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  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.101

    最後まで諦めずにがんばった者に「合格」のチャンスは与えられます!

    • 投稿者:yuttiさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約6か月半

     私は46歳の、中学生と高校生の母です。3級を昨年11月に受験し、満点合格したことに気をよくして、続けて2級も受験することに。最初は2月受験を予定していましたが、勉強を始めてすぐに3級とのレベルの差に驚き、受験料ももったいないし2月はあきらめ、6月合格を目標に独学で勉強しました。

    使用したテキスト

    • 「日商簿記3級2級 受かる勉強法 落ちる勉強法」洋泉社
    • 「すいすい簿記マンガ見てGO 日商2級商業簿記」「同 工業簿記」ネットスクール
    • 「サクッと受かるテキスト」「同 トレーニング」ネットスクール
    • 「合格するための過去問題集」TAC

    23年12月から24年1月

     3級の勉強の続きとしてとっつきやすい商業簿記から取り掛かりました。「マンガ」を読みイメージを作り、「テキスト」を読み仕訳を手を動かし書いてみて「トレーニング」を解くという感じでした。

     商業簿記を一通り理解できた時点でもう2月受験の申込時期に。この時点で工業簿記が間に合わないと判断し2月受験はあきらめ6月を目標に。

    24年2月から4月

     工業簿記も勉強方法は基本的に商業と同じでしたが、なかなか理論が自分の頭に入ってこない感じでてこずりました。そこで途中からはほとんど「テキスト」は使わず、何度も何度も「マンガ」を読み「トレーニング」を解くという感じでした。

     大変私事ですが、離婚調停と離婚の手続き、息子の高校受験に私の仕事をしながらの転職活動。おまけに息子の高校入学資金の調達に走り回らないといけないなど、肉体的にも精神的にも時間的にも非常にヘビーな毎日で、思うように勉強も進みませんでした。

     うまく時間が取れるときは1日3、4時間は勉強し、取れないときは1週間勉強できないときもありました。なんでこんな時に受験と思われるかもしれませんが、離婚に関係して転職しないといけないことになり、転職活動の中で大した資格もない46歳の女性が事務職を探すことの大変さを痛感し、簿記を受験することにしたのです。

     毎日勉強する時間が取れる日ばかりでもなく、思春期の子供とのいろいろな日々の中で勉強することは、大変といえば大変でしたが、でもこのころはなんだか勉強することが精神安定剤のようにもなっていました。勉強していればなんだか少し自分が前に進んでいるような気持になれたんですね。

     そんなこんなでやたらと工業簿記のインプット期に時間がかかってしまいましたが、とにかくマイペースで頑張りました。

    24年4月後半から前日

     このころに本屋さんに行き過去問を購入。簿記ナビなどで紹介されていたTACの「プラス8点」問題集も一緒に購入して苦手な工業の対策をしようと思っていましたが、思いのほか頁数が多く、残り期間を毎日勉強にかけれる時間を考えてあきらめ、過去問だけを購入しました。

     過去問は時間を測って1回分120分通して解くことは結局一度もなく(仕事と家事の合間の勉強時間のため120分まとまった勉強時間が確保できなかった)1問ごとを目標時間内に解く感じでした。

     この時点で自分が理解できたと思っていた工業が、実際には全然解けないことに愕然。気分の落ち込むときは商業に逃げたりしながら何とか工業の問題を見て、まったくわからないときは解答と解説を読み、自分の手を動かして解いてみて、翌日にまた同じ問題を解き、また同じ個所がわからないことにまたまた愕然としながらもう一度解説を見て手を動かし…の繰り返しでした。

     また4月から運よく11社目に受けた会社に事務員として勤め始めたばかりでしたので、仕事から帰るとその日に覚えた仕事をノートにまとめて復習したりしていて、簿記の勉強も1週間に2日くらいしかできなくなっていました。

     過去問も掲載されている12回分すべてするのは無理だなとこの時点であきらめ、半分の6回分に焦点を定め同じ問題を合格点取れるまで何度も解くことにしました。

     こういう場合新しい回からさかのぼって6回分するのが良いように言われていましたが、私は敢えて古い6回分(第118回~123回)をしました。忘れたころに出題パターンが出るのかなあと思ったもので。結果苦手な工業簿記の119回に似た問題が今回出題されたので、私の予想もあながちダメではなかったのかなあ、なんて。

    試験日1日の流れ

     前日は中学生の娘のダンスイベントがあり、一日出かけていて帰りも娘の友達を家まで送ったりしてまったく勉強する時間がありませんでした。夜遅く帰宅してぐったり寝てしまい、当日も8時くらいまでぐっすり寝ていました。起きてからはいつもの休日通り洗濯したり一週間分の掃除をしたりしてると、あっという間に10時過ぎに。

     それから、直前になって相当自信喪失していた工業簿記を少しでもやっておこうと思い、何度か解いた過去問の復習をしました。過去問はこの時点で最近7回分は手つかずでしたが、ここであせってやってないところを見てもちんぷんかんぷんで余計にやる気をなくすだけと思い、何度かやり直した回の特に低い点の問題を3問、解答用紙を消しゴムで消してまたやり直しました。

     お昼ご飯を途中で食べながら3問やり直し、とにかく今回は工業簿記の勉強が間に合わなかったなあと変に冷静に考えながら、本番は商業簿記をできる限り満点めざし、次回の勉強につなげようとあきらめの境地でした。

     明日から「プラス8点」問題集を買い、工業を中心に2か月ときまくり、過去問12回分を3回はやり、簿記ナビの仕訳をどんなに忙しい日も毎日こなそう…などと次回の試験に向けての予定まで考えるという始末で。

     自宅から車で10分ほどの会場でしたので、12時50分くらいに自宅を出発、会場へ。席を確認し(ちなみに受験番号は3級の時と同じ1番だったため席の位置も同じ。何となく落ち着きました。)トイレへ。あとは席で午前中赤ペンで過去問題集の解答用紙に間違えやすい個所を記入していたので、それを見直したりしてました。

     13時30分からスタートかと思いきやその時間から説明が始まり、開始時刻は13時36分。終了は15時36分となりました。3級受験の時もそんな感じで、同じことなのでしょうが、時計見ながらの時間配分が微妙にやりにくく、できれば30分にきっちり始めてほしいですよね。どこの地方でもそうなのか、会場によって違うのでしょうか。

     開始前に解答用紙に受験番号と氏名を記入するよう指示があり、その時に解答用紙を見ながら「損益計算書」だなとか心の準備しました。どの試験開始するまでは、工業簿記にまったくの自信がなかったため、先に4問5問に取り掛かると気持ちの切り替えができなくなる気がして、王道ではありませんが今回は1,2,3問の順に取り掛かるつもりでいました。

     しかし、試験開始し問題用紙を見ると唯一自分のものにできていた総合原価計算表が5問にでており、しかも午前中に見直していた過去問と(第119回4問)とほとんど同じ問題が4問に!「試験の神様が微笑んでくれた~!」と急に強気になり、やはり王道の順で1,4,5,2,3と解くことにしました。

     4問(5)差異の勘定を解きかけ図の作成に自信がなく、さっと閃かなかったため、(5)はあきらめ、4問と5問の他の解答に計算ミスがないか確認。その時点で試験開始から45分。まだ半分以上時間が残っていることを確認し、落ち着いて2問と3問へ。

     一通り解き終えた時点で終了5分前。今から2問3問の計算を見直してる時間はないし、変に計算ミスを見つけると余計に焦るだけだしと思い、計算の確認はあきらめ、帰宅してから解答速報の時のためにと思い、答えを問題用紙にできる限り書き写すことに最後の5分を使い、一通り書き写したところで試験終了。結局4問(5)以外は一通り解答できた状態でした。

     帰宅してから夕方解答速報を簿記ナビで確認。4問(5)以外に仕訳を1問間違えたのと、損益計算書に計算ミスがあり、86点の自己採点で、ほっと一息。1週間後に合格通知をいただき点数は自己採点と同じ86点でした。

     それから、当日は6月とはいえ曇り空で涼しい1日であったのに、会場には冷房が入っており、長そでティシャツ1枚の私は途中から咳き込んでしまい、他の方の迷惑になってるのではなどと思い集中力がとぎれました。運よく咳も治まりましたが、カーディガンをはおってくればよかったなあと後悔しました。

    試験勉強を振り返って

     半年という長い期間かけて勉強していたものの、実質には家庭のことや新しい仕事に追われ、なかなか思うように勉強時間を確保できずでした。試験数週間前にはほぼ今回はあきらめていました。

     それでも「せっかく受験料払って受けるんだからできる限りのことはしなくちゃ」との主婦根性で当日の午前中に背水の陣で見直していた過去問が予想的中し、本当に運が良かったとしかいえない合格でした。でもこの運も最後まであきらめずにしがみついた結果かなあと、少し自分に甘いですが今はそう思います。

     46才の事務職の転職をかなえるための簿記2級受験でしたが、途中転職先も見つかり、プライベートなこともいろいろありなかなか勉強時間を確保できず、時には「無理して2級受けなくてもいいかなあ」なんて思った時期もありましたが、「やりかけたこと途中でやめたらきっと後悔する。」「なぜ受けたのかは受かってから考えよう」と半年間なんとか頑張りとおすことができ、この年齢で少し自分に自信を持つことができ、本当に良かったと思います。

     離婚・転職に重ね、体力や行動、外観に自分が齢いったなあとと実感することが多くて少し落ち込みがちな毎日に、今回の合格は大きな自信が生まれました。1級を受けるつもりはありませんし、年齢的に今から2級を武器に何かが変わることがあるとは正直思いませんが、この自分の自信こそが今回の受験の大きなプレゼントだと思います。

     独学の間何度も何度も簿記ナビの合格体験記を読み、参考にし、励みにさせていただきました。本当にありがとうございました。

    管理人コメント

     yuttiさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     仕事・家庭の事情・育児の中で勉強時間を確保するのは大変だったと思いますが、うまく時間のやりくりをして見事「合格」を勝ち取られたyuttiさんの合格体験記は、同じような環境で勉強されている方にぜひ読んでいただきたいです。

     特に参考にしていただきたいのは「過去問も掲載されている12回分すべてするのは無理だなとこの時点であきらめ、半分の6回分に焦点を定め同じ問題を合格点取れるまで何度も解くことにしました。」という箇所です。

     時間がない場合、12回分を1回ずつやるよりも6回分を2回ずつやったほうが効果的です。簿記の勉強にはある程度の「深さ」も必要になりますので、確保できる勉強時間を考えて取り組んでください。

     あと、試験当日の服装ですが、暖房や冷房の設定は試験会場や座る席によっても大きく異なりますので、脱着しやすい薄手のものを重ね着しておくと調整しやすいです。

    yuttiさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.100

    試験では取れるところから解答することが大切!100点を狙う必要はない!

    • 投稿者:kuretaさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月半

    はじめに

     私は現在大学2年生です。検定を受けようと思ったきっかけは何か資格が欲しいと思ったからです。商業高校出身で簿記を勉強してきましたが簿記が大嫌いで商業高校主催の簿記検定も2級に3回も落ち、自分には簿記があっていないと思っていました。

     大学に入学してからも経営学部だったもので簿記は避けて通ることができず、毎週簿記の講義は苦痛でした。しかし、講義の中で先生が「簿記は武器になる」という言葉で日商簿記2級の勉強を始めることにしました。

     129回に日商簿記2級を受験したのですが、勉強時間が足らなくてヤマを張ってそこの論点だけを集中的に勉強したのですが、試験には出ないところも多く、落ちました。なので今回はヤマを張ることをせずまんべんなく勉強することにしました。

    使用テキスト

    1. 近藤孝之著『日本一やさしく日商簿記2級を解説しました商業・工業簿記問題集[初版](とりい出版、2010年)中古品
    2. 渡部祐亘他著『新検定簿記ワークブック2級商業簿記[7版4刷](中央経済社、2010年)
    3. 岡本清他著『新検定簿記ワークブック2級工業簿記[6版1刷](中央経済社、2010年)
    4. ダイエックス簿記試験対策PJ著『日商簿記2級まるごと過去問題集[初版](ダイエックス出版、2011年)
    5. ネットスクール編著『第131回を完全予想!ラストスパート模試日商簿記2級[初版](ネットスクール、2012年)
    6. 簿記検定ナビ・仕訳問題2級

    勉強方法

     独学で勉強を始める前に試験日までの勉強計画を立てました。計画を立てる際に気を付けたのは無理な勉強はしないこと、毎日勉強することです。無理な計画を立てると途中で挫折するかもしれないので、1日少しでも必ず勉強することを心がけました。

    2012年3月の勉強

     この1ヶ月間は基礎固めを目標に勉強しました。テキストで分からなかったところは自分なりに調べ、苦手な論点を作らないようにしました。間違えた論点や間違えそうな論点はノートにまとめ、後で見直すようにしました。

    まとめノート1
    まとめノート1
    まとめノート2
    まとめノート2

    2012年4月の勉強

     4月からは過去問題を取り組むようにしました。1日に2回分の過去問を解き、間違えた論点はノートにまとめました。過去問を解く時は必ず時間を計ってやるようにし、時間配分に気を付けました。過去問をやっていて気がついたのは「分かっていたつもりだっただけであまり力がついていなかった」ことです。

     1週目ではほどんど合格点に達してませんでした。ショックでしたが自分の学習理解度がどれくらいなのかがはっきり分かり、弱点が見えて良かったです。解説を見ながらなぜこうなるのか理解しながら進めていきました。

    2012年5月の勉強

     過去問にもだいぶ慣れてきて合格点に達するまでになりました。でも点数は取れるようになってきたのですが、時間はギリギリ。原因は第3問の総合問題で特に精算表が苦手でした。頑張っても30~40分掛かり、一番ミスが多かったです。

     ある時から下書きを限りなく少なくするようにして、整理仕訳も1つ終わったら解答用紙に書き込むようにしたら飛躍的に時間短縮することができ、さらにケアレスミスもなくなりました。

     5月中旬からラストスパート模試を解き始めました。1週目は第1予想84点・第2予想78点・第3予想86点・第4予想76点で平均も80点を超え、過去問も90点超えるようになりました。

    2012年6月の勉強

     6月は過去問(15回)、ラストスパート模試(4回)すべてで100点を取るまでひたすら繰り返しました。何回も繰り返したので時間も1回50分くらいで終わり、下書きも片面で済むようになりました。本試験もただ合格するだけではなく、満点合格を目指す勉強に変わってきました。

     4~6月の勉強の基本形態は午前に簿記検定ナビさんの仕訳問題2問、午後と夜に過去問を1問、寝る前に間違えノートを読むです。試験2週間前からは基本形態の2倍の問題と解きました。

    試験日の1日の流れ

    • 前日~試験開始前まで

     前日の夜は早めに寝ようとしたのですが、全然眠れませんでした(笑)21時くらいに布団に入って寝ようとしたのですが緊張して全然寝られなくて、時計を見たら3時になってました。

     どうしても眠れなかったのでこのまま試験時間まで起きていようと決意しました。でも勉強はしないで10時まで映画やドラマを観ました。おかげでかなりリラックスすることができました。

     11時に昼食を食べてから余裕をもって試験会場に向かいました。試験会場は私が通っていた大学でしたので雰囲気に飲まれることはなかったです。試験会場には30分前に到着して、自分の席に着席。間違いノートを確認しながら試験に備えました。

    • 13時30分

     解答用紙が配られ、名前と受験番号、生年月日を記入しました。記入しながら解答用紙を見ました。第1問はいつものように仕訳問題、第2問は残高試算表。(変化球問題じゃなくて安心しました。)第3問はP/L。第4問は仕訳問題。第5問は工程別総合原価計算表。

     第3問・第5問が意外でしたので結構同様しました(汗)特に第5問はほとんどの予想で直接・標準原価計算でしたので焦りました。解答用紙を見ながら1→2→4→5→3で解くと決定。

    • 13時35分(試験開始!)

     まずすべての問題に目を通したうえで、仕訳問題から開始。特に難しい論点は出題されなかったので一安心。第2問をやっていると推定が多いことに気づく。時間が掛かりそうだったので第2問は飛ばして工業簿記をやることにしました。工業簿記はボリュームが少なく、簡単だったので15分くらいで終わりました。

     続いて第3問。見慣れない形だったので焦りました。しかもあまり出題されたことがない論点があり、悩みましたがなんとかできました。最後に第2問を解いたのですが、結構難しかったです。緊張もあり少しパニックになりました。

     結局解くのに30分掛かり、終わったのが試験終了30分前。一通り見直ししていると、第4問の差異分析で桁ミスを発見。急いで修正。結局B/Sの作成中に終了しました。

    試験勉強を振り返って

     全体的な感想としてはやや簡単だったと思います。第2問は少し難しかったですがほとんど過去問と似たような問題でしたので過去問をやってきた人にはラッキー回だったと思います。

     しかし、解答する順番が合否を分けたと思います。商業簿記から解いた人は最後まで終わらなかったかもしれません。試験では取れるところから解答することが大切で100点を狙う必要はないです。100点と70点も同じ合格です。これから受験する方は解答する順番も気を付けて頑張ってください。

     日商簿記検定は「テキスストを読む→過去問を解く」この流れで十分合格を狙えると思います。予想問題もいいですがやはり過去問をやり込むことが大切だと実感しました。

    試験結果

     6月21日に合格発表がありました。合格発表前は不安とドキドキで夜もあまり眠れなかったです。合格発表のときにWebで確認すると自分の受験番号があり、とても嬉しかったです。さらに自分の番号が枠づけされていて、満点合格だと知りました。自信はあったのですが正直不安でした。「のれん償却」を「のれん償却費」と記入したので。

    最後に

     私は現在日商簿記1級の勉強をしています。ボリューム・難易度も格段に上がりますが簿記の土台がしっかりしているとそれほど難しくないです。基本が大事になりますので基本を怠らずに勉強を頑張ってください!

    管理人からkuretaさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     使用したテキストは10点、問題集は90点です。テキストは安いのですが細かい解説がなく、独学には向いていないと感じました。問題集は詳しい解説があって、なんでこうなるのか?という疑問が解決できたのでこれから勉強する方におすすめです。
     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     CANON HS-20TGです。押しやすいのでおすすめです。
     kuretaさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は工業簿記の直接原価計算です。多くの専門学校では131回の第5問は直接原価計算が第1予想でしたのでどんな問題が出てもいいように問題をこなしたので(笑)本試験で出なかったのでちょっとショックでした。

     苦手な論点は商業簿記の特殊商品売買です。いろんなパターンがあり、よく頭の中が混乱しました。なので簿記検定ナビさんの仕訳問題を使い、特殊商品売買だけをピックアップして何回も解きました。さらに図に描いてわかりやすくして理解しました。

     kuretaさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     集中力が切れたらその日の勉強をやめるようにしました。いやいややっても力がつかないと思ったからです。そうしたことで途中で挫折せずに済みました。
     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     当たり前ですがテキストは解説がわかりやすいものを使用するべきです。私は出費を抑えようとして一番安いテキストを使用したのですが解説が少なくて苦労しました。

     また、間違いノートを作るのもおすすめします。試験直前の空き時間に見直しができるからです。さらに寝る前に間違いノートを見ることで苦手な論点や間違えた論点を覚えることができます。

     あとは予想問題集はいらないと感じました。予想問題は本試験よりも難易度が高く、ヤマを張りがちでまったく別な論点が出題されたらパニックになります。ヤマが当たった時に気が緩んでケアレスミスの確率が高くなります。私はそうでした。予想問題を解くよりも過去問題を数多く解くほうが日商簿記では有効だと感じました。

    管理人コメント

     kuretaさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!満点合格のコツが各所に散りばめられていて、読み応えのある合格体験記に仕上がりました。

     まず参考にしていただきたいのは、勉強の計画を立てる際は「遊び」をもたせて三日坊主にならないように気をつけるという点と、少しの時間でもいいから毎日勉強すること、の2点です。

     私の受験生時代の話しですが、現実を無視してギツギツな計画を立てて、「これだけやれば完璧だ。ふふふ。」なんて思っていましたが、すぐに計画倒れになってモチベーションが下がってしまいました。

     あとは、「試験勉強を振り返って」の欄に書いていただいた「試験では取れるところから解答することが大切で100点を狙う必要はない」というのも大事です。

     予想が外れたり見たこともないような問題に直面すると、ドツボにはまって時間を浪費してしまうことがありますが、そういう時こそ冷静になって部分点を積み上げていくことに力を入れましょう。

     「取れるところから取る!取れないところは部分点を狙う!」というスタンスを常に意識して総合問題を解くようにしてください。

    kuretaさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.99

    教材はあれこれ手を出さない!ひとつひとつをしっかり仕上げましょう!

    • 投稿者:じぶさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月

    きっかけ

     事務の正社員で勤めていた会社を家庭の事情で辞めて、次の仕事を探している時にたまたま目にした求人の資格欄に「簿記3級」とあり、もともと数字が苦手で小学校以来出来るだけ関わらないできたものの、勤めたいのにそれがネックで勤められないというのも嫌だなとの軽い考えで、職安の求職者支援訓練に申込みました。

     本屋さんで簿記の教材を立ち読みしたら思ったより簡単に見えて、「主婦なので家計簿もつけてるし、なんとかなるかな」と思い勉強をはじめることにしました。

    学校

     何箇所か下見をしたのですが、有名な学校などは簿記以外にも経理系の授業があり、私は単純に簿記を習おうと考えていたので、少人数の学校を選びました。始まってみると実際の生徒は4人で、その分細やかに見て頂けたと思います。

     3級を含めた2級までの授業で、初学の自分から3級取得済の方まで様々な顔ぶれでした。毎日朝9時から午後3時半まで、土日を除きみっちり授業がありました。夫が働いていたので給付金は受けず、テキスト代のみ負担の訓練でした。

    教材

     教材はその学校独自の、コピーした紙を束ねた様な簡単なものでした。テキスト・問題集・解答がセットになっていて、商業簿記がナンバー5まで、工業簿記がナンバー4までありました。本屋さんに行けば他の教材もあると知っていましたが、初学なので学校の教材のみに絞り勉強しました。

    勉強

     始まってみると思っていたより簡単ではなく、独特の会計用語にも馴染めず、初日から「簿記を選んだのは失敗だった・・」と暗くなりました。何故これをする必要があるのか分からない、簿記の意味が分からない毎日でした。

     なんとかついて行けるよう、まず勘定科目を2日で得意の丸暗記。意味は分からずとも、その勘定科目が資産・負債・純資産・収益・費用かすぐ出てくるようにしました。(これが結果的に後の勉強を楽にしてくれました。)

     毎日家に帰るとその日の分を復習し、知り合いの経理経験者に不明点を聞くようにしていましたが、それでも毎日授業についていくのがやっとの状態でした。ただ、基本を大事にという学校のスタンスで、繰り返し繰り返し仕訳を解いていく内に、嫌ではなくなってきました。

     特殊商品のくだりは毎日楽しく勉強出来ました。簿記は数字がたくさん出てきますが実際の計算は電卓で良いので安心ですし、本の好きな自分は問題文の読み取りが得意なため、計算は間違えても考え方は繰り返しているうちに身に付いた様です。

    先生

     簿記の大好きな先生で知識も幅広く、聞いたことは全て噛み砕いて説明してくれて、多分他の專門学校より学ぶ事の楽しさが実感できたと思います。職業訓練にも色々なところがあるようで、自分はこの学校で良かったと思いました。

    テスト勉強

     試験の20日前から過去問題に入りました。商業簿記・工業簿記を習った後に入ったのですが、商業簿記は殆ど忘れている状態で、過去問の形式にも慣れず、初めはちんぷんかんぷんで焦りました。

     過去問10回分のうち、先生が絞り込んだ回を中心に毎日午前中は実際のテスト形式で2時間、午後はその問題の質疑応答を繰り返しました。その際に、時間配分や捨て問の考え方を学びました。

     試験の3日前に自習でテキストの3級と2級を全て復習、2日前に過去問の仕訳10回分を全て完璧に解けるようにして、1日前に過去問の工業簿記10回分を完璧にしました。

     20日間中、試験問題ばかりで嫌になることもあり逃げ出したくもなりましたが、お風呂で鏡を見ながら「簿記は楽しい、簿記がスラスラ解ける、簿記は楽しい」と自分に暗示をかけ、行き詰ったら最初に戻り、授業でメモしたものを見ながら基本に帰り一つずつ書き出していきました。

     どうしても気分が乗らない日はスカイツリーに遊びに行って気分転換したり、好きな論点の問題だけ解いてすぐに寝ました。毎日必ず目標を書き出し、それにそって勉強しました。

    試験日の1日の流れ

     緊張であまり眠れませんでしたが、午後からの試験なのでそんなに早起きする必要もなく、落ち着いて9時起床。夫がホームベーカリーで焼いてくれたパンでブランチ。パンは結構胃が膨れるので、厚切りを1枚だけ食べました。その後、最後の復習。仕訳が好きなので、全て解けるよう今まで解いて間違った場所だけまた解きました。

    • 12時・出発

     試験会場が松戸で、余裕をもって出発したもののお祭りで渋滞中。その頃に少し空腹を感じ、どこかで補給食を買おうと思ったのですが、気持ちの余裕が無くなりそのまま試験会場の大学に到着。送ってくれた夫と別れる。

    • 13時・恐る恐る大学内へ

     どこかで受付をすると思っていたのに、そのような場所は特になく、自分の番号の教室へ直接向かう。100人位の大きな教室で、自分の席は一番後ろ。席に座り、先生に言われたように受験票をセロハンテープで机に固定し、学校で渡されたファイナルチェックを眺めるも殆ど頭に入らず、諦めて人間観察。

     結構空き席がある。申し込んだのにこない人もいるんだ。若い人が多い。大学だからか?多分学生さんとか、たまに年配の方もちらほら。女性が多いが、男性も4割位。でも私受付してないけど、本当に大丈夫かな?と、それだけ不安。

    • 13時40分・試験開始

     名前を解答用紙に書く際、精算表ではないと分かって頭の中が真っ白に。練習の時のように、工業簿記から解く。難しいCVP分析が出たらダメだと諦めていたが、学校の予想どうり本社工場と大好きな工程別。各10分で完了。

     仕訳は簡単なものから荷為替まで。前日に一夜漬けで復習した繰越利益剰余金が出て、にやり。ここも10分で完了。2問目は試算表だけど…なんじゃこりゃ。数字あちこち抜けてる!小口現金!(これは3級の範囲では)分かる所からせっせと合計を計算。適当につじつまを合わせる。

     問題の3問目。精算表はすごい復習した。念のため、貸借対照表もした。ただ、まさかの損益!久しぶりだね。授業で習って以来だから、2ヶ月ぶりかな…?ショックで仕訳もしどろもどろ。書く場所分からない。泣きそう。カッコも数字も埋まらない。

     試験開始後に解答用紙で事態を察して、ここは0点を覚悟していたのでため息をつきつつ…ほぼ空欄。ここで残り30分。とりあえず他の問題を完璧にするべく、見直し。

     下書きを電卓で計算したら合わず、工業簿記の桁ミスを発見し直す。さらに漢字の間違いを確認。最後まで諦めず損益を睨み、どこか埋められる所は無いかうなる…が思いつかず、そのままほぼ白紙で終了。

     出口で配られていた解答速報を見たら、自信のあった仕訳のミスを一つ発見して落ち込む。荷為替についての自分の勘違い学習で悔やむ。途端に全て不安になり、損益の空欄が簡単な仕訳部分だったと知り落ち込み、この時点で多分ダメだと諦める。

    試験を終えて

     今回はダメだった…と諦めていたが何故か合格。不思議でしょうがない。隣の子も合格していたので、知らない子だけどお互い良かったなあと喜ぶ。

     今回分かったのは、予想問題以外も一回は解く事。先生の予想を信じてそれ以外の問題を全く解かなかったんですが、他の学校では損益を予想していた所もあったそうで、それを知ったときに「可能性があるものは取り敢えずやるべきだ」と思いました。

     あと、試験の途中でお腹が空いてスタミナが切れました。直前に食欲なくても、やはり栄養補助食品は必要だったかも。

     この4ヶ月、不安になると簿記検定ナビさんの合格体験記を読んで、イメージトレーニングしてきました。間接的に助けてもらったと思います。ありがとうございました。職業訓練生の体験記が無かったので、参考までに投稿いたします。

    管理人コメント

     じぶさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     じぶさんはTACや大原といった大手専門学校ではなく、地場の小さな民間学校で簿記を勉強されたとのことですが、どちらが良いかはケースバイケースだと思います。

     小さい学校は先生を独占できるので、「当たり」の先生に巡り会えると合格可能性がかなり高くなると思います。一方、「はずれ」の先生に当たってしまうと、大手専門学校のように先生を変えることが出来ないので逆に合格可能性が低くなってしまいます。

     学校によっては無料で体験講義を受講できますので、申し込む前に賢く利用してミスマッチを防ぐと良いと思います。

     あとは、「試験を終えて」のところで書いていただきましたが、範囲を絞りすぎるのはオススメしません。試験予想はあくまでも「予想」なので参考程度にとどめ、どの論点が出題されても合格できるような準備をしてください。

     最後に、じぶさんもおっしゃっていますがいろんな教材に手を出し過ぎないように気をつけましょう。試験前になると「この教材だけで大丈夫なんだろうか」と不安になりますが、他の教材を見ても余計に不安になるだけなので、まずは手持ちの教材を完璧に仕上げることに力を注いでください。

    じぶさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 教材:学校の教材のみ
  • 第131回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.98

    まずは道具(形)から…電卓は最初から良いモノを使いましょう!

    • 投稿者:やどかりさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    はじめに

     3月末に前職の契約期間が過ぎたため、時間が空きました。前職・前々職では経理事務をしており、月間の入出金や給与計算等をしておりました。

     しかし、資格も持っていなかったため、せっかくの経験を証明できる簿記2級を持っておれば今後の就職にも有利かと思い、失業手当受給期間中に資格を取ろうと、短期間ではありますが1発合格に向けて勉強を開始しました。

    テキストについて

     簿記検定ナビでも推奨の「サクっとうかる」シリーズの商業・工業を購入。本屋で立ち読みして読みやすいと感じたし、Amazonなどの評価が高かったので決めました。内容は項目ごとに簡潔に説明しており、文字数も多くなくごちゃごちゃしてないから、読み進みやすかったです。

     このテキストを1ヶ月かけてとりあえず1巡読み、よく出る仕訳や効率の良い解き方等要点だけをノートに書き出しました。あとの1ヶ月は過去問を解く時の辞書的役割で使用しました。

    問題集について

     TACの「合格するための過去問題集日商簿記2級」を購入。過去問題10回分ある上に、過去の出題傾向や予想問題、よく出る問題の効率良い解き方を記載しており、問題文を見ただけで「あ、これはあの解き方で解ける!」と言う瞬発力をつけることができました。

     また、問題の解説も詳しく読みやすい。これも本屋でいろいろな過去問題集を見た中で、TACが一番ごちゃごちゃ書いておらず読みやすかったため、これに決めました。

    勉強の仕方

     とにかく時間が2ヶ月と限られていたので、焦らずも効率良くを目指しました。初めの1ヶ月はテキストを読み、要点だけをノートに書き出し、意味を深く考えず仕訳の形・計算の公式を丸暗記するようにしました。

    要点まとめノート1
    要点まとめノート1
    要点まとめノート2
    要点まとめノート2
    要点まとめノート3
    要点まとめノート3
    要点まとめノート4
    要点まとめノート4

     そして、残りの1ヶ月はとにかく過去問題を解きまくりました。朝・晩と2時間ずつ、特に時間は計らずランダムに過去問を解くようにし、問題文や傾向に目や頭を慣れさせました。

     もちろん、初めは全然問題が解けないので焦りますが、4~5回分解くと「あっ、また同じような問題が出てきた。」とちょっと安心し始めます。それでももちろん解けませんが、その時にはテキストを見て、解き方を思い出しながら問題と向き合います。

     残りの半月は1回ごとの過去問を試験時間2時間を計りながら解きました。残りの1ヶ月で過去問10回分を3巡しました。これだけすると、問題を見ただけで「あの解き方だ」「あの公式だ。」という瞬発力がつくかと思います。

     過去問を解く以外の時間は、仕訳の中でもよく間違う問題を何度も反芻して、いざと言う時に備えてました。

    過去問解答時の下書きノート
    過去問解答時の下書きノート

    試験日の1日の流れ

    • 試験開始まで

     朝は7時に起床し、午後の試験に備えてぱっちりと目も頭も起こして起きました。軽く何題か過去問を解き、苦手の仕訳だけを最終チェックしました。試験会場にも1時間前くらいに到着し、問題集やテキストを最終チェックしました。

     私の左側は一般社会人の席で、右側は商業高校の生徒の席でした。やはり社会人のほうが落ち着いていて、先に到着して問題集など最終チェックをしていました。もう片方の生徒さん達はぎりぎりに着席し、一見余裕あるおしゃべりに興じていました。

    • 試験開始!

     131回の試験では第1問・仕訳で私の苦手な問題が出ていたので、「やっぱりきた!」と思い、反芻していて良かったと思いました。第2問では小口現金が出るなどして、3級の流れも有り焦りましたが、とにかく諦めず解くことに集中しました。仕訳を丁寧に書き出していると段々気持ちが落ち着いてきたし、計算は合っていたのでここでやっと落ち着きました。

     第3問は消耗品費がちょっとひっかけでしたが、他は計算は合っていたので、部分点狙いでとにかく全コマ埋めることを心がけました。第4問・第5問は過去問を解き慣れていたら簡単に解ける問題でした。工業簿記に関しては過去問の反芻で十分な対策が取れると思いました。

    試験を振り返って

     第1問の仕訳には私の苦手な問題が出ており、一瞬ドキっとして鉛筆が止まりましたが、隣の高校生達も完全に鉛筆が止まっており、その後も電卓の音もほとんど聞こえませんでした。多分、同じ問題に遭遇してフリーズしてたんだと思います。

     その後も、高校生達の筆音や電卓の音はかすかにしか聞こえておらず、解けていないんだなあという感じが伝わりました。私は苦手問題も事前にチェックしていたので解いてとにかく筆を進めました。

     社会人の方々はさすがに実践慣れしているので、最後まで筆も電卓も止まらず解けている様子でした。しかし、試験開始から30分が経過すると3~4人が一気に試合放棄で席を立ち退出していたので、出来る人・出来ない人が顕著に出たと思います。

    最後に

     3級の試験は過去問を解いて受かりましたが、2級はそれだけではなく、効率の良い解き方を分析・習得しながら勉強した方が良いと思いました。

     あとは最後まで諦めずに解くこと。本試験では解いているうちにだんだん落ち着いてくるので、普段から解答時間ギリギリまで粘る練習をしておくと良いと思いました。

    管理人からやどかりさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     以前は安ければ良いと思って、文房具店でメーカー名も気にせず一番安いものを購入して使っていましたが、簿記3級試験を初めて受けた時、自分のキー打ちの遅さにもびっくりしたのですが、電卓の使いにくさに初めて気付きました。

     「まずは道具から…」とよく言いますが、まったくそのとおりだと思い、ネットでいろいろと検索してみたところ簿記検定ナビに行き着き、電卓の種類の多さや機能性の違いもこの時に知りました。

     さっそく、管理人さんおすすめの「SHARP EL-N36」を購入しました。私は楽天で買ったのですが、レビューの評価も高いので「既に買われた方からも実績があるのだなあ」と思いました。

     実際使ってみると、以前の安価なものと違い手が吸い付くようで、キーを見なくても自然に数字を打てている実用性を感じました。また、キー打点の反発も柔らかで「バチっ!バチっ!」と周囲の人にも耳障りな音がしなく、試験中にも適応できるなと思いました。今は仕事でもこの電卓を使っています。

     やどかりさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     以前、東京に住んでいた時に職場の方が「もしまた東京に戻ってくるなら資格を持っていた方がいいよ。」と助言くださいました。私はどんな職場にも適応してきた実績・自信はありますが、やはり一番初めの面接では資格が生きてくると思います。

     自分が今後やりたい仕事が出来た時、やはり資格は自分をアピールする最大の武器になると思います。しかも、その資格の合格率が低ければ低いほど、自分が一生懸命頑張ってきた、もちろん御社に入ってもそれくらい頑張りますよ、というアピールにもなると思います。

     今回は休職中だったので、3ヶ月は家でだらだらできるんだけど、それなら一発気合入れてド短期で2級を取ってやろう!と燃えました。とにかく勉強しまくって「これで落ちたら私、頭悪いかも。」って言うくらいのプレッシャーを自分自身にかけていました。

     これを機に1級を受けるつもりはありませんが、ファイナンシャルプランナーなどの試験は受けみたいと思います。

    管理人コメント

     やどかりさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     電卓については、やどかりさんのおっしゃる通り、1,000円以下の安いモノと数千円するきちんとしたモノでは使用感が全く違いますので、最初からきちんとしたモノを用意することをオススメします。

     具体的な機種については…CANONなら「HS-1220TUG」(簿記検定ナビでは一番人気です)、SHARPなら「EL-N36-X」(やどかりさんが購入されたものです)、CASIOなら「JS-20WK」が簿記受験生に人気があります。

     簿記検定ナビでも管理人おすすめの電卓ページで詳細を紹介しているので、興味のある方は一度チェックしてください。

     また、まとめノートについては、作っても作らなくてもどちらでも構いませんが、作るのであれば、やどかりさんのように要点だけを簡潔にまとめて、後から簡単に見返すことが出来るようにしておくと良いと思います。

    やどかりさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第131回日商簿記検定 簿記1級 合格体験記 No.7

    理論よりも計算重視!インプットよりもアウトプット重視!!

    • 投稿者:hrkさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約7か月(2011年11月~2012年6月)
    • 勉強時間:約400時間(平日1時間、休日5時間)

    受験のきっかけ

     私の簿記との出会いは大学卒業後、新入社員として入社したときです。当時は簿記の「ぼ」の字も知らず、仕訳?帳簿?何それ?状態だったのですが、配属された部門が管理会計を担っていたため、ほぼ必然的に日商簿記にチャレンジすることとなりました。

     約1年間会計について勉強し、その過程で日商3級と日商2級に合格することができました。その後、部門の異動があってしばらく簿記から離れていたのですが、再び異動で管理会計を担当することとなったため、一念発起して日商1級へのチャレンジを決意しました。

    教材と勉強スタイル

    • 合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学(1)
    • 合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学(2)
    • 合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学(3)
    • 合格テキスト 日商簿記1級 工業簿記・原価計算(1)
    • 合格テキスト 日商簿記1級 工業簿記・原価計算(2)
    • 合格テキスト 日商簿記1級 工業簿記・原価計算(3)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記1級
    • 合格するための厳選問題集 日商簿記1級
    • 第131回をあてるTAC直前予想 日商簿記1級
    • 日商簿記1級商業簿記・会計学 計算と仕訳マスター
    • 会計学理論マスター 日商簿記1級・全経上級対策
    • 電卓:CASIO JF-120GT

     私は独学で簿記を勉強しました。独学以外に通学や通信という選択肢もありますが、私は人の話を聞いて理解することが苦手で、どちらかというと文章を読んで理解するほうが得意なことから、自分のペースで勉強を進められる独学が向いていると判断しました。

     勉強時間は、平日が1時間くらい、休日が5時間くらいです。会社勤めをしているため、休日に集中して勉強し、平日は隙間時間を利用して復習に努めました。少なめの勉強時間ですが、会社での仕事内容が管理会計担当であるため、仕事と勉強が多少リンクしていることが効いたのだと思います。

     独学するに当たって重要なのは教材選びです。予備校各社が市販している書籍を書店で読み比べてみたところ、TACの『合格テキスト』が最も詳しく計算過程を解説していました。これなら、疑問点を講師に質問することのできない独学でも大丈夫と思い、教材はTACでそろえることにしました。TACの書籍はTAC出版書籍販売サイトで会員登録して購入すると10%OFFとなるため、そちらで購入しました。

     電卓はカシオのJF-120GTを使用しました。会社でもこの電卓を使っており、操作に慣れているからです。他の電卓を使ったことがないので比較はできませんが、打鍵感や携帯性において特に問題ないと感じました。

     ただ、この機種はACキーの直下にゼロキーが配置されています。ゼロキーを押すつもりがうっかりACキーを押してしまってオールクリア…なんて悲劇が起こりかねないので、電卓を選ぶ際はACキーの位置に留意すべきだと思います。

    勉強の流れ

    インプット期:試験日の7か月前~5か月前(2011年11月~2012年1月)

     この時期は『合格テキスト』を使って集中的にインプットを行いました。休日1日につき3~4論点ずつテキストを読み込んで学習を進め、平日にテキストの読み直しや設例の解き直しを行いました。テキストは、通読という意味では1回転しかさせていません。その代わり、平日の復習(読み直し・解き直し)を必ず行うことで、記憶の定着に努めました。

     なお、私はいわゆる間違いノートの類は一切作成していません。重要ポイントや間違えた問題にはマーカーや付箋などで印を付け、繰り返し目を通すようにしました。

     既述のとおり、私は文章を読んで理解することが得意である一方、人の話を聞いて理解したり、内容を書き出してまとめたりすることが苦手なため、間違いノートを作ろうとするとかえって勉強の効率が悪くなってしまうからです。

     学習範囲の広い日商1級の論点を効率よくインプットするには、自分にとって最も得意な勉強法(私にとっては、ノートを作らずテキストを読み込むこと)を見つけて、根気よくそれを続けることが大切だと思います。

    アウトプット期:試験日の4か月前~2か月前(2012年2月~2012年4月)

     インプットを終えた後はひたすらアウトプットに努めることが肝要です。この時期は、休日に『過去問題集』と『厳選問題集』で過去問と予想問題の演習を行い、平日に『計算と仕訳マスター』で各論点の計算問題と仕訳の確認に努めました。

     『過去問題集』は第120回~129回(7回分)を2回ずつ、『厳選問題集』は全6回を2回ずつ解きました。二巡目は1か月ほど時間を空けてから解くとよいです。すぐに二巡目に突入すると、一巡目で問題を覚えてしまっているため、繰り返し問題を解く効果が薄れるからです。

     なお、本試験特有の難解な言い回しやわかりにくい資料の読取りに慣れておくためにも、時間の許す限り多くの過去問を解いておくべきだと思います。

     また、問題演習の過程で、理解していたはずの論点の問題が解けないことも多々ありました。こういうとき、仕訳さえ思い浮かべば何とか正答するきっかけをつかめることが多かったように思います。やはり、簿記の学習においては仕訳が重要なので、仕訳の復習を怠らないようにすべきです。

    直前期:試験日の1か月前~前日(2012年5月~6月)

     『直前予想』の予想問題全4回を二巡させました。この問題は過去問よりは易しく作ってあると思われますが、この時点で安定的に80点以上得点することができていました。

     なお、この『直前予想』には理論対策用に理論暗記カードが付いています。それまで理論がどうも苦手で、重要ポイントもよくわかっておらず、そもそもろくに勉強もしていませんでした。

     正直に言うと、アウトプット期に過去問を解く過程で、計算問題に対する理論問題の割合の低いことが判明したため、理論の勉強については『合格テキスト』でさらっと勉強するくらいで十分ではないかと感じていたくらいです。

     ただ、さすがにそれだけでは不安が残ってしまうため、理論暗記カードに載っている問題や条文を確認し、さらに『理論マスター』で会計基準にざっと目を通しました。あくまでざっとです。日商1級は計算問題が中心であるため、理論の勉強にそこまで力を入れる必要はなく、計算問題対策を優先すべきだと思います。

    試験結果

    • 商業簿記:21点
    • 会計学 :23点
    • 工業簿記:24点
    • 原価計算:25点
    • 合計  :93点

    教材の感想

    • よくわかる簿記シリーズ 合格テキスト(おすすめ度 ★★★)

     計算過程などの解説が詳しく、十分に独学に耐えると思います。発展的な論点は「研究」として区別されているので、学習の優先順位もつけやすいです。『合格テキスト』の設例を完答できる程度に勉強すれば、基礎力は十分につくと思います。

    • 合格するための過去問題集 日商簿記1級(おすすめ度 ★★☆)

     直近14回分の過去問が載っています。TAC出版書籍販売サイトで答案用紙をダウンロードできるため、何度も繰り返し解くことができます(以下の問題集も同様)。解説も詳しいです。

    • 合格するための厳選問題集 日商簿記1級(おすすめ度 ★★☆)

     本試験形式の問題が6回分載っています。様々な論点から構成される総合問題をたくさん解くことができます。難度は過去問と同程度かやや低いくらいでしょうか。過去問ほどくせがないため、総合問題演習にはもってこいだと思います。

    • 第131回をあてるTAC直前予想 日商簿記1級(おすすめ度 ★★★)

     本試験形式の予想問題が4回分載っています。難度は過去問より低いと感じました。この教材は、問題演習のためよりむしろ理論暗記カードのために購入しました。理論暗記カードには重要と思われる理論問題や基準が載っており、最低限の理論の勉強になると思います。

     このカードは、分厚いですが名刺サイズで持ち歩きやすいため、常に携帯して隙間時間に勉強していました。本試験当日も持参し、直前まで確認を行いました。

    • 日商簿記1級商業簿記・会計学 計算と仕訳マスター(おすすめ度 ★★★)

     各論点の仕訳や計算過程がコンパクトにまとめられています。B6サイズで持ち歩きやすいため、「あれ?あの論点どうやって解くんだったかな?」という疑問もすぐに解決できます。

     しっかり復習したいときは『合格テキスト』、隙間時間に軽く復習したいときは『計算と仕訳マスター』というふうに使い分けると便利です。本試験当日も持参し、直前確認に役立ちました。

    • 会計学理論マスター 日商簿記1級・全経上級対策(おすすめ度 ★☆☆)

     日商1級・全経上級の理論問題の過去問と会計基準が載っています(原価計算基準は未掲載)。ただ、基準自体は『合格テキスト』にも載っていますし、問題演習も『過去問題集』や『TAC直前予想』の理論暗記カードで行えるため、この教材については特に必要性を感じませんでした。

    勉強のポイント・本試験を受けて気づいたこと

    安定した学習ペースを守る

     私は平日1時間、休日5時間のペースで勉強しましたが、インプット期から直前期までこのペースを変えませんでした。会社勤めをしているため、直前期だからといって追込みをかけられるとは限らないからです。一夜漬けや追込みに賭けるよりも、安定した学習ペースを守ることで勉強の習慣を身につけたほうが効率的だと思います。

    理論問題よりも計算問題対策を優先

     既述のとおり、理論の勉強にはあまり力を入れず、計算問題や仕訳に時間を費やしました。理論問題はたとえ解けなくてもその問題のみの誤答で済みますが、計算問題や仕訳を間違えるとその問題のみならず他の問題にも波及するおそれがあるためです。

    個別問題よりも総合問題対策を優先

     私は勉強期間が7か月と比較的短かったことから、あえて論点ごとの個別問題のトレーニングは行わず、総合問題を数多くこなすことでカバーしました。総合問題は個別問題の集合であるため、総合問題を押さえておくと、必然的に優先度の高い論点も押さえることができ、効率よく学習できると思います。

    科目別の学習法

    • 商業簿記

     基礎レベルでよいので、各論点をまんべんなく勉強しておくことが必要です。特に、本支店会計、外貨建財務諸表、連結会計はインプット期にしっかり押さえておかないと、アウトプット期に入ったときに全然問題が解けなくて焦ります。

     世の中も個別財務諸表でなく連結財務諸表を重視するようになっていますし、在外支店や在外子会社を設立する事例も増えていますから、これらの論点は必ずマスターしておく必要があろうかと思います。

    • 会計学

     既述のとおり、理論問題にはそこまで力を入れなくてもよいです。ただし、計算問題は割と突っ込んだ問題が出題されることがあり、侮れません。どの論点が出題されるか予測がつかないので、過去問や予想問題をなるべくたくさん解いて、各論点の底上げを図っておくことが肝要です。

    • 工業簿記

     テキストと過去問・本試験との間で最も難度に差があると感じました。過去問・本試験もよくよく見れば基礎レベル問題の寄せ集めではあるのですが、資料の読取りに工夫を凝らしている問題が多く、慣れるまでは点数が安定しません。

     テキストレベルの問題をしっかり押さえた後は、過去問を中心に問題演習をするとよいです。原価計算基準からも出題されることがありますが、理論暗記カードでざっと押さえておく程度でよいでしょう。

    • 原価計算

     差額原価収益分析や線形計画など、テキストに載っている問題が割と過去問・本試験に近いレベルにあると感じました。ただ、会話問題など読解力を要求される問題がよく出題されるため、これも過去問中心の学習が奏功します。

    時間配分を意識した学習が重要

     「試験日の流れ」でも書いたように、工業簿記の一巡目で時間を浪費してしまいました。普段の問題演習時から、まずざっと問題を一読して難度を確認し、時間配分を考えてから解き始めることが重要だと感じました。このとき、必ず見直しの時間も確保するよう考慮してください。本試験では、見直しによる1点、2点のアップが合否を分けることもあります。

    見直しのポイント

     本試験時に意識すべき見直しポイントは以下のとおりです。普段の問題演習時から意識しておくとよいです。

    1. 選択問題で、語群にある語句どおりに回答しているか(→必ずしも自分が覚えた言葉どおりに語群に記載されているとは限らない。)
    2. 小数点や有効数字の処理を誤っていないか(→問題文の指示の有無を確認。自分で勝手に判断していないか。)
    3. 単位は問題文の指示どおりか(→円?千円?個数?時間?金額?)

    騒音対策

     「試験日の流れ」でも書いたように、試験中に部活動による物音が聞こえてきました。問題を解くのにそれほど支障はありませんでしたが、普段から多少ざわついた場所で問題を解く練習をしておくと、よいリハーサルとなるかもしれません。

     私は集中するためによく耳栓をして勉強していたのですが、あまりに本試験とかけ離れた環境に慣れてしまうのはよくなかったかなと思います。

    試験日1日の流れ

    • 7:00 起床

     目覚めて頭がはっきりするまで2時間はかかると思い、試験開始時刻の2時間前に起床しました。普段は朝食後にコーヒーを飲むのですが、トイレが近くなるのでこの日は控えました。

    • 8:30 会場到着

     試験会場は商業高校でした。教室で受験することになるのですが、自宅で勉強していた環境よりもかなり机が小さかったので、席に着いてしばらくは試験用紙、答案用紙、電卓のレイアウトを考えていました。

     その後はリラックスして過ごすことにし、念のためトイレに行ったり、暇つぶしに廊下を歩いたりしていました。もうできることはすべてやったという心境だったので、教材は『計算と仕訳マスター』と理論暗記カードのみを持参し、仕訳や会計基準の確認を行いました。

    • 試験開始!(商業簿記・会計学)

     問題をざっと一読したところ、商業簿記、会計学ともに何とかなりそうだったため、商業簿記の第一問から順番に解くことにしました。時間配分は、商業簿記が50分、会計学が20分程度だったと思います。20分ほど時間が余ったため、見直しに費やしました。なお、商業高校での受験だったため、部活動による物音が聞こえてきて、多少気に障る状況でした。

    • 休憩

     試験前と同じく、リラックスすることに努めました。最低限の復習として、理論暗記カードで原価計算基準の確認のみ行いました。

    • 試験開始!(工業簿記・原価計算)

     ざっと問題を見渡したところ、工業簿記が何だかややこしそう、原価計算は何とかなりそうという印象でした。案の定、工業簿記で手詰まりになりました。このまま考えていても仕方ないと思い、原価計算を解いてから工業簿記を再度解くことにしました。時間配分は、工業簿記一巡目が30分、原価計算が30分、工業簿記二巡目が20分、見直しが10分程度でした。

     工業簿記の一巡目で無駄に時間を使ってしまったため、時間の余裕はほとんどありませんでしたが、原価計算をきちんと解いたうえで再度工業簿記に挑んだため、二巡目は落ち着いて解くことができました。

    管理人コメント

     hrkさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!教材や勉強方法についてかなり詳しく書いていただきましたので、1級受験生だけでなく、これから1級の勉強を始めようと思っている人にもぜひ読んでいただきたいです。

     それでは早速、中身を見ていきますが、まず見習っていただきたいのはインプットよりもアウトプットを重視するという点です。

     日商簿記検定1級は様々な切り口で出題されますので、過去問や予想問題を使ってアウトプットを何度も繰り返し、本試験特有の難解な言い回しやわかりにくい資料の読取りに慣れておく必要があります。

     あとは、安定した学習スペースを守るという点もぜひ見習ってください。慣れるまでは大変ですが、慣れてしまえば逆に大きなアドバンテージになります。簿記はスポーツと形容されることがよくありますが、毎日コツコツやることが上達(合格)への近道になります。

     最後に、「見直しのポイント」に書いていただいた3つのポイントはとても重要です。総合問題を解く際にこういう意識を持っている人と、持っていない人では「ひっかけ」にひっかかる確率が全然違います。過去問や予想問題を使って、常にチェックするクセを付けておいてください。

    hrkさんが使われた教材や電卓のまとめ