投稿者: 田口泰久@簿記検定ナビ

  • 第129回日商簿記検定 簿記3級 合格体験記 No.56

    通学講座のメリットを最大限享受して満点合格!

    • 投稿者:Yassyさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月半

    はじめに

     私は地方に勤務する技術職です。今まで経理とは全く無縁でしたが、最近では技術職でも決算書を読みこなすことを求められるようになりました。そのため簿記でも勉強してみようか?という軽い気持ちで勉強を始めました。

    使用したテキスト・問題集・電卓

    1. 大原の授業で使ったテキスト・問題集
    2. なるほど!わかるテキスト 日商簿記3級(TAC)
    3. 合格するための過去問題集 日商簿記3級 117~128回(TAC)
    4. 出題パターンと解き方 日商簿記3級 98~117回(ネットスクール)
    5. CASIO DF-120GT(電卓)

     4.については、amazonの中古品を200円くらいで入手しました。問題集は解答用紙がネットからダウンロードできる本を選ぶと勉強しやすい、と感じました。その点でいえば大原で使った問題集は使いにくかったです。

     5.については、電気屋で手のひらサイズの12ケタのものを選びました。使って気付いたのは、キーを叩く音が若干大きいのと3キーロールオーバー機能がないことくらいです。特に困ったことはありません。予備の電卓も同じ機種を買いました。

    勉強方法について

     簿記って何のこと?と思っていたくらいで、簿記の勉強といっても何から手をつけていいか全く分かりませんでした。そのためネットで合格体験記を探してみました。すると3級であれば問題集を読んで1ケ月で合格できる、という体験記を多く見つけました。

     それであれば参考書を1冊買って読めばいいんだろう、と思ってしまい、本屋に行って簿記の問題集が陳列されている棚の手前にある参考書(これが2.です)を買って読んでみました。最初の10頁くらいはすんなり頭に入るのですが、その後はまるで宇宙人と会話をしているのか?と思うほど分からなくなってしまいました。

     こりゃいかん、と思って専門学校を探しました。理解できなかったテキストがTACのテキストだったので、TAC以外で大原とLECを探し出し説明を聞いてみました。大原は簿記の講師がしっかり説明してくれて、また説明を聞いた1週間後から11月試験目標のクラスが始まる、ということもあり、大原に通うことにしました。

     大原では週2回、夜間クラスに通いました。生活のリズムが出来ましたし、同じ目標に向かって努力する仲間と知り合うことができたのが最大の収穫でした。大原の授業を受け、習った範囲の問題を解く、ということを8月から9月末まで続けました。この頃は過去問に手を出す余裕が全くありませんでした。

     10月から答練が始まり、同時に過去問を解き始めました。その時に仕訳の知識があやふや、ということに気づきました。そこで簿記検定ナビの仕訳対策をダウンロードし、2日ほどで全てを解きました。そうすると仕訳は簿記の基礎であり、仕訳ができないと簿記検定合格はできない、と思えるようになりました。

     10月中旬までに3.の問題集を一通り解きました。そうすると自分の弱点が分かってきました。第2問と第4問で得点できないことが度々ありました。どんな分野なのかな?と思ってじっくり見なおしてみると、だいたい同じ内容で得点できていない、ということに気づきました。自分の場合は「損益」勘定の使い方がよく分かっていませんでした。

     そのためテキストに戻って勉強するとともに、第2問と第4問については、更に古い問題にまで遡って解いてみることにして、4.をamazonで入手しました。損益勘定は、最後に借方と貸方を合わせる時に使う都合のいい勘定、と割り切りました。

     11月に入るまでに3.を2回、4.の第2問と第4問を1回解きました。大原での答練でもほぼ満点を取ることが続きました。3.の3回目の解きなおしでは、悪くても90点が取れるようになりました。あと、間違いノートは作りませんでした。というより、作る余裕がありませんでした。自分の弱点の問題に付箋を付けて、時間があれば眺めていました。

    問題を解く順番について

     かなり試行錯誤しました。

    • 最初:1→2→4→5→3
    • 途中:1→5→3→2→4
    • 最後:5→1→3→2→4

     当初は「まず仕訳をして、時間がかからない第2問と第4問を先に解いて、その後は得意な精算表をやって、最後に時間のかかる試算表」と思っていました。

     ところが大原の先生から「第2問と第4問はものすごく難しい問題が出ることがあり、そういう回は合格率が低い」という話を聞きました。そのために仕訳・精算表・試算表という配点の大きい問題から先に解いて最後に第2問と第4問を解く、という方法に変更しました。

     ところが大原の直前模試で部屋の異様な雰囲気に飲みこまれてしまいました。「はじめ!」の合図で頭に血がのぼってしまい、その状態で仕訳を解こうと思っても全く手が動きませんでした。結果的には満点近く取れましたが、今までの自分の勉強方法を否定されてしまったような気がしました。

     直前模試の後にあった授業で先生にそのことを話すと、「試験が始まった直後は緊張しているだろうから、長文を読んで理解しなければならない仕訳を解くのにはふさわしくないんじゃないかな?」というアドバイスを頂きました。

     そのため得意(だと思っていた)精算表を最初に解き、少し落ち着いたところで仕訳を解くという順番に変更してみました。これが意外にしっくり合いました。本番でもこの順番で解きました。

    メンタル面について

     いくら学校に通っていたといっても、最後は自分との戦いになります。分からない分野に出会った時に何度も投げ出したくなりました。そんな自分を支えてくれたのが、同じ目的を持ったクラスの仲間でした。簿記3級のクラスは高校生をはじめとして比較的若い人が多く、自分のような「おじさん」は数人しかいませんでした。

     そんな仲間がお互い支えあうことができたのは大きな収穫でした。こんなにも自分にプラスの影響を下さった仲間に心から感謝しています。ちなみにクラスでは「おじさん友の会」なるものができて、試験が終わった後は食事に行きました。今でもお付き合いがあるくらいです。

    試験日の1日の流れ

    • 6:00

     起床。今までの問題演習でよく間違えた問題を中心に解きなおす。

    • 7:30

     最後の持ち物チェックをして出発。実は直前模試で電卓を忘れる、というミスをしてしまいました。午後の試験であれば近所の電気屋で買うことができるかもしれませんが、午前9時からであればコンビニで売られている小さな電卓くらいしか買うことができません。気をつけたい点です。

    • 8:25

     試験会場到着。いつもの大原の校舎でした。仕訳と付箋のついた問題を見て過ごす。試験官が入ってきたときにトイレに行く。

    • 9:00

     説明開始。問題が配られる。解答用紙に名前を書くときに、第3問が合計残高試算表、第4問は伝票か?第5問が精算表の標準問題であることが予想できました。

    • 9:14

     試験開始。予定通り5→1→3→2→4の順。特に鉛筆が止まるところもなく、1時間ちょっとで解き終わりました。残った時間は電卓を叩きまくり、ひたすら検算をしていました。

    • 11:14

     試験終了

    • 12:00

     大原での解答速報会に出席。満点でした。

    試験を終えて

     合格発表の日に自分の受験番号をネットで見つけることができました。点数を確認したら、やっぱり満点でした。今回は簡単な回だったようですが、それでも一つの結果を出すことができたのは嬉しかったです。

     今は2月を目標に簿記2級の勉強をしています。仕事では簿記3級の知識で事足りるのですが、せっかく勉強を始めたのだから工業簿記を勉強してみたい、また自分の仕事と無縁の本支店会計や社債についても勉強してみたい、と思ったからです。簿記2級は簿記3級の知識が必要となります。学校でしっかり基礎を固めておいてよかった、と何度も思います。

     簿記の勉強を止めようと思ったことは多くありました。試算表でどれだけ頑張っても合計が合わない時は、自分は理系で数字が好きなのにどうして?と涙が出たこともありました。でも頑張っているのは自分一人ではない、と励まし合う仲間がいたことは本当にありがたかったです。

     決まった日の決まった時間に学校に行かなければならない、というデメリットを感じる方は多いと思いますが、そのデメリットを遥かに上回るメリットが自分にはありました。

     簿記検定ナビには質問もさせて頂き、何度も助けられました。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

    管理人からYassyさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     大原のテキストは分かりやすいのですが、問題集は解答用紙がwebからダウンロードできず、コピーを事前に取る必要があったため、お薦めできません。テキストは90点、問題集は50点です。

     なるほど!わかるテキスト 日商簿記3級(TAC)は挫折してしまったので40点です(今読めば分かりますが)。

     合格するための過去問題集 日商簿記3級 117~128回(TAC)は解説が詳しくてお薦めです。100点ですね。

     出題パターンと解き方 日商簿記3級 98~117回(ネットスクール)は第1問、第2問という順に並んでいるのが、自分には使いにくかったです。また解説もあっさりしていました。70点です。

     Yassyさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は決算手続きです。見越し繰り延べは一度分かると確実な得点源となります。苦手な論点は「損益」勘定の使い方でした。これについては以下の3つの対応をしました。

    ・大原のテキストを読み返した(あまり効果なし)
    ・なるほど!わかるテキストを読み返した(これもあまり効果なし)
    ・98回からの問題集の第2問からピックアップして何度も解いた(抜群の効果あり)

     最後に借方と貸方の合計額を合わせるときに使う勘定科目、と割り切りました。

    管理人コメント

     Yassyさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     解答手順に関しては、ラストスパート模試では1→5→3→4→2を推奨していますが、個人的にはどんな順番で解いてもいいのかな~と思っています。なお、本試験で難しい問題が出題された場合は、予め解く順番を決めていたとしても、その問題を強制的に一番最後に持っていくようにしてください。「(本試験では)取れるところから優先的に取る」のがポイントです。

     あと、Yassyさんも「(専門学校に通って勉強することにより)生活のリズムが出来ましたし、同じ目標に向かって努力する仲間と知り合うことができたのが最大の収穫」とおっしゃっていますが、これは本当にでかいと思います。

     最近では、TwitterなどのSNS経由で受験生同士が気軽に交流できるようになりましたが、やはりリアルに顔をあわせて切磋琢磨するに越したことはありません。昔に比べると受講料もこなれてきましたので、時間を捻出できる方にはTACや大原等の通学講座をおすすめします。

    Yassyさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.91

    苦手論点は放置せずに、「まとめ解き」で得点源にしましょう!

    • 投稿者:とりこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     私は30代後半の男性で、某団体の企画部門に勤務しています。数年前、それまで広報関係の経験しかなく経理関係の知識が全くなかったことに焦りを感じ、基礎的な知識だけでも身に着けておこうと3級を受験し、合格しました。

     その後、そのままの流れで2級の勉強も始め、受験申し込みまでしたものの業務の繁忙期と重なり、また、業務上の必要性も特段なかったこともあり、いつしかフェードアウトしてしまいました。

     しかし、途中で挫折したという悔しい思いは消えることがなく「いつか、必ず…」という思いは持ち続けており、その後、再挑戦を志して参考書を買ったものの、仕事が忙しいこと等を言い訳にして、結局数ページ読んでそれっきり…ということが2度ほどありました。

     しかしその後、経営企画関係の業務に従事することとなり、経営企画の立案の際、経理データを裏付けとして使うことが多かったことがきっかけとなって、数年ぶりに2級に取り組むことにしました。

     夏を過ぎると業務が一段落することが見込まれたため、11月20日の129回に照準を合わせ、9月上旬から2ヵ月半での合格を目論みました。

     余談ですが、今回改めて挑戦するにあたり、これまでに買った2級の参考書・問題集の数を数えたところ10冊!もあり、やっぱり簿記は向いてないかも…と弱気になりかけましたが、「今回こそは絶対にやり遂げるぞ!」と気合を入れなおしました。

    勉強スタイル

    • 勉強時間

     前回3級の受験勉強をしていた際と大きく異なるのは、結婚し子供が出来たことです。3級受験時は、仕事から帰ったらひたすら勉強することも可能でしたが、今は子供が寝ている時間だけがフリータイムです。そのため、平日は通勤電車内、週末は早朝の勉強がメインとなりました。

    • 勉強の基本方針

     テキストを通読して全体像をぼんやりとでもつかんだ後、問題を繰り返し解いて知識を頭に叩き込み、知識が蓄積されたところでテキストを改めて読んで、知識を体系化するという方法を取りました。

     また、問題を解いたりテキストを読みこむ際は、じっくりと時間をかけて1回やるよりも、同じ時間ですばやく2回繰り返すことを基本としました。こうしたやり方のほうが、理解度の点でも記憶の定着の点でも、自分には向いていることをこれまでの経験からわかっていたためです。

    • スケジューリング

     短期間で合格するためには、事前のスケジューリングも重要でした。2か月半後の試験日から逆算して1週間のノルマを決め、さらに日毎のノルマに落とし込み、それをさらに電車内、帰宅後というように具体的に割り振っていきました。

     また、日毎のノルマが達成できず後にずれこむことを想定して、各週に1日は調整日としてノルマを設定しない日を設けました。案の定、予定は毎週必ず遅延し、この調整日が毎週機能することとなりました。

    • 使用電卓:SHARP・EL-S872

     電卓は、以前より仕事で使用していたSHARPのEL-S872を使用しました。実は、今回勉強を始めるにあたって簿記検定ナビさんが勧めておられるCANON・HS-1210TUを購入しようと思い、電気店で試し打ちしてみたのですが、数年間使用して使い慣れているSHARPのEL-S872のほうがキータッチが好みであったため、こちらを使用することにしました。

     最近の電卓はキーの部分がソフトな素材(ビニール?か何か)になっており、購入前に打鍵感の比較が出来ますので、AMAZON等で評価の高い商品を実際に試し打ちしてみて、自分に最もしっくりくるものをお勧めしたいと思います。

     普段の業務では、電卓は簡単な四則演算程度しか使わないので、「M+-」キーの使い方も知らなければ、「→」キーの使い方すら知りませんでした。簿記検定ナビさんの電卓の使い方の説明ページで「M+-」キーの使い方を知り、もっと早く知っておけば…と後悔したぐらいです。

     これから勉強を始める方は、まずこのページをチェックされることをおすすめします。「M+-」キーが使えるだけでも、計算スピードは格段に上がります。

    3級のおさらい:9月上旬~中旬(2週間)

     3級の勉強をしてから数年が経過していたことから、3級のおさらいから始めることにしました。前回3級を受験した際に使用したLECの参考書及び問題集が手元にありましたが、内容が古くなっていると思われるため改めて購入しました。

     AMAZONの書評をもとに好評の数冊を書店で見比べた結果、TACの「スッキリわかる日商簿記3級」を購入しました。「スッキリ~」は、他の参考書に比べて解説がわかりやすかったこと、参考書と問題集が1冊になっていること(3級については、知識のブラッシュアップが目的だったため、問題量は最低限が望ましかったため)が選択理由となりました。

     3級は2級の勉強の基礎となる部分のおさらいとの位置づけですので、14日間で勉強を終えることを目途として、次のように進めました。

    テキスト読み込み(1回目)

     まず、1回目は多少理解があやふやな個所があっても気にせず、とりあえず全体像をつかむことを目的として、問題は解かず最後まで通して読みました。

     ただし、決算整理や財務諸表等、重要なポイントは時間をかけて読みました。全体で19章あるので、一日4章をノルマとしてその日の割り当て章を読み終えるまでは、眠い目をこすりながらでも読み続け、5日で読み終えました。

     この時点で、3級の内容を期待していたほど覚えていないという現実に直面しました。

    テキスト読み込み(2回目)&問題解答(1回目)

     2回目は主に電車内で各章の解説を読み、帰宅後、寝る前の1時間程度の間に問題に取り組みました。本文を読んだ際は「なるほど!」と納得しながら読み進めたものの、いざ実際に問題を解いてみると直前に納得していたのがうそのように、3割から4割くらいは間違いました。

     間違った問題にはチェックをつけておき、翌日に、その日の割り当て章の勉強を始める前に改めて解きなおしました。これは言うまでもなく忘れる前に復習することで、記憶が定着することを狙ったものです。

     しかし、それでもやっぱり間違える問題もありました。そうした問題は「殿堂入り」として付箋でマークしておき、改めてまとめて解きなおすことにしました。なお、2回目は問題の解答とその復習も併せて行ったことから、1日の割り当ては3~4章とし7日間で終えました。

    問題解答(2回目)

     14日を目途としていたので、残る2日間で「殿堂入り」した問題を再度解きなおしました。なぜ間違えたのか、どこが理解しづらいのか、ということを確認することに留意しながら一通り解き直し、理解しづらい個所は改めてテキストを熟読しました。

     2日間で6時間というまとまった時間を確保するため、2週間前の月曜から勉強をスタートさせ、殿堂入り問題との最終決戦は週末に早朝のマクドナルドで行いました。さすがにこれだけやると、一通りの論点は再確認できました。

    2級の基礎養成期:9月下旬~10月中旬(1か月)

     2級のテキストも、商簿・工簿ともにTACの「スッキリわかる日商簿記2級」を使用しました。実は、以前挫折した時に、これまた有名な「サクッとうかる~」と「パタ解き」を使用していたのですが、今回改めて他社の参考書も含めていろいろと見比べました。

     その結果、「スッキリわかる~」の解説が私には一番すんなりと理解が出来るような気がしたため、「スッキリ~」を使うことに決めました。またテキストと問題集が1冊になっていることも、あまり勉強時間がとれないことが予想された私には大きな魅力でした。正直、最初は「あわよくばこれ1冊で…」と目論んでいました。

     まず最初に、3級をおさらいすることで基本論点を押さえていた商簿から勉強を始め、一通り終わったら次は工簿、というふうに両科目を交互に勉強することにしました。先に書いたように記憶の定着を意識したためで、商簿が完全に終わってから工簿に取り組むと、工簿が終わった頃には商簿は忘却の彼方…ということを避けるためです。

    テキスト読み込み1回目(9月下旬:1週間)

     3級のおさらい時と同様に、最初はとりあえず全体像を把握するためにテキストを読み、問題は解きませんでした。1週間で商簿・工簿ともに読んだため「読み飛ばした」という表現が正確かもしれません。ちなみに、数年前に2級を挫折した際は工簿まで到達していなかったので、工簿を勉強するのは今回が初めてでした。

    テキスト読み込み2回目&問題解答1回目(10月上旬~中旬:1週間)

     次に、電車でテキストを読み、帰宅後もしくは翌朝の出勤前に1時間程度、その日にテキストを読んだ章の問題を解き、間違った問題にはチェックを付して、翌日にその日の割り当て章の勉強前に復習することにしました。これを1週間で終え、2周させることで記憶の定着を図ることとしました。

     「スッキリ~」の解説は本当にわかりやすかったのですが、実際に問題を解いてみると3級のおさらい時以上にさっぱり解けませんでした。ということはつまり、翌日の間違った問題の復習も多いということで復習に時間を要し、その日の割り当て章に十分な時間が割けない状態でした。

     そのため、やり方を改めて2日続けて同じ内容を繰り返すことにしました。つまり、○章の解説を読み問題を解く→翌日に、前日と同じ章の解説を改めて読み全問題を解きなおして、ここで間違った問題は週末にまとめて解きなおすようにしました。

     問題を解かず解説を読んでいるだけでは、わかった気になっているだけだということを痛感しました。解答に至るプロセスのうち、どこがわかっていないのかということは、問題を解いて初めてわかることです。早い時点から手を動かして、問題を実際に解いてみることを強くお勧めします。

     これらに加えて、簿記検定ナビさんで提供されている「仕訳問題対策」の問題と解答・解説を数回分プリントアウトして常に持ち歩き、移動時間等で10分程度のすきま時間があれば、すかさずこれを取り出して解いていきました。

     1回目は全て解答し、2回目以降は前回間違ったもののみを解きなおすという方法で、試験直前までに5周程度はこなしたと思います。「仕訳問題対策」の解説は、類題がいつの検定で出題されたかについても記載されているため、苦手な論点については試験の直前期に類題をまとめて解きました。

     こうすることによって、仕訳に関しては苦手な論点がなくなりました。129回検定の第1問では「スッキリ~」や「プラス8点~」では扱われていなかった(私の記憶が正しければ…)論点も出題されましたが、結果として20点満点が取れたのは「仕訳問題対策」に取り組んでいたおかげです。

    問題解答3回目

     例によって週末に朝マックを食べながら、その週の勉強で間違った問題を解きなおしました。ただ、この段階になってくると何が問われているかはある程度分かるのですが、問題を解くプロセスがもう一つよくわからず、結果として問題がとけないというケースが多々あり、正直言って「スッキリ~」以外に、解説がより充実した問題集の必要性を感じました。

    2級の応用力養成期:10月下旬~11月上旬(2週間)

     そこで、AMAZONのレビューを参考にしながら書店で比較検討した結果、「日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC)」を使用することにしました。知識を解答に結び付けるためのプロセスが詳細かつ分かりやすく記載されており、まさに目からウロコが何枚も落ちました。

     はじめの1週間で全問題を一通り解き、間違った問題にはチェックを付し、2回目はチェックが付された問題だけを解き、3回目は2回目で間違った問題だけを解き直しました。

     3回目が終わる頃には、工簿はほぼ完全に解答できるようになりました。この問題集に取り組む前は工簿のほうが理解が進んでいなかったので、大きな進歩でした。

     しかし、商簿はまだまだ論点ごとの得点のバラつきが大きく、この時点で試験を受けていれば確実にアウトだったと思います。

    試験直前期:11月中旬(1週間)

     最後の1週間で「ラストスパート模試」に取り組みました。本当は「ラストスパート模試」に2週間程度を充てたかったのですが、「プラス8点~」を用いての応用力養成を重視したため、結果として1週間前に着手することになってしまいました。

     この時点では70点が取れない状態であることは自覚していましたので、残りの1週間で出題が予想される最重要論点だけでも完璧に解けるようにしようと考え、1週間で「ラストスパート模試」を3回こなすことにしました。

     得点は平均すると50~70点程度。1問目はどの回も満点でした。ただ、2~5問は得意な論点の場合は満点近くとれる一方で、それ以外の論点は10点程度の部分点にとどまっている状態でした。特に商簿は得意・不得意が得点差にはっきりと表れていました。ちなみに特に苦手だった論点は本支店会計です。

     直前期にもなって、論点ごとの得点力に相当の差があることに今更ながら気がついた私は、簿記検定ナビさんが勧めておられるように、苦手論点の類題をまとめて解きまくることにしました。

     「プラス8点~」には例題と関連問題を含めると、各論点について数問の類題が掲載されていることから、苦手な論点についてはそれらをまとめて解きました。

     切り口の異なる類題をまとめて解くことで、各問題の共通項、つまり解答のポイントやアプローチ方法に気づくことも多く、その後改めて「ラストスパート模試」の問題を解くと、おもしろいように正答率が上がりました。

     睡眠時間を削り「ラストスパート模試」を予定通り3回解いた結果、「ラストスパート模試の予想さえ当たればいけるかも!?」というレベルまで何とか持っていきました。

     なお、今回も「ラストスパート模試」の的中率は92%だったらしいので、本当に時間のない場合は、第2問~第4問は予想論点だけに絞るのも一つの考え方かもしれません。

     また、最直前期には、「ラストスパート模試」についていた論点カード「ラスパカード」を、トイレ中(失礼!)や通勤途中等に歩きながら確認し、仕訳問題に関する知識のブラッシュアップを図りました。

    試験日の1日の流れ

     普段どおり6時に起床し、ラスパカードをめくりながら朝食をとり、ラスパの第1予想から第3予想の第2問~第5問の問題と解答に目を通し、解答のプロセスを確認する。

     試験会場まで電車と徒歩で30分程度で到着する距離ですが、電車が事故等で遅れる可能性を考慮に入れ、試験開始1時間30分前の12時に自宅を出発。電車は通常どおりに運行しており、試験の1時間前に会場に到着。「日商簿記2級 プラス8点のための問題演習」で、よく間違っていた論点を一通り確認しました。

     また、昼食は到着直後にカロリーメイト2本とウィダーインゼリー、試験開始直前に更にカロリーメイト2本を摂取しました。昼食をカロリーメイトとゼリーだけにするのは満腹による眠気を回避するためですが、これだけだと大食漢の私の場合、2時間ほど経つと空腹感を感じ始めます。

     2段階にわけて食べることはそれに対応するためで、試験開始1時間前に摂取したカロリーメイトとゼリー飲料が試験開始時から栄養として機能し、それらが燃え尽きるころに30分程度ずらして摂取したカロリーメイトが燃焼を続けており、結果として2時間の間、常に脳に栄養が供給されている、という私の何の根拠もない想像です。

     これはこれまで様々な試験を受ける際に試行錯誤を繰り返した結果の方法であり、今回もこのやり方で2時間の試験時間中、眠気も空腹感も感じることはありませんでした。

     13時30分から試験説明、問題用紙及び解答用紙の配布。解答用紙を切り離し、名前を記入するように指示があったため、解答用紙を切り離しながら解答欄を確認すると、私が苦手としている本支店会計が出題されていないこと、工簿で私の大好きな論点である部門別原価計算と組別原価計算が出題されていることがわかりました。

     ここで一気に肩の力が抜け、合格を確信した私は一人でほくそ笑んでいました。しかし、後で考えるとここで肩の力が抜けたのと同時に、気合も少々抜けてしまっていたようです。

    • 試験開始!

     解答は、ラスパのアドバイス通り1→4→5→2→3の順で取り組むことに決めており、一通り問題を確認したところ、全体的にオーソドックスな問題で解答順を特段変更する必要もないように感じたので、予定通りに進めることにしました。

     第1問は1題あたり2分程度で計10分、全問正解を目標としていたのですが、1問目の(のれん)と第4問(商品保証引当金)は一見すると「スッキリ~」や「プラス8点~」では扱われていなかったと思われる問題が出題されていたので、かなり焦りました。

     しかし、第100回以降の仕訳問題全問をこなしていたため、おぼろげな記憶を必死に呼び戻しつつ何とか解答をひねり出しました。正解の確信はなかったのですが、結果的には全問正解していました。ただし、この時点で予想外の20分が経過していました。

     続いて第4問を解答。(1)はひねりのない基本的な問われ方で、問題なくすんなりと解答できましたが、(2)は、記憶にない問われ方で正直とまどいました。しかし、粘れば20点満点がとれそうだったので、粘りに粘ってなんとか解答。これも満点がとれましたが、時間は30分要し、これまた想定外。

     次に第5問を解答。組別総合原価計算でしたが、基本的な問われ方でしたので完答し、20点満点ゲット。しかし、途中で計算の単純ミスに気づき、計算をやりなおしたため25分を要しました。

     続いて第2問を解答。残高試算表でしたがオーソドックスな問題で完答し、20点満点ゲット。しかし、ここまである程度手ごたえがあったので「これを完全に正解すれば合格だ!」との思いから、計算を慎重にやりすぎて30分を要しました。

     最後に第3問。損益計算書の作成でしたがこれまたオーソドックスな問題で、本来なら全問正解したいところですが、着手した時点で残り時間は15分となっており、部分点狙いに切り替えました

     しかし、決算整理仕訳をした時点で残りは5分。配点されてそうな部分を3問解答しましたが、各専門学校が公表している模範解答を参照すると、そのうち一つしか配点されてなかったようです。

     という訳で、解答用紙をみた瞬間に感じた「いただき!」という感触とは裏腹に、時間配分のミスでほぼ4問しか解答できないという結果に終わりました。しかし、解いた問題は全問正解しており、82点で合格という結果と相成りました。

    試験に合格して

     私は学生時代に経営学を専攻していたため、知識のブラッシュアップのために経営学関係の本をよく読むのですが、会計関係、特に管理会計については格段に理解度が上がりました。以前一読してイマイチ意味がわからなかった本でも、2級合格後に再読すると内容がすんなりと頭に入り、感動を覚えました。

     今のところ1級を目指すつもりはないのですが、2級の勉強の最終盤に問題を解いている際に感じた、クロスワードパズルを解くようなおもしろさは捨てがたいので、1級用の「プラス8点のための問題演習」が出版されれば、挑戦するかもしれません。

     いずれにしろ、長年、心のどこかにひっかかっていた2級に合格できほっとしました。手を付けては投げ出し、手を付けては投げ出しを3回繰り返し、「自分は簿記に向いてないのかも」と苦手意識を持っていましたが、気持ちの持ちようとやり方次第でなんとかなると再認識できたことは、少々大げさかもしれませんが自分にとっては大きかったです。

    管理人からとりこさんへ追加の質問

     とりこさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     本文にも書いたように、これまでに2級の勉強を始めてはすぐにあきらめ…ということが何度かあったので、今回は、勉強を始めるために、モチベーションの維持方法を考えました。実際に行ったのは、以下の方法です。

    ・長期間モチベーションを維持することは難しいので、2か月強という短期のスケジュールを組んだこと

    ・勉強場所を適宜変えること(主にマック)で、気分転換しつつ勉強すること

    ・「あと○日しかない…」と考えるのではなく、「70点を取るためには、残った○日で何をすればよいか」と考えるようにしたこと

    ・それでもモチベーションが途切れそうなときは、簿記検定ナビの合格体験記を読み、やる気を奮い立たせたこと(合格者のみなさんも勉強中にはスランプや焦りを感じておられたことを知っただけでも、少しほっとしたのを憶えています)

    管理人コメント

     とりこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!勉強方法や試験日当日の様子をかなり詳しく書いていただきましたので、読み応えのある合格体験記に仕上がったと思います。

     まず電卓についてですが、とりこさんがおっしゃっているように、自分目で確かめて実際に触ってから購入するのが一番だと思います。メモリーやグランドトータル等の機能も使いこなせるに越したことはありませんので、電卓本を参考にしたり、簿記検定ナビの電卓講座等で対策をしておいてください。

     あと、とりこさんも実践されていますが、苦手論点については「まとめ解き」が有効です。ひとつの論点を集中的に取り組むことによって、ひっかけ方に規則性があること、効果的・効率的な解き方があることが分かるはずです。

     最後に、本試験でうまくペース配分をするのは難しいですが、どうしても時間が足りなくなってしまった場合は部分点狙いに切り替えましょう。上から順番に解いていくのではなく、配点のありそうなところから優先的に勘定科目・金額を埋めていってください。

    とりこさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.90

    過去問対策は大事!インプットよりもアウトプットを重視しよう!

    • 投稿者:ちくわさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    はじめに

     自分は現在大学二年生で、簿記とは全く関係のない文系の学部に所属してます。元々大学で経済を学びたかったなどお金に関することに興味があり、また就職で使えるとのことだったので簿記をとることにしました。費用をかけたくなかったので最初から独学で勉強を進めました。

    メインテキストについて(ダイエックス出版の最短合格シリーズ)

    • 日商簿記2級最短合格テキスト 商業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格テキスト 工業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格問題集 商業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格問題集 工業簿記―10日30時間で受かる!

     テキストと問題集は同じシリーズのものを使った方が良いと思ったので、最短合格シリーズで揃えました。テキストは、イラストを使ってイメージしやすいように工夫してあり、単元の最後に簡単な確認問題があります。

     問題集は、前半が実際の試験より簡単な問題、後半が試験レベルの問題となってます。2級に必要な知識がコンパクトにまとまっているので、自分みたいに時間のない人には使いやすいです。

     ただ、時間に余裕があって、確実に合格したい人は別のシリーズを使った方が良いです。あまりいないとは思いますが、10日30時間で受かるというのは真に受けない方がいいです。

     これは商業と工業それぞれのテキストと問題集が5日分にわけられていて、10日でテキストと問題集が一周できるというだけです。簿記2級は一周すればうかる程簡単な資格ではありません。

    補助教材について

    • 日商簿記3・2級 受かる勉強法落ちる勉強法
    • これだけ仕訳マスター 日商簿記2級

     独学での勉強法・計画のたて方・お勧めのテキストと問題集・直前に役立つテクニックなどが載っており、独学で勉強する人にお勧めです。独学する人の弱点である情報不足を補うことができます。

     仕訳マスターは、かなり簡単な仕訳問題が載ってるポケットサイズの本です。大きさが小さく暗算で解けるレベルの問題集なので、電車の中やちょっとした空き時間に使えます。まとまって勉強時間をとれない人の強い味方になってくれます。

    過去問・予想問題について

    • 出題パターンでマスター過去問題集 日商簿記2級〈129・130回検定対策〉
    • 第129回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

     検定の回に関係なく分野毎に過去問が並べられてるので、効率よく全ての範囲を網羅できます。問題に難易度と目安の解答時間がついているので、解く時の目安になります。弱点は実際の試験のように一回分を通して解くことが出来ないことです。

     TACの直前予想は他の予想問題と比べてないのでわかりませんが、ごく普通の予想問題集だと思います。予想問題に関してはどれも大差ないと思ったので適当にこれを選びました。これで使用した過去問の弱点を補いました。

    教材についてのまとめ

     合格に最低限必要なものは大きく分けて、テキスト・問題集・過去問・予想問題集の四つです。テキストと問題集はないと勉強が始まらないので言うまでもないですが、過去問と予想問題もかなり重要です。

     たまに過去に出された問題は出されないから過去問は大切じゃないと考える人がいますが、そうではないです。確かに数字や問題文などが全く同じ問題は出ませんが、同じ考え方をする問題は出されます。

     更に言えば、出題されやすい問題の傾向を知ることで効率良く勉強することが出来ます。もちろん、それ以外にも問題を解くことでインプットした知識を自分で使えるものに変えたり、試験レベルの問題に慣れるという役割もあります。

     簿記は出題される問題にある程度パターンがあるので、予想問題は意外と当たります。ただし、過度な期待は禁物です。また、頻出の問題がまんべんなくちりばめられてるので、最後の総復習に役立ちます。

    勉強期間

     10月の上旬から始めたので大体1カ月半です。大学生とは言っても丁度バイトが忙しかったり、予定がかなり詰まってたりしたので、特別勉強時間が多かったわけではないです。恐らくトータルの勉強時間は働きながら勉強してる方とあまり変わらないと思います。

    計画と戦略

     勉強出来る時間が限られていたので、難しい問題は部分点を稼ぎ、基本的な問題を確実に得点できるように勉強しました。一つ一つの分野の質をある程度犠牲にしながらも、全ての範囲を最低限のレベルまでは引き上げるといった感じです。このことを頭に入れて読んでもらえると良いと思います。

     勉強を進めていく上でインプットよりもアウトプットを重視しました。簿記の勉強は頭で覚えるというよりも、体で覚えると言った方が正しいと思います。もちろん最低限の決まりや単語の意味は暗記しなければなりませんが、それよりも実際に電卓を操作して書きこんでいくことの方が重要です。

     時間がなかったので闇雲に多くの問題を解いて数をこなすよりも、標準的な問題を繰り返し解いて確実に解けるようにしました。イメージとしては量より質といった感じです。そして復習をしっかりするようにしました。

     人間は忘れる生き物なので、一度勉強しただけではなかなか記憶に定着しません。このような資格の勉強をしたことがある人なら、テキストを最後まで終わらせて最初の方を見たらほとんど覚えてなかった…ということは誰にでも経験があるとは思います。

     それが勉強をする時一番忘れてはいけない点です。2級のように覚えることがそれなりにあるものでは、一度テキストを読んだだけで全てを習得できる人はなかなかいないと思います。だからこそ早い復習が大切になります。

     一度完全に頭から抜けてしまってからもう一度覚えなおすのでは、初めて覚えた時と同じくらい大変です。しかし、頭の中に知識はあるがそれを上手く取り出せないだけの状態なら、復習するのは思い出すだけなのでそこまで大変ではありません。頭にある程度残ってる間に復習をする、それを意識して勉強しました。

    具体的な勉強の進行状況

     10月上旬から中旬にかけては商業、中旬から下旬は工業を勉強しました。どちらもテキストを読んで、それに該当する部分の問題集を解くという形でしました。ただ、工業の勉強を始めてからは商業を忘れないために商業のテキストを空き時間に読んでました。机に向かう時は工業、電車の中や大学の休み時間とかに商業って感じです。

     11月に入ってからは過去問を解き始めました。本当は問題集をもう一度解いてから入りたかったんですが、それでは間に合わないと考え過去問にとりかかりました。過去問を解いていてわからない問題はテキストに戻って確認しました。

     そして過去問を解きながら繰り返し間違えたり苦手なことは小さいノートにまとめ、空いた時間に繰り返し確認するようにしました。間違えたこと以外にも本支店会計の考え方や原価差異分析の図などの重要なことは書きました。

     同時に過去問を始めてからも商業工業両方のテキストを空いた時間に読んでました。最初は読むのにとても時間がかかりましたが、理解していくうちにどんどん早く読めるようになりました。過去問に取り組んでいて苦手だと思った分野は問題集の簡単な問題で練習しました。結局、過去問は全部解きませんでした。

     応用問題は最初から部分点が取れれば良いくらいにしか考えてなかったので、まずは全ての分野の難易度が優しいか普通の問題だけ解いてそれらが完璧になるよう間違えた問題は何回か繰り返しました。その上で今回の試験で出題されると予想されていた分野だけ応用問題までやりました。

     試験の二週間前辺りから予想問題を始めました。これは総復習と2時間で問題を解く訓練だと思っていたので、正解できたりケアレスミスで間違えてしまった問題に関しては特に何回も解いたりはしませんでした。ここで出来なかった問題は過去問で似た問題を探して解きました。こうしたことで効率よく弱点を克服できたと思います。

    まとめノート1
    まとめノート1
    まとめノート2
    まとめノート2

    試験でのポイント

     まず、問題にかける時間や解く順番をあらかじめ決めておいた方が良いです。これをしないと全部解き終わる前に試験が終わってしまったなんてことになりかねません。自分は一問にかける時間は20分、解答の順番は1、2、4、5、3と決めました。第3問は時間がかかる問題が多いためです。

     次に、問題文で大切なことには下線を引いたり囲んだりしましょう。直接法で計算したければならない問題を間接法で計算したりするミスを防ぐためです。こんなミスで失点した結果不合格になってしまったら泣くに泣けません。

     あとは、当然と言えば当然なのですが、なるべく冷静でいられるようにする。例えば、全く見たこともない問題が出た場合、焦ってしまうことが多いですが、焦ってしまってはいけません。焦りそうになった場合に備えて、見たこともない問題を見た時はいきなり解答し始めないで、一旦目を閉じて冷静になってから始めるなど、何かしらの決まりを決めておくと良いです。

    今回を振り返って

     勉強は時間よりも質だと改めて感じました。どんなに勉強時間が多くても落ちる人は落ちますし、少なくても合格する人は合格します。この両者の違いは勉強の質の違いによるものだと思います。何も考えずただがむしゃらに勉強しただけでは合格まで遠回りするだけではなく、最悪の場合不合格になります。

     目標を定め、試験の分析を行い、合格するための戦略を練り、その上で計画を立てて、それを実行に移す。この一連の作業を最初にしっかりするかしないかで結果は大きく違ってくると思います。

     そして当然ですが、少しでも多く勉強時間を捻出することも大切です。電車の中、人を待ってる時間、ぼーっとしてる休憩時間など勉強に充てられる時間は探せば結構あります。これらの隙間時間を有効活用できると合格にぐっと近づきます。拙い文章ですがこれを読んで何かしら参考になることがあれば幸いです。

    試験日の1日の流れ

    • 9時頃 起床

     前日寝たのが遅かったので遅く起きました。朝食をとって最後の確認と準備をして出発。

    • 12時半頃 会場到着

     最後はテキストで付箋の付いたページと間違いノートで勉強しました。会場に色々持っていく人がいますが沢山のことはできないので、重要なことや苦手なことを確認するために前もって準備した方が良いです。

    • 13時半ちょっと前 説明やら色々配布してる時間

     配布している間に解答用紙を確認。第3問が本支店会計だと予想していて力を入れていたので、それがはずれてちょっとへこむ。しかし、第4問が簡単な部門別なので内心ガッツポーズすると同時に、どこかに難問が来ると予想。

    • 13時半 試験開始

     まずは全部の問題に目を通して大まかに把握。第3問は時間がかかりそうだったので、1、2、4、5、3の順で回答することに決定。一問にかける時間を20分以内としていたので、新しい問題に取り掛かるたび切り上げる時間を書く。

     第1問の1、2が明らかに新しいパターンで一瞬焦る。でも、それはみんな同じだと考え落としても良いやくらいの気持ちで取り組む。他は特に問題なく第1問終了。第2問で最後の借方と貸方の合計が一致しなかったが気にせず次へ。

     第4問の原価差異の出し方がよくわからなかったので飛ばしたが、配賦表はちゃんと埋められたので問題なし。第5問は比較的得意な工程別の計算。平均法など問題文の重要な個所に印をつけて解答を始める。無事第3問以外を終えたので第3問へ。

     これが難問だったので部分点を稼ぐつもりで解答。空欄を無理やり埋めてとりあえず終わった段階で残り10分。ケアレスミスがないか確認したら3問くらい見つけました。やはり人間はプレッシャーのかかってる状態だとミスをしやすくなりますね。

    • 15時半 試験終了

      たぶん合格しただろうと思いました。夜、解答速報を見てわかる範囲で自己採点をし、よほどのミスがない限り落ちなそうだったので安心しました。

    管理人からちくわさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     管理人様がお勧めしてたCANON HS-1210TUを使いました。3級をとった時は家にあったものを使いましたが、何かと使いにくかったのでちゃんとしたのを買おうと思いました。そんな時知ったのが検定ナビで紹介されてたこれです。

     これは機能や操作性など全てにおいて満足で、他の方にも胸をはっておすすめ出来ます。低価格なのも魅力の一つですね。本体が大きいので自分のように手が大きい方におすすめです。

     ちくわさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は製造間接費の配賦です。工業自体が商業に比べて簡単であり、これはその工業の中でも簡単な論点なせいもあると思いますが。

     苦手な論点は特殊仕訳帳でした。独学だったので質問する相手もおらず、ネットで調べてもいまいち理解できませんでした。苦手なとこは簡単な問題を繰り返し、間違えるたびにテキストに戻るというスタイルが一番良いと思います。

     ちくわさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     短期間だったのでモチベーションの維持に苦労することはありませんでした。でも、周りに2級を受けると言いふらして自分を追い込みました。

     浪人時代やっていたことになりますが、毎日勉強時間を正確に記録して残すということをやってました。そうすることで今までこれだけ勉強したんだから頑張ろうと思えました。

    管理人コメント

     ちくわさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ちくわさんは、合格体験記の中で過去問対策の重要性を説かれていますが、これについては全面的に賛成です。

     ここ最近ですと、第126回試験の第2問(特殊商品売買のオンパレード問題)のように、新形式の問題が出題されることもありますが、基本的に過去問ベースの問題が出題される傾向は変わっていません

     事実、第129回試験の第2問(帳簿組織)も第125回・第127回と同じ形式でしたので、きちんと対策をしていれば余裕で20点が取れる問題でした。

     電卓については、簿記検定ナビでもおすすめしていた「CANON HS-1210TU」を使われたとのことですが、現在は「CANON HS-1220TUG」にモデルチェンジしていますので、興味の有る方は簿記電卓「CANON HS-1220TUG」の詳細レビューページをご覧ください。

    ちくわさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.89

    全ての基礎は仕訳にあり!ウォーミングアップをかねて毎日取り組もう!

    • 投稿者:こうさん
    • 勉強形態:通信→独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年半
    • 備考:通信はZ会を利用

    はじめに・きっかけ

     手さぐりで自営業の経理を10年続け、この経験を形にしたくて試験に挑戦しました。3級からはじめるよりも一気に2級をとってしまおう、と何の下調べもせず始めました。

    教材と経過

     はじめはZ会の通信教材を申込み(安価で2級がとれるということで)勉強を進めていきました。まあ、わかりやすかったと思います。

     はじめに覚える仕訳問題は日常業務のなかでもおこなっていた作業なので楽しく進められました。しかし商業簿記の終盤にもなると難しく、工業簿記に関しては困難を極めました。

     家事・育児・仕事や役員業務のかたわらの勉強であった事と、もともと数字が大嫌いで苦手だったもので。そして、暗記と違って考えて解かないといけないため、ある程度の集中できるまとまった時間の確保が必要でした。

     だめもとで第127回を受けてみましたが、時間内に終わらず理解度も乏しかったという事に気付かされました。スタート直後から響き渡る、皆さんのスピーディーに電卓をはじく音にも圧倒されました。

     自信を無くし、日々も忙しく、しばらく勉強も離れてしまいましたが、やはり最後までやり通そうと思い再び勉強をはじめたのが、子供の夏休みが明けた9月。いままでの復習を1からハイスピードで行いました。

     通信での教材の限界を補うためネットで調べていたところ、簿記検定ナビにヒット。おすすめの問題集を購入して問題慣れをするとともに、掲載されている仕訳問題を毎日繰り返しました。

     自力で問題が解けるまで、何度も繰り返しです。問題集を解く事で、また違った指導方法の記載があるため、分かりずらかった箇所が解決されたり、要領をつかめたりもしました。

     ラスト2週間は第129回用の予想問題と、仕訳問題の苦手分野の繰り返し。暇さえあれば取り組みました。子供の使いかけのノートやプリントの裏などに、にかく書き続けたので、腱鞘炎気味になったほどです。

     アドバイスを参考に、問題の解答順番は「第1問→第4問→第5問→第2問→第3問」で練習しました。手持ちのテキストも時間内にこなせることも確認し、本番に挑みました。

    試験日の1日の流れ

     試験前日は早めに寝ました。その方が頭の中が整理できるタイプなので。当日もあまり問題を確認すること無く、筆記用具や持ち物の確認を済ませ、会場へ向かいました。

     30~40分前には会場に着き、事前にトイレも済ませ携帯電話をOFFに。会場ではラストスパートの予想問題集を確認している方を多数見かけました。私もさっと見直し、苦手な仕訳問題の確認をし、あまり自分を追い詰めない程度にしました。

     試験開始後は、テキストのアドバイス通り、1→4→5→2→3という順番で取り組みました。第1問を解き始めると、私にとっては少しひねりの利いた問題になっており考え込んでしまい、時間がかかりました。

     第4問・第5問もどうすればよかったかな?と解答を導き出す時間がかかり、得意だった第2問では最後の貸借が合わず最初から見直しをする始末…結局、電卓の打ち間違いという単純ミスで時間のロス。

     最後に残った第3問目は残り時間わずかとなり、慌てて空欄を必死で埋めるもすべては記入できませんでした。私のゆっくりとした電卓打ちに比べて、会場内はとてもリズミカルに打込み音が鳴り響いていました…。

    感想

     きちんと勉強をしていくと、仕訳問題がすべての基礎であることが良くわかりました。ウォーミングアップを兼ねて毎日やるべきです。

     あとは、問題慣れかと思います。問題数をこなしながら苦手を確認・消化していく作業が大切だと感じました。一度理解した問題も、違った問われ方をするとわからなくなりましたので。

     私の場合、試験当日時間切れで埋まらなかった第3問は、他の問題の出来具合でカバーできましたが、時間内に出来なかったことは当日かなり後悔しましたので、時間の確認も日ごろからトレーニングできるとよいかもしれません。

     試験前1か月は簿記検定ナビにアクセスしっぱなしで、仕訳問題のトレーニングやアドバイスをいただいていました。とてもためになりました。ありがとうございます。

    管理人からこうさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材を教えてください。またその教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「サクッとうかる日商簿記2級 厳選過去問ナビ」「日商簿記2級プラス8点のための問題演習」→解答・解説を見ても分からない所はありました。とりあえず問題慣れに使いました。

     「ネットスクールのラストスパート模試」→最終の神頼みのようなものでした。試験会場に持ってきている人も多くみられました。当日実際に出た問題は私的にはひねりもきいていて、的中率を聞いてもピンとはこなかったのですが、やって良かったとは思います。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     試験用にと小さいサイズのものも購入したのですが、結局普段から使い慣れている「SHARP ELSIMATE EL-136H」というデカい電卓を使用しました。

     数字が見やすいのと、ボタンを押している感じがきちんとするので。00キーもありますし。これから受験される方にはおすすめしませんが…。

     こうさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意を挙げるなら、問題2に出てくる特殊仕訳や伝票整理です。まず間違えることはありませんでした。

     苦手は肝心の仕訳問題。荷為替手形なんかもよく分からなかったので、弱点克服講座を参考にさせてもらいました。

     仕訳問題対策は毎日解き、間違った所は繰り返し解きました。全て解きましたが自信がつくまでいかず、問題1の結果は12点と一番点がとれませんでした・・やっぱり難しい。けど全ての基本なのでとても大切なのは確かです。仕訳問題は毎日やりましょう!

     こうさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     「これが最後!」と思ってやっていました。家族の応援もあったので、頑張れたのかもしれません。勉強嫌いな子どもたちへの見本になれば、とも思いました。

     最後のほうになると以前より理解も出来てきて、「今回落ちても次はいけるかも・・」なんてことも思っていました。一番は「意地」です。

    管理人コメント

     こうさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!仕事・家事・育児・勉強の両立は大変だったと思いますが、お母さんの「意地」で見事合格されました。

     こうさんもおっしゃっていますが、仕訳は簿記の基礎部分になりますので、「通勤・通学時の細切れの時間」や「寝る前の10分」等を上手に使って、出来るだけ多くの問題を解くようにしてください。

     なお、仕訳問題については簿記検定ナビでも過去問類題を無料配布していますし、最近は市販の仕訳問題集なども充実しています。管理人もネットスクール出版から仕訳問題集を出していますので、ぜひお買い求めいただき有効活用していただければと思います(宣伝です・笑)

     あと、総合問題を解く際は必ず時間を計って記録するようにしてください。毎回時間を計ることによって、どの問題にどれぐらいの時間がかかるのか大体分かるようになりますので、時間切れで大問1つを丸々解けなかった…なんてことがなくなります。

    こうさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.88

    簿記2級合格のカギは工簿にあり!あとは…答案用紙も問題の一部です!

    • 投稿者:フェッチさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     2000年4月に経理部に配属、2001年2月に日商簿記検定3級に合格しました。英文科を卒業し、簿記の知識は皆無の状態で、上司から言われる仕事を何とかこなす毎日でしたが、業務命令により日商3級を受験することになりました。お正月休みを返上で勉強し、なんとか合格することができました。

     喜びも束の間、「履歴書に書いていいのは2級から。」という上司の言葉に2級取得にむけて勉強を始めるも、3級から2級のハードルの高さに断念しました。メーカーの経理部にいながら、工簿の知識がないのことに情けない思いがありながらも、3年間勤めて退職しました。

     その後は、転職し経理とは違う仕事を経験してきました。2011年に結婚し、まとまった時間がとれるようになったので、もう一度2級に挑戦しようと決めました。

    独学で

     時間はたっぷりとあるので、まずは独学でやってみようと思いました。2級の独学は難しいと言われていたので、今回が(第129回)だめなら違う方法を考えようと思っていました。

     書店でいくつかの本を手にとってみて、決めたテキストが「サクッとうかる日商2級商業簿記・工業簿記」(ネットスクール出版)でした。イラストが豊富だったので、読み進めていくのに抵抗を感じないかなという気持ちで選びました。合わせて問題集の「サクッとうかるトレーニング」も購入しました。

    思い出すのに一苦労

     3級の取得が10年も前のことなので、3級の内容を思い出すのにも大変労力がいりました。3級のテキストはもっていないので、わからないことがでてきたらネットで解説を検索して復習しました。3級を取得後、もう少しがんばって2級の勉強をしていたらよかった…と後悔しました。

    時間はあっても

     少しでもやったことのあるところから、手をつけようと商簿のテキストから読み始めました。しかし、3級の内容を思い出すのにも四苦八苦している上に、2級の内容もさっぱりわからないという日々が続きました。

     そこから何とか脱したいと始めたのが「仕訳を手に覚えさせる」ことでした。テキストには別冊付録「仕訳コレクション」というのがついています。これは頭の中で仕訳をチェックするためのものという位置づけですが、私は頭の中ではなく、ひたすら紙に書いて覚えました。

     すると、テキストに書いてある仕訳もスムースに理解できるようになってきました。テキストの内容を大まかでも理解できたら、その内容に該当する問題集の問題を解きました。

     始めはわからなかったり間違えたりする問題があっても、解説を読んでテキストに戻り「あ、そういうことか。」と自分で納得できるまで、問題集・テキスト・解説を読み込みました。「自分が納得できるまで」というのがポイントかと思います。

     8月の後半くらいから始めた商簿のテキスト・問題集を一通り終わらせたのが9月の後半でした。練習問題で納得いくまで練習したつもりでしたが、本試験レベルの問題となると解けない問題や、設けられている制限時間内に解けないことが多々あり、不安も感じていました。

     時間がたくさんあるとはいえ、勉強時間は多くても一日3時間ほどでした。

    商簿60点工簿10点で?!

     2級は商簿60点・工簿40点の配点で、70点以上で合格です。私は「商簿で60点取って、工簿で10点で受かろう」と考えてました。そんなことを考えていたので、工簿に手をつけ始めたのは10月に入ってからでした。

     しかし「2級合格のカギは工簿」ということを知り、テキストを読み問題集を解くようになりました。工簿も商簿と同じように手に覚えさせるつもりで、何度も書いて覚えるようにしました。

     工簿は、わかるとパズルを解くような感じで解けるようになります。その分、最初につまづいてしまうと芋づる式に間違えてしまうことがあるので慎重さも大切です。

     10月は商簿の問題を解きつつ工簿のテキストを読み、問題を解いていました。このころになると苦手な論点が明らかになってきたので、苦手なところは「出ないでほしい」と思いつつも、出ても何とか解けるレベルにもっていこうと問題を解きました。

     私はできなかった問題に丸をつけるようにしていました。2度目でもできなかった場合はまた丸をつけるので、何重にも丸がついている問題が「苦手」となります。

     何重にも丸がついている問題を見ると「苦手」と、見た瞬間にわかるので嫌な問題とげんなりすることもありますが、「今回は間違わずに解こう」とか「前回はこうしたから間違えた」と思えるので、効果はあるかなと思います。

     このころになると問題を解くのが楽しくなってきたので、自然と勉強時間も増えて一日4時間ほどになっていました。

    時間をはかって模擬試験

     11月に入ると、時間をはかって模擬試験をするようになりました。初見では合格点を超えたり超えなかったりを繰り返していました。やはり練習問題とは違い、難しい言い回しや時間配分を考えて解かなければという焦りなどで、思うように問題が解けずにへこむこともありました。

     「サクッとシリーズ」は確かに取り組みやすいテキスト・問題集ですが、本試験レベルを思うと少し易しめかなと思います。問題のレベルのハードルが一気に上がりすぎなのでは?と、感じてしまうことがありましたが、そこは繰り返し問題を解くことで解消できると今は感じています。

     今は解けなくても本番で解けたらいいという気持ちで、間違った箇所は解説を読み、テキストを読み、問題を解けば大丈夫だと思います。そして、次に同じ様な問題が出たら必ずできるようになればいいのですから。

     11月は、午前・午後と2時間はかって模擬試験を解き、その後は問題集を前から順番に、何度も繰り返し解いていました。模擬試験8回分・過去問3回分を2回繰り返しました。

     また、ネットスクールの出題予想大会や、ラストスパート模試の予想動画が大変参考になりました。独学だと「大丈夫かな?」という不安はつきものだと思いますが、その不安が一気に解消できました。

    試験日の1日の流れ

    • 7:30

     何かしなければと思いつつも、何も手につかない状態で仕訳の確認を少しする。

    • 11:30

     軽く昼食をとる。

    • 12:00

     試験会場に向けて、家を出る。

    • 13:00

     試験会場に到着。

    • 試験会場の様子、試験までの過ごし方

     商業高校が試験会場。一クラスに30人ほどの受験者で、実務をしてる社会人の受験者が多い印象を受けました。今まで使ってきたテキストを読み返したり、模擬試験問題を電卓を使って解きなおしたりしている人が大半でした。私も問題集を開けてはみたものの、やはり緊張であまり頭に入ってこない感じでした。

    • 試験中の出来事

     まずは問題用紙・答案用紙・計算用紙が配られました。答案用紙1枚ずつに名前と生年月日を記入するように指示がありました。そのときに解答用紙を見ることになるので、どんな問題が出されているのかがおおよそわかります。

     今回は第4問がネットスクールの予想の「部門別計算」だったので、「いけるかも?!」という気持ちになれました。試験開始の合図の後は、お決まり(?!)のように電卓をかちゃかちゃと叩く音が響きます。それは気になると思いますが、気にしないのが鉄則です。あくまでも、自分のペースで進めるのが一番です。

     それでは、問題を解いた順番に書いていきます。

     【第1問】今回の仕訳問題はいつもより時間をかけないと、ひっかけにひっかかって間違ってしまうように思えた問題でした。でも、仕訳問題は与えられた勘定科目以外の仕訳は答えにはならないので、日ごろの練習ができていたら絶対に解けると思います。

     【第2問】特殊仕訳帳から残高試算表を作成する問題は得意なので、最後まで合わせようと思ったのが裏目にでてしまいました。預り金の金額の貸借を間違ってTフォームに記入していました。「絶対にできるはず!」という変な固執からなかなか手を離すことができずに、かなりの時間をかけて貸借を合わせました。完答を狙う必要はないのですが…。

     【第4問】第3問目のP/L作成は時間がかかるのでとばして、先に第4問を解きました。計算条件の意味が理解できずに「割り切れない…。」と焦りましたが、落ち着けば簡単なことでした。原価差異の計算は難しそうだったので、これは捨てて第5問に移りました。

     【第5問】総合原価計算も得意論点なので、解けるだろうと思っていたら甘かった…。「答案用紙も問題の一部」という大切なところを見落としていて、「製造間接費が分けられへん…。」と泣きそうになってしまいました。

     頭が真っ白になり「もう、あかん…。」と、ふと問題用紙を見ると「あぁー!!」これで一気に答えが出せました。「工簿は10点でいい」…うそです。工簿は勉強すれば、確実に得点できます。しかも満点が狙えます。

     【第3問】初見の模擬試験でも90分くらいあれば全部の問題を解き終えていて、時間的な問題はないと思っていましたが、第3問まるまる残して残り時間が35分でした。

     ここまで解いてわからない問題はなかったし、きれいな数字がでていたので大きなミスはないと信じて、残り35分でできる限りの問題を解こうと思いました。(第3問は、いつも解くのに時間がかかっていたので)

     第3問はネットスクールからのメルマガに書いてあったように、1つ仕訳をしたらすぐに答案用紙に数字を埋めていきました。社債と保険料の計算を落ち着いて考えられなかったのが心残りでしたが、埋められるところを何とか埋めて終了の時間となりました。


     結果は、第1問・20点、第2問・20点、第3問・16点、第4問・14点、第5問・20点の合計90点でした。途中でテンパってしまって空白の時間がありましたが、何とか勉強してきたことがだせたかなと思える結果です。

    管理人からフェッチさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     100点です。他の方にもおすすめできます。特に、ネットスクールはアフターフォローがばっちりだと思います。ネットスクールの教材を使われる方は、HPでの情報を合わせて活用されるとよいと思います。
     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「SHARP ELSI MATE EL-397R」です。経理部に配属されたときに支給された電卓です。3年間毎日使っていて慣れているので、この電卓で勉強しました。使いやすい電卓だとは思いますが、使い慣れているのが一番だと思います。
     フェッチさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     応援していただいている方に嬉しい報告をしたいという気持ちでがんばりました。簿記と関係のない英語のSNSサイトで簿記の勉強をしていると公言すると、意外に日商2級を持っておられる方がいらっしゃって、負けられないという気持ちもありました。
     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     3級合格後、すぐに2級の勉強をすればよかったと思いました。2級の独学は難しいと言われていて簡単に諦めてしまったので。2級は工簿があるからと敬遠せずに、挑戦されることをおすすめします。

    管理人コメント

     フェッチさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!参考にすべきポイントがたくさん詰まった合格体験記に仕上がったと思います。

     それでは早速、中身を見ていきましょう。フェッチさんは「答案用紙も問題の一部」とおっしゃっていますが、このことを意識していない方が意外と多いです。特に工業簿記は答案用紙に解答のヒントが書かれている場合が多いので、問題を解き始める前に必ずチェックするくせをつけてください。

     次に、工業簿記の取り扱いについてですが、工業簿記は商業簿記とは異なり2級で初めて勉強する科目になので、難しい処理が問われることは滅多にありません。

     食わず嫌いになるのは非常にもったいないので、逆に「工業簿記で点数を稼ぐ」ぐらいのスタンスで勉強するようにしてください。

    フェッチさんが使われた教材や電卓のまとめ