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  • 第136回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.69

    仕訳対策をきちんとやる!下書きの書き方を工夫する!

    • 投稿者:テツ52さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     私は製造業に携わる会社員です。今年53歳になります。業務では簿記的な知識は全く必要ありません。そんな私が簿記検定を受けようと思ったの理由は、以下の2点です。まったくもって邪な考えからでした。(スミマセン)なお、勉強期間の4ヶ月は1回目と2回目の合計の期間です。

    1. 勤務先で推奨されている検定の1つに『QC検定』というものがあり、その2級に合格したのですが、その上の1級はかなりハードルが高く、次の受験までのつなぎとして(勉強する習慣の継続)。
    2. 私の会社は管理職には簿記検定3級取得を義務づけており(私はただのヒラです)、管理職で合格した人がいるとの話を聞いていない事から、合格したら管理職に対してドヤ顔をしてやろうと考えた。

    1回目の受験(第135回)(勉強期間:約1ヵ月)

     はっきり言って、完全に試験をなめてました。長女が全商ですが簿記2級を取得しており、長男からも「高校生が受かる資格だろ?」と言われ、私もすっかりその気になってしまい、楽勝気分で約1ヵ月前から始めました。使用テキスト・電卓は以下のとおりです。

    スッキリわかる 日商簿記3級(TAC)

     簿記に関しては全くの初心者だったので、『簿記検定ナビ』さんやAmazonの書評でこのテキストに決めました。他のテキストと異なり、問題集付きというのが決め手でした。初心者には分かりやすいテキストだと思います。

    とある会社の経理さんが教える 楽しくわかる! 簿記入門(日本実業出版社)

     副読本として。元帳の書き方の所など、ためになる事も多く有益でした。

    CASIO JS-20WK

     Amazonで購入。ブラインドタッチも早打ちもできない私にはオーバースペックではありますが、キータッチ音も静かで非常に良いと思います。おすすめです。

    CASIO JS-20DT

     JS-20WKの予備としてAmazonで購入。こちらは上記と異なり日数計算ができるの惹かれて購入しました。(その機能は今まで使ったためしが無いのですが)

    CASIO JF-120GT

     家からの持ち出し用としてAmazonで購入。キータッチ音はJS-20WK/JS-20DTと比べるとやはりうるさいです。(JS-20WKと違い、きっちり押さないと入力されない事もあり、それが音の大きさにつながっているかもしれません)

    勉強方法

     テキストを読み、練習問題を解くというオーソドックスな方法で2周しました。2周目の終わりにチャレンジ問題を解き、たまたま70点は超えていたので安心しきっていました。過去問は全くしていません。する余裕もありませんでした。

    試験結果

     惨憺たるものでした。覚えているのは以下の2点ぐらいで、合格発表の前に結果は明らかでした。

    1. 第1問での手形割引の仕訳で『手形売却損』としなければならない所を、あろうことか、『手数料』と書いてしまった事。
    2. (この時は1→2→4→5→3の順で解いていたのですが)第5問の精算表の問題で合計が合わず何度も計算をし直し、結果として第3問の試算表を全て埋める前にタイムアップとなってしまった事(この時は直接Tフォームを作る技能?も持っていなかった)

    2回目の受験(第136回)(勉強期間:約3ヵ月)

     私のような不純(?)な動機で受験する場合、1回落ちたら懲りて「やーめた」となるのがほとんどだと思います。

     ですが、私の場合は『落ちた』という事実が許せなくて、また、(こちらが本音ですが)1回目の受験のため、形から入る私は前述の通り、試験のためだけに電卓(CASIO JS-20WK、JS-20DT、JF-120GT)を購入しており、このままではこれらの電卓が死蔵品(?)なってしまうのが惜しくて再受験を決めました。

     11月の中旬から勉強を再開しましたが、使用テキスト・電卓は以下のとおりです。

    スッキリわかる 日商簿記3級(TAC)

     前回の試験から3回目の繰り返しとなりましたが、後述のテキストを購入したため、3回目は試算表の前で中断しました。

    簿記検定ナビさん日商簿記検定3級・仕訳問題対策

     前回の試験の反省として、演習(アウトプット)が全く足らなかった事過去問を全くしていなかった事があります。特に仕訳の訓練が足りなかったと考え、『仕訳問題対策』をダウンロードして印刷し、会社の始業前に1回分をする事から始めました(11月下旬より)。

     これは試験直前まで続け、紆余曲折はあれど、休日にまとめてやったりして、結局5回繰り返しました(3巡目位から1回分を7~8分位で解けるようになっていました)。結局、本試験で全問正解とはならなかったのですが、仕訳に関しては自信を持つ事ができました。

     『償却債権取立益』のような試験範囲から外されたり戻されたりする勘定に対応するためにも、ある程度古い過去問をやっておくのは有益だと思いますし、今回の『手形貸付金』勘定の仕訳についても『手形借入金』勘定の仕訳問題をしていなければ解けなかったと思います。この仕訳演習が勉強のベースとなりました。

    仕訳演習(3回転目)
    仕訳演習(3回転目)

    仕訳演習(4回転目)
    仕訳演習(4回転目)

    日商簿記3級 合格これ1冊(ネットスクール)

     『スッキリ』も練習問題を中心に再度繰り返す事を始めたのですが、正直、苦痛になっていました。そんな時、12月中旬に所用で上京する事があり、立ち寄った書店でこの本を見つけました。内容を見て、『スッキリ』の学習で予備知識は多少なりともあるだろうから、帰りの汽車(言い方が古い?)でザッと読めるかなと思い購入。

     もちろん車中では読み切れなかったのですが、私には分かりやすかった事もあり、結局、『スッキリ』に代わりこの本を中心に進める事になりました。12月中旬~1月下旬位まで使用しました(付属の過去問と模試は2月)。何等かのテキストで学んでいる方にも『実戦編』はおすすめします。

    出題パターンと解き方(ネットスクール)

     上記のテキストですっかりネットスクール贔屓となり、3、5問対策のために購入。1月下旬より使用し、3、5問共2~3回繰り返ししました(付属の最新過去問は時間を計って各1回)。問題には目標時間があるのですが、結局到達はしませんでした。

     1問対策は『仕訳問題対策』でしている事であるし、2,4問対策は分からなければ仕方がないとあきらめて全くしませんでした(スミマセン)。

    ラストスパート模試(ネットスクール)

     試験2週間前から使用。過去問(128回)も含め2回繰り返しました。ネットスクールで行われた『「インターネットLive 予想大会DX」日商簿記3級』も視聴したのですが、これがすごくためになりました(取引別試算表の重複する取引について、見越し・繰り延べの考え方)。

     この動画は試験前日まで勉強中はおろか、勉強終了後の晩酌時にも毎日繰り返して視聴しました(最後の方はほとんどBGM代わり)。なお、ラスパカードは使っていません。

    勉強するうえで気をつけたこと

    Tフォームについて

     第3問対策として、前回までは律儀に仕訳をして、それをTフォームに転記していました(前回のタイムアップの原因でもある)。今回の受験では最初からTフォームに記述するように過去問を通して練習(?)しました。

     また、そのTフォームを記述しやすいように書くために計算用紙の折り方も考えました(横に三つ折り、各三つ折りをさらに借方/貸方に分けるために二つ折りに、最後に縦に四つ折りにしました。上から「仕入れ・買掛金・支払手形」「売上・売掛金・受取手形」「当座」「現金」とし、右下1/4はその他の取引を記入する)。

     さらに、試験直前に発見(?)したのですが、桁を間違えないように、そのTフォームに書く金額も桁を合わせるようにしました。これによって計算ミスが減ったような気がします(私はおっちょこちょいな性格のせいか、計算での桁間違いが結構ありました)。

    本試験の下書き(受験1回目)
    本試験の下書き(受験1回目)

    本試験の下書き(受験2回目)
    本試験の下書き(受験2回目)

    時間計測について

     過去問・予想問題を通して解く時は必ず時間を計って行い、その際使用したキッチンタイマーは99分までしか設定できないため、99分以内に解く事を心がけました。これが本番で役にたちました。

     当日の第5問での支払利息の年利率が変わった決算整理事項で一瞬パニックに陥ってしまったのですが、充分時間が余っていたため、落着きを取り戻して解く事ができました(問題自体もよく考えれば何て事はないのですが、最初は変わる前の年利率を方程式を使って求めたりと完全に舞い上がっていました)。

    試験前日まで

     平日は業務があるため、必然的に休日が勉強時間の大半を占めます(私の場合、土曜日に近所の子供達を集めて空手道を教えているため、日曜日に集中しますが)。

     ところが、一番勉強をしなければならない週末に2週続けて積雪があり、特に2月14日(金)から始まった雪は私の居住地の気象観測史上最大の倍(!)の積雪となり、金・土・日と雪掻きに終始し、勉強どころではありませんでした。(私の家の被害は車のワイパーがひん曲がってしまった位で済みました)

     試験の前々日(金曜日)に有休、前日の空手道の稽古も後輩指導員にお願いして休み、何とか帳尻を合わせた感じです。

    試験日の1日の流れ

     前日は晩酌も控えめにし、6時起床。鮭フレークを掛けたご飯と味噌汁の朝食を取り、熱いほうじ茶をマグボトルに入れ、手を温めるための使い捨てカイロを持って7時半出発。8時過ぎには会場(大学)に到着しましたが、持ってきたテキスト『合格・・・』には目を通す事もなく、トイレに行ったり、ブラブラしてました。

     試験開始の前に答案用紙に受験番号と名前を書く時間があるのですが、第5問を見て精算表の問題である事が分かりホッとしました。財務諸表の対策が疎かになっていたため財務諸表の問題が出たらどうしようと正直ビクビクしていました。

    • 試験開始!

     当初、1→3→5→4→2の順番で解く事を決めていましたが、1が10分程度で終わったため、問題を見て試験開始後30分を区切りとして2、4を先に埋め、それから3→5の順で解きました。

     5問で途中、パニックに陥りましたが、結局、終了20分前には全て埋める事ができ、残りの時間を見直しと答えを問題用紙に転記(但し、3は残高、5は当期純利益の金額のみ。2は転記せず)に充てて時間終了となりました。

     その日の夕方よりネットスクールさんの解答速報を視聴し、自己採点では88点だったので多分合格しただろうとは思いましたが、合格発表までは気が気でありませんでした。

    発表日

     はやる心を抑えて昼休みにスマホから商工会議所のホームページにアクセスし、確認。最初、私の番号は無く真っ青になりましたが、何のことは無い、2級の合格発表を見ていました。改めて3級の合格発表をみると私の番号があり、安堵した次第です。

     後日、地元商工会議所に合格証書を受け取りに行った時、点数も聞いたのですが、問1(16)、問2(6)、問3(32)、問4(6)、問5(30)の計90点でした。

    最後に

     2回の受験の勉強の過程で簿記そのものに興味を抱くようになっており、今回の受験の前には2級を受験する事を決めました。モチベーションが下がらないように、去年の暮には2級用のテキストと問題集を購入しており、折に触れ「3月からは世話になるからな」とテキストと問題集につぶやいていました(気持ち悪いですね)。

     簿記3級は誰でも合格する試験だと思います(私のように50歳を過ぎた者が受かる資格です)。但し、勉強していない人は絶対に受かりません。勉強(と言うより練習)あるのみです。私も次は2級合格目指して頑張ります。

    管理人からテツ52さんへ追加の質問

     テツ52さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     期中の仕訳に関しては、過去問をやりこんだので特に苦手な論点はありませんが、『繰延・見越』の仕訳については苦手意識があります。また、本文にも記述した通り、第2・4問対策は全く疎かにしていたので、帳簿記入・伝票記入も苦手です。

     精算表・試算表は仕訳さえ間違えなければ大丈夫と思える位勉強したと思いますが、財務諸表については試験前日まで過去問で満点を取れず、今でも苦手意識を持ってます。正直、苦手な論点を克服したとは言い難いです。

     ただ、精算表・試算表についても、相当苦手にしていましたが、問題を解く(電卓を叩く)過程で克服できました。特に試算表については2回目の試験勉強時は最初からTフォームを作成して解くようにしたことで時間短縮にもなりました。

     テツ52さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     元々、簿記に興味があった訳ではないので、2回目の試験勉強を再開する時はただの意地ですね(笑)。その後は簿記そのものに興味を持って来ていたので、只々、受かりたいという気持ちだけでした。

     また、試算表・精算表の問題を解く過程で、当初は問題を解くのに時間が掛かったり全く数字が合わなかったりしたのが、解く時間も早くなり、電卓もそれなりに正確に打てるようになり、正解率も増えてくると問題を解くのが楽しいと思えるようになったので、勉強を止めてしまいたいと思った事はなかったです。

     簿記の勉強自体を好きなっていたと思いますが、今、やっている事が幸せと思う事が一番なのではないでしょうか。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     仕訳問題の数をこなす事でしょうか。私は簿記ナビさんの仕訳問題対策第100回~第135回を計5回やりましたが、ここまですると問題を見た瞬間に鉛筆(と電卓)が動くようになります

     また、仕訳の過去問専用のノート(A5版60枚)を作り、2冊消費しましたが、そうすると、大体、同じ傾向の問題を間違えている事に気づきます(なお、5回転目は「これで最後」と問題用紙に直接記入)。試算表・精算表等、大物の問題をする前にも、エンジンを掛けるために仕訳1回分していました。

     仕訳問題は過去問のため、それなりの数字が出てきます。市販のテキストはどこでも読めるように、数字が10円とか100円とか電卓を使わずに勉強を進める事ができます。

     論点の把握という意味ではそれでも良いですが、正確に電卓を叩く習慣を作るためにも、テキストを1周したら仕訳問題に手を付けるのが良いと思います。(但し、私はブラインドタッチも早打ちも未だできません(笑))

     私は会社勤めのため、学生さんと比べると勉強時間は少なくなります。なので隙間時間を有効に使ったつもりです。始業前や昼休みのわずかな時間に仕訳の1問でも解いていました。ただ、この隙間時間(特に昼休み)に第2・4問対策をやっておけば良かったかな、と思う事はあります。

     また、教材については、1冊にこだわる事はないと思います。特に3級では『どの教材も似たり寄ったりなので1冊で充分』という事も言われますが、私の場合は2冊目の書籍『合格これ一冊』に出会って新鮮な気分で勉強する事ができました。

     なので、自分に合わないと思ったり、飽きてきたら思い切って教材を変えるのもありと思います。(1回で合格する人はそんな事は考えもしないでしょうが、私は2回受験しているので)

    管理人コメント

     テツ52さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     簿記はスポーツと同じで、毎日の反復演習(アウトプット)が合格のカギになります。なかなか合格できない方はアウトプットが不足している可能性が高いので、テツ52さんの勉強法を参考にしてアウトプット中心の勉強法に切り替えることをおすすめします。

     なお、仕訳問題対策の目安としては、テツ52さんのように「問題を見た瞬間に鉛筆(と電卓)が動く」ぐらいのレベルです。仕訳力をこのレベルまで持っていくと、第2問以降のスピードアップにもつながりますので、何度も繰り返し取り組むようにしてください。

     あと、テツ52さんは総合問題を解く際の「下書きの書き方」もいろいろと工夫されていますが、ぜひこの点も見習ってください。下書き用紙を折ったり、ケタを間違えないように線を加えたり…問題を解くたびに工夫をして、自分の「型」を作ると点数が上のほうで安定するはずです。

    テツ52さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第136回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.17

    仕訳対策は必須!間違いノートも有効活用しましょう!

    • 投稿者:Tomoさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     会社で自己啓発の一環として奨められたのがきっかけです。当初は簿記に関しては全く知識はなく、先入観で難しいという感じがありましたが、やってみたら案外面白いと感じられたので、2級までは絶対とってやろうという気持ちになりました。

    使用テキスト

    • サクッと受かるシリーズテキスト・トレーニング各種(ネットスクール)
    • 出題パターンでマスター過去問題集(TAC出版)
    • 合格するための過去問題集(TAC出版)
    • ラストスパート模試(ネットスクール)
    • 網羅型完全予想問題集(TAC出版・2級のみ)
    • 仕訳攻略ナビ(ネットスクール・2級のみ)

    勉強の流れ・3級

    11月→12月上旬

    • サクッと受かるシリーズテキスト・トレーニング各種をやる

     この段階では正直手探りな感じでしたので、ひとまずサクッとシリーズの仕訳を1つずつ進んでいくことにしました。この頃はあんまりモチベーションも上がってなかったので、一気に読むとかそういうことはせず、普通に進んでいきました。

    12月上旬→12月中旬

    • 出題パターンでマスター過去問題集をやる(仕訳関係)
    • サクッと受かるシリーズテキスト・トレーニング各種(主に仕訳以外の部分)

     ひとまずここで仕訳はできたかな?と感じたので、一旦「出題パターンでマスター過去問題集」の仕訳各問を解いていくことにしましたが、実践レベルの問題はなかなか解けません。

     この問題集の説明自体はわかりやすかったので、仕訳に関しては説明が理解できるかぎりは過去問題集レベルで進んでいくものとし、根本が理解できないところはさくっとシリーズに戻ることにしました。この時期では特に減価償却が苦手でした。

     一方、サクッとの方では仕訳以外の各項目の勉強をはじめました。とりわけ勘定記入と試算表が苦手な感じでした。

    12月中旬→下旬

    • 出題パターンでマスター過去問題集をやる

     仕訳がだいぶわかってきたところで、仕訳以外の過去問にも触れることにしました。この段階でも勘定記入はいまいちよくわからないし、試算表・精算表は1問回答に目標時間の1.5倍程度かかり、しかも最後はなかなか合わない状況でしたが、繰り返しで少しずつはマシになってきたのでしょうか。12月末に3回分の過去問をやり、68点・80点・82点という結果でした。

    1月以降→本番まで

    • 合格するための過去問題集をやる
    • ラストスパート模試をやる

     年を越してから過去問2時間解答主体に切り替えました。最初の3回は60点台後半が続き、どうなることやらと思いましたが、4回目で100点をとって以来、安定して80点後半~100点の間で落ち着くようになりました。精算表や試算表が繰り返すうちに最後まで合うようになってきたのと、勘定記入が得意になったのが大きいと感じます。

     3級については過去問を解くたびに間違えた部分をどう間違えたのか記録していくようにしたのですが、意外なところで小口現金が苦手で、それで焦って時間をかけすぎてほかも間違えるという傾向がわかりました。早い段階で小口現金を徹底的にやり直す事ができたのもいい流れが出来た要因かもしれません。

    勉強の流れ・2級

    12月中頃→下旬

    • サクッと受かるシリーズテキスト・トレーニング各種(工業簿記)

     3級と頭を切り替えて勉強したいと思ったのと、理系人間には解きやすいという話があったので、あえて工業簿記からスタート。さらっと読んで解く、この時点ではさほど工業簿記に難しいというイメージは感じていませんでした。

    12月下旬→1月上旬

    • サクッと受かるシリーズテキスト・トレーニング各種(商業簿記)

     年を越してからは商業簿記をすることに。時間を考えるとさっさと過去問演習に行きたいと感じていましたので、上旬の間に仕訳関係だけさらっと流し、試算表・財務諸表関係は過去問でそのまま覚える方向で行くことにしました。

    1月上旬→1月中旬(前半)

    • 出題パターンでマスター過去問題集をやる

     まずは出題パターンのほうを仕訳主体にやり、1日に「特殊商品売買」「社債」「減価償却」とジャンル別に固めてやることにしました。合間に工業簿記の問題をちょこちょこやりました、一方、第2問・第3問関係はやりかたは3級と関連している気がしたので、とりあえず2時間計って解く方に回す作戦を取りました。

    1月中旬(後半)

    • 合格するための過去問題集をやる

     ここで実際に時間を測ってやろうとしましたが、3級と違い全く手がつかない問題が数多くあり、到底今のままではやるだけ無駄と感じました。ここで戦略の転換を図ることにしました。

    • この段階で考えた作戦

     解答順を1→4→5→2→3にする。1,4,5で60点近い点数を取り、2,3をちまちま拾っていく作戦。

     先に得点源にできるのは工業簿記と感じたので、仕訳+工業簿記をひとまず1時間で解く練習をすることにしました。ここで仕訳を入れたのは、僕の中では3級も2級も仕訳最低20点が合格の早道と感じていたのと、仕訳やってるうちに2問3問も解きやすくなってくるのではないかと考えたからです。浮いた時間は、個別に本支店会計や仕訳日計表、伝票問題の練習に当てました。

    2月前半

     少しずつ第2問の伝票や仕訳日計表の問題が解けるようになってきたので、1,4,5優先の作戦は同じですが、2,3の時間配分を「両方解ききれないと感じたら2を優先」と決めました。同じ20点なら2のほうが回答しやすいからです。

     一方、仕訳は何が何でも20点をとりたかったので2級の「仕訳攻略ナビ」を購入し、合間時間にやることにしました。基礎と実践の両方がついていたので、実践5問を15分以内に解くトレーニングをしました。この成果はすぐに現れ、仕訳16~20点、伝票・日計表20点が安定して取れるようになってきました。

     この段階では財務諸表関係がまだあんまり解けなかった(特に本支店の内部利益がらみが大の苦手)ので、工業簿記の仕上がり次第で点数に波が出る感じは相変わらずでした。この時期は、芋づる式に点を失いやすい「費目別」が工業では苦手でした。

     ちなみに、第2問の変化球問題は134回の銀行勘定以外はむしろ簡単だと思いました。結構なんだかんだで初見でも16点以上取れました(126回・132回・135回)。

    本番まで

     2月8日には大原無料模試(3級・2級両方)、16日には公開模試(2級のみ・3000円)を受けに行き、実力確認。2回とも似た傾向の問題でしたが、無料模試が66点、公開模試で88点と、着実に点が伸びてきているのは大きな励みになりました。

    大原模試(無料模試+公開模試)
    大原模試(無料模試+公開模試)

     最後の1週間前後はおんなじ問題だとなんとなく記憶が残ってるのが嫌だったので網羅型問題集をときました。70点なかばぐらいは悪くとも取れるようになったので、実力的にはやや不足かもしれませんが、落ち着いていけば合格できるという感触は掴んだと思います。

    試験日の1日の流れ

    • 6:00 起床

     目を覚ましてからは身体を軽く動かしリフレッシュしてから、朝食を食べました。その後は、荷物確認を念入りに行いました。

    • 7:30 出発→ 8:20 会場到着

     会場についてから、変に不安を高めないように周りの観察をしていました。スマホを触ってる人、読書をしてる人もいましたが、問題を解いている人も結構いました。チョコを一つ食べ、説明開始前にトイレにいって準備完了です。

    • 3級説明→試験開始(9:15ごろ)

     自分の中では気持ちには余裕はあったつもりでしたが、やはり試験が始まると余裕がなかったです。第1問の仕訳をといた後、実質仕訳問題だった第2問も流れでそのままときました。

     第4問はあまり考えてなかった文章記述。しかしこれはわかれば入れる、わからないところはカンということで1分程度でさっさと流し、第5問の精算表にとりかかりました。割と簡単だったのでスムーズにいき、当期純利益もバッチリ合い、ここまでで約80分残して第3問へ突入、理想の展開になりました。

     第3問は80分あれば余裕ということで、字を綺麗に書いて集計をミスしないことを心がけました。一見二重仕訳がありそうな雰囲気でしたが、結果的になかったので集計も簡単でした。合計もあっさり合致したのでひとまず約40分残し解答終了。その後はゆっくりと見直しをしました。感触的には合格はバッチリ。正直100点行けるか?という心中でした。

    • 3級試験終了

     終了後、一旦会場を離れ昼ごはんを食べにいく際に、TACの解答速報を貰って愕然。なんと仕訳を2つもミスっていた。時系列の読み取りミスと、なぜか貸方借方逆という凡ミス。合格は安全圏なんだからということで食事をゆっくりとって気持ちを切り替えることを心がけました。

     会場に戻ってからは、2級こそ仕訳は丁寧にやることを再確認しつつ、下手に問題をといて自信喪失しないように、3級の時と同じく周囲の観察をしていました。

    • 2級説明→試験開始(13:45ごろ)

     名前を書くときに解答欄を眺め、第2問の問題が伝票、第3問の本支店が本支店合併のみであることを確認。感触的には簡単そうだと感じながら試験開始を待つ。

     作戦は「1→4→5で1時間以内、残り時間で2と3を解く。」

     第1問は複雑な計算が少なかったこともあり、15分以内で解く目標をクリアし、予定通り先に工業簿記へいく。第4問は予想問題で材料副費で躓いてチェックいたのが幸いし解きやすい。差異の問題もすんなりと固定予算に気づけたのでスムーズにクリア。

     第5問は直接原価計算と全部原価計算でしたが、期首期末仕掛品がないというラッキーな問題だったのでこれはいけるとおもいきや、全部原価計算の差異がわからない!しばらく考えましたがよくわからないので差異の処理はカンで埋めて残りを全部仕上げることにしました。

     解答時間65分を残して第2問へ。ここをきっちり取って本支店で10点以上とれば合格できるだろうと計算し、満点をとるべく絶対に借方・貸方の合計を合わせようと決意する。実際推定もさほど難しくなく、合計もスムーズに合わせられたので最後の本支店会計へ。

     「期首商品の内部利益が存在しない」「商品評価損や減耗損が出てこない」という意外な展開にこれはきっちりあわせなければならないと感じ、仕訳を丁寧にやって集計。特に悩むところもなく全て埋めることが出来ました。時間は15分程度余ったので見直し+解答メモを行い、終了を待ちました。

    合格発表

     3月10日発表ということで結構やきもきしながら待っていましたが、無事両方の合格を確認しました。一時はどうなることかと思いましたが、やったぶんの成果は出たのでホッとしています。

    終わりに…僕が感じた重要点

    1.仕訳と勘定記入は必ずマスター

     3級・2級に共通して商業はこれに尽きると思います。仕訳は第1問のみならず全体の土台になりますし、おろそかになりがちな勘定記入も得意になれば3級の第2問、4問に限らず、試算表回答時のTフォーム作りもやりやすくなりますし、工業でも勘定記入は頻繁に出てきます。

     また、2級変化球問題を警戒する人は、仕訳+勘定記入をマスターするのが一番だと思います。それが出来てから過去問やったら意外に取れるはずです。

    2級仕訳・苦手分野まとめ
    2級仕訳・苦手分野まとめ

    2.時間がないほど「70点取る戦術」をイメージしておく

     もちろん「100点取る戦術」をイメージできるのがベスト。ただし、時間がないとそううまくいかないものなので、常に「70点取る戦術」をイメージしておくのがいいと思います。僕は、最初の段階で「どこを優先的に強化するか」を考え、過去問を2時間計って解く際は、「今の実力で明日試験だとしたらどうやって解く?」ということを常に念頭に置いていました。

     これをやっておくと、各問の時間配分も考えやすくなるし、「100点取れる戦術」を持っている方でも難問でリズムを崩された時に切り替えやすくなると思います。僕が短期間でなんとか合格軌道に乗せられたのはこれのお陰ではないかと思っています。

    3.間違いノートの重要性

     これは僕の場合3級しかできなかったのですが、各回ごとにどこをどう間違えたのかを記録し、ノート上でもう1回解き直してまとめるということをしました。これで自分の思っていない弱点がわかり、早急に対策を打つことができました。

     90点以上取れる状況になっても、ノートに一言「当期純損益x{2613}→当期純損失○」とか、「310,500→310,050と読み間違えた」とか、一言書いてるだけでものちのちこういうとこミスってると思い出せて気が引き締まるものです。

     残念ながら2級では解けない問題が多すぎて作る時間がなかったのですが、こちらも今思えばやっておけばよかったなと思います。

    簿記3級間違いノート
    簿記3級間違いノート

    4.2級3級同時受験の正直なところ

     これを体験したうえで感じたことは、あくまで「3級の地盤が固まった」時に始めて考えるべきだな、ということです。いきなりこれを目標にするのはオススメできません。そうしないと、どっちもぐちゃぐちゃになってわけがわからなくなります。

     ただ、メリットもあります。3級も同時にやっているおかけで仕訳をイメージしやすかったり、勘定記入がらみは飲み込みやすかったりします。また、2級で試算表・精算表・財務諸表をやるので、3級の方の底上げにもつながります。残り時間と3級の実力を考慮した上で検討してみるのがいいと思います。

    • 試験終了後

     試験終了後、早速、近くの大原へ向かい自己採点をした結果、88点ということで合格を確信しました。その後、ネットスクールの解答速報会でわからなかったところを確認しました。

    最後に

     簿記検定ナビや合格体験記を読みながらモチベーションアップにつなげ、またテキストの仕訳攻略ナビのほうも仕訳攻略以外の面も含めて役に立ったり(「まるごと合格BOOK」の電卓裏ワザとか大いに助けられました!)と、田口様にはいろいろお世話になりました。僕の合格体験記が今後日商簿記を受ける方の少しでも参考になればと思います。

    管理人からTomoさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ・「サクッと受かる」テキスト及びトレーニング…80点

     右も左もわからない段階で触れるのなら非常に取っ付き易く、特に仕訳関係は丁寧に書かれているのでわかりやすいです。一方、仕訳以外はさらっと流している傾向があり、帳簿(勘定)の締切りなど重要な割に説明不足なところ、「材料副費」「固定予算」など試験での出現度は低くないのに「参考」扱いなど、やってる間に戸惑う面もあります。

     このとっかかりやすいタイプのテキストを使用する方は、「すっきり」シリーズとよく見比べてどちらが合うか判断するといいと思います。また、将来的に1級以上に行くのであれば、「とおるテキスト」等詳細を細かく記載してあるテキストの方がいい(もしくは併用)と思います。

    ・合格するための過去問題集…100点

     解説は非常にわかりやすく、「難易度」を明記してあるのも取捨選択の感覚を身につけるのに役に立ちました。こちらは特に不満もなかったです。割とオーソドックスなので誰にでもおすすめできると思います。ただ、ハズレはないとは思いますが、他社の過去問との見比べはしておいたほうがいいと思います。

    ・ラストスパート模試…100点

     予想問題集としては解き方解説(動画も含め)がついているぶんお得感を感じました。メモの取り方など「テクニック」を手を動かして身につけるサポートも充実しています。ただし、予想に賭ける使い方はやめておいたほうが無難です(結構外れるときは外れますし、第3,ウラ予想も捨てないほうがいい)

    ・出題パターンでマスター過去問題集…85点

     まず気をつけておきたいのは、「過去問題集」と書いてありますが一般的な過去問集とは趣が異なっており、あくまで「過去問題集」の補助という立ち位置です(このため、必須とはいえません)。テキストレベルの問題をといてから、回別過去問を時間を計ってやる前のワンクッションとしての活用が基本になると思います。

     なお、「仕訳」「2級第2問」に関しては最近お目にかからないレベルのかなり難しい問題が収録されていますので、そのへんでなにが出てきても解けるようにしたい人にもいいかもしれません。

    ・網羅型完全予想問題集(2級)…85点

     こちらは「過去問」「回別予想問題集」をやったけど、まだ新しい問題が解きたい人向け。最大の売りはコスパで、10回分の問題がついていて1000円未満という価格は破格だと思います。ただ、解答説明はTACの過去問や、ラスパに比べて端折ってる感じでわかりにくいのが気になりますので、過去問より先に手を出すのはオススメできません。

    ・仕訳攻略ナビ(2級)…95点

     基礎レベルと実践レベル両方で使える貴重な仕訳ドリルで非常に重宝しました。「目標、仕訳20点」とか「見知らぬ2級変化球も仕訳力で乗り切る」とか、とことん強化したい人におすすめです。

     なお、田口様のテキストということであえて希望を上げておきますと、「実践問題」の方に関してはやはり「電卓」叩いてやるようなレベルですから、問題に対する答えを横のページに収録するのではなく、めくって以降のページにして欲しいです。社債の計算などは赤シートで隠しても、黒字で書かれている部分が見えてかなりのヒントになってしまいます。

    ・パブロフ簿記シリーズ(スマホアプリ)…75点

     テキストでは無いですがスマホやタブレットを持っている人向けのアプリです。内容は3級・2級商業は仕訳主体、2級工業は各分野の解き方主体です。解説は「理論よりテクニック」という感じです。

     評価としては合間時間の勉強としては最適ですが、あくまでも「合間時間勉強用アプリ」と割りきってください。仕訳にしても理論にしても、これをやるだけではあまり力はつきませんが、前日の勉強の確認とか、忘れてる部分の思い出しとか、普段の学習の補助とみるならかなりつかえます。間違っても普段の勉強の代用にはしないでください。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     シャープのEL-S752Kという機種です。サイズは個人的にちょうどよかったので、後はディスプレイの角度調整ができる事と、配列がシャープ系で使いやすいと感じた(特に0,00の配置)ので選びました。この辺りを除けば後は可も不可もないと思います。
     Tomoさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     基本的には、3級と2級をセットでやったのぶん2級側に余裕がなかったぶん、「やらないと間に合わない」という意識が働いたぶんモチベーション維持につながったのが大きいと思います。

     また、過去問の結果に関しては同じ70点台でも「本番を考えたら余裕が無い」ではなく、「合格点に乗るようになってきたからチャンスは有る」というように、反省はするけど思考の面ではプラスに考えることを心がけました。

     大原の模試に顔を出すのも良かったと思います。無料で模試ができるのは1回でしたが、有料でも機会があるのなら「2回目」も行っておくと、2回の間での「進歩した部分」「まだまだな部分」を把握できます。

     また、単純に勉強の成果を実感できるという意味で、不安になりがちなメンタル面を安定させる効果もありましたので、おすすめだと思います(ただし、逆に自身を喪失する可能性もありますので、「プラス意識」は忘れずに)

     あとは、最低限の目標(たとえば必ず2級の過去問1回分は解く)は絶対クリアするけど、それ以上はモチベーションに合わせて柔軟に対応するということでしょうか。気持ちが乗らない時や疲れた時は最低限以上は「しない」日があってもいいと思います。

    管理人コメント

     Tomoさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!級別に勉強方法をまとめていただきましたので、とても分かりやすい合格体験記になっていると思います。

     受験生の方々にまず見習っていただきたいのは、仕訳の重要性を認識し、きちんと時間と労力をかけて対策されている点です。Tomoさんがおっしゃっているように、仕訳は第1問のみならず全体の土台になるので、簿記検定ナビの仕訳問題対策や、拙著「仕訳攻略ナビ」を使ってきちんと対策しておいてください。

     また、Tomoさんは資格の大原の無料模試と有料模試を受けられていますが、客観的に自分の実力を確認できる機会が少ない独学受験生には特におすすめです。無料模試を受けたからといって強引に勧誘されることはありませんし、無料(または安価)で資格学校のノウハウを享受できる良い機会なので、ぜひ有効活用してください。

    Tomoさんが使われた教材(2級)や電卓のまとめ

  • 第136回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.118

    パブロフ簿記と簿記検定ナビのいいとこ取りで短期&一発合格!

    • 投稿者:はとりさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月

    はじめに

     私は商業高校出身です。(ですが、情報処理系でしたので簿記は苦手でした)3級は在学中に取得しましたが、数字に強い苦手意識を持っており、恥ずかしながら20代の今でも1ケタの足し算をコッソリ指で折って数えることをしている位、とにかく計算や数字が苦手でした。

     このまま、「自分は数字がだめなんだ」マインドに洗脳されてしまうと焦り、2014年の目標として簿記1級を取得し、日経新聞をそつなく読めるかっこいい女性になりたいと思って、数年ぶりに簿記検定を受けようと思い立ちました。

     私は、リサーチなしに物事を進めてしまう癖があり、2級を飛ばして1級を取得しようと通信教材を申し込んでしまいました。(これが2013年の11月下旬の話です)

     当然のことですが、1級のテキストの言葉が全く理解できず、年明けまでだらだらと勉強しておりました。元々、2級と1級の内容の乖離が激しいと聞いていたので、1級から勉強しても問題ないという甘い考えでした。

     モチベーションも下がり、このままでは一生1級にも受からないと思い、2月23日に行われる2級の試験を受けて、下地をきちんと作ろうと思い立ちました。

     貴重な年始年末休みもぼんやり過ごしており、結局、検定申し込み期限の3日前に滑り込みで検定代金を支払い、本屋でテキストを買って、1月中旬より心機一転、2級の学習を始めました。

    使用テキスト

    • 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集
    • 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集
    • ドンドン解ける! 日商簿記2級過去問題集 ’13~’14年版
    • iPhoneアプリ パブロフ簿記2級 商業簿記
    • iPhoneアプリ パブロフ簿記2級 工業簿記
    • 簿記検定ナビ様が無料配布してくださっている簿記2級・仕訳問題対策

    勉強方法

     まずは、10日間で商業簿記と工業簿記のテキスト&問題集を読み込み、単元ごとの練習問題を解きました。通勤時間が往復で3時間弱ありますので、電車内ではとにかく読みます。(座ると寝てしまうため、立って読んでいました)

     仕事の昼休み等の隙間時間には、アプリで勉強をしていました。商業簿記のアプリは仕訳問題がたっぷり入っておりますので、1分でも時間ができたらアプリを起動て仕訳を解きまくりました。

     簿記検定ナビ様でも言われております「仕訳を制する者は、簿記を制する」という名言を胸に刻み、ゆっくり急げの精神でひたすら仕訳を繰り返しました。

     工業簿記のほうは、手を動かすことが基本であるとテキストに書かれていたため、朝7時からカフェで1時間弱、演習を重ねました。工業簿記のほうはとにかく仕掛品と加工費のBOXを書き、シュラッター図を書きまくりました。

     テキストが一通り終わりましたら、テキスト特典の実践問題6回分を出版社様のホームページからダウンロードして解いていきました。本支店会計の財務諸表作成はもとより、久しぶりに見る精算表・貸借対照表・損益計算書に、最初は0~6点しか得点できないというひどい出来でした。

     しかし、残された時間が少ない上に、インプットよりもアウトプット重視の学習を大切にしたかったため、解説を読みとにかく手を動かし続けました。

     休日は2~3回分まとめて解き、最終的に実践問題6回分を3回転させました。それでも、間違えるポイントは同じところでしたので、きちんと頭で理解していないところもありました(涙)

     2月に入ってからは、過去問に取り組みました。時間的にきつい時もありましたが土日は6~7時間座って勉強しました。(平日の飲み会などは断らず、遊びにいっていました(笑)陰で努力する自分かっこいいとすごい厨二脳です^^;)

     15回分入っている過去問題集を購入しましたが、1回転終わったときには、試験まで残り10日ほど。このままやみくもに2回転するのはどう考えても時間が足りませんので、簿記検定ナビ様やパブロフ簿記様のブログ、他の簿記サイトも見て回り、各所が出している出題予想と自らの苦手論点(本支店会計、清算表作成、工業簿記の勘定連絡、CVP分析、費目別計算、個別原価計算)の過去問部分を大量にコピーして、最低3回、最高で8回解きました。

     本支店会計特有の処理(内部利益控除)は繰り返し解いても間違えていたので「これだけは覚えておけメモノート」を作りました。(すごいざっくりした暗記メモになりました)

     仕訳についても、よく間違える仕訳はノートにまとめておきました。点数にはこだわりませんでしたが、最終的には90点以上とれるようになっていました。

    重要論点まとめノート1
    重要論点まとめノート1
    重要論点まとめノート2
    重要論点まとめノート2
    重要論点まとめノート3
    重要論点まとめノート3
    重要論点まとめノート4
    重要論点まとめノート4

    試験前日

     前日は総仕上げとして、簿記検定ナビ様配布の予想問題を試験開始と同じ時間(13:30~15:30)で解いてみました。結果は36点。もう一気に奈落の底に落ちた気分でした。こんなに頑張ったのに、初めて見る問題だと36点しか取れない自分に腹が立ちました。

     同時に、過去問を繰り返し解きすぎた影響(解答を覚えてしまう。短期記憶力が良いほうなので、覚えるのは得意です)が出ており、「問題を理解すること」という本質を見失っていることに気が付きました。

     思わず、簿記検定ナビ様の掲示板に泣き言を書き連ねてしまいましたが、田口様がすぐお返事を下さり、

    「本番じゃなくて良かった。本試験では問題文や答案用紙のチェックをきちんとやろう」と前向きに考えて、残り1日を過ごしていただければと思います。

     とアドバイスを頂き、心がふっと軽くなりました。そうだ、本番は明日であり、本番でこの点数を取らなくてよかった、間違えた部分=自分の悪い部分や弱点が分かってよかったではないかと、ポジティブにとらえました。

     しかし、やはりすぐに気持ちを切り替えることが容易ではなく、夜は仕訳問題を軽く片づけ、マンガを読んで寝ました。

    試験日の1日の流れ

     試験当日はいつも通り5時に起床しました。起きてすぐ、本支店会計(問3)を3回、工業簿記(問4、5)を3回解きました。合わせて仕訳問題で何度も間違えた問題を解きました。

     会場は自宅から40分ほどのところにありましたが、早めの到着を心がけ1時間前には会場に入りました。(電車が遅れており、早く出て本当によかったです)電車内では簿記アプリをやりました。大学で受験だったため、大学構内を少し見学させていただき、ラウンジのようなところで仕訳問題を解きました。

     会場は100人位入れる大きな講堂で行われ、試験官が妙齢の女性2名と、女子高生(!)1人でした。受験者は老若男女で、近隣の高校生もまとめて受験しているようで5名ほど同じ制服を着た子たちがおしゃべりしていました。

     雰囲気も全くピリピリしておらず、のんびりとマイペースな雰囲気が漂っており、自身も持ってきたテキストを見直したり、ノートをチェックしたりと開始前から落ち着いておりました。

     試験問題を配られ、名前を書くように指示された際にさらっと解答用紙から問題を予測します。問題を解く順番は1→4→5→2→3とすでに決めていました。見る限りこの順番でよいだろうと決め、試験開始後、ざっと問題をチェックしてから、問1から解き始めました。

    • 試験開始!

     問1の(3)を見て「絶対この問題で受験生を動揺させようとしているぜ、商工会議所は!」と余裕をかましつつ、問題を潰して行きました。

     問4は問題なく終わり、問5に取りかかりましたが、自信がない論点が来てしまい、10分ほどねちねち検算していました。不安は取りきれないので、問2、3が終わってからもう一度見直すことにして、問2と3に取りかかりました。

     ほぼ予想されている問題がピンポイントで出題してくれたおかげで、特に焦ることもなく1時間ほどで問題を解き終わることができました。問2で伝票会計(大好きな論点←簡単だし、下書き用紙がいらないので)が出てくれたことが、心の負担が軽くなった要因だと思われます。

     試験中、隣の受験者の独り言と舌打ちが若干気になりましたが、とにかく目の前に集中しました。ある程度、こういった人を予測しておりました。また、電卓の音がとってもうるさいという情報も見かけましたので、覚悟しましたが自分が一番うるさかったというオチです(笑)退出者も少なく、全体の2割程度位でした。

     しっかり見直しし、時間いっぱい使って試験終了です。試験後はネットで解答速報を見つつ、自己採点で86点か92点だと確信して、ウキウキしながら帰宅しました。

    合格発表

     3月11日が合格発表の日でした。受験番号を控えておりましたが、ネットで確認するのを失念し、帰宅後に商工会議所から封書が届いているのを見て一気に心臓がバクバクしました。成績表が届くとは思っていなかったのですが「合格」の文字をみて安心しました。

     ただ、問4が0点で結果的に72点ですれすれ合格でした!仕訳問題でしたが、得意分野だったはずなのに納得できないと思い、その日のうちに10回解きなおししてしまいました(笑)結果的にぎりぎり合格でしたが、論点ごとの内容はしっかり理解できていると認識しておりますので、とてもうれしかったです。;

    最後に

     1か月で勉強して合格するのは、正直申し上げてとても気力を使う勉強方法です。書店やネットには「○日間で合格!」と短期間で勉強して合格できたことをアピールすることが流行っておりますが、「1日に何時間勉強しなければいけないか」を考えるとタイトルに偽りあるのでは?と思うはずです。

     私はアフター5も遊ぶ時は遊び、モチベーションが低い時には漫画を読んでしまっておりましたが、集中する時には集中するように努めました。何事も「メリハリ」が大事だと思うからです。ダラダラ勉強していると時間をかけた割には理解度は低く、時間の無駄になってしまいます。

     また、直前でとてつもない点数を取っても、「今まで勉強してきた自分を信じて、最後まであきらめないこと」がとても重要だと再認識致しました。

     簿記検定ナビの田口様、このサイトに出会っていなければ試験に落ちていたと思います。掲示板であたたかいアドバイスを頂いたことは、本当に感謝しております。素敵なサイトを作ってくださってありがとうござます!今後とも、お世話になりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

     今回は問題にも恵まれ、合格しましたが「合格」することが目的ではなく、きちんと「何を問われているのか」と理解することに重きを置きました。私の最終的な目標である簿記1級を取り、「日経新聞を楽しく読む」事に一歩近づけました。

     ですが、やっぱり「合格」という言葉はとても甘美で最高の響きです。これから勉強する方、一緒に楽しく学んでいきましょう!いくつになっても勉強ですね!

    管理人からはとりさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     教材の点数としては95点です。超基礎から漫画で理解できますので、オススメです。ただ、最近の本試験の傾向を鑑みるともう少し応用論点が載っていると安心かなと感じました。他の方、特に図や漫画で視覚的に理解したいと言う方には特にオススメできます。
     今回、勉強に使われた電卓(SHARP EL-G37)は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓はオススメです!!高いですが、それだけの価値はあります!数字の液晶が見やすくてオススメです。女性には少し大きいので最初は慣れないかもしれませんが、じきに慣れます。慣れると他の電卓は使えないと思います~っ!

    SHARP EL-G37
    SHARP EL-G37

    管理人コメント

     はとりさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!通勤時間や昼休みなどの細切れの時間を有効活用して勉強するスタイルは、勉強時間を捻出するのが難しい社会人受験生にぜひ参考にしていただきたいです。

     細切れの時間の使い方は、はとりさんのようにテキストを読み込んだりスマホアプリで復習するのも良いですし、まとめノート・間違いノートに目を通すのもアリです。とにかく、ダラダラして過ごす時間を極力減らすように心がけてください。

     また、簿記の勉強は「広く深く」対策するに越したことはありませんが、勉強期間が短くて十分な勉強時間を確保することができない場合は、はとりさんのように範囲を絞って「狭く深く」対策するのも作戦のひとつだと思います(もちろん自己責任で)。

     例えば、日商簿記検定2級の第3問で本支店会計が2回連続で出題される可能性はかなり低いので、本支店会計が出題された次の回を受験する場合は本支店会計をばっさり切る…みたいな感じです。このへんのさじ加減は自分が受容できるリスクとよく相談して決めてください。

    はとりさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第136回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.117

    ネットスクールのSNS(学び舎)は受験生の強い味方だと思います!

    • 投稿者:tak-ichiさん
    • 勉強形態:専門学校(通信)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    3級から2級へ向けて

     135回の3級合格発表前から2級の勉強をしていました。2級の勉強を始めたきっかけは、どんな業種・職種でも会社の数値を把握しておく必要があると思ったことと、当時、転職活動中で簿記がかかわる職種につきたかったからです。

     ただ、2級の勉強は予想以上に難しく、3級を独学で勉強していたつけが回ってきたのか理論の部分が分からないこともあり、工業簿記の途中で勉強がストップしてしまいました。

    通信教育を受ける

     このままでは、目標とする2級に合格できないと危機感を覚え、通信教育を探すことにしました。転職活動しながらの勉強なので、自宅できちんと勉強したいと思い、3級からテキストを使っていたネットスクールのWEB講義を受講することに決めました。

    通信教育の恩恵

     ステマじゃないですが、結果的にネットスクールのWEB講義を受講して良かったと思っています。よく分からなかった理論に関しては3級のことを踏まえていただいたので頭に入りやすかったですし、LIVE講義(平日夜)に参加できたのでその場で先生に直接質問できたりしてかなり助かりました。

     独学ですと質問・疑問が浮かんでも、ネットを調べるだけで半端無く大変ですし、かつ自分が納得できる答えにたどり着くのは難しいです。質問の答えもとても分かりやすく、頭に入ってきやすかったです。

    仕訳は簿記検定ナビ

     3級は簿記検定ナビで仕訳対策を行って点数が取れるようになったので、2級でもお世話になりました。3級と2級では各問題の点数配分は変わりますが、第1問の20点配分だけは変わらないので、ここで16点以上取ることを目標にしました。

     簿記検定ナビの仕訳問題対策は過去の仕訳類似問題が一番豊富なので、得意分野・苦手分野が洗い出しができるのがいいです。年末年始は徹底的に問題を解いて苦手分野の洗い出しをして、間違いノートを作成しました。おかげさまで、模試や本番でも16点以上取れる力がつきました。

    途中で挫折

     本支店会計でどうしても点数が取れず、正直受験をやめようかとも思いましたが、そんなときにネットスクールのSNSが助けてくれました。一緒に勉強している受験生がいろいろと相談に乗ってくれたり励ましてくれました。独学では絶対にあきらめていたと思います。

    直前期

     直前期は解き方の講義を受けながら、基礎の部分でかけている部分を補完していました。基本的にはテキスト・解答用紙をコピーして、間違っていたら色ペンで直接書き込みました。何回も間違えるところは、間違いノートにまとめていきました。

    間違いノート1
    間違いノート1
    間違いノート2
    間違いノート2

    試験日の1日の流れ

    • 9:30

     起床。シャワーを浴びる。寒いので、ストーブをガンガンたいて体が冷えないようにする。

    • 10:00

     持ち物の最終確認。風邪が流行っていたのでマスクとポケットティッシュを持参することに。

    • 10:10

     試験会場の場所と周りにコーヒーショップがあるかを確認する。

    • 11:00

     出発。

    • 11:20

     昼食。ハンバーガーで済ませる。

    • 11:50

     コーヒーショップにて、コーヒーを飲みながら間違いノートの見直し。

    • 13:00

     試験会場到着。全部で300人くらいで、各教室は約30人ほど。一番前の席で周りが視界に入らなかったので気が楽になる。念のためトイレに行き、戻ってきてから筆記用具の準備と電卓を適当に叩いて指を慣らす。

    • 13:41

     説明後、試験開始。緊張しているせいか、うまく書けない。第1問→第4問→第5問と解く。考えさせられる問題もあり、ここで1時間弱経過。第2問で時間を浪費してしまったが確実に解き、第3問へ。

     全て解き終わった時点で10分残っていたので、メモ紙に自分の解答を書き写しながら答えをチェックする。仕訳で勘定科目の書き忘れがあり、チェックして良かったと思う。

    • 15:41

     試験終了。解答回収時に第2問の合計の桁が一つ多いこと、また第3問の回答欄を1個書き忘れていたことに気づく。痛恨のミス…。さらに試験終了後、試験会場の外で配布されていた模範解答を見て、第1問の問4の仕訳ミスに気付く。

    • 16:30

     ネットスクールの解答速報で答え合わせ。自己採点の結果は82点だったが、心配だったので他社の解答速報もチェックする(結果はだいたい同じだった)。

    試験結果

     無事に合格できました。やはり通信というか、他の方の力を借りることが、合格への近道になることを実感しました。年始から転職先で働いていますが、以前に比べると財務諸表を少し読めるようになりましたし、説明を受けてもすぐに頭に入るようになりました。

     今は1級の勉強をしています。日商簿記の最高峰への挑戦と同時に、自分をさらにブラッシュアップするためです。

    管理人からtak-ichiさんへ追加の質問

     ネットスクールの講義の良かったところと、良くなかったところを具体的に教えていただけますか?
     テキストのみだと、目からしか情報が入ってきませんが、講義を受講することによって目と耳で理解することができます。また、講義は単なる説明ではなく、試験・実社会で使える理論も随所に散りばめられていたので良かったです。

     さらに、LIVE講義の開始時間が夜だったので、平日の仕事終わりにきちんと勉強できる点が大きかったです。LIVE講義を見逃しても受講期間中であればオンデマンドを追加費用無しで見れるので、復習や直前の最終チェックにも有効活用できました。

     また、LIVE講義の他に解き方の講義もあり、試験でどのような解き方を行うか分かりやすく指南してくれました。こちらもオンデマンド配信があるので、いつでも何回も繰り返して見れるのがいいと思います。

     あえてよくなかったところをいうと、混雑するとたまに回線がフリーズすることがあるくらいかなと思います。

     何の教材を使って、どのように勉強しましたか?
     教材は「サクッとうかるシリーズ」「過去問 出題パターンと解き方」「ラストスパート模試」を使用しました。「サクッとうかるシリーズ」は独学向きではありますが、全ての論点を完ぺきにカバーしているわけではないので、足りないところを「過去問 出題パターンと解き方」「ラストスパート模試」で補いました。
     ネットスクールの質問掲示板やSNS(学び舎)についてもう少し具体的に教えてください
     質問掲示板やSNSは私にとっては大きい武器になりました。WEB講義の時間中にもチャット機能を使って質問できますが、復習のさいに出た疑問点をすぐに質問できる点が非常に良いと思います。質問に対する答えも親切で、さらに疑問が出てきた場合は再質問もOKです。質問に対するレスポンスも早いと思います。

     また、同じ受講生の質問を見ることによって、自分ならこう思うとか、こういう視点があるのかなど勉強にもなります。使う使わないは自由なのですが、使ったことによって、自分の学力が向上したと思います。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     3級はCASIOを使用していましたが、2級の勉強からSHARP EL-N942に変えました。買い替えた理由は、このタイプの電卓を勧められたのと、買ったCASIOの電卓はメモリ機能が特殊で使いにくかったからです。

     CASIO→SHARPということで、はじめのうちは打鍵リズムなどに違和感がありましたが、使い込むうちに慣れてきて叩きやすくなりました。現在は、会社でも同じ型の色違いを使っています。

     本支店会計が苦手だったとのことですが、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     本支店会計は、最初は20点中6点ぐらいしか取れませんでした。解き方や理論は一通りわかっているつもりのに、点数に絡めることができないのが悔しかったです。

     そこで、いったん自分が解いた本支店会計の問題と解答用紙・下書きを見直して、自分がどんな間違いをしているのかを徹底分析しました。正答から自分の誤答を差し引いて、問題文の数字を逆算して、けた間違いなのか、足し忘れなのか、単純ミスなのかなど、何のミスをしていたのかをチェックしました。

     その結果、転記の際に本店のみの記入・支店のみの記入を合算し忘れたり、売上原価の記入(評価損・棚卸損)で必ず間違えてしまうことが判明しました。

     そこで、自分で「ちょっと待て 転記の前に 合算だ」という合言葉を作り、問題を解くように心がけました。合言葉で問題点を意識することにより、常に14点~16点が取れるようになりました(満点は一回も取れませんでしたが、他の問題でリカバーできると思ったので、ここまで取れればOKと思いました)

     本支店会計に限ったことではないのですが、点が伸びない場合はまず自分の誤答を分析して、理論が足りないのか、単純ミスが多いのか、問題数をこなす量が少ないのかを考えるといいと思います。

     tak-ichiさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     模擬試験の点数が伸び悩んだ時、試験を受けるのをやめようかと思ったこともありましたが、SNSで同じ講義を受けている仲間や先生からアドバイスをもらってなんとかモチベーションを維持することが出来ました。

     その後、勉強が進むにつれてある程度、点数が取れるようになるとモチベーションで悩むことはなくなりました。なので、早い段階で得意分野を作るとよいと思います。私の場合は、商簿は仕訳(簿記検定ナビでムキムキに鍛えられました)、工簿は本社工場会計については自信を持っていました。

    管理人コメント

     tak-ichiさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!通信講座(WEB講座)のメリット・デメリットを分かりやすく書いていただきましたので、受講を考えていらっしゃる方はぜひ参考にしてください。

     通信講座(WEB講座)のメリットは、居住地や仕事の関係で学校に通えない方でも質の高い講義を受講できる点、あとはtak-ichiさんもおっしゃっているように、他の受験生と切磋琢磨して合格を目指せる点の2点が大きいと思います。

     独学ですと周りに受験生がいないことが多いので、1回モチベーションが下がってしまうとそのままフェードアウト…ということがよくありますが、ネットスクールのWEB講座には受験生専用のSNSがあり、受験生の勉強を先生や運営事務局のスタッフがサポートしてくれます。

     また、他の受験生とも気軽に交流できるので、気の合う仲間と互いに励まし合って合格を目指すことができます。

     なお、各専門学校の通学講座や通信講座(WEB講座)については、簿記検定ナビの簿記の専門学校を徹底比較ページに情報をまとめましたので、興味のある方は一度ご覧ください。

    tak-ichiさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第136回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.116

    まとめノート・間違いノート・質問掲示板を有効活用しました!

    • 投稿者:レイさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約8か月

    はじめに

     簿記の勉強を始めたのは、税理士事務所に就職したのがきっかけでした。当時簿記3級の取得が義務付けられ、当時も簿記ナビさんの情報を活用させて頂き、3ヶ月の勉強期間で独学で合格しました。

     今回は簿記2級を取得するにあたり、簿記ナビさんの掲示板を使って質問をさせて頂いたり、簿記ナビさんでご紹介されていた予想問題集がよく当たったりと、何かとお世話になったので、感謝の気持ちを込めて合格体験記を書かせて頂きたいと思いました。

    使用テキストについて

    第135回受験時

    • 合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記 Ver.7.0
    • 合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記 Ver.7.0
    • 合格テキスト 日商簿記2級 工業簿記 Ver.6.0
    • 合格トレーニング 日商簿記2級 工業簿記 Ver.6.0
    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’13年11月検定対策
    • 20日で合格るぞ! 日商簿記2級 光速マスターテキスト 商業簿記(頂きもの)
    • 20日で合格るぞ! 日商簿記2級 光速マスターテキスト 工業簿記(頂きもの)

    第136回受験時

    • 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集
    • 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集
    • 第136回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級
    • 日商簿記2級 第136回対応 ラストスパート模試

     他にも2~3種類の教材を購入しましたが、私には合わなくて殆ど使いませんでしたのでここでのご紹介は割愛させて頂きます。電卓は、簿記ナビさんでご紹介されているCANON HS-1220TUGを使いました。

    テキストについて

     3級時に主に使用していたTACの「合格~」シリーズは内容が難しく、殆ど意味がわからなかったので、「サクッとうかる~」シリーズを買い直しました。2級を独学で勉強するにあたり、私が主要教材として使ったのは「サクッとうかる~」シリーズでした。(これで、各単元の概要を理解しました。)

     また、既に2級を取得されている方から頂いた「光速マスターテキスト」は、工簿の「仕損・減損」「工程・組別・等級別 原価計算」の単元が非常に分かりやすく、重宝しました。

     しかし、情報量ではTACの「合格~」シリーズに勝るものはなく、また、試験の難易度も「合格~」レベルの内容を問われていることが多かったため、「合格~」シリーズはテキストの購入は必須だと感じました。(実際、工簿の「材料福費」などは、「合格~」シリーズが1番詳しく載っていたように思います。)

     135回は残念ながら不合格になり、その後仕事が忙しくなり、12月は全く勉強ができませんでした。136回に向けて試験勉強を再開したのは1月の半ばくらいからでした。

     2級の内容をかなり忘れていたことと、ネットでの評判が良かったこともあり、136回の試験勉強の際には「パブロフ」のテキスト2冊を購入し、商簿工簿それぞれを1週間で1冊終わらせるように復習しました。

     今までに持っていないテキストを改めて買うのは無駄かと思いましたが、「分かった気」になっていたところや、「こんなの初めて知った!」というところも多く、買って正解だったと感じました。(非常にわかりやすく、面白いテキストなので、受かった後でも読み返すと思います。)

     たくさんの参考書を所有したイメージがありますが、それぞれのテキストにわかりやすい所・わかりにくい所があり、わかりにくい所を補完するために別のテキストを読むのは、私にとっては有意義なことでした。

     そして136回に受かった今だから言えることは、「予想問題集をやっておいてよかった」ということです。「ラスパ」と「当てる」は、無駄を覚悟で2冊買って、2冊とも全ての問題を時間を計って解きましたが、本番で殆ど同じ問題を見た時には「こうも当たるものか」と驚きました。

     特にTACの「当てる」は第1予想以外(第3予想やプラスワン予想)からも多く出ているみたいなので(実際、136回の第5問は第3予想の類似問題でした)この2冊はやっておくことをおすすめします。「ラスパ」は、試験当日の過ごし方のヒントや電卓術も書いてあり、何かと重宝しました。今回の私の場合は、予想問題集をやっていたおかげで受かったと言っても過言ではありません。

    試験前の過ごし方
    試験前の過ごし方

    電卓テクニック
    電卓テクニック

    勉強方法とその流れ

    • 「サクッと~」シリーズのテキストを読んで内容を理解する
    • 「サクッと~」のトレーニングを解く
    • (理解力があまりなかったため、ここだけで半年ぐらいかかりました(^_^;))

    • 【平日】簿記ナビさんの仕訳過去問100回~134回を解く(1日最低2回分は解きました。半月ぐらいかかりました)
    • 【休日】TACの過去問を解く(休日1日2題を時間を計って解きました。120分×2回+答え合わせ諸々2時間×2回=合計8時間くらい勉強しました)

    • 135回本番(不合格)

    • 簿記から離れていた期間(試験終了~1月半ばまで)

    • パブロフ商簿(1週間)
    • パブロフ工簿(1週間)

    • 2/08~1週間 ラスパを解く
    • 2/15~1週間 TAC当てるを解く

    • 2/22 予想問題でできなかった問題の解き直し

    • 136回本番(合格)

     苦手なところは、まとめノートを作りました。作る時に工夫したのは、「自分の言葉で書く」ということです。(テキストの言葉を丸写ししないという点には特に注意しました。)

    まとめノート1
    まとめノート1

    まとめノート2
    まとめノート2

     また、予想問題集に取り組んだ際は、間違いノートも作りました。その間違いノートは「【どんな分野の何を問う問題について、どんな考え方を使って解く】ということを忘れていた」ということを、1問1問メモしました。「どんな分野の何を問われていたのか」をしっかり理解することで、ミスの原因が分かり、点数も飛躍的に上がりました。

     特に135回は過去問をこなすことで手一杯で、復習に十分時間を掛けられなかったので、136回の時は、問題の意味を理解することに1番時間をかけました。

    間違いノート1
    間違いノート1

    間違いノート2
    間違いノート2

    問題の解き方手順1
    問題の解き方手順1

    問題の解き方手順2
    問題の解き方手順2

     上記の勉強法とは別件ですが、簿記ナビさんを始め、各書籍の質問掲示板などを使って質問することも非常に有効的でした。

     自分以外の人に「どんな問題について、どういう考え方をして解いたら間違えた。どこの部分の考え方が間違っているのか」を上手く伝えるように質問することで、解答をくださった方のおっしゃっている意味がよく分かり、結果的に不明箇所に理解に繋がりました。

     また、質問文を考えているうちに自己解決したこともありました。不特定多数の方が見られる場所に質問をすることは、「分からないところを分からないままにしない」「何がわからないかをきちんと考える」ためにも、とても重要なことだと痛感しました。

    苦労したこと、モチベーションの維持について

     業務時間が不規則であったり、元々身体が弱く、頑張り過ぎるとすぐに体調不良を起こすため、仕事と体調管理と試験勉強の3つを両立させることが1番難しかったです。

     それでも絶対に取ろうと決心し、モチベーションを維持させることができたのは、私の周りの皆さんが2級を既に持っていたからです。「私は事務職志望なのに、他の人よりスキルを持っていないんだ」という危機感から、「絶対に合格したい」という強い気持ちが湧きました。

     1回目の試験で落ちた時には、もう諦めようかと思いましたが、「ここまで勉強したんだから、合格するまで頑張ろうよ」と励ましの言葉を頂き、再び挑戦する気持ちになれました。友人や職場の方々、家族など、多くの方に支えて貰ったからこそ合格できたんだという感謝の気持ちでいっぱいです。

    試験日の1日の流れ

    • 00:00~08:30:睡眠
    • 08:30~10:30:工簿見直し
    • 10:30~12:00:出発準備
    • 12:00~12:30:出発(12時半に到着。試験会場は電車で1駅でした。)
    • 12:30~13:30:軽食をとって、ラスパ第1予想の第3問を解く
    • 13:30~15:30:試験本番(解いた順番は1→2→4→5→3問の順です。)
    • 16:00~17:00:帰宅

     ラスパに載っていた「試験日当日の秘策」に書いてあったこと(自分の席について、電卓をたくさん叩く問題を1問解く、ということ)を行いました。おかげさまで試験本番のシュミレーションができ、その時答え合わせして8割ぐらいあっていたので、自信を持って本番に望むことができました。

     第2問に得意の伝票式会計、第3問にオーソドックスな本支店会計、第4問にラスパ第1予想、第5問に当てる第3予想と、嬉しい出題ばかりでした。今回の合格は、本当に問題に救われました(^_^;)

     ※試験結果は「合格」と書かれた通知だけがきましたので、実際何点で合格していたのかわかりません。皆さんは点数を書かれているのに、お伝えできず申し訳ないです。

    最後に

     今回2度の試験を受けて思ったことは、同じ2級の試験でも、その時その時によって難易度にばらつきがあるんだということです。

     ですので、これから取得しようと思っている方は、一度取得しようと勉強を始めたら、取得するまで諦めないでほしいです。年に1度は必ず難易度の低い回があると思います。だから、そこで必ず合格できるように、毎回「次回は必ず受かる!」という気持ちで、全力で勉強に取り組んでほしいと思います。

     私も、2回目の試験は1ヶ月半ぐらいしか勉強していませんが、「次回は必ず受かる!」と信じて、最後まで諦めずに勉強した結果、問題の難易度にも救われて合格することができました。

     私でも独学で2級まで取得できるんだということもわかり、自信がつきました。(この達成感と自信が得られたことが、私にとって何よりの収穫です。)チャレンジしようかと迷っていらっしゃる方は、ぜひ頑張ってください。

     最後に、簿記ナビさんには、仕訳過去問や予想問題、掲示板など、多くのコンテンツを利用させて頂き、ありがとうございました。3級の時からお世話になっていたにも関わらず、ずっと利用させて貰いっぱなしになっていました。

     はじめから独学だった私は、簿記ナビさんのサイトを1番頼りにしていて、お世話になっていました。簿記ナビさんを始め、掲示板で質問に答えてくださった方々にも厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

    簿記ナビさんの仕訳問題
    簿記ナビさんの仕訳問題

    簿記ナビさんの仕訳問題ノート
    簿記ナビさんの仕訳問題ノート

    管理人からレイさんへ追加の質問

    勉強に使われた電卓(CANON HS-1220TUG)は他の方にもおすすめ出来ますか?
     とにかくサイズが大きいのとボタンが重いので、その2点が問題ない方にはおすすめできます。サイズが大きい分、他の電卓より重いですし、試験の時も場所を取ります。ボタンに関しても、「押したつもりが押してなかった」ということが、私の場合はありました。

     「簿記のために買った電卓」というのが正直なところですので、日常ではあまり使わないと思います。(実際に税理士事務所で働いていた際にも、下で紹介するCasioの電卓の方が作業効率が上がっていました。)私が使っていた電卓は、男性の方にはおすすめかもしれませんが、女性の私からすると、いまいちというのが正直な感想です。

     また、別件ですが、電卓の使い分けは絶対にやらない方がいいです。私はCasioの「MW-22AE5」の12桁を持っていて、本番1ヶ月前まではそちらを使っていたのですが(持ち運びが 軽いため)、電卓を変えた途端に、ボタンの位置も、押すときの重さも変わってしまい、慣れるだけで時間がかかりました。

     特に「シャープ・キャノン」と「カシオ」では序数計算などの電卓の打ち方が異なりますので、変える相性としては最悪です。

     仕事だろうと、普段使いだろうと、簿記の勉強だろうと、とにかく同じ電卓を使い続けて、その電卓に慣れることがとても大切 だなと感じました。

    電卓
    電卓

    管理人コメント

     レイさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!まとめノートや間違いノートだけでなく、質問掲示板を有効活用するという勉強法は意外に知られていないので、受験生の方はぜひ参考にして取り入れてみてください。

     質問するためにはまず、問題(論点)のどの部分が分からないのかを明らかにして、自分なりの考えをまとめる必要があります。この作業は非常に地味で苦痛を伴いますが、ひとつひとつ順序立てて考えていくことにより、半ば強制的に頭のなかを整理することが出来るので、意外な盲点に気づいたり、点在している知識がパッとつながって一気に理解が深まることが多々あります。

     簿記検定ナビでは、無料の質問掲示板を級別にご用意しておりますので、特に独学で勉強している方(周りに質問できる方がいない方)はぜひ有効活用してください。

     なお、質問掲示板の利用にあたって一点だけ注意していただきたいのは、レイさんのように自分できちんと考えて、情報をまとめたうえで質問することです。よく、深く考えずに「~が分かりません。教えてください。」と質問を丸投げする方がいらっしゃいますが、この方法では力はつきませんし、回答する側も「どこが分からないのか分からない」ので回答しづらいです。

     上記のポイントに気をつけて、質問掲示板を有効活用してください。

    レイさんが使われた教材(第136回分)や電卓のまとめ