投稿者: 田口泰久@簿記検定ナビ

  • 第123回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.17

    簿記の仕訳は基本的なルールを理解すれば怖くない!

    • 投稿者:かりかりくぽさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    日商簿記検定の勉強を始めたきっかけ

     仕事で必要になったので取る事になりました。いろんな意味でコケンに関わる状況だったので1発で合格しないと…wなお、以下内容は私の「個人的な感想」です。万が一があっても責任は持ちませんw

    テキスト選びについて

     完全な素人状態でしたので、仕分けなどの基礎から覚えることが出来るテキストを買いました。仕訳で既にパニックになりましたが…自分なりに強引に覚えました。伝票や補助帳も覚えることがいっぱい、合計試算表とかになってくるともう…

    仕訳で苦戦している方へ

    1. 仕入と売上の記入場所を覚えましょう。「仕」という字は左ににんべんがありますね。だから仕入は左の借方に記入します。「上」という字は右に棒を書きますよね?だから売上は右の貸方に記入します。
    2. 仕入はお金を払いますね。どんな種類のお金で払いますか?現金ですか?買掛金ですか?左には既に「仕入」と記入されているので右に「買掛金」というふうに記入します。
    3. 売上はお金を貰いますね。どんな種類のお金で貰いますか?受取手形ですか?為替手形ですか?右には既に「売上」と記入されているので左に「受取手形」というふうに記入します。

     つまりAの為にお金を払ったらAを左に記入、払ったお金の種類を右に記入。Bの為にお金を貰ったらBを右に記入、貰ったお金の種類を左に記入すればたいがいは正解できます。…ただしこの方法だとあれ?って内容が普通にありますので注意してください。

    その他問題集っぽいもの

     とりあえず「10日で合格!日商簿記3級問題集(学研)」ははずれテキストと感じました。↓の成美堂の様な模試に時間を割いたほうがいいかも。「本試験型日照簿記検定3級試験問題集(成美堂出版)」はかなりいいテキストです。ただし、期中取引などを元に合計試算表を書く問題では、解答に一部分しか仕訳内容が書いてありません。

     自分で合計して答えと合わない場合、自分で仕訳のミスを見つけなければなりません!また、補助帳への記入問題や文章問題は量が少ない(実際の試験でもあまりでないから?)ので注意です。

    模試や予想問題テキストで気にかけること

     過去問を買ったら状況は違うかもしれませんが「試験で出ない内容」を普通に解かせる模試があります!もうれつに無駄な労力なので、そういった内容が入っているテキストははずれテキストかもしれません。

    1. 例:貸借対照表や損益計算書を書かせる問題で、勘定科目を「全て」書きなさい…とか。「全て」書かせる問題は出ません。「一部」を書かせる、しかも決まりきったパターンの場所しか空欄になりません。
    2. 例:伝票問題で、勘定科目と金額「以外」の内容まで書かせる問題。伝票問題は与えられた伝票に勘定科目と金額を書く「だけ」しかでません。

    精算表とかの注意点

     過去問や予想問題などでどの項目が「空欄」になるか体験してください。たいしてパターンはありません。また、「未払」「前払」科目は全て貸借対照表への転記ですので何も考えずうのみで…。

    科目が貸借対照表なのか損益計算書なのか忘れたら…

    1. 試算表において「売上」科目から「合計額」の1つ上の科目までは損益計算書です。売上=損益と暗記してください。「売上」より1つ上から最上段「現金」までの科目は全て貸借対照表です。
    2. 例えば消耗品費がどっちか忘れたら…セットとなる消耗品を探してください。そして消耗品が貸借対照表なのか損益計算書なのかを見てください。貸借対照表への転記だとわかるはずです。ということは消耗品費は損益計算書に書けばいい!って訳です。

     文章だとなかなか分かりにくいですね。あとは損益計算書とかで左右どっちに記入するか、横の計算で「+」と「-」を間違えていないかというところでしょうか…

    その他注意点

     会場によっては時計が無いそうです!私の会場はありましたが置き場所が「横」で見ることが出来ない状態w腕時計を持っていきましょう。寒い時期は手がかじかんで電卓が…早めに会場に行って温度になれる+カイロとかで手をあっためましょう。

     また、当然ですが直前に録音室(音入れ…おといれ…おトイレ!)に行きましょう。電卓について…諸説ありますが、私が商工会にきいたところ「これといって制限はありません」だそうです。CASIO D-250を実際に使いましたが何も言われませんでした。こいつは100ステップまで入力過程をチェックできて、間違っていたら訂正とかまで出来るので(多分)圧倒的に便利です。

    試験直前期の勉強方法について

     ひたすら「本試験型日照簿記検定3級試験問題集(成美堂出版)」をやりました。といっても残り時間が1~2週間とかいうなかで慌てふためいていたので他の本をやる余裕が無かっただけですが…

    合格して思ったこと

     仕訳を覚えましょう。これを覚えないと何も出来ません。模試のテキスト選びは重要。とにかく、覚えなくていい所と覚えないといけない所を見つけましょう。試験問題ではほとんど3/31が決算日です。未払金の計算で何ヶ月経過しているか間違えないように。

    試験日当日の1日の流れ

     当日は早めに起きて精神的な余裕を保ちました。なおコーヒーを飲むと稀に胃に違和感がでたりするので飲みませんでした。その他とにかく違和感を作ってしまう要素は全てさけて会場へ!会場1階でなにやらイベントをやっていてドンチャン騒ぎ…3階の部屋でしたが普通にうるさくて泣きそうになりました。直前まで成美堂のテキストで復習するも集中できず…まあしばらくしたらイベントが終ったので助かりましたが

     第2問の当座預金出納帳でぷち苦戦。さらに第4問の伝票…ややこしい問題が…ここで超パニック状態。第5問の精算表も残高試算表の左右が合わずにお祭り騒ぎ状態w時間が掛かると考え後回しした第3問の残高試算表…これまた左右あわなーい! というひっちゃかめっちゃかな状態でした。

     と・に・か・く・落ち着いて見直し…そうしたら間違いに気付き、左右あうようになりました…; あれよあれよと2時間は経過。まったく時間に余裕はありませんでした。で、合格発表の後に解答速報を見ましたが…どうして合格したのか分からないくらい間違いがありました!おそらくはギリギリ70点だったのでしょう;;

    管理人からかりかりくぽさんへ追加の質問

     かりかりくぽさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意論点は仕訳と精算表関係、試算表、伝票くらいです。一方、苦手論点は文章問題、為替手形と裏書譲渡の違いとかです。

    克服方法は文章問題は出題されたらほぼ、捨てゲー(あきらめw)状態でした。克服できていません。為替手形とか鵜呑み!丸暗記!試験中「えーと、ああなってこうだからこいつの仕訳はこうだ」なんて時間がないので原理は理解せず、記憶せず、答えだけ丸暗記…

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     日数的には1ヶ月半でしたが仕事しながらーだったので恐ろしいぐらい時間が取れなかった点が…大変でした。「~しながら」勉強される場合、2ヶ月以上の期間は予定したほうが良いです。
     今後は簿記3級をどのように活かすつもりでしょうか?
     今後の仕事で活きてくる、と思います。

    管理人コメント

     かりかりくぽさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!かなり割り切って学習されていたようで、その結果が1か月半という短期間での合格につながったと思いますので、勉強になかなか時間を割くことが出来ないという方や、短期間で合格を狙う方には参考になる部分がたくさんあると思います。

     なお、「「売上」より1つ上から最上段「現金」までの科目は全て貸借対照表です」という記述がありましたが、貸方に関する記述ですので、おそらく「現金」勘定ではなく負債科目の勘定がくるはずです。ご注意ください。

     あと1点、ご注意いただきたい点として「私が商工会にきいたところ「これといって制限はありません」だそうです」という一文です。商工会議所の公式サイトには「計算機は電卓(関数電卓・プログラム機能は除く)またはそろばんで、プリンター内蔵、メロディー音の出るもの、携帯コンピュータ(電子手帳を含む)、携帯電話などは使用できません」とはっきり書かれています。

     電卓ならなんでもいいんだ…と思って上記の規定に反する電卓を持ち込んで、試験直前になって「その電卓は使えません」と言われるとかなりテンぱってしまうと思いますので、上記の規定に反する電卓は使わないようにしてください(商工会議所主催の検定は、試験官によって許容範囲が大きく異なります)

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたかりかりくぽさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    かりかりくぽさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 問題集1:10日で合格!日商簿記3級問題集(学研)
    • 問題集2:本試験型・日商簿記検定3級試験問題集(成美堂出版)
    • 電卓:CASIO D-250
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第123回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.16

    細切れの時間を有効活用!ママさん受験生の合格バイブル

    • 投稿者:マコさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    テキスト選び

     勉強方法についてはまず、時間を作ることが難しいので…というのも、今年の6月末に第2子を出産しまとまった時間が作れないので、空いた時間でテキストを読む所から始めました。使用したテキストは下記の2冊だけです。

    • 日商3級簿記最短集中ゼミ 浜田勝善
    • 日商3級簿記精選問題集 浜田勝善

     テキストはわかりやすく私に合っていたのだと思います。解答用紙が印刷できるところが気に入っています。あと、読んでも分からない部分はテキストに「ややこしくなってきましたね。」等こちらの気持ちをくみ取ったかの様に書かれていたので変に安心して勉強できました。

    勉強方法について

     自分自身よかったと思える勉強方法は一度読んで意味がわからない場合、そのまま進むのではなく次の日などにもう一度読んでみると案外分かったりすることが多かったです。一気に詰め込むと訳がわからなくなるので、一度頭を整理する時間を作る!これは大切だと思います。

     それとやはり簿記は仕訳が重要だと思いました。試験が近付くほど仕訳の重要さが分かってきたので簿記検定ナビで載せていただいている仕訳を全てやり、間違ったところは次の日にまたやる…というのを繰り返しました。解説がとても分かり易く、為替手形が全くわからなかったのがかなり(完全ではないですが。。。)わかるようになりました。本当に感謝しています。

    勉強時間とちょっとしたアドバイス

     勉強時間は試験1カ月前は、ほぼ毎日2時間はしてたと思いますが、毎日少しでも目を通すことが重要だと思います。過去問に関しては仕訳以外は一切しませんでした。これから3級を受けられる方にアドバイス出来るとすればしつこいくらい、仕訳されることをおススメします。

    試験日当日の1日の流れ

     7時前に起床しお腹がなると集中出来ないと思いお茶漬けを食べて、8時前に家を出ました。8時半くらいに会場に着きとりあえず、トイレに行って教室に入り周りをキョロキョロ…案外男性が多いのにビックリしながら歩いてる時には女性しか会わなかったので男性の方がこういうときは余裕をもって来るのか~等と勝手に解釈(笑)

     運よく番号が後ろの方だったため私の隣以降の席には人が座らず、後ろの席も来られてないため横・後ろは空席でした。斜め前で女性がやたら電卓打ちまくっていてテスト前に何してるんだろ~?等人間観察しながら、とりあえずペラペラっと伝票の書き方を見たりしてました。周りの雰囲気で全く焦ることはなかったです。

     テストが始まり、時間配分だけは…と思い気にしながら1から順番に解き始めました。仕訳が難しく。。。悪戦苦闘次に問題をみて、4→5→2→3の順番で解きました。横・後ろに人がいないため電卓の音も全く気になることなくいつもは数字が合わない問3・問5が一回で合ったのでニヤリ(笑)時間が足りなくなるのでは。。。?と不安でしたがゆっくり解いたにも関わらず、1時間で終わりました。

     見直しもしながら問題を解いていたのでちょろちょろっと見直しをして試験開始から1時間10分程で出ました。思ったより試験が簡単だったことと、やはり努力した分だけ結果となって返ってきた!!と思い嬉しかったです。

     解答を問題用紙に書き写さなかったので詳細は分かりませんが仕訳を二問間違って、残りはすべて合っていたと思います。100点のつもりで帰って来たので間違ったのがかなり悔しかったです><

    管理人からマコさんへ追加の質問

     今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「Canon HS-1210TU」です。ボタンの大きさ等小さすぎず大きすぎず使いやすいです。また早打ちしても、数字が打ててないということはないです。早打ちのスピードが遅いのかもしれませんが…。そんなに沢山の電卓使用したわけではありませんが、今までで一番使いやすいです。おススメ出来ます^-^
     マコさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は試算表です。苦手な論点は為替手形です。苦手な論点克服には、簿記検定ナビの仕訳問題対策の解説を読ませて頂きひたすら仕訳をし、正解できるようになるまで毎日解きました。
     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     私は全くの初心者から始めた為、意味が分からず苦労することが多々ありましたが、とりあえず分からないところは理由をいちいち考えず丸暗記しました。何度も繰り返し問題を解いていくと自然と理解できるようになります。試験に合格して思ったことは、努力は裏切らないということです。必ず成果となって自分に返ってきます。皆さん、合格目指して頑張って下さい。
     勉強と育児を見事に両立されましたが、特に気をつけていた点などはありますか?
     子供に邪魔されると、どうしてもイライラしてしまうので子供が起きている間は、子供との時間。「子供が寝てから勉強」という風に自分自身で決めてメリハリをつけました。あと、どうしても疲れたなぁ。。。っていうときは勉強しない日もありました。
     育児をしながら勉強をしようと考えている方にアドバイスなどがあれば教えてください。
     どうしても時間を作りにくいので空いた時間を有効利用するしかないと思います。時間はあるものでは作るものだと思いますので、頑張って下さい!コツコツやっていけば必ず合格できます(v^∀^v)
     今後は簿記3級をどのように活かすつもりでしょうか?
     4月から就職したいと思ってまして、求人をみると簿記の資格が求められている事が多く
    それで取ろうと思いました。小さい子供が2人いるという事で、すでにハンデになってしまうと思うので自分を磨くしかないと…。次は2級に挑戦します!

    管理人コメント

     マコさん、素敵な合格体験記をありがとうございました。

     マコさんの勉強方法として特徴的なのは、簿記検定ナビが無料で配布している仕訳問題対策を有効活用されている点です。日商簿記検定3級の第1問で出題される仕訳問題は、過去問の類似問題が何回も繰り返し出題される傾向にありますので、過去問対策を万全にしておく必要があります。

     仕訳問題対策は、簿記検定ナビが過去問を独自にアレンジして作成されたオリジナルコンテンツで、ネット環境のないところでも使えるようにPDFファイル形式で配布していますので、プリントアウトすればいつでもどこでも仕訳問題を解くことが可能となります。例えば、通勤・通学時の細切れの時間を有効活用するためにも使えますし、集中的に仕訳問題を解く際の補助教材としてもお使いいただけると思います。

     また育児と簿記の勉強を上手に両立されていますが、特に「時間にメリハリをつける」「細切れの時間を有効活用する」という点は、ママさん受験生の方にはぜひ参考にしていただきたいポイントです。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたマコさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    マコさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • テキスト:日商3級簿記最短集中ゼミ 浜田勝善
    • 問題集:日商3級簿記精選問題集 浜田勝善
    • 電卓:Canon HS-1210TU
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.15

    必ずしもテキストは必要でない!取捨選択できる眼力を養おう!

    • 投稿者:yamato8さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

     貴サイトにはお世話になりましたので、2級の合格体験記を書かせていただきます。参考にしていただければ幸いです。

    テキスト無しで勉強を開始

     私は3級の受験経験がなく、今回もいわゆる基本書は使用していません。簿記の知識が多少あったのと、インターネットで探せば、簿記、原価計算の基礎を解説しているサイトがたくさんあるので、それを見て基本を押さえました。大学の先生が公開している授業のレジュメも便利な教材です。

     9月の5連休の初日に書店に行って、大学受験のときの「〇〇の実況中継」のような参考書がないものかと探したところ、「日商簿記2級問題演習(TAC出版 滝澤ななみ著)」を発見し迷わず購入。5連休はほとんどどこにも出かけず、この本で勉強しました。今回の合格は本当にこの本のおかげです。第1問対策から第5問対策まですべてが素晴らしいのですが、とくに、第1問対策で、一連の取引の流れをすべて仕訳させて理解させる「フィードバック問題」が良いと思います。

    過去問を解く際に気をつけたこと

     過去問演習は「出題パターンでマスター過去問題集(TAC出版)」を使いました。目に優しい色使い、シンプルな構成などが気に入って選びました。問題量は本試験の10回分くらいですが、直近の過去問を10セットこなすよりも、幅広く出題パターンをおさえられて良かったと思います。

     平日は仕事で疲れていて勉強する気になれなかったので、土日に集中して過去問をこなしました。必ず時間を計って記録し、完答できた問題でももう1回取り組んで、時間の節約ができたか検証しました。(私はサッカーが好きで、いつもテレビのサッカー中継をチラチラ見ながら勉強してました。前半で第4・5問、ハーフタイムに第2問、後半に第3問を解くのがいつもの流れでした。)

    仕訳問題対策と大原の予想問題を利用

     簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策(3級)をプリントアウトして仕訳の過去問対策に利用しました。2級の第3問では、3級の復習のような仕訳が必ず出題されるため、3級の勉強をせずに2級の過去問だけやっているとここで足を掬われることに気がついたからです。

     これ以外では、本番の1週間前に大原簿記学校の予想問題をダウンロードして、2時間計って解きました。この予想問題は、今回の第3問にかなり有効だったと思います。

    試験日当日の1日の流れ

     試験会場は、家から歩いて10分の高校なので、たっぷり寝て昼食をとってから余裕を持って到着。第1問と第3問の過去問をコピーして裏に正解の仕訳を書いた自作カードで最後の復習。(問題文を見れば反射的に答えが思い出せるくらい繰り返したので、似た問題が出れば何も考えずに仕訳できた)

     試験開始。第1問は下から順に簡単そうに見えたので逆順に回答。工簿へ標準原価計算も直接原価計算も出題されずにがっくり。工簿は序盤の計算ミスが怖いので、慎重に計算を繰り返してたら結構時間を取ってしまい、65分を残して第2・3問へ。

     第2問は「絶対解ける問題演習」にあった、問題用紙の伝票の横に「現金|」「|現金」「仕入|」「|売上」と書きこむテクニックを使って見やすくしてから回答。ひたすら数字を拾い上げるだけのつまらない問題だけど今日までの我慢と言い聞かせる。

     そして第3問。未達商品の12,000円 に「(振替価格)」と付記してなかったので、過去問にあった通り、内部利益を加算して14,400円に。表中の「?」も推定でき、貸借もぴったり合ったので、合格を確信して帰宅。

     TACの解答速報を見る。第2問で売上が5,000円ずれたせいで6失点。ここは見直しをするやる気もなかったので問題なし。問題は第3問が全然合ってないこと。減価償却費、前払費用などの他と連携していない数値は合ってるので、例の14,400円が原因ではないかと、全部12,000円にして計算し直したら合っていたので、大勘違いに気付く。結局これのせいで10失点。

     合格通知に記載されていた問題別の得点が、TACの解答速報での自己採点と一致してしました。ですので、TACの問題集に書かれている予想配点は信頼性があり、試験の作戦を考えるうえで参考になると思います。

    管理人からyamato8さんへ追加の質問

     今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     Canon HS-1210TUです。打ちやすく、画面も見やすく、検定にも仕事にも最適の電卓です。これを使い始めてからは、これ以外は使う気になれません。
     yamato8さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、減価償却、社債償還、標準原価計算など、覚えることが少なく、数直線やグラフを書いて考えて解ける問題です。

     苦手なのは、第2問の伝票問題で、ただ集計するだけでつまらないので勉強する気になれず、本番でも嫌々やったのでやはりミスをしました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     簿記2級は、「絶対解ける問題演習(滝澤ななみ著)」で問題を解く道筋を理解し、過去問集で演習すれば必ず合格できます。

     アドバイスするとしたら以下の3点くらいです。

    過去問を解くときは、解答用紙だけなく問題用紙もコピーして書き込みすべき
    ②工業簿記で仕訳問題が出たら、すぐに問1から回答せずに、全体の流れを計算してから回答すべき。
    ③できなかった問題の解説を読んだら、必ずその場で自力で解くべき(それでも解けないことも多い)

     自作カードを作られたとのことですが、画像を見せていただくことは出来ませんか?
     申し訳ありません。試験終了とともに捨ててしまったので、お見せすることはできませんが、簡単なものです。過去問集の仕訳問題(第3問も)をコピーし、1問分ずつ切り取ってカードにし、裏に正解を書きこみました。

     印象の悪い問題は50回くらい繰り返したおかげで、試験前日までには、カードを見なくても問題と答えが頭に浮かぶようになったので、第1問の最初の2題は、理屈を考えずに過去問と答えを思い出すだけで正解できました。

     もし、試験本番で参考書を開いて見ながら回答できたら楽勝ですよね。しかし、それはできませんので、頭の中で本が開けるように準備すればいいのです。

     今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
     資格自体が活かせる機会はないと思いますが、簿記を勉強したおかげで、決算書などの用語が理解できるようになったのは良かったと思います。

    管理人コメント

     yamato8さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!テキストを買わずに勉強を進められたというのは正直びっくりですが、高いITリテラシーがあればそれも可能なのかもしれません。ただ、簿記関連サイトの中には古い情報のまま放置されているサイトも散見されますので、yamato8さんのように情報の取捨選択が出来るような方以外は真似しないほうがいいかもしれません。

     yamato8さんの合格体験記でぜひ参考にしていただきたいのは「過去問を解くときは、解答用紙だけなく問題用紙もコピーして書き込みすべき」と書かれている点です。お金がもったいないから解答用紙だけコピーして、問題用紙は使いまわし…という方もたくさんいらっしゃると思いますが、使い回しですとどうしてもヒントが残ってしまいますので、出来れば問題用紙もその都度、新しいものを使うようにしてください。

     また、過去問を解く際には「必ず時間を計って記録し、完答できた問題でももう1回取り組んで、時間の節約ができたか検証しました」という点にも気をつけられたそうですが、上と同じようにぜひ参考にしてください。漫然と問題を解くのではなく、目的意識を持って問題を解くようにすると、力が飛躍的にアップするはずです。

     あと、滝澤ななみさん著作の「日商簿記2級問題演習」という教材ですが、簿記検定ナビの総合掲示板の教材スレッドでもかなり評判が良いです。管理人はまだ見たことがないのですが、テキスト選びで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたyamato8さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    yamato8さんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 問題集:日商簿記2級問題演習(TAC出版 滝澤ななみ著)
    • 過去問:出題パターンでマスター過去問題集(TAC出版)
    • 電卓:Canon HS-1210TU
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.14

    簿記はスポーツ!とにかく問題を解きまくろう!

    • 投稿者:ゴローさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約2か月(受講期間入れると5~6か月)

    日商簿記検定2級の壁

     かなり前に1回受験、その後独学で2回チャレンジし121・122回の試験を受けたのですが見事に玉砕…ということで、2~3ヶ月程LECに通いました。

    専門学校の講義を中心に

     講義の合間や途中で、講師が試験で狙われるポイントや出題されるとすれば~だろう等の話もあり、不明な点があれば質問してできるだけ早く潰していました。講義で終えた範囲をその都度付属問題集でカバーできればよかったのですが、残念ながら仕事等の影響でそうもいかず…本番2ヶ月を切ったところから何とか頑張って、問題集をやりきりました。

     中には複数のパターンに亘る項目の問題(例えば減損の発生時点で分ければ始点・終点・途中)がありますが、必ずこれを潰すとともに処理の違いをきちんと理解し解けるようにしました。理解自体が不安だった項目は、問題を解いてはテキストに戻って不明な個所を洗い出し潰すという繰り返しでした。

    細切れの時間を有効活用

     簿記は電卓叩いてナンボ、鉛筆すり減らしてナンボのものだと思いますが、そうもいかない電車内など移動中は、テキスト読み込みに加え、市販の仕訳カードを使って勉強・確認しました(因みに、LECのテキスト・問題集以外で買ったものは仕訳カード・過去問です)

     商業簿記の特殊商品売買は仕訳問題で狙われるので、理解+暗記で済ませました。中でも荷為替は苦手だったので、講義での説明を思い出し理解に努めました。

    工業簿記対策

     工業簿記は、勘定連絡図をとにかく習得。さらに差異の計算やシュラッター図はきちんとできるよう繰り返しました。但し何を解いているのか混乱しないように気をつけました(仕掛品?製造間接費?半製品?…など)直接原価計算、標準原価計算、総合原価計算とありますが、どれも満遍なく問題を解いて慣れました。

    とにかく、問題を解きまくる!

     基本的な部分をほぼ理解できればあとは問題演習+時間を計測して過去問を解きました。特に伝票問題で見られる推定問題は、解き方をマスターしていないと本番で苦しいことになるので、納得できるまで問題を解きました。基本を理解できれば、あとは問題をとにかくがむしゃらに解く、これに尽きると思います。解きまくる中で「理解できてきた」という自信が芽生えました。

    試験日当日の1日の流れ

     試験当日は朝5時半~6時に起床しました。睡眠は脳内の記憶を整理するのに不可欠ですので、最低限の5時間程寝ました。早く起きると寒いし適当に空腹なんですが、「寒さと空腹」は実は集中力を高める効果があると聞いたことがあり、確かに結構集中して勉強できた感じはあります。

     かなり不安なところは潰しましたが、それでも本番まで細かい点の確認もしたかったし、更に余裕をもって起きることで気分的に焦らずに最後のチェックがしたかったという狙いもありました。

     8時頃朝食を摂り、昼前までに過去に間違いの多かった項目の見直しをしました。ここではあれこれ問題を解くよりは、ポイントをかいつまんで目を通すという感じになりますが、最終確認の意味で問題演習にも時間を割きました。

     昼食はパン1個程度と軽めにしました(食べ過ぎると試験中眠くなるので)試験会場には開始30分前に到着、最終チェック用にポイントをまとめたメモに目を通しました。LECのHPでダウンロードしたチェック用冊子も役立ちました。

     試験が始まると、まずはどんな問題が出ているのか目を通しました。ここで解く順番を決め、どれくらい時間を割くのかある程度配分を決めました。周囲の受験者はカリカリと鉛筆を走らせていましたが、当初焦りはありませんでした。見た感じ、ある程度は解けそうだとの印象を受け、励みになりました。

     まずは工業簿記から着手、第4問~第5問へ進みました。第5問は「半製品」の取扱に気をつけながら、勘定連絡図をきちんと描き、指定された平均法で解き進めました。

     次に商業簿記第1問(仕訳)に着手、指定科目を確認しながら解きました。うっかりして指定外科目の「未着品売上」を使いそうになり、慌てて「売上」に直しました。案の定荷為替も出題されましたが、しつこく問題を解いてきたお陰できちんと解答できました。

     その後第2問~第3問と進めましたが、第2問(伝票推定)で想定時間を越えてしまい、第3問のB/Sを埋めている途中で終了となってしまいました。慎重にいきすぎたのが原因です。本支店勘定で間違いが発覚、先に埋めやすいところから埋めていくべきだったと相当悔やみました。集計して埋めるだけの状態でしたから…。

     会場の出口では大原かTACの解答速報(第1問のみ)が配布されており、うっかり社債の満期償還の仕訳で社債・社債利息勘定を貸借相殺したことがまずかったのが判明…かなり不安がよぎりました。夜は各資格学校の解答速報で確認、思った程点数が伸びていないことがわかり、合格発表の前日までヤキモキしました。

    管理人からゴローさんへ追加の質問

     今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     カシオのDW-20Aです。

     12桁仕様で軽いけど適度に重さがあり、少々小さめなサイズですがキーを押した感じは軽く使いやすいと思います。以前シチズンのDM6005を使ってましたが、多少大きさがあるのと、ゼロのキーが稀に凹んだまま引っかかることがあったので止めました。

     カシオのこの電卓は加減乗除の際画面に「+」や「-」の表示が出るので、間違って押しても早く気づけるメリットがあります。他にも色々電卓を買って試してみましたが、大きすぎると場所を取ってしまい簿記検定試験では使い勝手が悪いと思いました。同じ電卓を使う受験者もいましたし、一度試す価値はあるものだと思います。

     ゴローさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点…商業簿記でいえば有価証券絡みの問題(購入、売却、評価など)、減価償却の問題は好きですね。工業簿記ですと製造間接費の差異分析(公式法変動予算)とCVP分析はさんざんやったお陰か好きになりました。特に差異分析に関しては、図を描いて考えることが元々好きだから…かもしれません。

     苦手な論点…商業簿記ですと荷為替、決算時の商品関連、費用の見越し及び繰り延べです。どれも慣れるまでは図示し時間を無視して考えるようにしました。慣れてくれば図も早く書けるし解くスピードも早くなりました。基本的な考え方はLECの講師に質問して解消を図りました。

     工業簿記ですと賃率関連、等級別原価計算、直接原価計算です。原価計算期間に応じて労務費を考えるのが当初苦手で、これも図を書いて慣れるまで繰り返しました。等級別原価計算は「積数って何?」って感じで…なんかとっつきにくい概念でした。直接原価計算では、変動費と固定費に分けて考えるのになかなか慣れず苦労しました。結局問題を数多くこなすことで解法を身に付け、原価計算手順を体で覚えたという印象です。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     私は次の2点が大切だと思います。

    ①独学にしろ通学にしろ、1日10分でも継続して勉強することが大事であること
    ②間違いを恐れず、問題を数多くこなすこと

     私の場合「お尻に火がつく」状態になってから一気に突っ走りましたが、本来は地道にコツコツやっていればもっと多くの問題をこなせただろうし、より理解が深まった状態で試験に望めただろうと思うのです。忙しくても毎日勉強することがまず前提になるかなと私は思います。

     ②については、極論すれば試験本番で間違えなければいいのですから、練習問題でどんどん間違い、間違えた原因の究明ともう間違えないための対処に注力することが大事だと思います。「あ~間違えた」と単純に考えるのではなく、間違いを以後の糧にしてほしいですね。

     今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
     2級を土台にして、1級を取るべく頑張ろうと思っています。就職活動中ということもあり、元々の経験と今後やりたい実務が経理ですので、就職試験でのアピールポイントになると同時に就業後そのまま知識を活かして実務スキルの向上を図りたいと思っています。

     経理の求人だと「簿記2級」を応募の条件にしている企業が大多数であり、取得したことで多くの求人に応募していけるメリットは計り知れないと思います。また、資格面で他の求職者に差をつけるなら1級でないと…とも思っています。将来的には公認会計士を目指そうと思っています。

     市販の「仕訳カード」というものをお見せいただけますか?
     それでは仕訳カード画像お送りします。 元々は本のようにページになっている状態ですが、ミシン目で切り離し、決算や有価証券など分類して綴じて使ってました。問題は全部仕訳、裏に解答があります。

    巻末には本試験形式の仕訳問題がついており、1冊800円と使い勝手の良さから考えれば手ごろです。テキストを持ち歩くとかさ張りますがこれだとコンパクトであること、細切れの時間でも勉強できることがメリットだと思います。テキストと使い分け、あくまで補助的なものとして使ってました。

    ゴローさんが使われていた仕訳カード

    仕訳カード1
    仕訳カード1
    仕訳カード2
    仕訳カード2
    仕訳カード3
    仕訳カード3

    管理人コメント

     ゴローさん、貴重な合格体験記をありがとうございました。専門学校を利用してうまくリベンジを果たされたのことですが、「とにかくたくさんの問題を解く」と「細切れの時間を有効活用する」という2点についてはぜひ受験生の方にも見習っていただきたいポイントです。

     インプットの段階ではイマイチ理解できなかった論点も、問題をたくさん解くことによっていつの間にか理解できたりしますし、実はワンパターン化されている「ひっかけ部分」についても、問題を見ただけで気付くことが出来るようになります。

     あとは試験前の食事に気を配っている点もぜひ参考にしてください。空腹すぎるのも問題ですが、満腹の状態で試験を受けることだけは避けてください。受験生の皆さんも、学校の昼休み明けの授業で睡魔に襲われた経験があると思いますが、あのような状態になってしまうと実力を発揮するのが難しくなりますので、消化の良いものを気持ち少なめに摂るのが良いと思います。

     なお、ゴローさんに画像を送っていただいた「仕訳カード」は、DAI-Xという会社が市販されている教材で、価格は800円(税込840円)とのことですので、簿記検定ナビの仕訳問題対策がどうも合わない…という方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。以下はDAI-Xによる仕訳カードの紹介記事です。

    簿記の基本中の基本である仕訳問題をカード形式にまとめました。表には問題、裏には解答までの道すじがわかる解説が載っています。会社法施行による出題区分改訂に完全対応。分野ごとの過去問分析から集約した厳選174枚。巻末には、実力チェック問題5題、詳細解説、解答用紙つき。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたゴローさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    ゴローさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 教材:LECの教材
    • 仕訳カード:無敵の簿記SPECIAL2級仕訳カード集
    • 電卓:CASIO DW-20A
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第122回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.15

    電卓を使いこなせば簿記のスピードは飛躍的に上がる!

    • 投稿者:まー蔵さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    受験のきっかけ

     勤め先で、予算計画や原価管理を行うことが増え、会計知識を身につけたいと思ったことが始まりです。ビジネス数字に強くなりたいと兼ねてから考えており、巷であふれる会計本に背中を押されるように、受験を決めました。財務3表が読めれば、と考えましたが、その作成プロセスや構造を知りたいという好奇心も手伝いました。

    使用教材

    • テキスト:スッキリわかる日商簿記3級 (TAC出版社)

     簿記は大学の時に少しかじった程度で、殆どゼロからのスタートでした。そのため少々幼稚さはあるものの、とっつきやすさで選びました。

    • 問題集1:出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)

     ネットや本のサイトレビューを参考に決めました。特に、出版社が主催するサイトと連動しているため、独学者には心強いと思います。

    • 問題集2:日商簿記3級 第122回をあてるTAC直前予想(TAC出版社)

     試験の雰囲気を少しでも自己演出するためにです。予想は気休めですが、通常の問題集だけよりも効果はありました。

    • 電卓参考本:電卓操作早わかり あなたの知らなかったキー操作!!(日本電卓検定協会)

     計算スピードと正確さの追求には、単に+、-だけではダメです。M+やM-などの電卓の機能をフルに生かした方が断然有利です。

    期間別・勉強方法

    • 序盤(開始~2週間)

     テキストを読み、練習問題をこなし一通り理解した後、ネットや資格学校が配布している過去の問題にあたって感触を掴んでみました。ところが、全く歯が立ちませんでした。問われている内容と、テキストの内容が頭の中でつながっていないのです。

     そこで、ネットで勉強法や試験の性格を調べたところ、とにかく問題演習を繰り返すことが大切であることがわかりました。電卓の良し悪しや使いこなしも大きな要因ということがわかり、次の対策をとりました。

    • 電卓の購入:押し間違えない様ある程度大きく、「00」ボタンと取消ボタンがあること。
    • キー操作の習熟:普段はまず使わない「M+」「M-」などのメモリー機能を使いこなすこと。参考本で毎日15分ほど練習しました。これは実際の業務にも役に立ちます。
    • 中盤(2週間目~2か月中旬)

     問題集を3回転、合間にテキストで確認。これをひたすら続けました。勉強パターンは以下の通りです。

    • 寝る前:主にテキスト暗記。(勘定科目、損益計算書&貸借対照表の雛形)
    • 昼間:大きめの単語カードに苦手な仕訳や振替、算出式を書き出しておき、移動中や通勤の合間に「眺める」。
    • 夜と朝:問題を解く。休日は1~2時間集中して模擬テスト。
    • 終盤(2か月中旬~末)

     問題集で間違った点や不安な点を3回転。テキストの確認と単語カードは継続。受験日1週間前に予想問題集を購入し、試験慣れの対策を行いました。これまでの勉強で、苦手分野が単語カードに集まっているため、試験当日は単語カードだけを持っていきました。テキストや問題集はあせりの原因になるため、持ち込みませんでした。

    試験勉強を振り返って

     簿記は仕訳が基本だと思いました。精算書にしろ、損益勘定にしろ、仕訳をきちんと理解していないと、正しい数字が求められません。そのため、問題を解くにあたり、仕訳の理解に一番時間をかけました。この時間を確保するためにある工夫をしました。

     それは電卓をたたく時間の省略です。精算表や残高表の問題は、EXCELで解答表を作成しておき、マクロで自動集計、転記されるようにしました。数字を書く手間も省け、何度も繰り返し使えます。勉強のスタイルとして、夜暗記→朝復習は非常に効果がありました。早起きは「三問の解く(三文の徳)」です。

    試験日当日の1日の流れ

     朝勉強が習慣づいていたので、試験開始3時間前の6時に起床して、問題集の間違った部分のチェックとテキストの斜め読みを1時間程度。会場には30分前に到着し、余裕を持って臨みました。驚いたのは、私と一回り以上も年下の受験者が9割近くいたこと。この年になってとるものではないのでは、と思いました。しかし、勉強に年齢は関係ないと気持ちを切替え、落ち着いて問題に取り組むことができました。

     開始と同時に、周りが一斉に電卓を叩きだし、そのスピードと音に圧倒されかつ気になって集中するのに時間がかかりました。1分ほど瞑想して深呼吸してから問題を全部眺め、解法が一瞬で思い浮かぶ問題から手をつけ安心感を得ることで、落ちつきを取り戻しました。そういう意味では耳栓はあった方がいいかも知れません。

     問題を解く際に特に気をつけたことは、解法に悩む問題は飛ばし、とにかく解ける問題をまず終わらせるようにしました。他の問題を解くうちに思い出すこともあり、あしたが、この場合は戻らずに余白にメモをしておきました。

     15分前に全問回答。特にあわてることなくここまできて見直していたら、第5問の精算書に痛恨のミスを発見。貸借逆に書いた仕訳のために、合計や当期利益に再計算が必要となり、8箇所の修正をラスト10分で、終わりの合図とともに完了。終わっても手の震えがとまりませんでした。電卓のスキルを磨いていてよかったと思った瞬間でした。

     第5問は、仕訳を頭の中でやって記入していたのですが、仕訳をちゃんと書いておくべきだったと後悔しました。また、ミスに気づいた時、深呼吸して落ち着けば良かったと思います。

    管理人からまー蔵さんへ追加の質問

     試験で使われた電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。
     Canon LS121TUL(家電量販店で980円にて購入)

     使い勝手は試験に耐えうる「最低限」のレベルです。簿記受験のためだけの購入、かつ、価格優先ならお勧めできます。実務で利用されるのなら2,3千円以上の電卓の方をお勧めします。

     まー蔵さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、手形取引や掛け取引の仕訳です。苦手な論点は、帳簿組織の勘定元帳作成でした。借方と貸方の仕訳が左右逆になるので、この考え方を理解するのに時間がかかりました。克服には、次の方法をとりました。

    ・テキストの説明部分のコピーを持ち歩き、合間時間に毎日のように眺める。
    ・これらの問題を繰り返し解く。最低3回以上。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     電卓のメモリ機能の使いこなしは必須です。大幅な時間短縮になります。あとは、会計の勉強をしたいというのが発端だったので、テキストの内容理解、暗記に重点を置きました。試験という点からみると、問題の意図の汲み取り、求められている回答に辿り着くためにはギャップがあります。このギャップを埋めるには、多くの方がおっしゃっているように問題をこなすのが一番です。試験対策という意味では、問題演習をテキスト学習と並行して、もっとやっておけば自信をもって臨めたのでは、と思います。

     具体的なアドバイスについては、簿記の資格を取得する目的によって変わると思います。

    効率的な試験合格が目的の場合

    テキストは流し読みにとどめ、早い内に問題集から入り、解答をみながら解法を勉強するのが早道かと思います。テキストは辞書的、解答で理解できない場合の補足に使います。順番としては、貸借対照表、損益計算書、精算表ができれば、他の学習も終わっているといえます。この場合、ひねられると手も足もでないリスクがありますが、満点をとる必要はないので潔く捨てる覚悟が必要です。ただ、問題数をこなすことで、これは軽減できるはずです。

    簿記2級や1級など今後のステップアップが目的の場合

    オーソドックスですが、テキストに重点をおき、区切り毎に簡単な練習問題を解き、理解をした方がいいと思います。多少回り道になるものの、この方法をとったおかげで11月の2級受験の対策がスムーズできました。

     今後は簿記3級をどのように活かすつもりでしょうか?
     簿記3級は会計理解のほんの一歩に過ぎないと思っています。簿記を通じて財務諸表のつくりを理解し、次は、その読み方を理解できるようになることが目的です。取引先や顧客の経営状況を財務諸表を通じて把握し、自社製品の改善やその拡販戦略の立案に活かしたいと考えています。その一環として、ビジネス会計検定、中小企業診断士といった資格にチャレンジする予定です。

    管理人コメント

     まー蔵さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     まー蔵さんの合格体験記の中でぜひ参考にしていただきたいのは「電卓の使い方をきちんとマスターすること」です。簿記3級や2級くらいなら、電卓を使いこなさなくても十分合格できるのでは…と考えていらっしゃる方がたくさんいますが、個人的にはそれは大きな間違いだと思います。

     商業簿記では、有価証券売却時の売却損益の計算であったり、工業簿記では、部門共通費の配賦時であったり、様々な場面で電卓の機能を有効活用できる場面がありますので、ぜひM+やM-などのメモリぐらいは使いこなせるようにしておいてください。

     あと、「寝る前:主にテキスト暗記」と書かれていましたが、寝る前に勉強するのもおすすめです。人間は寝ているときに、日中に覚えた情報を記憶する作業を行いますので、就寝直前に暗記作業をすると記憶の定着率が上がると言われています。

     ですから、寝る前になったらテレビを消して、ストレッチでもしながら財務諸表の雛形を暗記したり、簿記検定ナビの仕訳問題対策を使って仕訳の確認をしたりすると効果的だと思います。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたまー蔵さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    まー蔵さんが使われた教材や電卓のまとめ

    • テキスト:スッキリわかる日商簿記3級 (TAC出版社)
    • 過去問:出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)
    • 予想問題:日商簿記3級 第122回をあてるTAC直前予想(TAC出版社)
    • 電卓:Canon LS121TUL
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。