投稿者: 田口泰久@簿記検定ナビ

  • 第125回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.50

     簿記検定ナビのコンテンツを有効活用しよう!独学受験生の強い味方です!

    • 投稿者:ゆきむしさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約9か月

    これからこの資格を目指す方へ!

     合格までに何度か挫折を味わうと思いますが、諦めずに最後までやり抜き、合格を勝ち取って下さい。簿記2級は要点を押さえた勉強で、合格の可能性はグッと高まります。そこで、私の体験記が少しでも役に立てればと思います。あと、3級の合格者体験記を前提に書いてますので、良かったらそちらも参考にして下さい☆(→ゆきむしさんの簿記3級・合格体験記

    独学の注意点

     簿記2級までは独学が可能と言う意見が大多数を占めていますが…私もそれらの意見を参考にして独学を選択しました。独学を選ぶ人が多い中、メリット・デメリットを自分なりに整理してみました。

    • メリット
    • お金がそれほどかからない
    • 自分のペースで勉強を進行
    • 自主的に勉強するので身につきやすい

     このご時世、独学はお金がそれほどかからないのが一番のメリットでしょう。新書も去ることながら、今はネットオークションやBOOK・OFF等で中古が出回っています。発行日だけ注意すれば、更に金額を抑えることも可能です。

     あとは、自分の生活に合わせた勉強が出来ます。朝方が得意な人もいれば、夜型でないとしっくりこない人、多忙で通勤時間や合間に勉強をせざるを得ない人など様々だと思います。

     独学では自分のやり易いように勉強が出来るのもそのひとつです。更には、自主的に勉強をするので、予備校などで受け身で勉強するのに比べ、勉強内容が身につきやすい思われます。

    • デメリット
    • 疑問点の解決に多大な時間を浪費するかorそのまま放置
    • 必要な勉強量に達しない
    • 自己流

     デメリットで大きな問題は、疑問点をそのままに放置しておくことです。試験での制限時間2時間は余裕があるとは決して言えません。曖昧な点の出題で、解答に迷ってタイムオーバーになるのは火を見るより明らかです。私も、前回までの試験ではタイムオーバーとなってしまいました。

     次に勉強の計画。事前に計画を立ててておかないと、勉強した気になるだけで、実際は必要な勉強量に達していません。私も気分にむらがあり、やる気のない時はズルズル行ってしまい、カレンダーをめくる時にハッとしたりしました。なので、事前に計画を立てることは非常に重要です。

     それに加え、計画を完遂するために多少の精神力は必要かもしれません。これらに自信のない方は予備校通学を選択するのが得策でしょう。あと、独学では自己流に陥りやすいことです。好ましくない癖は、実務や上位の資格を目指す上で阻害要因になるので注意が必要だと思います。

     独学を進める上では、この様な弱点を補う必要があります。後ほど詳しく述べますが、私はこの「簿記検定ナビ」で弱点を克服することが出来ました。

    簿記3級との勉強方法の違い

     合格するための勉強時間は3級が50時間で2級が250時間(3級の5倍程度)と、ある予備校のデータにあります。私は計画を立てる際の一つの目安にしましたが、業務経験の有無や得意・不得意意識でかなり個人差が出ると思います。皆さんも、計画を立てる際の参考に使うと 良いかもしれまん。

     簿記2級では工業簿記が新たに加わり、これは得意・不得意分野へとはっきり分かれるようです。私も業務経験が無いため、最初はイメージが全く湧きませんでした。総合原価計算の原料・加工費の区別が紛らわしく、シュラッター図での差異分析・CPV分析はチンプンカンプンでした。

     やむを得ず、参考書を何度も読み直し、ノートに要約し、それを見て理解に努めました。皆さんも根気よく頑張って欲しいところですが、何度も読み返していくうちに頭の中に自然と入って来ます。

     次に、勘定連絡図や原価計算表等の図や表に書くことを意識しながら過去問を解いてました。簿記検定ナビの管理人さんの指摘通り、勘定連絡図を抵抗なく書けるようになった頃から、苦手意識が急激に薄れていきました。

     工業簿記は、半製品や包装材の様な工夫を凝らした問題が最近目立ってきていますが、基本的には問題はパターン化していて、引っ掛ける部分も大体決まっています。こういった問題に対処すべく、過去問の繰り返しによるパターン化に留まることなく、常に考える癖をつけておいた方が良いでしょう。

     商業簿記では本支店会計問題で最初につまづきました。この問題は解き方が決まっています。管理人さんの「解くための定型フォーマット」を片目に何度も問題を解いて得意分野にすることが出来ました。

     仕訳問題では、前回の「現金預金」勘定など最後まで泣かされました…悔しさのあまり、試験直前は仕訳問題を重点的に勉強し満点を取る覚悟で臨みました。社債の発行や償還・荷為替手形・受託販売等の特殊商品販売はつまづき易い論点かと思います。

     ただ、問題を数多く解いていく段階で不思議と慣れてきます。文章を把握するための日本語の理解や実際に仕訳を切る部分、引っ掛け箇所等認識できるようになってきます。

     計算問題については、3級に比べ計算量も増え煩雑化します。また、試験では制限時間内に解答するために、よりスピーディかつ正確さが求められます。貸借対照表・損益計算書の作成、特に精算表の作成問題は難化傾向にあり上記が試されます。

     簿記2級・質問掲示板でもよく質問される論点で、電卓やシャーペンを実際に使って手を動かさないと上達は難しいと思います。地道に計算問題の練習を積み重ねることが一番の近道です。

    私が資格取得に使用した7つ道具

    1. テキスト:「中嶋浩之のなるほど!わかるテキスト―日商簿記2級商業簿記(TAC出版) 」と「鈴木隆文のなるほど!わかるテキスト―日商簿記2級工業簿記(TAC出版)」の2冊
    2. 過去問:「合格するために過去問題集日商簿記2級(TAC出版) 」
    3. 予想問題集:「日商簿記2級第125回をあてるTAC直前予想(TAC出版)」
    4. 簿記検定ナビの仕訳問題対策
    5. 要約ノート
    6. 間違いノート
    7. 電卓

     基本的には3級で使用したシリーズを選びました。参考書は図表が多く、商・工共に300P前後と手頃で、何と言っても吹き込みによる先生の一言が試験には非常に実践的でした。また、大手予備校のモノは、ネット等で正誤表が公開されているので事前に確認すると良いでしょう。

     参考書はあれこれ手を出したくなりますが、これと決めたモノを何度もを見直すことが良いと思います。過去問は、第1部の出題別攻略テクニック編の解説は良くまとまっています。更に、各設問別の目標時間が記載されており、問題を解く際の目安になるのが良いです。ただ、解説が簡易で分かりにくいところがあるので注意が必要です。

     さらに、前回の轍を踏み、万全の態勢を期すべく直前問題集を購入。今回の試験では第4問で仕訳問題が出題されましたが、予想問題に出ていて曖昧な論点だっただけに非常に助かりました。予想論点も適中率が高く、直前の穴埋めにはかなり有効だと思います。

     あとは、簿記検定ナビの仕訳問題対策無くして合格は無かった行っても過言ではありません。仕訳はすべての問題に絡み、簿記を攻略するには仕訳をマスターすることが先決となります。

     電卓は使い慣れたものが一番ですが、定評のある電卓を使うのも弱点克服には良いです。なお、選ぶ際はGTキー・「→」(右シフトキー)・ディスクスタンドがあるモノが個人的に良いと思います。

     要約ノートの作成は結構大変ですが、理解するために一番効果がありました。読んでいていも頭に入ってこないという方は、めんどいですがお勧めです。間違いノートは自分が勉強してきたことの集大成・結晶です。試験直前期は、この虎の巻を見ているとかなりの精神安定剤になります☆

    7つ道具画像1
    7つ道具画像1
    7つ道具画像2
    7つ道具画像2
    要約ノート
    要約ノート
    間違いノート
    間違いノート
    直前予想問題
    直前予想問題
    電卓1
    電卓1
    電卓2
    電卓2
    電卓操作術
    電卓操作術

    試験の傾向と対策

     新たな問題集に手を出すよりは過去問を解くことに専念し、一部を除き14回分を3回解きました。3回目になると問題を覚えてしまい自信にもつながりました。ただ、3回やっても間違えた問題は要注意で、そこには時間を割きました。

     因みに、今回の試験は過去問をしっかりやっていた人には、かなり優しく感じられたのではないでしょうか?TACの直前予想の予想論点や簿記検定ナビで126回の予想問題が既に公表されています。これらを使って、自分なりに試験の予想をしてみるのも面白いかもしれません。

     一般的に資格試験は、極端な難易度の変化を嫌う傾向にあります。そうなると、問題作成者も過去の問題をベースに考えざるを得ないということになりますので、日本商工会議所から公表されている「出題の意図・講評」をチェックすることをお勧めします。出題されそうもない箇所より、出題されそうな箇所を重点的に勉強した方が効率的な勉強法と言えますね。

    123・124回試験の反省点と苦労したこと

     第123回では、3級と同時並行で2ケ月間で仕上げようとしたので、単純に勉強時間の不足でした。また、昼食時に栄養ドリンクを呑んだにも拘らず、体調不良&3級受験後でスタミナが切れました。短期間に合格するには運も必要だと思います。

     あと、体調管理を怠ってしまいました。第124回は、前回よりかなり自信を持って臨めたんですが…全般的に時間のかかる問題が多く、第3問の棚卸減耗損の処理や商品ごとに算定??で頭がショート。第4問で解答の方針が立たずパニック状態になり、他の問題にも影響を出してしまいました。

     第3問は他の問題に比べるとボリュームがある事が多く、手強いと感じたら最後に回した方が賢明です。あと、現金預金勘定では問題文に指示をされている科目を使用するという当たり前にことを身をもって実感しました。

     さらに、3回目の受験ともなるとモチベーションが落ちてしまい、スランプ到来です(試験のショックが大きかった)勉強しても頭に入らず、問題を解いていてもケアレスミス連発で自己嫌悪に苛まれました。そこで、無理やり勉強はせず、ドライブに行ったり、友人と酒を飲んだり、音楽を聴いたりと好きなことに時間を割くようにしました。

     勉強から離れてみることで、「疲れた自分がいる」ことを客観的にみることが出来ました。やはり、時間が自分を癒してくれ、ある時を境に、再度目指そうと心の中から気持ちが湧きでてきました。極めつけは「簿記2級合格」と大きく紙に書き、テレビの上に貼りました。テレビを見過ぎたりしたときは、そろそろ勉強をしないと…と思ったわけです。

     次にケアレス・ミス対策です。何度、問題を解いても計算ミス・問題文の読み違いはついて回り、分かっているだけに悔しさ倍増です。特に精算表等の作成における計算力は毎日やっていないとすぐ衰えます。電卓を使った計算では右手は筆記用、左手は電卓用と完全分業体制に矯正しました。

     電卓はブラインドタッチ!?が出来るよう、電卓操作術(TAC出版)を利用して練習を繰り返しました。試験1ヶ月前は、毎日を電卓に触るようすることで計算ミスが減少し、問題文をゆっくり冷静に理解する余裕ができ、読み違いも減少してきました。

     あと、長期間勉強していると、固定概念から来る思い込みによるミスが多くなります。ミスをする度に「初心忘れるべからず」を囁き、丁寧に問題を解くことに心掛けました。第1回目は勉強時間が短期間で知識の詰め込み過ぎ・睡眠不足・体調不良で試験を臨んでしまいました。体調を崩すと本来の力が発揮できず、合格もおぼつきません。試験が迫ってきたら、バランスのとれた食事・十分な睡眠・精神的なケアは欠かせません。

    簿記検定ナビの活用

     今回の合格は、私にとって「簿記検定ナビ」無くしてあり得ませんでした。特に、掲示板の存在が一番大きかったと思います。独学による不安を、掲示板を見ることで解消出来ました。また、疑問点の解決は去ることながら、間違いやすい箇所を他のレスでチェックし、お互いに励ましあったりと勉強を進める上でのモチベを維持するのに非常に有効でした。

     簿記検定ナビには掲示板の他にも、色々なツールが隠されています。例えば…「仕訳問題対策」は簿記2級だけでも第100回から100問以上用意されていますし、過去問分析の解説も独自の展開で、応用力が付くように作成されていて、チェックシートまで用意され、管理人さんの配慮が見られます。これを2回以上解けば、簿記の力が飛躍的に伸びていることに気づくはずです。

     次に「合格体験記」です。これ読んでいる方なら言うまでもありませんね。参考になる論点がかなりあり、自分なりにアレンジをしてみて下さい。なお、時間のあまり無い方は、一番下にある「管理人コメント」を読むだけでも大分違うでしょう。

     「試験問題予想」は試験を受けるまでに目を通しておくと良いでしょう。分野別の対策法など、丁寧に解説されています。私も本支店会計が苦手でしたが、解説を読んで得意分野にすることが出来ました。

     あとは「勉強予定表」です。自分でエクセルを使って計画表を作成するのは結構おっくうです。このフォーマットを利用して、勉強の計画を立てたと同時に合格への距離がかなり縮まるでしょう。「試験まで残り○日」というメッセージは管理人さんのきめ細かな配慮を感じます。焦りを感じて、モチベの維持にも役立ちます。

    試験日当日の1日の流れ

    • 7:10 起床

     眠い目を擦りながら、外を見ると霧で目の前の山が全く見えず。濃霧注意報が発表され霧雨も降っており、まるで自分の頭の中の様にモヤモヤ…これを払しょくすべく、目覚ましにコーヒーをすすりながら、先週撮った「ガイアの夜明け」を見る。その内容は上海万博の特集で、「中国は勢いがあるな~」と他国ながら感心。日本にも元気が欲しい…。

    • 10:30 食事

     おにぎりと前夜のアサリのみそ汁を少し呑む。食べ過ぎないように食事は少しだけ。その後は、虎の巻に目を通す。

    • 12:00前 出発

     霧は解け、晴れ間が射し、蒸し暑い…バスに乗り後ろの方に座り、音楽を聴きながら目をつぶる。日中だけあって道路は空いており、乗客も少なくおじいちゃん・おばあちゃんが多い。

    • 12:30 バスを下車

     バスを降り試験会場に向かう。途中、震度5弱の地震速報メイルが入るが、全く気づかず…会場確認した後は隣の公園で開催中のジャーマン・フェスタを覗く。日差しが暖かく、音楽を聴きながら公園でリラックスし、持参した麦茶が美味い。試験終了後は「ここでドイツビイルを呑むぞ」と自分に囁く。

    • 13:00前 会場に向かう

     案内の張り紙を見て4Fに階段で上る。教室には40人の受験生が揃うようだが、試験説明が始まっても30人に届かず。比較的若い人が多い。みんな頑張れ☆

    • 13:15 試験の説明が始まる

     今回の監督官は40歳前後のさっぱりとした男性で、試験上の注意を読み上げ解答用紙が配り始める。「解答用紙を切り分けて下さい」との指示で皆破り始める。ビリビリビリビリ…解答用紙から残高試算表、P/L・B/S、仕訳・差異分析、総合原価計算表があることを確認。緊張と期待が入り混じったこの瞬間がたまらない。特殊仕訳帳、本店支店会計、シュラッター図分析、総合原価計算と予想。

    • 13:30 戦闘開始

     まず、管理人さん指摘の通り、冷静なうちに各問題のチェック事項を丸で囲む。役員賞与は半分・時価法・内部利益25%・繰延内部利益・素材Mを工程の始点で投入・包装材Tを用いて5個単位・先入先出し法・処分価額はゼロ…う~ん、比較的素直な問題が多い中「第5問はちょっと厄介かな…」と感じる。

     そして「第3問は最後に回した方が無難かな…」と1→2→4→5→3問と順序を決める。第1問の仕訳問題へ。勘定科目に「役員賞与引当金」・「役員賞与引当金繰入」・「未払い役員賞与」を見て、「これはどこかで使う勘定だな」と確信。案の定、これに関連した問題を(1)で発見。役員賞与を見積り計上??承認を受けることとしている??仕訳を切れるのか?と疑問に思う。その直後に「引当金だ!」と引当金繰入と引当金の関係と確信し解答。

     次に第2問の特殊仕訳帳の試算表作成問題へ。引っ掛けらしい引っかけが見当たらず素直な問題と感じる。残高試算表なので、後で消せるように回答欄の両端に借方・借方の合計金額を小さく記入し、加減算をして合計金額が一致!予定時間よりも早く終わり余裕が出る。

     次に第3問を飛ばし、第4問の費目別計算と差異分析の問題へ。(1)は素材と補修用材料はともに材料費で合計して記入。(4)は勘定連絡図を書き、当月と前月の未払い額を逆にしてないか確認し記入。(6)は不利差異なので、配賦差異勘定は借方へと記入。問2は能率差異が無いと思ったら、実際と標準操業度が同じだ。

     次に第5問の総合原価計算へ。素材Mは始点で投入、先入先出し法で「条件はこんなもんかな…」と思うが…「包装材T?5個単位で??工業簿記特有の新手の引っ掛けか!?」と身構える。まずは総合原価計算表を完成させるが、この包装材Tが曲者。これは合格品にのみ使用ということは「完成品のみ計上し、月末仕掛品には用いないということかな…」と。

     問2の単位原価の問題は1個当たり4,000円なので、5個は5倍の20,000円。今までの過去問では単位原価は比較的綺麗な数字が多かったのでこれで一応終了。この時点で50分経過。これでじっくりと第3問の本店支店会計の問題へ。

     「時間もたっぷりあるし、ミスらないように」と自分自身に言い聞かせ、繰越内部利益を再度確認。未達事項は合計額がそれぞれ一致し、期末修正事項も問題は無く終了。注意点を確認すると「繰越利益剰余金に前期の55,000円を足すくらいかな」と合計が共に一致し、一安心。この時点で1時間10分が経過し、残りは見直しに充てる。

    • 15:30 戦闘終了

     前回に比べ余裕のある試験だったが、終了後は放心状態。帰りは、隣の公園に行きビイルとソーセージで打上げ☆この日は夕方になっても蒸し暑く、ビイルがとてもおいしい日だった。

    • 19:00過ぎ 帰宅

     熱帯魚に餌をやり、再びビイルを呑む。お疲れ様でした。

    最後に

     試験に向け、特に独学の方は不安もあると思いますが、このサイトと自分を信じて頑張って下さい。最後になりますが、管理人さんや勉強開始当初に掲示板で質問に丁寧に答えて下さった方、励ましを頂いた方々にはお世話になりました。ここに、感謝の意をこめて体験記を締めくくりたいと思います。皆さまの次期試験での合格をお祈りいたします。

    管理人コメント

     ゆきむしさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!追加で質問することがないぐらい詳しく書いていただきましたので、とても読み応えのある合格体験記に仕上がりました。

     簿記検定ナビの仕訳問題対策や過去問分析、試験問題予想、勉強予定表、質問掲示板などのコンテンツを有効活用した頂いたようですが、これらのコンテンツは「独学受験生をサポートするため」に作られたものですので、他の方にもぜひご利用いただければと思います。もちろん、全てのコンテンツを無料でご利用いただけます。

     あとは、「試験日当日の1日の流れ」のところで書いていただきましたが、「まず、管理人さん指摘の通り、冷静なうちに各問題のチェック事項を丸で囲む。」という点はぜひ見習っていただきたいと思います。試験開始直後の、脳が一番フレッシュなときにするのがポイントです。特別難しい作業ではありませんが、たったこれだけで多くのケアレスミスを回避することが出来るはずです。

    ゆきむしさんが使われた教材&電卓のまとめ

  • 第125回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.49

     間違いノートを有効活用して、見事に短期&1発合格!

    • 投稿者:さやまくさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    はじめに

     今回は前回(124回)の低い合格率の影響で、比較的素直な問題のようでしたので、1回目の受験で短期間の取り組みでしたがなんとか合格することができました。当日の自己採点は76点でしたので、合格発表の日までは落ち着かない日々でした。

     簿記の勉強は学生時代に少しだけやりましたが、無謀にも2級から挑戦して断念した経験があります。IT関係の仕事に就いて10年目に会計関係のシステム開発に携わった時に3級を取得し、さらにそれから15年…この4月に経理・総務系の部署に異動になり、覚えなければならないことが多く、まずは簿記だと一念発起して6月の2級受験をターゲットに準備を始めました。

     学生時代は工業簿記に苦手意識を持っていたので、先にこちらから手をつけましたが、解答パターンがつかめるとむしろ得意分野になりました。

    使用テキスト&電卓

    • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級商業簿記 テキスト
    • サクッとうかる日商2級工業簿記 トレーニング
    • サクッとうかる日商簿記2級厳選過去問ナビ
    • 日商簿記2級 240%完全合格自習問題集
    • 第125回試験予想ラストスパート模試3+1―日商簿記2級10年6月13日試験対応
    • CANON 卓上電卓千万単位シリーズ 12桁 HS-1210TU

    基礎期の勉強スタイル

     準備としては、先に「スッキリ」シリーズと「サクッと」シリーズのテキストを買い求め、通勤時間等を利用して理解を深めました。5月の連休前に一通りの理解を終える予定でしたが、概ね順調に進み「これは楽勝か」とも考えていました。

     登場するキャラクターの好みの問題もありますが、テキストは、個人的には「サクッと」シリーズのほうが使いやすかったです。5月以降、演習のスケジュールとしていましたが、時間内に合格点に到達することが少なく、少しずつ焦る気持ちが生じました。演習は商業簿記と工業簿記にわけたノートを作り、解答用紙を左側に、右側に注意点やコメント等を記入してあとでわかるよう工夫しました。

     演習はとにかく多くの問題を解くように心がけましたが、後の反省で同じ問題を100点が取れるように繰り返しこなすほうが効果的だっとと思います。その意味では、問題パターンが厳選されている問題集が非常に効果的です。最低8割は得点したい第1問については、簿記検定ナビ仕訳問題対策だけを過去15回分こなし、間違いノートを作りました。

    間違いノート1
    間違いノート1
    間違いノート2
    間違いノート2
    間違いノート3
    間違いノート3
    間違いノート4
    間違いノート4
    間違いノート5
    間違いノート5

     間違いノートは、手書きのものと、復習用にワープロで作成したものを組み合わせて作りました。

    直前期の勉強スタイル

     「試験予想ラストスパート模試」の存在を知ったのが試験前10日のことで、2~3週間の余裕が必要でしたが、最後の1週間は「240%完全合格自習問題集」を途中であきらめ、こちらの演習に集中しました。

     特に解説が非常にわかりやすく、最後の5~10点のUPはこのテキストのおかげだと感謝しています。予想の的中率もかなりのもので、結果的に2回しかこなせませんでしたが、できれば3回は繰り返して解答したいところです。

     2級合格のポイントは「下書きを短時間でわかりやすくきれいに書けるか」につきると思います。実際に問3では、自分で理解して下書きにも書いているのに、転記でミスして減点された個所がありました。合否ライン上にある場合はこれが致命的になります。

    試験日当日の1日の流れ

     起床は7時頃で、朝食後「試験予想ラストスパート模試」の演習2回目をこなし、自転車で試験会場近くのハンバーガー店に10時頃到着し、特に苦手としていた為替や手形、工業簿記の仕訳を中心にテキストの確認をしました。

     早めの昼食をすませ試験1時間前に試験会場に到着し、休憩コーナーのテーブルで再度仕訳問題のチェックを行いました。試験前はテキストの確認をする人、寝ている人、電卓のチェックをする人…様々でした。

     解答順序は、事前に1-4-5-2-3の順番で考えていましたが、試験開始後、問2が前日演習した得意の問題パターンでしたので、急遽、1-2-4-5-3の順序に変更しました。ところが、問1で過去問にないパターンにあせり、予定より時間がかかってしまいました。

     完全に理解して解答できていませんでしたが、時間配分を考慮して問2に着手。得意問題で順調にこなしましたが、最後で合計額で貸借アンマッチ…2~3度電卓を入れますが解決せず、さらにあせります。個別の項目は自信があったので、この状態のまま問4、問5へ。

     この2問は比較的短時間で解答できましたが、試験後の確認で「問4の有利差異・不利差異」の貸借を逆に解答…問5の梱包財のところで誤解しており、減点を受けることに。

     勝負どころの問3は直前予想通りで、繰り返し演習を行った効果もあり順調に解答できましたが、会計期間(1~12月)を見落としていたり、下書きからの転記ミスでここでも無駄な減点をうける羽目に…。

     1通り解き終わって10分ほど時間があったので見直ししたところ、問1の仕訳ミスに気づいたことと、問2の貸借アンマッチの原因が解消し、これで8点位取り戻した計算になります。

     直前の演習では時間内に全て解答できないことも多かったのですが、当日は全て解答して見直しの余裕までありました。ただ、やはり試験会場の独特の雰囲気のせいか、勘違いやケアレスミスで20点近く減点を受けてしまいました。見直しの時間でのリカバリーも含めると、非常に綱渡りの状況であったと思います。

     問題的にはほぼ100%解答できたいたので、「時間配分」「下書き」「見直し」「最後まであきらめない」「焦らない」…このあたりが合格のポイントかと思います。

    管理人からさやまくさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     ボタンのクリック感がしっかりしていて、打ち間違いが少ないですね。結構使っている方も多いようです。途中でSHARPのアンサーチェック機能付きの機種を試してみましたが、タッチがソフト過ぎて早打ちでの入力ミスが多かったため使用をあきらめました(試験会場には予備として持って行きました)
     さやまくさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、帳簿組織・伝票会計・原価計算全般です。苦手な論点は荷為替などの特殊商品売買・本支店会計でした。特殊商品売買は、簿記検定ナビの仕訳問題をくり返し解き、本支店会計はラストスパート模試の問題を徹底的に理解するまでこなしました。

     工業簿記の演習では、等級別原価計算でよくミスをしましたので、考え方を徹底的に理解しました。費目別計算の一連の仕訳も減点が多かったのですが、こちらは取り組みが不十分で本番でも低い点数となってしまいました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     簿記自体は本来難しいものではないので、テキストを進めていくのはさほど苦労はしないと思います。ただし、演習で間違えたところをパターンで覚えてしまうと、設問が変わっただけで対応できなくなりますので、きちんと理解するようにしないと無駄な時間ばかり取られてしまいます。

     実際に私自身、演習で同じようなところで何度も間違えていましたが、試験直前になるとこれが焦りにつながります。あと、前にも触れましたが、勉強の時間が限られている場合、たくさんの問題をこなすよりもパターンごとに満点が取れるまでくり返し解くことが重要だと思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     折角ここまできたのですから、1級にチャレンジします。実際に会社の経理業務では1級レベルの知識が必要になります。ただ、現時点では何が何でも合格したいという強い意志はないので、今後じっくりプランを立てたいと考えています。

    管理人コメント

     さやまくさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!自作の間違いノートも公開していただきましたので、これからノート作りをされる方はぜひ参考にしてください。

     なお、間違いノートの作り方については、簿記検定ナビの簿記の間違いノートの作成方法を大公開!というページでも詳しく紹介していますが、絶対的な正解があるものではありませんので、自分にとって使いやすい・見やすいスタイルで作っていただければ問題ありません。

     個人的には、作る際の注意点として「丁寧に作りすぎないようにする」「情報カードのように取り外しが容易なものを使う」、勉強に使う際の注意点として「細切れの時間を有効活用し、何度も目を通すように心がける」「覚えようとする必要はないので、とにかく何度も目を通すようにする」を挙げておきますので、間違いノートを作る際・使う際に考慮していただくと良いと思います。

    さやまくさんが使われた教材&電卓のまとめ

  • 第125回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.48

     「考える勉強」と「間違いノートの作成」。私はこれで1発合格しました!

    • 投稿者:maruhikoさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    受験のきっかけ

     営業職に就いている社会人3年目のhiroです。財務諸表を業務で読む機会が増えてきたので、簿記を学習してみようと軽い気持ちで思い立ったのがきっかけでした。また、大学時代の友人や会社の同期・先輩の中にも専攻や業務に直接関係ないにも関わらず、簿記2級を保持し ている者が多いことも刺激になりました。

    勉強形態

     勉強形態は独学です。知人の中にも専門学校にわざわざ通った者はいなかったので独学でいけると判断しました。使用教材は以下4点です。

    • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
    • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級
    • 簿記検定ナビ仕訳問題対策

     テキスト選びに関しては、知人やネットなど多くの人の意見を参考にしたところ、「スッキリわかる日商簿記2級」か「サクッとうかる日商2級 」の2冊が簿記初学者には最適と判断しました。そして、店頭にて実際に手にとって確認したところ、テキストと問題がセットになっている 「スッキリわかる日商簿記2級」を選びました。

     これらテキストを使い終わった今、独学でも対応できるすごく良いテキストにめぐりあえたと素直に感じています。ただし、テキストだけでは 実戦に全く対応できませんので、過去問題集に取り組むことは必須だと思います。

     また、「簿記検定ナビ」さんの仕訳問題対策には大変お世話になりました。5回ほど繰り返したと思いますが、仕訳問題対策のおかげで簿記の基本が身についたと心から感謝しています。この場をお借りしてお礼申し上げます。

    勉強した期間・ペース

     簿記2級に費やした学習期間は約2ヶ月です。ポイントは、どのように効率的な学習姿勢を維持するかだと思います。私の平均的な勤務時間は平日の9時から21時前後ですが、私の周囲も似たような条件下で合格している者が多かったので、時間が無いというのは言い訳になりませんでした。

     それゆえ、平日は朝1時間早く起床し勉強に充て、どんなに遅く帰宅しても1~2時間は学習するよう心がけました。忙しい平日に集中して行うことで、頑張って作った時間を有効に活用しようという意識が生まれ、無駄のない学習姿勢を維持することができたと思います。

     週末は土日のいずれかで4~5時間は勉強しました。しかし、だらだらと長時間机に向かっていられない性質であり、勉強を理由に友人などとの付き合いが悪くなるのも嫌だったので、どちらかと言えば平日に徹底的に集中して学習しました。

    勉強方法

     簿記学習を通じて意識した点は以下2点です。

    • いちど理解した類似問題を何回も繰り返さないこと

     生半可な自信だけが生まれますし時間がもったいないです。また、理解できていないところも理解できた気になってしまい、本当に必要な対策がおろそかになってしまいます。私の場合、伝票や総合原価計算はすぐに理解できたので、2度ほど問題を解いただけでそれら単元の問題には手をつけず、理解しにくかった本支店会計・標準原価計算の過去問題に集中して取り組みました。

    • 間違いノートの作成

     これは皆さん行われていることと思いますが、理解できずに間違えた問題は、間違えた理由・誤解答・正答方法などを書き留めておくことが大切です。同じ間違いを減らすことができますし、空いた時間にぱらぱら眺めるだけでも効果は大きいと思います。

    勉強の流れ

     初めの2週間ではテキストで全体の流れの理解に努め、残りの1ヶ月半で過去問題集をやりこみました。テキストを学習する際に留意したことは、個々の仕訳に集中するのではなく、簿記全体の流れと簿記独自の考え方を頭に叩き込むということでした。

     商業簿記であれば財務諸表作成にいたる流れ、工業簿記であれば勘定体系がポイントになるでしょうか。細かいことを気にし出すと芋づる式に気になることが増えてきますし、理論ばかりを習得しても試験問題を解くことはできません。テキストを一通り読み、流れを理解 した後は、仕訳問題対策にて個別に苦手な論点をつぶしにかかりました。

     過去問題集に関しては、とにかく問題をひたすら解きました。もちろん、ただ単純に機械的に解くのではなく、論理的に考えて解答を導き出すことを心がけていました。そして間違えた問題は解説を読み、テキストに戻り、そして改めて理解した上で解けるまで何度でもトライし続けました。

     テキストでは理解した気になっていても過去問題にあたると手が出ないということがほとんどでしたので、ひとつずつ理解できる よう過去問題に取り組んだのが最大の成功の要因です。

    試験日当日の1日の流れ

     朝はいつもの週末通り9時頃に起床。間違いノートをぱらぱらと眺め、本支店会計の過去問題と仕訳問題に取り組みました。簡単に昼食を作って食べた後に試験会場に向かい、試験開始30分前の13時には到着しました。

     試験会場では、30分前にも関わらず既にたくさんの受験生が集まっていました。熱心に勉強する人、落ち着かない様子でそわそわしている人など様々でしたが、そういった環境の中でも特に緊張はしませんでした。過去問題の不明箇所は全て理解できるまでやり続けた反復練習から来る自信が大きかったと思います。

     試験開始後は、まず全体を眺め、解答に時間がかかりそうな問題が出ていないかどうかを確認し、解答順序は1-4-5-2-3としました。特にこだわりは無いのですが、第4問・第5問が基本問題だったので先に解答しました。仕訳問題を除いて詰まるところもなく時間内に余裕を持って解答を終え、92点(仕訳2問間違い)で合格しました。

    管理人からmaruhikoさんへ追加の質問

     「間違いノートの作成には時間がかかるので不要」という意見もありますが、これについてはどう思いますか?
     私は必要だと思います。理解できずに間違えた問題は、実際に手を動かし要点を書き留めることで意識が集中し、より早い理解につながるからです。

     しかしながら、ご指摘のように丁寧に作成しようとすると時間がかかりますので、私の場合は殴り書き程度のメモに留めておき、時間をかけずに効率的に作成していました。

     今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓は「Canon LS-121TU」です。職場で支給されたものを使いました。12桁表示でキーも押しやすく使いやすいのでおすすめです。
     maruhikoさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は伝票・総合原価計算です。苦手な論点は特にありませんが、理解し難かった論点は本支店会計・製造間接費の差異分析です。

     今思い返すと、本支店会計を克服できたポイントは、簿記の基本である仕訳と転記の理解にありました。ただ単に過去問題を繰り返し解いただけですが、それでも少しずつ精度とスピードが上がってきたのを実感できましたし、貸借の一致が学習をする上での楽しみになってきました。

     製造間接費の差異分析については、シュラッター図の理解が必須となります。当初、図を描かずに解答できないものかと試みていたのですが、正答を導き出すのに時間がかかり正確さにも欠けるのですぐに諦めました。その後、解説を熟読し何度もノートに書き写すことで、図の意味を理解するように努めた結果、格段に正答率が上がりました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     効率的な学習姿勢の維持・間違いノートの作成・とにかく書いて覚えるなどいくつか紹介しましたが、最後にもうひとつ挙げるとするならば、情報の取捨選択をしっかりするということでしょうか。

     簿記2級は各種資格の中でもかなり人気のある部類に入ります。それゆえ、巷にはたくさんの情報が氾濫しており、参考書ひとつ決めるのも容易ではありませんが、自分でしっかりと考えた上で情報を選び、決定したことをやり抜く意志が合格への近道となるのだと思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     簿記2級はビジネスにおける基礎を学ぶつもりで取得したので、資格自体を活かせるとは考えておらず上位資格に挑戦するつもりもありません。今後は、連結会計など業務に関連した分野を必要性と興味に応じて学びたいと思います。

    管理人コメント

     maruhikoさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!「勉強方法」の項で挙げていただいた「いちど理解した類似問題を何回も繰り返さないこと」と「間違いノートの作成」の2点については、僕もすごく大事だと思います。

     前者については、仕訳問題対策の使い方にも通じるものがあります。簿記3級・簿記2級ともに仕訳問題のリストを用意していますので、そちらを使って「理解できた問題」と「理解できなかった問題」を把握するようにしてください。個人的には、2回連続で正答した問題については「理解できた問題」として処理し、次回以降はスキップすると効率よく勉強できると思います。

     後者については、「間違いノート作成による時間的なロス」以上の効果が得られますので、ぜひ作成して有効活用していただければと思います。ただ、maruhikoさんもおっしゃっていますが、丁寧に作りすぎないように気をつけてください。ポイントを端的にまとめた間違いノートは、作成時間の短縮だけでなくチェック時間の短縮にも繋がります。

     あと、試験が始まったらすぐに問題を解き始めるのではなく、問題用紙と解答用紙に目を通して問題の難易度を把握するようにしてください。その上で、目を閉じて大きく深呼吸をして、一度気持ちを落ち着かせてから問題を解き始めるようにしてください。たったこれだけのことですが、やるのとやらないのとでは大きく違いますので、騙されたと思って取り入れてみてください。

    maruhikoさんが使われた教材&電卓のまとめ

  • 第125回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.47

     不合格の原因をきちんと分析して、見事にリベンジ合格!

    • 投稿者:namaketmysさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約6か月

    私が簿記検定を受けたわけ

     私は現在社会人5年目です。大学では薬学を専攻していました。その流れで今の製薬メーカーで営業の仕事をしています。私には、とある大きな目標があり、その前に先ず勉強をするという習慣をつける(或いは入社前の薬剤師国家試験「1000時間/3ヵ月」勉強して大逆転合格 したときの勘を取り戻したい)という目的のもと簿記検定に取り組みました。

     勉強を始めるにあたり、何故簿記検定?という風にお感じの方もいらっしゃるかもしれません。理由は至って簡単で「興味があったから」です。正直、今まで大学→会社とずっと医療関係のことを学んでいたので他の学問を知らないまま社会人生活を終えるのはあまりにももったいないという気持ちが根底にありました。

     他にIT系(基本情報技術者)の資格等も考えたのですが、「比較的短期間で結果が出て、その先に会計士・税理士といったすばらしい仕事もある」ということ、そして「もし先述の目標を達成できなかったとしても、少なくとも簿記1級クラスをとっていればひとつの武器になる。しかも、会社にいながらにして何年かかけて税理士等を目指すという選択肢も広がる」という点から簿記検定に取り組むと決心しました。

    勝負は1年半!しかし…

     簿記検定の勉強を開始したのは2009年8月で11月の123回で3級に合格しました。その時点では「2010年2月に2級、6月に1級(不合格は必至だが試験の感覚をつかむ目的) 11月で合格」という青写真を描いていました。しかし、フタをあけてみると2月の124回で不合格。軌道修正を図らざるを得ませんでした。

    勉強のために使った教材

    1. スッキリわかる日商簿記2級、商業簿記・工業簿記編(TAC)
    2. 合格するための過去問題集(TAC)
    3. プラス8点のための問題演習(TAC)

     ①②は124回の受験、③は125回受験対策として購入しました。スッキリシリーズは解説がわかりやすく、私のように簿記初心者でもとっつきやすかったです。合格するための過去問題集も大問ごとに典型的問題とその解説が多く、非常に良かったです。難点を言えば、問3の試算表対策の問題数が少ないことでした。

    勉強方法(~124回受験)

     あまり飲み込みが良くないので、時間をかけてじっくり取り組むタイプです。したがって最初の1ヶ月をかけて上記①②のテキストの解説を理解するようにつとめました。2周目はテキストを見ながら巻末の問題集を解き間違った箇所をチェックするようにしました。

     2周目も大体1ヶ月位。この時点で年末年始でしたが、行事ごとや帰省したりでこの時期は勉強が一向に捗りませんでした(この時もう少し勉強していれば2月で1発合格できたかもしれませんでした)

     年明けからはテキストの3周目。3周目は解説を一切見ずに巻末の問題をひたすら解く。ここでは特殊商品・手形等苦手分野をピックアップし、個別にテキストを再度読んで理解するということをしていました。テキストの4週目は間違った問題を中心にテキスト巻末の問題に取り組み、さらに並行して過去問にも取り組みました。

     本格的に過去問に取り掛かったのは2月初旬になってからでした。このタイミングが遅かったのかもしれません。124回までに過去問に取り組みましたが7回分のうち2勝5敗という負け越し状態で試験に臨みました。

     かなり分の悪い状況でしたが、試験は何が起こるかわからないです。前回の3級受験の際は過去問を1年分(しかも50点)だけで運よく合格。試験運はあるほうと思っていました。

    124回受験不合格。見えてきた反省点

     撃沈。「現金勘定」と第3問・第4問にやられ自己採点では50点位。試験に「~たら。~れば。」は厳禁ですが、仮に「現金勘定」をきちんと書けていて問1が満点であれば65点位。それでも合格点には届いていない状況でした。やはり根本的に「簡単な回であれば合格できるが、まだまだ実力的には不十分」というのが客観的に自分を見たときの学力です。

     大学受験であれば努力圏(合格率30%)といったところでしょうか。簿記3級とは違い、それなりに勉強した(モチベーション&ペース維持のために時間を記録しており試験までに150時間勉強)つもりでいたのでかなり悔しい思いをしました。

     勉強方で述べたように、どちらかというと理解重視で勉強を進めていたため、過去問はじめ問題の演習が圧倒的に足りなかった点、特に試算表はいつも計算が合わないし、問題を解くのも遅い点、工業簿記の「費目別計算」に弱いという点等、問題点も明らかになりました。

     そこで、以下のような課題をもって次の試験で雪辱を果たすことを誓いました。

    1. 試算表で高得点を取る。
    2. 「費目別計算」という苦手分野を克服する。
    3. ひたすら演習することに勉強を費やし、早く解くテクニックを身につける。
    4. 試験特有の表現に躓くことがないよう、仕訳問題は少なくとも問題を見れば直ぐに解法が浮かぶレベルになる。

    再挑戦。浪人生の気分?

     2月に試験が終わった後は半月位全く勉強しませんでした。いったん全範囲の勉強が終わっていたため、そこでいきなり試験前と同じペースで勉強してしまうと6月の試験にピークを持っていくのは難しいなと思ったためです。また、スッキリわかるシリーズの巻末についている問題も、全問3回以上解いてしまい、惰性で問題を解いてしまう恐れがあったため、間をおいた方がいいなと思ったことも理由です。

     そこで、テキストを買ったからには勉強しなければ、と自分に発破をかけるつもりもかねて「プラス8点のための問題演習」のテキストを購入しました。4月に入り、スッキリわかるシリーズの問題および、簿記検定ナビ仕訳問題対策をひたすら繰り返すのと同時に、「プラス8点のための問題集」を解き、特に苦手の試算表問題および、費目別計算の分野に取り組みました。

     その一方で、得点源である第2問に関しても、「どのようにしたら速く解答にたどり着けるか」ということを意識しながら解くようにしました。以上のことを繰り返し、各分野勉強してからインターバルを置きすぎてしまわないように、いつその問題を解いたかも一緒に記入しました。

     5月のGW明けから過去問に取り組みました。5回解いて5回とも合格点を超えることができました。その後は、試算表・費目別計算などで間違った問題を中心に、またそれ以外の分野も忘れないよう、ざっとテキストを見て確認を。また、仕訳問題対策も欠かさず解きました。

    試験日当日の1日の流れ

    • 試験当日

     午後からの試験であったため午前中は勉強しようかと思いましたが、テキストをぱらぱら見る程度にとどめておきました。家から試験会場までは自転車で30分くらいでしたが、試験の小一時間前には会場入りしました。試験10分前に念のためトイレに行きました。

     蛇足ですが、 緊張するとトイレが近くなる方は「試験の説明が始まる5分前位」がすいているのでおすすめです(会場入りする時にトイレの場所をあらかじめ確認しておくといいです)

    • 試験開始

     第1問。問題文が短かったのですが選択肢はやたら多い。前回のように「現金預金」のようなことがないように問題を解く毎にチェック。3問目で(A社社債を半分)の見落としを発見。また、書き終えた解答用紙に何か違和感があるなと思い見ると預金の「預」の漢字を「領」と書い てしまっており慌てて修正。この時点で20分経過。

     第4問。第2問に取り掛かろうとしましたが、普通仕訳帳および、残高試算表に関してということで時間がかかりそうだったので先に第4問に。幸い先日、問題集で解いた問題の類問だったので楽勝と思いきや変動予算の問題がありましたが、素直な問題でそれほど苦戦しませんでしたが少し時間がかかりました。25分。

     第5問。表を埋めるタイプの総合原価計算でした。包装資材云々とありましたが、落ち着いて本文を読み、取り組めました。15分でおわりました。

     第2問。プラス8点のための~、および他のテキストなどで速く解くことを意識していましたが、最後の残高試算表の合計の数字が合わなかったので、少し時間がかかり25分。

     第3問。問題の試算表です。今回は本支店会計の損益計算表および貸借対照表の作成でした。ここで少し勘違いをしてしまっていました。15時45分で試験が終わるところを30分までと思ってしまっていました。慌ててとりかかりました。

     ただ、今回は本支店会計が出る可能性が高いと聞いていたため解き方もかなり意識して勉強していたため未達事項、期末修正事項も問題なくできました。後は表に記入。何とか計算も 合いそうでしたが「内部利益は期末商品棚卸高から直接控除すること」というう表記で少し悩んでしまいました。5分ほど時間を残して問題を解き終えることができました。

    試験を終えて

     試験当日の解答速報の自己採点で合格点。そして、約一週間後HPで正真正銘の合格を確認しました。約半年、2度目の挑戦で合格でき、胸をなでおろすような気分でした。しかしこれはあくまでも通過点です。現在は気持ちを新たに既に簿記1級を見据え勉強しています。

     環境的に恵まれていたとはいえやはり、予定以上に時間がかかってしまったなというのが本音です。元々人より理解が遅いということは常々感じています。であれば、「人の倍勉強してやろう」位の気持ちで取り組むことが大事だと思いました。1級はもっと大変ですが、地道に取り組んで行こうと思います。最後まで長文をご覧頂きありがとうございました。

    管理人からnamaketmysさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓は、CENTOS DR-0210TEという機種です。電卓を購入する際は「ボタンの押しやすい、大きなもの」を選ぶと良いと思います。
     namaketmysさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、総合原価計算とCVP分析。苦手な論点は、試算表作成問題と費目別計算です。試算表は問題をひたすら解くことで、速く解答にたどり着けるようにしました。また、一度解いた問題で、間違ったところをチェックし、どのようなところで失点したのか振り返るようにしていました。

     費目別計算は「それぞれの仕分けが何を意味しているか」そして、勘定の流れを考えるということがテキストにも書かれており、そのことを意識して問題に取り組みました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     いつまでに、どのくらい勉強するかという目標「今月中にテキスト1回目を終わらせる」等…漫然と勉強しないようにすること。「理解できなければできるまでつづけるという粘り」が大事かなと思いました。

     勉強に関しては、最初は理解につとめつつ、手を動かして問題解答のためのテクニックを磨くということも大事だなと思いました。その一方、特に工業簿記に関しては「その問題で何が問われているのかを考える」ということが大事だと思いました。

    管理人コメント

     namaketmysさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!非常に分かりやすくまとめていただきましたので、とても読みやすい合格体験記に仕上がっていると思います。編集する僕も楽でした!(←どうでもいい情報)

     namaketmysさんの勉強スタイルでぜひ参考にしていただきたいのは、不合格になってしまった原因をきちんと考えて再スタートを切られている点です。「不合格の原因は?→問題の演習量が足らなかった→問題の演習量を意識的に増やす必要がある→新たに問題集を購入して、きちんと消化する」というような流れで考えていきます。

     不合格の原因を明らかにすると自分のやるべきことが見えてきますので、なんとなく勉強を再開するのではなく、必ずこの作業をするようにしてください。紙に箇条書きにして、まとめノートなどの表紙裏に貼っておくとなお良いと思います。

     

    namaketmysさんが使われた教材&電卓のまとめ

  • 第125回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.46

     簿記の勉強はメリハリをつけて取り組むべし!気分転換上手は勉強上手。

    • 投稿者:KENさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    基本戦略

    • 暗記ではなく、理解することを大切に
    • 間違いノートの作成をする
    • 模擬試験問題集はやさしめのものから難しいものまで、少なくとも2冊~3冊はこなす
    • 模擬問題集は本試験を意識して配点のありそうなところ、及びやさしい問題から回答する

    使用テキスト

    • サクッとうかるテキスト商業簿記(ネットスクール)
    • サクッとうかるテキスト工業簿記(ネットスクール)
    • サクッとうかるトレーニング商業簿記(ネットスクール)
    • サクッとうかるトレーニング工業簿記(ネットスクール)
    • サクッとうかる過去問ナビ(ネットスクール)
    • 模擬試験問題集(ネットスクール)
    • 模擬試験問題集(税務経理出版)
    • 本試験レベル問題集(ネットスクール)

    使用電卓

    • CASIO JH-12VT

    学習のタイムテーブル

    • 3月~4月中旬

     サクッとうかるテキストおよびトレーニング(商・工)を大体3回転こなす。最初は斜め読み程度で、3回目では「なぜ?」ということを意識してインプットに努めました。

     例えば仕訳の意味とか(一例としては、委託販売に出てくる積送売掛金。あれはなぜ単に「売掛金」ではなく「積送売掛金」なのか、などなど)、基準操業度・標準操業度など単語の定義、など自分なりの言葉で説明できるまで、理解することに時間を割きました。こうすることで知識が定着して、本試験の応用問題を解くときにもあわてることなく取り組めたと思います

    • 4月中旬~4月末

     サクッとうかる過去問ナビにて、過去問を2回転位。過去問がやさしいものから順に掲載されているので、比較的すんなりと取り組めた。この時期に過去問のレベルを知ることができたのは良かったです。

    • 5月第一週

     試験本番にピークを持っていくために、少し勉強のペースを落とした。ぼんやりしたり体を動かしたり 簿記以外のことを意図的にしていた。模擬問題集を少々やっていただけ。結構大切な時間だった。

    • 5月末まで

     税務経理の模擬問題集をやりました。この模擬問題集は難しい問題がいっぱい掲載されています。とてもやり応えがあるので、全部で3回~6回くらいやりました。模擬問題集を解く際には、例えば第3問では以下のようなことを意識して解いていました。

    1. まず問題文と解答用紙をじっくり見る。質問されているのはなんなのか意識する。
    2. 設問の真ん中位に「期末商品のデータ」があるので、そこから解答!棚卸減耗とか商品評価損とか全部計算する。
    3. 比較的易しい、「問題文の下半分」を解答。例えば、保険料の前払いとか、通信費の未払いとか、取り組みやすい問題がならんでいるものをかたずける。ただし、難しそうな取引は後回しにする。
    4. 設問の下半分が終わったら、問題文の上半分へ進む。
    5. 最後に貸倒引当金の部分を解答して終わり。

     この方法が良いかどうかはわかりませんが、本試験では、解答欄すべてに配点があるわけではないので、できるところから、配点のありそうなところから解くことを意識するだけで6~8点くらいは点数が違ってくるのでは、というのが私自身の感想です。

     採点する人が答えてほしいところはどこかを意識するだけで、問題を解く時間も短縮されてくると思います。あとは、模擬問題でつまずいたところは間違いノート(ポケットサイズの小さなノート)に書いておいて時間ができたときに目を通してました。試験当日、会場でも間違いノートを目を通してました。

    間違いノート
    間違いノート

     また細かいことですが、模擬問題集を解くにあたり問題用紙に書き込んだこと、余白に書き込んだことは後々の見直しのために残しておきたいので、この時期、消しゴムはできるだけ使わないようにしていました。ミスをした際の、思考プロセスの見直しに役立つと思ったからです。問題も解答用紙もコピーして使ってました。5月末の時点では「独学でここまでやれたらもう十分」という感触でした。

    • 6月

     模擬問題集の中からネットスクールの模擬試験問題集と本試験レベル問題集をやる。1回から2回くらい。本試験レベル問題集は、まだ過去に出題されていない「株主資本等変動計算書」の問題が掲載されていたのでやってみました。

     またこの時期、問題を解いていて意外にも仕訳問題でミスが目立ったので、本試験の3,4日前から、簿記検定ナビで無料配布されていた仕訳問題(→仕訳問題対策)を全部やりました。これは結構効きました。

    試験日当日の1日の流れ

     試験当日は、間違いノートを会場に持参して直前まで目を通しました。解答順は1.4.5.2.3。この順番で問題を解いていきました。これは自宅で問題を解く際もこの順番です。特に3問目は時間がかかるので、試験時間いっぱいいっぱい掛かることも見越して、最後にやることにしました。

     1問目にいきなり、役員賞与の仕訳が!この論点は、税務経理出版の模擬試験問題集の巻末に、「まだ本試験で未出題の分野」という項目でしっかりでていた分野ですが…見事に忘れてました。「ここであせらないことが大切」と言い聞かせた。

     前回3級を受けたときは(低合格率でしたが)4問目の前払保険料の問題であせってしまい、自分でもなにをやっているのかわからなくなってしまった経験があったからです。焦ると、自宅でさんざん勉強して、解きかたがわかっているはずの問題も、なぜか解きかたが思い出せないという事態にもなりかねないので、努めて平常心を心掛けました。

     次は工業簿記。模擬問題集についてくる、過去3年間に出題された論点を何回も見ていると、最近は標準原価計算の差異分析が出題されていなかったので、「もしかしたら…」と思い重点的に勉強していた。その差異分析の問題が出題されたので、比較的安心して解答。4問5問とも満点の可能性あり。

     商業簿記では、第2問の備品の一部当座取引でちょっと苦労。試験中に、「そういえば模擬問題で似たような問題をやったことがある」のを思い出し、なんとか解答。結果的には正解が出せていたみたいで一安心。

     最後に3問目。本支店会計では、まず最初にある未達事項を丁寧にかたずけることからやりました。ここでミスをすると全部に響くので丁寧に。この問題でよくある引っ掛けは、「内部利益の控除」にからむパターン。残高試算表に内部利益が記載されているかいないかしっかりチェック。ひねったところもなく終了。満点の可能性大。こんな感じで、比較的手ごたえを感じて1時間30分くらいで終了しました。

    管理人からKENさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     お勧めできます。3級のときはすべてネットスクールの本で勉強したのですが、今回は税務経理の模擬試験問題集をやってみることにしました。掲載されている問題はほとんど過去に出題された問題を改題したもののようですが、いずれも手ごわい問題ばかりでした。この本1冊やるだけでも結構な時間がかかりましたが、実力はかなりつきました。

     またネットスクールの模擬問題集、本試験レベル問題集もとてもよかったです。模擬試験問題集には、1級から新しく試験範囲に繰り入れになった、個別原価計算の仕損の処理の問題も出ていてやり応えがありました。2冊ともレベル的にはほぼ本試験レベルだと思います。また問題を解くうえで疑問に思ったことは、ネットスクールの掲示板で質問をして解決していました。

     KENさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     直接原価計算と全部原価計算の分野は、意外にも苦手でした。意外というのは、最初は理解できる!と思っていたのですが、過去問を解いていくうちに、かなり奥が深い論点だということに気が付いたからです。

     そこで、ネットスクールの掲示板で質問したり、自分と同じ部分で疑問を抱えている人がいないか、ネットで調べたりしていました。そうしたら、やっぱり皆さん同じところでつまづいたり疑問が浮かぶらしく、過去に自分と同じ質問を質問をネット上でされている方がたくさんいて、疑問解決に役立ちました。この時は正直、ネットの威力を痛感しました。

     得意な論点としては、差異分析の分野でしょうか。最初見たときに、難しそうと思ったので、逆に、あせらずひとつひとつ丁寧に勉強していきました。過去問や模擬問題集の中から差異分析の問題ばかりをピックアップしてやったりしました。

     やっていくうちに、差異の分析=標準原価計算ではない、ということが分かってきたり結果的に、得意分野になってました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     簿記の勉強をしていると、頭がだんだん煮詰まってくるので、どこかのタイミングで意図的に勉強のペースを落として、頭をリフレッシュされるのも大切だと感じています。2級は、3級と比較して工業簿記もでてくるし、少し範囲も広くなるし、内容も複雑になってくるけど、「無理に理解しようとせず」、メリハリつけて勉強を進めていくと効果的ではないでしょうか。

     あと、模擬問題集は、易しめのものから難しめのものまで、最低2冊はやっておいたほうがよいかと思います。自分はまず税務経理のものをやって、次にネットスクールの模擬試験問題集をやり、最後の仕上げにネットスクールの本試験レベル問題集をやりました。収録されている問題の傾向も難易度も各社違いますので。

     反省点としては、仕訳の部分です。自分は最後の3日くらいで、簿記検定ナビに掲載されている仕訳の問題20回分位を全部やりましたが、意外なところでミスを発見できたので、もう少し早めにやっておいても良かったと思ってます。

     ちなみに、ここでミスをしたところは間違いノートに書いておいたのですが、実際の本試験(第一問)で間違いノートに書いておいた論点が出題されたので、効果はあったと思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     今後は簿記1級の取得を目指しています。すでに勉強を開始しております。11月に間に合うかは微妙ですが、少しずつ進めていきたいと思っております。

    管理人コメント

     KENさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ひたすらがむしゃらに勉強するのではなく、計画的・戦略的にメリハリをつけて勉強するKENさんの学習するスタイル…独学受験生の方々にはぜひ見習っていただきたいと思います。

     よく「気分が乗らない時はどうすればいいですか?」という質問をいただきますが、その時は「好きなことをやるか、ひたすら寝るかのどちらかがいいと思います」と答えるようにしています。気分が乗らないときに勉強をやっても身になりませんし、中途半端に休んでも気分転換になりませんので、「思い切って遊ぶ&思い切って寝る」ようにしてください。

     あとは…KENさんもおっしゃっていますが、仕訳問題対策はなるべく早い時期に学習するのが一番効果的(仕訳は全ての問題の基本となるものだから)ですので、テキストを一通り勉強したら少しずつ取り組むことをおすすめします。

     最後に、仕訳問題対策の使い方は十人十色だと思いますが、個人的には…まず全ての問題を解いて仕訳リストに○×を付け、細切れの時間などを使って×だった問題を復習する。一定期間後にまた全ての問題を解いて、また仕訳リストに○×をつける。なお、2回連続で正解した問題は3回目以降はチェックする必要はないですし、2回連続で×だった問題には優先的に目を通すようにしてください。あとはこれを繰り返すだけです。

    KENさんが使われた教材&電卓のまとめ