み直して気づきました。

    3問目 財務諸表 ?点

     埋められるところが少なすぎて、とにかく最後までかかりきりでした。ここを捨てて第1・2問の見直しに回した方が良かったと思ったものの、試験会場では第3問を解くことしか頭にありませんでした。

     多分、貸倒引当金・減価償却累計額が配点部分だろうと思ったので、その部分を時間をかけて解き、あとはとにかく埋められる数字は全て埋めておく、という方針でやったと思います。

     小問をひとつ解くたびに検算を入れて見直したので、ラストは第3問をずっと解いて試験終了を迎えました。

     答え合わせをした時点で確定点数は52点。第2・3問で残り18点…はかなり不安でしたが、合格していて逆にびっくりでした。とにかく時間いっぱい考えて、わからなくても時間をおいてもう一度読むと分かることもあるので、諦めず試験に取り組んでみてください。

    管理人から愛美さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ・日本一やさしく日商簿記2級を勉強しました(70点

     私は途中で挫折してしまいましたが、音声ダウンロードもあり、コストパフォーマンスはいいと思います。自分に合っていると思った方には良いのではないでしょうか。

    ・スッキリわかる日商簿記 商業簿記&工業簿記(95点

     読む分量とわかりやすさは、皆さんがおすすめしている通りでした。私も自信を持っておすすめします。マイナス5点分は、やはり解法の手順が文章と図表だけだとわかりにくかったところがあるからです。

    ・みんなが欲しかった問題演習の本(90点

     テキストから過去問への橋渡しをしてくれた教材。電卓の使い方などのテクニックも載っており非常に助かりました。10点分は試験範囲の変更で、不要な部分ができてしまったからです。

     標準原価計算の解法手順は、これで何度も練習しました。過去問がよくわからなかったらこちらで解法手順のおさらいをするのがおすすめです。

    合格するための過去問題集(90点

     過去の論点復習に非常に役立ちました。ただ、テキストからすぐに取り掛かるには少し難しい気がします。それでも試験のレベルと傾向は一通り確認できますし、対策としては非常に有効だと思います。

    ・TAC直前予想(95点

     時間がない方は過去問より先にこちらで的を絞ってやることをおすすめします。仕訳のカードは持ち歩きにも便利でしたし、予想は概ね的中でした。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     CASIOの「DF-120VG」です。それほど電卓が得意ではなかったので、ちょっと大きめのものにしました。固めの弾力なので、入力飛ばしをした時に気付きやすいです。初心者の方には良いのではないでしょうか。

     ただ、私は試験会場が高校で、大学の講義室のよう繋がった机ではなく、一人ひとつの机でこの電卓を使ったので、ちょっとスペースが狭かったように感じました。

     愛美さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意論点は工程別原価計算です。苦手なのは個別原価計算と第3問です。

     個別原価計算は解法が単純な割りに、丁寧に解かないと計算ミスをするので敢えてゆっくりやり、検算で確認することを徹底しました。

     第3問は難度にばらつきがありますが、満点は難しく、最後まですっきりしない論点で、繰り返すこと自体が嫌で苦手でした。ただ、間違えても繰り返すことで「捨てて良い部分」と「絶対間違えてはいけない部分」が判別できるようになります。

     また、少しひねったり、言葉を変えることはありますが、第3問で問われる部分も他の大問と同じくある程度パターン化されています。

     ある程度解けるまでは、第3問を全て繰り返すのではなく、貸倒引当金・売上原価の算定など、それぞれ仕訳一問ずつの小さな単位でまとめ解きすると、しんどさを感じずに繰り返せると思います。

    管理人コメント

     愛美さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     勉強の進捗状況を可視化したり、モチベーションを維持するためにいろいろと工夫された部分などはかなり参考になると思います。また、予想問題の使い方もユニークなので、受験生の方はぜひ参考にしてください。

     なお、受験会場(特に商業高校など)によっては割り当てられる机のスペースが狭い可能性がありますので、直前期には「解答時に使えるスペース」も意識して問題を解くことをおすすめします。

    愛美さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第142回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.75

    三度目の正直で合格!最後の1分1秒まで諦めない気持ちが大事です!

    • 投稿者:三度目の正直さん
    • 勉強形態:学校→独学
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約10か月

    はじめに

     簿記に興味を持ってから早10年。3回目の受験にしてようやく合格することができました。

     振り返れば、勉強と受験は挫折の繰り返しでした。

    • 某大手通信教育講座U→テキスト2冊目で挫折。4万円を溝に捨てる。
    • 某予備校Lの講座→他講座のオプションで無料受講したものの、講師が合わずに挫折。
    • 某専門学校Oの講座→最後まで受講したものの精算表が理解できず、高合格率だった第140回の試験で不合格となる。

     こんな私ですが、現在働いている職場で待機時間が長いことをいいことに、今後の転職活動に備えて今のうちに頑張ろうと一念発起しました。

     予備校通っても、通信教育やっても全然受からない!という方に、少しでも希望を持っていただければと思います。

    使用したテキスト・電卓

    • 大原の簿記3級講座のテキスト・問題集
    • TAC出版 合格するための過去問題集
    • SHARP EL-M334

     大原の問題集は本試験より難しくできているので力が付くと思いまが、精算表や財務諸表の問題が少ないのと、解答記入欄が小さいので少々使いづらかったです。

     TACの合格するための過去問題集は、解答用紙をWebから何度もDLできるので繰り返し解答できてよかったです。強いて言えば、解答と解説が同じページにあればもっと使いやすいかなぁと感じました。

     電卓のSHARP EL-M334はボタン1つ1つが離れているので、打ち間違いが減るかなと思い選びました。ただ、押した時の音が結構大きいのと、押すのに少々力がいる感じがするのであまりお勧めはしません。

    勉強方法・不合格体験記

     先に勉強方法から申し上げますと「基本をテキストで覚えたら過去問を繰り返す」です。1単元ごとの問題集をやるより、過去問をやったほうが効率的でした。

    第140回受験時

     予備校の講座をひととおり受け、前日に予想問題を解いただけです。講座は映像通学という、録画された講義を視聴ブースで見るものですが、指を動かす時間はほとんどなく、説明を聞いているほうが長いので眠くなってしまい、殆ど舟をこいでいました…。

     受付の方曰く、夜間行われている生講義の遠隔授業(他校でやっている講義を、モニターで見ながら受ける)のほうが映像通学より合格率が高いとのことでした。お恥ずかしながら、そんな状態で精算表が全く理解できていなかったので、本番もダメ元受験といった感じでした。

     そのため、せっかく予想問題がほぼ的中していたにも関わらず65点で不合格でした。ちなみにこの時、試験終了5分前でミスに気付いたのですが、今から計算して書き直しても間に合わないと思いそのままにしてしまいました。もし、この時直していたら合格点に達していたのに…。

    第141回受験時

     仕事の空き時間に大原の問題集を解いていました。苦手な精算表を中心に、1,3,5問目を解く練習。その結果、問題から仕訳をすることはできているのに、解答に転記するさいにどこに書けばいいかわからなくなっていることに気づきました。

     特に、精算表に出てくる「前払い○○」や「未払い○○」は数字の計算は合っているのに、貸借対照表と損益計算書のどちらに記入すればよいかわからず、いつもミスしていました。

     そこで、一度手を止めて解説をじっくり読みこんだ他、ネットで検索をかけました。その結果、某大型掲示板にて「まみちゃんはブス(B/S)」と言う覚え方があるのを発見し、それからは前払い、未払いで迷うことはなくなりました。

     こうして力をつけていったと思われましたが…なんと試験前日に39℃の高熱。当日は家族に会場まで送ってもらい受験しましたが、体調が悪いうえ、5問目が財務諸表作成で頭が真っ白に。ややこしい計算に全く頭が追い付かず、50点台で不合格となりました。

    第142回受験時

     大原の問題集は全て解き終ってしまったため、書店でTACの過去問題集を購入。今思えば、予想問題や各設問ごとの問題ばかり解いていて、過去問題をやったことがありませんでした。

     過去問題集は、実際に時間をはかりながら挑戦。10回分載っているのですが、1周目で合格点が取れたのは4回分位でした。しかし「毎日問題を解く→わからないところは解説を読む」を繰り返すと、段々問題の解き方が理解できてきているのがわかりました。

     最初は90分近くかかっていた時間も、試験直前には60分で解けるようになりました。更なる時間短縮を図るためにTフォームの練習もしたのですが、仕訳したものを上から羅列するやり方で30点を取れた問題が15点しか取れなくなり、自分には向いていない書き方だと思い、スパッと練習をやめました。

     みんながやっているからとその方法にするより、自分に合った解き方をしたほうが理解も進みやすいと思います。

     また、私の住んでいる地方にある大原では簿記の模試を開催していません。いい加減、簿記の資格が欲しくなっていたことと力試しのために、日商簿記の前週にある全経簿記3級に挑戦しました。

     全経に対する対策は全くせずに受験したのですが、日商と比較すると、1問目の仕訳も5問目の精算表もシンプルであっさり解け、40分で途中退席。日商簿記の前日に88点という好成績で合格を確認しました。これで、多少安堵したのと自信を持って日商簿記に挑みました。

    試験日の1日の流れ

    • 6:45 起床

     朝が苦手なので、ギリギリまで寝ていました。朝食は、糖分補給を兼ねたチョコレートのみ。

    • 7:10 出発

     バスが1時間に1本しかないのと、駅で更にバスの乗り換えが必要なので少し早目の出発。乗り換えのバスの待ち時間にコンビニで暖かいお茶を購入。

    • 8:30 会場到着

     3回目の受験ともなると慣れたもので、お手洗いの場所も把握しています(笑)自分の受験する部屋と机を確認した後お手洗いをすませ、着席。地元の公立高校ですが、部屋は暖房がついていて暖かかったです。

     他の受験者は男女半々くらい。若い人(学生)より社会人の方が多く感じました。また、欠席者も多く、目の前3人と左隣が空席でした。参考書を見ている方が多かったですが、私はスマホでニュースを確認したり、リラックスするよう努めました。

    • 9:10 試験開始

     9時からは説明及び名前の記入があり実際の試験開始は9:10からでした。名前記入のさい、5問目が財務諸表なのが見えてしまい、頭の中では「\(^o^)/」と言う感じでしたが、5問目がダメでも1~4問目で稼ぐ、今までの自分を信じろ!と気合を入れ、1→2→3→4→5と順番通りに解答しました。

    1問目

     まんまと「直接法」の文字を見落としました。それ以外の問題は特に問題なし。自己採点では16点でしたが、実際は12点でした。あと1か所どこで間違えたのか不明です。

    2問目

     A商品に関する商品有高帳作成でしたが、仕入帳の最後にB商品が書いてある嫌らしい問題だと感じました。前週に受けた全経簿記でも商品有高帳が出たため、楽勝…と思いきや、何故か次期繰り越しが0になってしまい、自分でもわけがわからず。自己採点、実際の点数ともに4点でした。

    3問目

     合計試算表の作成でした。まずはいつもの通り仕訳て、借方と貸方を記入。この時点では合計金額が合いませんでしたが、とりあえず全て埋めたところで4問目へ。この時は、なんで「当座借越契約を結んでいる」なんて書いてあるんだろうという程度の認識でした…。

     全部の答案を埋めた後に3問目に戻りました。どこが違うんだろう、と見直しているうちに当座の残高がマイナスになる日があるのを発見。当座借越はこのためか!と興奮しながらも、計算ミス等しないようにしっかり確認しながら記入。

     結局、借方と貸方は一致しなかったのですが、部分点でカバー。自己採点30点で、実際の点数も30点でした。今回の問題は、表の日付が空欄になっており、日付を書かないと0点や減点という噂が某掲示板に書かれていましたが、どうやら配点はないようでした(笑)

    4問目

     伝票記入の問題。実は、次回の試験から範囲外になる5伝票制は得意だったのですが、3伝票制はてんでダメ。とりあえず、与えられた数字などの情報から必死に埋めました。自己採点6点、実際も6点でした。

    5問目

     まさかの、2回連続の財務諸表に絶望感を抱きながら問題を確認。前回よりは簡単そうと気持ちを持ち直し、まずは仕訳。その後、わかったところから埋めていったのですが、やはり金額が一致しない。イライラしてきてしまったので、ここで一旦3問目に戻りました。ここまでで、試験時間約1時間経過。練習の時と同じペースでした。

     3問目の当座借越を発見してすっきりしたところで5問目再び。色々あがきますが、まったく一致しない金額。時間が刻々と過ぎ、あと5分を切ったところで「しーくりくりしー」の呪文を思い出しました。あと5分…消して書き直して間に合うか?と焦りました。ここで、第140回の時の失敗を思い出します。

     あと5分しかないから…と答案を書きなおさなかったら不合格だったと。やるしかないと腹をくくり、ほとんどの人がペンを置いている中、電卓をたたいて計算し直し、4ヵ所くらい書き直しました。それでも金額は一致しませんでしたがここで時間切れ。自己採点では15点でしたが、実際は21点でした。

    試験終了後

     会場前で大原が配っていた解答速報を貰って帰宅。某掲示板にて、他の受験者の感想などを見ながらしばしまったり。夕方になり、大原のHPで模範解答を確認。「もしかしたらぎりぎり受かってるかも」と淡い期待を抱き、結果発表を待ちました。

    試験中の出来事

     実は、途中で机の上から受験票と身分証明書を盛大に落としてしまいました。私の代わりに落ちてくれたのかな…と思っています。

    試験結果

     自己採点は74点でしたが、実際の結果は73点でギリギリ合格となりました。簿記検定ナビの合格率速報では、今回も合格率が低くなりそうでしたので、まさか自分が合格できるとは思わず、大変嬉しかったです。

    試験を受けて思ったこと

     2,4問目を捨ててはいけない。もし、この2問が0点だったら私は不合格でした。さらに言うと、前週の全経簿記で商品有高帳が出やすいのを知って勉強していなければ、恐らく2問目が0点で69点で落ちていたかもしれません。配点が低いからと、2,4問目を侮ってはいけません。1点を笑うものは、1点に泣きます。

    管理人から三度目の正直さんへ追加の質問

     三度目の正直さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は合計残高試算表です。こちらは、不合格だった140回の試験時にも満点を取れておりました。仕訳はどちらかといえば得意なので、計算ミスさえしなければ確実に点を取れることもあり、得意だと認識しています。

     苦手な論点は精算表伝票(3伝票制)です。精算表は、初めて解いた時は「売上」より下が全滅でした。こちらも、仕訳は出来ている(保険料の計算なども問題なし)のに、貸借対照表と損益計算書のどちらなのか、借方と貸方どちらなのか全く理解できていませんでした。

     克服方法は、ずばりネットで解き方を検索しました。先にも書きましたが、「まみ(前未)ちゃんはブス(B/S)」には随分と助けられました。また、しばらくは貸借対照表の上に「資産、費用(純資産)」、損益計算書の上に「費用(純利益)、収益」と書いて、今どの勘定科目を記入しようとしているのか冷静に考えて判断するようにしました。

     最初はそれでもミスばかりでしたが、問題を10回くらい解いたころから、急にスッと理解できるようになりました。

     伝票は、なぜか3伝票制だけが苦手です。とりあえず「入金・出金・振替の3つしかない。売上と仕入は全部掛け取引したと考える」とだけ覚えましたが、我ながらこれではかなり不安ですし、克服できてはおりません。2級に進む前に、もう一度おさらいが必要だと考えています。

     三度目の正直さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
     ずばり、簿記検定ナビさんの他の受験生の合格体験記を読むことです。他の方の勉強方法など、大変参考になり、励みにもなりました。また、自分も合格したら体験記を送るぞ!と言う気持ちも芽生えました。

     体験記を書いている方の多くが1発合格なさっている中で、3回目にしてギリギリの点数でようやく合格したと言うのは少々恥ずかしい気持ちも有りますが、同じように複数回不合格になっている方の励みになればと思っています。

     この先、2級まで目指したいと考えておりまして、2級合格者の方の体験記も現在進行形で拝見させていただいております!

     資格の大原の講座の良かったところとイマイチだったところを教えてください。
     私が通ったのは、「映像通学」なので、生講義とは異なる点があります。また、地方在住の為首都圏の校舎ともだいぶ違いがあると思います。

    【◯】良かったところ

    ・講義のレジュメを冊子で貰えるので、まとめノートを作る必要がない。
    ・受験申し込みを大原の窓口でできる(団体受験扱いになります)。
    ・問題が全体的に難しく作られているので力が付く。
    ・視聴ブースには視聴用PC以外何もないので、勉強に集中できる。
    ・講義を受講しない日でも、自習ブースが無料で使える。

    【△】イマイチだったところ

    ・答練や模試も講座に含まれているのに、実際は問題を渡される→解く時間なく解説を視聴しなければならない。
    ・同じ講義を再度受講する場合は有料(例:第4回目の講義まで終わったところで、もう一度第2回目の講義が見たい場合)である。
    ・質問がある場合は、別の校舎の講師に電話しなければならない。
    ・「好きな時間に通える」とあるが、実際は視聴開始可能時間が決まっている。
    ・大手予備校に通っているから大丈夫、という謎の安心感が生まれてしまう。

    管理人コメント

     三度目の正直さん、簿記3級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。資格の大原の講座について詳しく書いていただきましたので、受講を検討されている方にとってはかなり参考になると思います。

     まず、第2問・第4問についてですが、三度目の正直さんのおっしゃるとおり配点こそ低いものの、短時間で解答できる問題が出題される可能性が高いので、配点の多い第3問・第5問と同じようにきちんと対策しておくべきだと思います。

     また、ここ最近の本試験は難しい問題の出題が続いており、わずか1点、2点が合否を分けるケースが多いです。これから受験される方には、最後の1分1秒まで諦めずに問題を解き続けた三度目の正直さんの姿勢を、ぜひ見習っていただきたいと思います。

    三度目の正直さんが使われた教材や電卓のまとめ

    • テキスト:大原の簿記3級講座のテキスト(※市販なし)
    • 問題集:大原の簿記3級講座の問題集(※市販なし)
    • 過去問:合格するための過去問題集 日商簿記3級
    • 電卓:SHARP EL-M334
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第141回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.74

    簿記のルールを覚えるために「徹底的に仕訳を解く」ことをおすすめします!

    • 投稿者:あんにゃもさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     私が簿記検定を受験してみようと思った理由は、2012年度の法律系資格試験に合格し、同期合格した方が独立開業に向けて「基礎的な知識でもあれば役に立つと思う」と3級を受験し、合格したとの報告を受けたからでした。

     当時、私自身は別の資格試験の勉強に入ったばかりだったので、自分の試し受験が終わり次第取り組むつもりでいましたが、簿記は「何となく難しそう、自分には合わなさそう」というイメージが強かったため、どんな勉強をするのかだけでも見てみたくて、同期合格者が「この1冊だけでいけたよ」と言っていたことと、手に取りやすい価格だったので「参考程度に」のつもりで気楽に1冊目を購入しました。

     試し受験が終わり、本格的な試験勉強開始とともに簿記の勉強を始めたのですが、数ページ読み進んだ所で興味が持続せず、本命の資格試験の方ばかりが気になり、「今すぐじゃなくてもいいや…」と平行しての勉強は断念し他資格試験の準備に集中しました。

     翌年の資格試験は残念な結果に終わり、この年にも平行勉強を考えたのですが、やはり頭の数ページで興味がなくなり、よそ見をしている余裕はないと判断し再度放置しました。

     その後本命の試験が終わり、やっと簿記だけに集中できる環境になったので、「今度こそ最後まで」のつもりで取り組みました。

    テキスト・電卓について

    【60点】簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級

     同期合格者が「この1冊だけでいけたよ」と言っていた参考書で、最初の1冊としてはイラストも漫画もあり、入りやすい本だとは思います。

     ただ、「理屈はあまり考えずに、丸覚えしてください」「とりあえず覚えてください」といったものが結構あり、丸覚えではなく理由からしっかり詰めていくタイプの勉強を好む私としてはかなり苦痛に感じる部分が多くありました。

     学習初期の頃に興味があまり持てなかった理由も、この本の「とりあえず覚えましょう」にあったのではと思います。

    【80点】パブロフ簿記3級(iPhoneアプリ)

     隙間時間に仕訳問題が出来ればと思い、上記テキストと一緒にDLしました。学習したところを繰り返し練習しました。試験当日は注意事項の説明が始まる直前まで、このアプリで問題を解いていました。

    【85点】簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集

     テキストのほうで仕訳自体はある程度できるようになりましたが、過去問題集を持っていなかったので、1冊目のテキストが全部終わった後にこちらを購入しました。

     問題別に対策が立てられていますが、1問目の仕訳問題以外、殆どまともに解けなくて愕然としました。仕訳は出来るけれど、仕訳しか出来ない感じで「試験対策」を全くしていなかったことに気づき冷汗が出ました。過去問を一度も見ずに勉強を始めてしまったこともいけなかったと思います。

     また、パブロフ流では勘定科目の左右については指摘があっても、上下の位置を意識しながら学習することが出来なかったため、5問目の問題で左から右に数字を写す時に、「損益計算書」に写すのか「貸借対照表」に写すのかがわからず直前期に非常に焦りました。

     その後、下記の参考書をこなした後で再度こちらの問題集を解きましたが、理屈がきちんと理解できた後では「試験対策」としてとても使いやすい本でした。

     付属の模擬試験と合わせて時間配分の練習と実力試しにはとてもよかったです。ただ、2問目と4問目にもかなり割いている感じなので、下記の参考書を買っていなかったら3問目、5問目対策に遅れが出たかもしれません。

    【85点】日商簿記3級 合格これ1冊

     仕訳は出来ても試験問題が解けないことに焦り、Amazonでの評価が良かったことと、「なか見!検索」で私が一番理解不足だった勘定科目の位置についての解説が書かれてあることがわかったのですぐに購入しました。本試験の1ヶ月前でした。

     解説には問題ごとに(B/S)や(P/L)が書かれてあるので目で位置を確認することができ、「今はここの話をしている」「費用で計上してたのを資産にしたからこことここのこと」など(T/B)全体を把握しながら学習することが出来ました。

     パブロフ流で丸覚えした箇所もしっかり解説されており、最初からこの本を手にしていれば良かったと思いました。位置とその場所の意味が理解できるようになると、苦手だった経過勘定が解けるようになりました。

     パブロフ流では「ゴロで覚えよう、未だから足すだね」と言った感じで、足すと言われても右左どちらに書くのかが分からず困りましたが、しっかり理解できるようになってからは迷わなくなり、本試験でも経過勘定を計算するときには、間違わないように簡易に図を書いて「ここのことだから右に書く」などと意識しながら解きました。

     模擬試験と本試験の過去問が1回分ずつ入っていて、試験1週間前に本試験の過去問を時間内に解き、合格点が取れたことは試験への自信につながりました。

    【100点】簿記検定ナビ 仕訳問題対策(3級)

     模擬試験は数冊合わせて10回分以上ありましたが、過去問題は「合格これ1冊」についていた1回分しかなかったので、仕訳問題だけでも「実際」を見ておくべきだとDLしました。全部の問題をプリントアウトし、解答と解説はPCで見る方法にしました。解説も詳しく書いてあり、すごく役に立ちました。

     何度解いてもどうしても苦手だった「現金過不足」の問題を徹底して解きました。解説ページには「第○回にも出題」と出題回がすべて列挙されているので、書かれてある回に飛び、現金過不足の問題だけを集中的に繰り返して解き、無事すべての問題をばっちり解けるようになりました。

     自分で出題回をチェックしていたらすごく時間がかかったはずなので、とても助かりました。パブロフ流の優しい表現での問題に慣れていたので、本試験の硬い表現の問題文に「すごく難しそう…大丈夫かな」と不安になりましたが、数をこなしていくと怖さもなくなりました。

     「現金過不足」以外は全部を3回解き、実際の試験でも似たような問題が出てくれたので、無事満点を取ることが出来ました。仕訳問題対策をやっていなかったら絶対に取れなかったと思います。問題数が多くて大変でしたが、やって本当に良かったです。

    【90点】簿記検定ナビ 第141回 日商簿記検定3級・簿記ナビ模試

     過去問検討は本来なら自分でやらなければいけないのですが、時間もなく過去問すら購入していない状態だったので、非常に助かりました。第141回にあわせた予想問題なので、本試験のつもりで2回解きました。

     1回目は時間が足りず、メモ用紙から解答用紙に数字を書き写せずギリギリの70点でした。それまでは全部を計算し終わってからメモ用紙を見ながら写していたのですが、計算が終わって埋まる枠が出来たらすぐ書き写す方法に変更しました。

     2回目は、同じ問題をすでに1度解いているにも関わらずやはり時間が足りず、点数は89点まで伸びましたが全てを解ききれずでした。本番でも時間が足りないかもと不安になりましたが、部分点を積み重ね合格点を取れればいいと気持ちを切り替えて最後まで諦めずに勉強を続けました。

    電卓 CANON HS-1220TUG

     1冊目のテキストを購入したときに、検索で簿記検定ナビに行きあたり、おすすめ簿記電卓の記事から購入を決めました。大きな表示で見やすく、打ちやすいですが大きめサイズです。試験会場ではもっと小型の電卓を持っている受験生が多く、音も静かなようでした。

     右手にペンを持ち、左手で電卓を使うようにと書いてあるテキストがあったのですが、私はどうしても左手で電卓を使うことに慣れなかったため諦め、最後まで右手でやり通しましたが、本試験の席が右端で、右上には身分証明書や受験票を置かなければならず、右側に電卓を置く場所がなくなってしまうので少し困りました。

     本人確認が終わった後は受験票などを机の左側の空スペースに移動し、電卓の位置を確保しました。

    学習方法

     ひたすら手を動かして何度も書いて解きました。アプリでも繰り返し問題を解きました。テキストの練習問題、模試の解答用紙を数組ずつコピーして、すべて書き込みながら練習しました。

     毎日長時間かかりきりでの勉強は出来ないので、それぞれのテキストの単元ごとを1日分と決めて、その日のノルマだけは必ずクリアするという方法でやりました。

     練習問題を続けていくうちに、1問目、3問目、5問目は安定して点数が取れるようになったので、テキストの指示通り1問目→5問目→3問目の順で解くことを決めて模試に取り組みました。

     2問目、4問目の問題を最初にチラッと見て、深く考え込まなくても解けそうな問題であれば3問目の前に解き、時間がかかりそうなら後回しにして最悪どちらか1問を捨ててもほかで合格点が取れるように、大問3問を解ききることを目標にしました。

     メモ書きから解答用紙に写したり、解答用紙上で左から右に書き写す時に場所を間違えるミスが何度かあったので、練習問題を解いている間はずっと定規を当てて問題を解いていましたが、本試験直前に「定規は使えない」ことが分かり困りました。

     ブログなどで定規の代わりに、受験票や身分証明書、使っていない問題用紙や下書き用紙を使うとあったので、本番では受験票を定規代わりに使いました。

     ひたすらテキストを読み、実際に問題を解くを繰り返していただけなのでまとめノートはありません。丸覚えしましょうとテキストに書かれていたときは、暗記用に図を書いたことなどもありましたが、その後理論的に理解できたので不要になりました。

     すべての問題集のすべての問題に?がつかなくなった後で、模試を解き始めました。本試験の2週間前でした。毎日1回分の模試を解き、週末は午前午後で2回分こなしました。

     模試に入った時期が遅かったので、全部解いてから本試験に行けるか不安でしたが、何とか全部解くことができ、すべての回で合格点が取れたのでこの調子で本試験も頑張ろうと思いました。

     また、最初はずっと全ての勘定科目を漢字で丁寧に書いていたのですが、時間短縮の必要性があるとわかってからは、略しすぎない程度に略し、同じような略になる科目で写しミスをしないように、記号なども使うことにしました。

     ローマ字の略は私には見づらかったので、漢字とひらがなと記号を使いました。転記した仕訳の横にレ点チェックを入れていたので×印はレ点と見間違いそうなので使いませんでした。

     手形は手に○をつけて目立たせ、受取手・支払手と略し、写す時には○を見つけ「受」と「支」だけに注意しました。受手、支手と略してみたら、受取手数料や支払手数料と紛らわしくなったので面倒でも2文字まで書き、手を囲むことで目立たせました。

     細かい字で書くと紛らわしくなる「前受金」と「前払金」は「受」の下に波線を引き、「払」の下には二重線を引くことにしました。書く手数は増えますが、波線を引いたこと、二重線を引いたこと自体が記憶になり、写す時に「前受があったはず、前払があったはず」と思い出すことができ写し落としへの注意になりました。

     また漢字がたくさんある中にひらがなの並びがあると目立つので、当座預金は「とうざ」とひらがなで書くことにしました。

     買掛、売掛もリストになっているものから探そうとすると数も多く埋もれやすいので、「買かけ」「売かけ」と漢字とひらがなを組み合わせ、さらに「買」「売」の漢字を他よりも大きく、「かけ」を小さく横に添えるように書くことで掛けの仕訳を目立たせた上で、売かけと売上を見間違わないようにしました。

     数字は「,000」を-などで略す人もいると見たのですが、私は電卓入力が苦手で、音で「0」を押した数を確認しながらでないと安心できなかったので、しっかりメモの数字を見て打つためにも省略することはやめました。

    試験日の1日の流れ

    • 5:30

     起床。ごはんを食べてすぐに出かけると必ずお腹が痛くなるので、かなり余裕を持って早めに起床。

    • 7:20

     自宅を出発。

    • 7:40

     電車で移動。乗り換えなしで会場につく路線なので、ほかに受験生がいるかもと思って見渡すと、両隣も向かいもドアのそばに立っている人もテキストを持っていました。

     次の駅からも受験生らしい人がどんどん来たので「こんなにたくさん受けるんだ…」と少し緊張しましたが、電車内でアプリの仕訳問題をしている間に落ち着き気にならなくなりました。

    • 8:20

     会場近隣の駅に到着。私大の大きいキャンパスが会場だったため、駅から会場までずっと人が続いていて迷う心配は一切ありませんでした。

    • 8:40

     掲示板の案内を見て自分の教室を探し着席しました。会場のあちこちに係りの方がいて、係りの方のほうから「教室はわかりますか?」などと声をかけてくださいました。

     教室の掲示板で自分の番号を探しているときにも声をかけてくださいましたし、席を確認し荷物を置いてからトイレを探して廊下に出たところですぐに入口近くの女性の方が「おトイレですか?向こうの奥にあります」と教えてくださりました。今までに資格試験を多数受けきましたが、こんなに丁寧な係員の方のいる試験は初めてかもと少し驚きました。

     教室自体は広めでしたが、3人席の右左の端に一人ずつ座るようになっていてその机自体が少々狭いように感じました。

     9時からの注意事項の説明までずっとアプリで仕訳問題を解いていました。電車で最初から解きなおしはじめ、説明開始までに全部を解き終わることができ、ちょっとした満足感と「仕訳は大丈夫だ」という安心感が出ました。

     周りを見るとテキストや問題集を開いている方が多く、スマホ(アプリ)を触っているように見える人はいませんでした。

    • 9:00

     注意事項の説明と解答用紙の配布。試験開始前に氏名等を書くように指示されたので、解答用紙をチラっと見て5問目に精算表が出ていないことにちょっとがっかりしました。でも財務諸表の対策もしてきていたので、あまり不安にならないように気をつけました。

    • 9:15 試験開始

     まず全体をざっと見て、解く順番を考えました。1問目は特に大きな変更はなさそうなので予定通り1問目から。次は5問目を予定していたけれど財務諸表だったのと、問題文自体がとても読みづらい感じだったので、仕訳の数は多そうだけれど3問目をキッチリ片付けてからにしようと予定を変更して「1→3→5」の順番にしました。

     2、4はどこに入れようかと考えたところ、4問目は文章問題なのでとりあえずわかるものを3問目の後に。2問目はしっかり落ち着いて日付を追って書きさえすれば全部埋められると思ったので、とりあえず先に5問目を解いてみて、詰まる箇所が出たら頭を切り替えて2問目に行こうと思いました。(配点の高さから5問目を優先しました)

    1問目

     問題なく解けました。5題目の解答で割れていたようですが、租税公課以外全く思いつきもしませんでした。過去問の仕訳を解いていたおかげで引っかかりやすいであろう引っかけも回避できました。結果は20点でした。

    3問目

     焦らず丁寧に仕訳をし、二重のものを消してT字勘定に写しました。全く同じ出題形式の問題を解いていたので、迷った所はありませんでした。

     問題集を解いている時に、表の下の方の科目は1度しか仕訳に出てきてないものが多いことに気づいたので、解答欄の下の方の科目から、計算をして埋めていきました。下から上に向かって埋め、途中写すだけの科目などを先に埋めたりしながら全部を埋めました。

     それぞれ左右を足してみると12月末残高は一致したものの、月中取引高に9,000円の差が出てしまいました。T字勘定なのでそれぞれの計算の見直しはしやすいですが、確かめ計算を今すぐするべきか、後回しにするべきか少し悩み、解答用紙の借方の合計を書く場所のすぐ下に「9,000足りない」とメモ書きして後回しにしました。

     12月末残高が一致しているということは、ミスの箇所はそう多くないはずなので部分点は十分狙えると判断したからです。

    4問目

     穴埋め問題が出るとは思っていなかったのでびっくりしましたが、部分点狙いの4問目なので、できるところだけでいいやのつもりで読み進めました。(イ)が分からなかったので「合計」と書きました。

     表の形は目で見てよく知っているものの、その表の名前自体はあまり気にしたことがありませんでした。こういった知識を問われると弱いのは、単純に勉強不足だなと思いました。

     ほかの4箇所の答えには自信があったので深く気にしないようにし、次の問題へ移りました。結果は8点でした。

    5問目

     このような形での出題を見たことがなかったので少し動揺しましたが「満点を取る必要はない、1箇所でも多く部分点を取るんだ」と気持ちを切り替えて取り組みました。

     おそらく決算整理事項に書かれてある8項目の部分が得点配分になるのだろうと踏んで、1項目ずつ分かる所から計算を始めました。

     項目5の備品の減価償却の直接法自体は知っていたものの、この形で解いたことがなかったので、どうしても計算すると小数点の数字が出てしまい、この科目の計算を諦めました。残りの3項目を計算した後で、頭を切り替えて先に2問目に行くことにしました。

    2問目

     全部の日付の仕訳をして、当座預金の残高をチェックするだけなので特に問題はありませんでした。このタイプの問題もしっかり練習していたので、単純な記入ミスだけに気をつけました。結果は10点でした。

    3問目-2(見直し)

     5問目の減価償却を考えるより、3問目のミスの箇所を見るける方が早そうだと判断して見直し計算をすることにしました。

     仕訳からT字勘定への写しも、勘定の計算も、計算から解答用紙への写しもあっていて、どうしたものかと悩んで諦めかけつつも、もう一度T字勘定からの解答用紙への写しミスをチェックしたところ、売上の借方を見ると1,000と解答用紙に書かれてありました。

     売上の借方は10,000で、仕訳に出てきたのはこの10,000の1回だけで、T字勘定で計算すると借方が消えて貸方だけが残り、借方の合計は転記するだけなので、そこでミスが出たようです。

     自分ではしっかりメモ書き通りに10,000と書いたつもりが1,000になっていて9,000足りなかったわけですが、このミスに気づいたときの安堵感から「これでバッチリ左右が合う!」と思わずニンマリしてしまいました(笑)

     大問のうち1と3の2問に不安がなくなり精神的にすごく楽になりました。「9,000足りない」のメモを消し、合計額をしっかり書き込みました。結果は30点でした。

    5問目-2(分からない箇所を考えてみる)

     色々と考えてみたのですが、試験中にはどうしても思いつかず。雑損も計算できなかったため、合計金額から推定することもできず。ほかの箇所に計算ミスがないかしっかり確認し、確実に部分点がもらえるように注意しました。結果は24点でした。

     既に記入した解答の自信度から5問目からは最低でも部分点を1箇所分貰えれば合格には届くと思ったので、残り5分のところで考えるのをやめ、解答欄の漢字のミスや書きなおしで消えてしまって見づらいところなどがないかの確認作業に移ることにしました。

     ゆっくり指さし確認で漢字を確認し、数字が読めるかを確認して試験を終了しました。

    ※試験時間中に途中退席したのは1人だけのようでした。

    ※残り時間のアナウンスがあったときに、かなり大きな声で「え?!もうそんな?!!」と言った男性がいました。電卓の音はするものの全体としては静かな会場なので、人の声にすごくびっくりしました。

    • 11:15

     試験終了。解答用紙の表紙も含めすべてを回収して、枚数の確認後解散となりました。大勢が一気に駅に向かうので大行列でしたが途中予備校の速報をもらいつつ、ざっと解答を確認し、1問目と4問目の解答速報に小さくガッツポーズをしながら帰りました。

     4問目の(イ)は不正解でしたが、不正解だと思いながら書いたのでほかの箇所が全部合っていたことのほうが嬉しかったです。初めての簿記試験で緊張もあったので、無事に終わってとにかくホッとしました。

    試験終了から合格発表まで

     家に帰って少し落ち着いた頃から、予備校各社が解答速報を出し始めたのでチェックしました。2問目は簡単にですが答えをメモ用紙に書いてあったので、この解答速報で満点を確認できました。

     3問目はそれぞれの科目の金額はメモ用紙から分かりますし、合計金額も合っていたので、おそらく全部の科目にミスはなかっただろうと30点を計上しました。

     5問目は配点部分がどこになるかで多少点数は上下するけれど、数校の解答速報を見る限り少なくとも7箇所分は合っているようなので、合格点自体は問題なく取れているだろうと判断しました。

     解答速報で試験日当日に合格を確信できたのはとても良かったのですが、商工会議所によって発表日にバラつきがあることを知らなかったため、ほかの所でどんどん合格発表がされているのに、最後の最後まで待たされていることにちょっとだけジリジリしました。

     いくら合格だろうと思っていても、試験は結果が出るまで何が起こるかわからないので「早く教えて!」という気持ちが12月に入ってからすごく強かったです。地域的に結果の早い場所を選べるのであれば、そちらを選んだ方がいいと思います。

     結果発表は12/18に郵送でとのことでしたが、17日に郵送で封筒が届きました。運悪く出張中だったので、受け取った家族からの写真付きメールで知りました。

     ≪二折厳禁≫と書かれた封筒なので、おそらく合格証が入っているのだろうとは思いましたが、電話先で開封してもらい、合格と各問題の得点を聞きました。予想していた通りの得点でした。大丈夫だとは思っていましたが、それでも実際に合格証を手にできて本当に嬉しかったです。

     もうやめちゃおうかなと何度も思った簿記ですが、今は簡単な帳簿つけ位なら自分でできるかも知れないなと思えるようになりました。私自身の独立開業はまだもう少し先になりそうですが、得た知識はきっと役に立つと思います。

    最後に

     「簿記3級程度は簡単だよ」といったことを聞くことがあり、私自身も「資格試験というか検定でしょ?」と思っていたところがありましたが、いざ始めてみるととても難しく、内容もつまらなく感じ、やめようかな思うことがありました。

     簿記試験は知識を問われるというよりも、ルールを正しく覚えているか、実際に使えるかを問われる試験なので、ルールを覚え込む作業を上手く乗り越えないと途中で嫌になって投げ出してしまう事になるのかもしれないなと思います。

     でもルールさえわかってしまえば、問題がちゃんと解けるようになるので一気に楽しくなります。問題によってはパズルのような感覚でとても面白いです。

     私の場合は最後まで根性でそのまま進みましたが、合わないな、つまらないなと思ったら諦める前にテキストを変えてみるというのも一手かもしれません。

     楽しくなれば勉強は捗りますし、続ければ続けるほどルールはしっかり自分の中に刻まれて、短時間で解けるようにもなると思います。

     また、苦しいのは知らないルールを覚える最初の段階だけです。試験対策としてそれぞれの出題傾向にあわせた練習をする必要はありますが、どんな形で出されても「ルールさえ分かっていれば」必ず解ける問題です。

     芸術系のコンクールのように「(合格)該当者なし」という結果は絶対にありませんし、70点取りさえすれば周りがどんな人たちであろうと絶対に合格できる試験です。ルールを覚えることを第一目標にして、まずは一順頑張ってみてください。

     ルールを覚えるにはとにかく仕訳を解きまくることが一番だと思います。仕訳が出来ないとどうにもならないので、とにかく仕訳ができるように頑張ってください。その後で各問題の対策に乗り出しても決して遅くはないと思います。

     次回を最後に試験範囲が変わるようなので、次回、次回以降の受験生さんは大変かもしれませんが、ぜひ頑張って合格を目指してください。

    管理人コメント

     あんにゃもさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     教材レビューや勉強方法について詳しく書いていただきましたので、教材選びや勉強方法で悩んでいる受験生の方はぜひ参考にしてください。

     個人的に「すごい!」と思ったのは、勘定科目の省略に関する部分です。簿記検定ナビでも勘定科目の省略パターン一覧表ページで省略方法を紹介していますが、私自身、ここまで意識して使い分けていなかったのでとても参考になりました。

     省略方法に絶対的な正解はありませんので、あんにゃもさんのように「自分が使いやすいようにカスタマイズする」ことをおすすめします。文字サイズや漢字とひらがなの使い分けなんかはすごく良いと思います。

     また、教材レビューの最後のところで、電卓を打つ手について書かれていますが、個人的にはどちらの手で打ってもそんなに変わらないと思います。私自身、昔からずっと右手(しかも中指のみ)で打っていますが、ハンデを感じたことは1度もありません。

     あと、「試験終了から合格発表まで」のところで合格発表日について書かれていますが、あんにゃもさんのご指摘のとおり、合格発表日は商工会議所によって異なります。

     特に東京23区・横浜市内を管轄する東京・横浜商工会議所は合格発表がかなり遅いので、これらの地域に住んでいる方は家からちょっと遠くても合格発表の早い商工会議所で受験することを検討してみてはいかがでしょうか。

     簿記検定ナビの全国の商工会議所&申し込み日程情報ページでは、全国の各商工会議所の申込期間だけでなく合格発表日も併記しているので(※WEBで公表されている商工会議所のみ)、申し込み前に一度ご確認いただければと思います。

    あんにゃもさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.73

    簿記検定は他人との戦いではなく自分との戦い。最後まで諦めないことが大事!

    • 投稿者:SACさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月半

    はじめに

    • 問題1:12点(仕訳)
    • 問題2: 6点(受取手形記入帳)
    • 問題3:12点(合計残高試算表)
    • 問題4:10点(勘定記入)
    • 問題5:18点(精算表・定番)

     合計58点。これは本試験前、大原で受けた模擬試験での私の点数です。それから2週間後…。

    • 問題1:16点(仕訳)
    • 問題2:10点(勘定記入)
    • 問題3:30点(残高試算表)
    • 問題4:10点(記述問題)
    • 問題5:27点(財務諸表)

     合計93点。本試験での結果です。2週間で35点あげて不合格ラインから一気に合格しました。

     私は26歳で一般事務をしていますが、再就職先とキャリアアップを考え経理事務を希望したことがキッカケで簿記の勉強始めました。

     ただ、勉強をするのは学生以来、しかも今まで勉強もしたことない学習分野で、初めて見る専門用語や簿記のしくみが理解できず何度もサボったり挫折しそうになりました。

     「どうすれば楽しく挫折しないために勉強できるか」「どうすれば本試験の問題を効率よく解けるか」「お金はかけたくない」…この3つの思いで学習しました。自分なりの工夫がお役に立てたなら幸いです。

    テキストと電卓

    • テキスト:Study Pro(無料簿記学習サイト)
    • 仕訳演習:日商簿記3級仕訳問題 きおっくす装置(無料学習サイト)
    • 問題集:みんなが欲しかった簿記の問題集(問題集&模擬試験3回分付き・TAC出版)、パブロフ式問題集(DL版・主に試算表対策)
    • 試験対策:大原無料模擬試験、簿記検定ナビ予想問題

     私は月々の所得が低いので、出来るだけお金をかけずに勉強しました。トータルでかかったお金は「受験料+TAC問題集+電卓」で7,000円ちょっとでした。

     電卓は無印良品のシンプルなデザインのものを購入。見た目のかわいさとキータッチの優しさ・音の静かさで選びました。簿記検定ナビで紹介されていた「電卓選びの基準」はすべて満たしていたので機能的にはまったく問題ないどころか、とても使いやすかったです。

    勉強法

     テキストサイトのStudy Proの内容を元に、自分でテキストノートを作りました。ただ、文字と数字だけのノートは、後々見返したときに全然つまらない&特徴がなく覚えにくいということもあり、何度も投げ出してサボってました…。

     このままではいけないと、自分でオリジナルのキャラクターをつくってノートに登場させながら、少しでも簿記学習に楽ししめる要素を組み込んでいくと机に向かう時間が増えました。また楽しみながらノートを何度も見返すので、これで自然と必要な基礎知識が身についていました。

    オリジナルノート1
    オリジナルノート1
    オリジナルノート2
    オリジナルノート2
    オリジナルノート3
    オリジナルノート3
    オリジナルノート4
    オリジナルノート4

     また、主要簿・補助簿の学習、試算表の学習の表はExcelを利用して作表したものを、枠内だけ空欄で紙に出力し自分で記入しながら覚える様にしていました。

    帳簿記入の練習
    帳簿記入の練習

    試験前の2週間から本番までの対策詳細

    大原の日商簿記無料模擬試験

     独学の方はぜひ受けておくべきです。冒頭に書いたとおりのボロッボロの成績で心が折れましたが、同時に本試験を解くカギを握っているものが仕訳の精度であることに気づけたり、問題3や問題5において、どこに配点がきやすいかなどの本試験の特徴や計画的な時間配分など、戦略の立て方が見えました。

    仕訳の精度をあげる

     どの問題においてもやはりベースになるのは仕訳なので、この仕訳を一箇所でも間違うと問題全体で大きく失点する原因になる為、仕訳をより正確にスピーディーに行える訓練をしました。

     その時使ったのが「日商簿記3級仕訳問題 きおっくす装置」です。「千本ノック」ならぬ「仕訳ノック」です。何度も繰り返した結果、引っかかりやすそうな問題への耐性がつきました。

    試算表(問題3)対策

     改善前は…所要時間が50分~60分で、点数が3割~4割ぐらいでした。全部の仕訳を書いてTフォームを作らずに、ちまちまと勘定科目ごとに集計していました。

     時間はかかるわ、集計モレはあるわで効率が悪かったです。取引日付順の問題だとさらに売掛金・買掛金明細表の集計もあるので発狂しそうでした。

     改善後は…所要時間が30分~40分になり、点数も8割~満点になりました。

     具体的には、他の合格者の方も書いていましたが、頻出の勘定科目だけTフォームを作りました。「現金・当座預金・売上・仕入・買掛金・売掛金・受取手形・支払手形」の8つの勘定科目に絞り、A4用紙の縦2/3のスペースでTフォームをつくります。

     残りの1/3のスペースでその他の勘定科目を使った仕訳をきります。ただし、仕訳の段が2行以上になるものは混乱しやすいので、頻出8勘定科目も含めた仕訳を書き出す→即効でTフォームへ転記して消しこむ、という作業を行いました。

     大原での指導を元に、勘定科目は略語で書く。あとは合計試算表・残高試算表・合計残高試算表の見分けを覚えるため、問題集や試験対策問題を鉛筆で書いては消しゴムで消し何回も練習を行いました。

     また、過去問の配点箇所のパターンを分析した結果、集計が多くなる頻出8勘定科目や、下段のほうの費用勘定科目にと金額に配点が集中していることが分かったので、見直しをするときはこれらの勘定科目を中心に確認をしました

    本試験の実際の下書き
    本試験の実際の下書き

    →上記の「本試験の実際の下書き」をPDFでご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

    精算表(問題5)対策

     とにかく「決算仕訳になれること」が重要なので、過去問を見ながらあらゆるパターンの仕訳に慣れておきました。費用・収益の繰延・見越は全体像を書き出しつつ仕訳を行いました。

     3級は前回・前々回と合格率が高かったので、今回の試験は合格率を下げて来ると予想し、予想の本命ではない繰越商品の売上原価での計算や財務諸表作成・精算表の推定問題にも念のため目を通していました。

    時間を計って本試験と同じ形式2時間で模試を繰り返し行う

     本番は周りの電卓の音で気が散ることもあるかと思い、あえて周りの会話が聞こえるカフェや家族のいるリビングで模試をしていました。おかげで2時間ぶっ続けられる集中力がつきました。

    心構え

     簿記試験は合格者は上位何名までといった決まりではなく、70点以上を取れれば人数に関係なく合格できる試験です。よって、同じ日に試験を受ける全国の人達との戦いではなく「己との戦い」だと思ったので、周りの様子はあまり気にしないように努めました。

    試験日の1日の流れ

    • 6:00 起床

     化粧だけして30分後に家を出る。

    • 7:00

     駅に到着。試験会場の京都への電車で遅延も頭に入れ早めの時刻の電車に乗る。

    • 8:00

     会場最寄の駅のモスで朝ごはんをしながらテキストノートを最終チェック。試験会場のトイレは混むと想定し、トイレを済ます。(1回目)

    • 8:30

     会場に到着。とりあえず試験中の尿意襲撃→離席→棄権は絶ッ対イヤだったので、水分摂取は控えてトイレに余裕をもって行く。(2回目)

     ※試験会場に近いトイレは長蛇の列ができるので注意です!女性は特に、他の階のトイレに行ったほうが早いです。

     近くの席の隣どうし座っていた人達の会話の声が大きくて少し気になりましたが、「己との戦いだ」という言葉を思い出し、気にしないようにしました。

    • 9:00

     試験説明で解答用紙をめくって名前を書き込んでいくときに、解答用紙をチラ見。

     「問題5は大本命の精算表作成やなくて財務諸表かぁ~」「問題3は合計残高試算表か残高試算表やな」「問題2・4はあんま時間かからんなコレ」と、問題を推察する。

    • 9:15 試験開始!

     すぐに解き始めるのではなくて、1分程で問題全体をザッと読みました。ここで問題を解く順番を決めます。

     「問題5の出題形式は珍しいから混乱しそう。」「問題5で苦戦してパニックになったまま他の問題を解くと総崩れになる恐れがあるな。」…この結果、1→2→4→3→5が解きやすい順番だと判断しました。

    問題1

     よくある引っ掛け問題が出ました。過去問題を何度も解いていたら問題はないと思います。

    問題2

     当座預金と当座借越の金額を追いながらプラスかマイナスか考えていくだけなので特に問題なし。

    問題3

     二重取引ありの試算表作成でした。為替手形の取引は試験範囲外になった為、仕訳自体の難易度は高くない。が、取引量が多いので処理に手間がかかる…かと思いきや、Tフォームに頻出勘定科目だけを書き込む方法でスピーディーに解けて問題なし。

     集計時、私は月中取引高が月初残高を含めていいのかどうかが解らず少し焦りました。これも過去問題に出てきていましたのでそれを知っておけば問題は無かったのですが、チェックが甘かった私は引っかかりました。結果月初残高も合計してしまいました。これが後々解答速報発表から合格発表までの不安の種になりました。

    問題4

     選択肢の無い穴埋め記述問題でしたが、帳簿の締め切りの流れが頭に入っていたら問題なく解けたと思います。テキストを読んで基礎をしっかり頭に入れておくことが大事だと気づいた問題です。

    問題5

     「なんやねん。決算整理前の現金・資本金の金額は各自推定って。」…しばらく悩んだものの、冷静になって「財務諸表と精算表は表が違うだけで内容は同じ」「決算整理前の各勘定科目はいつも試算表で書かれてるものが一覧になっただけ」と思えば基本的な作業をするのは変わらないと気づきました。

     一見ややこしいそうな問題が出ても、難しく考えすぎてはさらにいけないと思いました。また、変化球に対応できたのは基礎をしっかり頭に入れてきたのが功を奏したのだと思います。

    • 11:15 試験終了

     燃え尽きる間もなく大原の解答速報会に向かう。

     これが当日の一連の流れです。解答速報会で問題3の月中取引高欄が全滅だったと解った時は絶望で、今回は不合格だと諦めていました。

    試験終了から合格発表まで

     家に帰って身内に悔しい気持ちを散々ブチ撒けて、1人でお布団の中で泣いてました。ただ、後にTACの解答速報・配点予想を見て、私が全滅した月中取引高の欄は配点箇所には入っていなかったため、最後まで望みはあるかもしれないという期待もありました。

     「これだけ試験難しかったんだから配点は甘くしてよー!」「まぁ、受かってたらラッキーくらいに思っておこう」と考えながら、気持ちも落ち着いた頃に迎えた合格発表日。ドキドキしながら商工会議所のHPを見たところ…

     …アクセス集中のせいかなかなか繋がらない。。。なんだと!?

     焦らされに焦らされながら表示されたのは『93点』の文字でした。へ、、ホンマ!?嘘ちゃうやんな!?何度見ても合格でした。絶望してた問題3は満点。おそらく実際の配点がTACの配点予想に近かったのだと思います。何はともあれやっと安心することができました。

    最後に

     これから受験する方々にこれだけは大事にしてください、と伝えたいのが以下の4点です。

    • 序盤は基礎を徹底的に落とし込むこと
    • 何度も模試をして自分の苦手分野を知ること(間違えたら「本番じゃなくてよかった」と前向きにとらえる)
    • 過去試験を分析して傾向と対策を練ること
    • なにより周りは敵ではありません。自分に負けないこと。諦めないこと。

     受験生の皆さん、合格を目指して最後まで頑張ってください。

    管理人からSACさんへ追加の質問

     SACさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     「この試験に落ちたら最初の目標の再就職が遠のくで!えぇんか?」と何度も怠けかける自分に喝を入れてモチベーションを保ちました。

     あと、1日の目標を「チャプター1すべて」とか「最低1時間」と決めてしまうとハードルが高くなってしまうので、「1ページでいいからテキストを見てみよう」「1問でいいから過去問を解いてみよう」みたいな感じで、意識的にハードルを下げるように心がけました。

     いったん取りかかれば意外にも勉強に熱中し、気がつけば最初に設定していた「1日にこなす勉強量」に自然と到達していたので、私のように怠け癖がある人は敢えてハードルを下げてみるのも一つの手だと思います。

    管理人コメント

     SACさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     オリジナルノートの画像をたくさん送っていただきましたが、ひつじのめぇちゃん(勝手に命名)がとてもかわいいです。

     個人的には、テキストと問題集は市販のものを購入したほうが良いと思いますが、なるべくお金をかけずに勉強したいという方はぜひ参考にしてください。

     あと、第3問の試算表対策の「Tフォームを使った解き方」や「勘定科目の省略」は、かなり効果があると思います。簿記検定ナビでも過去問分析ページや勘定科目の省略パターン一覧表ページで詳しく紹介していますので、興味のある方はご確認ください。

     また、追加の質問に対する回答に書いていただいた敢えてハードルを下げて、勉強に取り掛かりやすくするのもとても良いと思います。

     私自身、「これをすべてこなせば絶対に上手くいく!」という完全無欠な計画を立てたものの、初日で躓いて一気にやる気を無くす…ということがよくあるので、一度試してみようと思います。

    SACさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.131

    市販書籍は選び方だけでなく、買うタイミングにも気をつけてください!

    • 投稿者:よこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年半

    はじめに

     簿記を勉強しようと思ったきっかけは、以前から興味があったこと、会社で資格手当が出ることでした。

     第135回で3級を取得したあと、しばらくだらけていたのですが、簿記面白いなーと思っていたのと転職活動の役に立てばと思い、2級の学習を始めました。第140回試験では、工業簿記が全くできず不合格。第141回試験で合格しました。

    テキスト・問題集

    テキスト(75点)

    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)
    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)

     3級もパブロフのテキストを使っていたので、2級もこちらにしました。読みやすいしパブロフもかわいいのですが、説明が足りないところがあるかなと思います。

     商業簿記では、仕訳の解説に重点を置いているため財務諸表や元帳などの部分は、駆け足な感じでした。工業簿記は、シュラッター図など、図の形と公式をとにかく覚えるような解説でした。

     どうしても覚えられなくてネットで調べたら、形と図の原理がわかれば、一部の公式は覚えなくても図から割り出せることがわかって、やっと理解できました。

     なお、私が勉強を始めた時は問題集がなかったのですが、今は同シリーズの問題集もあります。併せて使うのであれば、おすすめできると思います。著者の方のブログに質問できるのもありがたいです。

    問題集(80点)

    • 簿記の問題集 日商2級 商業簿記 第2版(TAC)
    • 簿記の問題集 日商2級 工業簿記 第2版(TAC)
    • サクッとうかる日商2級 工業簿記 トレーニング(ネットスクール)

     私が勉強を始めたころは、パブロフは問題集がなかったので、簿記の問題集を購入しました。少し難易度が高めですが、良いトレーニングになりました。

     しかし、工業簿記については簿記の問題集では歯が立たなかったため、サクトレを追加購入しましたが基礎固めには良いと思います。解説もわかりやすいので、工業簿記が苦手な方はまずこちらで問題に慣れると良いと思います。

     サクトレを一周回してから簿記の問題集を解いたら、ちんぷんかんぷんだったのがわりとあっさり解けるようになりました。

    過去問題集等(90点)

    • 本試験型 日商簿記2級 予想問題+過去問3回分 第137.138.139回試験対応(成美堂)
    • ’15年11月検定対策 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)

     成美堂の予想問題集は、本のサイズが持ち歩けるサイズで非常に便利です。問題と回答用紙が外せるのもとてもよかったです。

     解説は、すこし硬めで理解に時間がかかりましたが、どの計算で求めた数字を答案のどこに書くのか が記載されているので、「この数字どこから出てきた!?」とならなくて済みます。

     TACの最新版の過去問題集は、140回試験の不合格を受けて買い直しました。試験範囲改定についてわかりやすく書かれていました。各問題の解き方のテクニックが最初に記載されているのもよかったです。おすすめです。

    その他

    • 簿記検定ナビの無料予想模試
    • パブロフ流のサイトのダウンロード問題
    • パブロフの仕訳アプリ
    • 大原の直前答練(資料通信)&無料公開模試

     過去問題などを何回もやっていると、どうしてもなんとなく答えを覚えてしまって、意味がないなと思うようになりました。

     色々な種類の問題に触れたかったので、簿記ナビ模試やパブロフのダウンロードできる問題はありがたいです。問題と答案用紙を印刷すれば、解説はスマホで見られるのも便利です。

     パブロフの仕訳アプリは有料ですが、隙間時間の活用に便利です。毎日使ってました。おすすめです。ちなみに、工業簿記もアプリがあるのですが、工業簿記は図を書かないと解けないのでアプリには不向きだと思いました。

     さらに、初見の問題をたくさん解くために、大原の直前答練を受講しました。若干費用がかさみましたが、受講して本当によかったです。全6回の直前答練の中で新たに覚えた知識が、本試験で役に立ちました。

     無料模試は試験会場の雰囲気に慣れることもできますし、講師の方に質問ができるので、独学の方はぜひ受けてほしいです。

    テキスト&問題集
    テキスト&問題集
    過去問題集&大原の直前答練
    過去問題集&大原の直前答練

    勉強方法

    インプット

     テキストを読みながら、自分でまとめノートを作成。ミスノートではなく、まとめノートです。私は、自分の言葉で書いてまとめないと頭に入らないので、テキストの最初のページから、せっせとノートを作りました。

     以降、問題を解く中で不明なことや間違いやすい点を、まとめノートの該当箇所に書き足していくようにしていました。ノートは、無印良品のA5サイズ(持ち歩けるよう小さめのもの)を使用していました。

    まとめノート(商業簿記)
    まとめノート(商業簿記)
    まとめノート(工業簿記)
    まとめノート(工業簿記)

     なお、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表類はテキストをコピーしてノートに貼り、ポイントや注意点を書き足していくようにしていました。

    損益計算書と貸借対照表のひな形
    損益計算書と貸借対照表のひな形

    アウトプット

     最初は、解説を見ながら解きました。テキストに載っていなかった論点は、まとめノートに追記していきました。また、過去問題や予想問題に取り組むときは、時間を計ってやりました。

     最終的に、問題集は3冊を3周しました。過去問題集も、最終的には2冊を2周と3分の2、直前答練は3周回しました。

    勉強時間

     平日は、昼休みに問題を1~2問解きました。帰りの電車の中で、仕訳アプリやまとめノートの見直しをしました。休日は3~4時間/日程度で、過去問題または予想模試を1回、その他苦手論点の問題の復習をしました。

    一度目の不合格を経て

     140回試験の結果を受けて、このあとどう勉強しようか悩みました。明らかに工業簿記ができていなかったので、まずは工業簿記をやり直すことにしました。問題集を一から解き直し、過去問題などの工業簿記の問題だけを解き直すことを繰り返しました。

     その間に商業簿記を忘れるといけないので、仕訳アプリやまとめノートで必ず商業簿記に触れる時間を作りました。また、最新の過去問題集の購入と直前答練の資料が届いた際に、時間を計って問題を解く練習に切り替えました。

     試験一週間前から、再度怒涛のように工業簿記だけを解き直していたところ、3日前くらいに突然、固定費調整をマスターすることができました。今まで、「ぜんちょくまっしゅ」の使いどころがわかっていなかったのが、急にすんなり腑に落ちたのです。

     さらに、大原の直前答練で、損益分岐点の別の求め方(固定費÷貢献利益率)を習得しました。結果的にこの求め方で141回の第5問が解けました。

    試験日の1日の流れ

    • 7:30 起床

     いつもの休日と同じくらいの起床時間です。朝食は、トーストとコーンフレークとヨーグルト、青汁の牛乳割。いつもの休日のメニューです。

    • 10:30頃まで

     苦手な工業簿記の最終解き直しをしてから、出かける支度をしました。

    • 11:00過ぎ頃

     昼食。たぶん、炒飯とかだったと思います。いつもの休日のメニューです。

    • 12:00過ぎ

     出発。試験会場が近いので、なるべく自宅でのんびりしてから出発しました。

    • 12:45頃

     到着。まずは自分の席を確認。まとめノートの見直しを始める。周りは、テキストの見直しや、問題を解いている人が多かったですが、試験直前に問題を解くのはあまり意味ないかなと思います。

     試験開始15分前にお手洗いを済ませて着席。頭の中で、諸々の公式をひたすら念じつつ、開始を待ちました。

    • 13:30

     問題/答案用紙の配布開始。

    • 13:45頃

     試験開始。いつも第1問から順に解くので、その方法でいきました。第2問まで解いたところで冷や汗をかきまくりでした。

     第3問が精算表だったので、このままでは簡単な仕訳でもミスしてしまうと思ったのと、精算表の細かい文字を書く気力がなかったので、第3問は飛ばして工業簿記に取り掛かりました。

     結果的にはこの選択は正解だったと思います。工業簿記が解きやすくすんなりできたため、落ち着いて第3問に取り組むことができました。

    • 15:45頃

     試験終了。見直しと、自己採点用に答えを控えていたら、いつのまにか終わってました。

    • 帰り道

     本試験が終わったら、絶対飲むんだ!と決めていた、コンビニで買えるスタバのドリンクを購入して、お行儀が悪いですが飲みながら帰りました。

    管理人からよこさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。また、点数をつけるとしたら何点ですか?その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     シャープのEL-MN320です。電気屋さんで展示品を幾つか試し打ちして、打ちやすかったのでこれにしました。機能もシンプルで、使いやすいと思います。
     よこさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     会社で資格手当が出るので、お給料アップだー!!と思いながらやってました。
     簿記そのものがとても面白くて、モチベーションが下がったのは、ボロボロだった140回試験の直後だけでした。141回試験に向けた対策を練らないといけないので、一晩寝たら忘れました。
     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     過去問題は、テキストや問題集をやりこんでから、受ける試験の回に対応した最新版を買うこと。

     成美堂の問題集を購入したタイミングが早すぎて、136回までの問題しか含まれていませんでした。あとでTACの過去問集を買ったら、137~139回の問題に、私が140回で解けなかった問い方の問題がいくつかありました。

    管理人コメント

     よこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     よこさんには簿記検定ナビ主催の簿記オフ会に何度かご参加いただいてまして面識があるので、今回の合格は自分のことのように嬉しいです。

     さて、よこさんの合格体験記の中で一番参考にしていただきたいのは、「一度目の不合格を経て」のところに書いていただいたように、苦手の工業簿記にしっかり向き合って勉強した点です。

     人間はどうしても辛いことからは目を背けてしまいがちですが、受験勉強においては得意分野をさらに伸ばすよりも、苦手分野を克服したほうが点数が伸びます。よって、(特に直前期においては)苦手分野の克服に出来るだけ多くの時間を割くように心がけてください。

     なお、どうしても理解できない論点は、ひとまず「そういうもんなんだ」と割りきって処理等を暗記してしまいましょう。勉強を進めていくと、よこさんのようにある日突然、点在していた知識が線で結ばれて、一気に理解が深まることが多々あります。

     あとは、勉強時間に余裕がある場合は、簿記検定ナビで無料配布している簿記ナビ模試や、TACや大原の直前答練・公開模試を受講するのもおすすめです。

     簿記の問題は作問者によって切り口が大きく異なりますし、問題の解説も十人十色で思わぬ発見があったりするので、自分に合いそうなものをいろいろ探してみてください。

    よこさんが使われた教材や電卓のまとめ