投稿者: 田口泰久@簿記検定ナビ

  • 第138回日商簿記検定 簿記3級&簿記2級 ダブル合格体験記 No.18

    大原の無料模試を有効活用!本試験とほぼ同じ条件下で予想問題が解けます!

    • 投稿者:ナッツさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     現在、一般事務として働いています。簿記検定を受けようと思ったきっかけは、大きく分けて3つあります。

    • 現在の業務にごく簡単な経費精算があるが、より理解を深めたい。
    • 経理系の部署に異動したい。
    • 財務諸表を見て内容が理解出来るようになりたい。

     上記の内容からもわかるように、それまでの簿記知識はほぼゼロに等しいものでした。ただ「今年中に2級まで取得したい」という気持ちはあったので、それだけを支えに試験勉強をスタートしました。

    使用テキスト・問題集など

    簿記3級

    • 「サクッとうかる日商3級商業簿記 テキスト」(改訂二版・2009年)
    • 「サクッとうかる日商3級商業簿記 トレーニング」(改訂三版・2010年)
    • 「サクッとうかる日商3級商業簿記 厳選過去問ナビ」(第2版・2009年)

     出来るだけ費用を抑えて勉強したかったので、3級のテキスト類はすべて古本屋で調達。

     サクッとうかるシリーズは古本屋にたくさん流通しており自然と手に取る形となったのですが、他のテキストと見比べてもわかりやすい内容だったので結果的には簿記学習の入口として最適だったと思います。

     「トレーニング」はあまり深く考えずに購入したのですが、テキストの例題と過去問の中間くらいの難易度でテキストと過去問の橋渡し役となり、意外に重宝しました。

     時間の関係で「過去問ナビ」の問題はあまり解けませんでしたが、試験問題の解き方に関するコツが凝縮された小冊子がついており、私はその小冊子だけを取り外して持ち歩き、活用していました。

    簿記2級

    • 「サクッとうかる日商2級商業簿記 テキスト」(改訂二版・2009年)
    • 「サクッとうかる日商2級工業簿記 テキスト」(改訂四版・2014年)
    • 「サクッとうかる日商2級工業簿記 トレーニング」(改訂三版・2010年)
    • 「日商簿記過去問題集2級 出題パターンと解き方(2014年11月対策)」(2014年)

     商業簿記テキストと工業簿記トレーニングは古本屋、工業簿記テキストと過去問題集は最新のものを書店で購入。

     工業簿記テキストを購入する際、書店でいろいろ見比べたのですがサクッとうかるシリーズが私にとっては理解しやすかったので選びました。

     3級と同じく「テキストで概要をつかんだらトレーニング本に移行、その後過去問へ」という流れで学習。どのテキスト・問題集も満足のいくものでした。

    電卓

    • SHARP EL-N942

     試験のひと月半前に購入。管理人さんもおすすめの「SHARP EL-G37」に似たモデルで家電量販店でも入手できるものがEL-N942でした。

     日数計算も出来るので利息等の日割計算に役立つ!と思って買いました。キータッチはやや硬め。本番でもこの電卓を使いましたが、購入する時期が遅かったため手が慣れないままという感じでした。

    • SHARP EL-N732K

     ふだん会社で使っている電卓。試験日に万が一のとき用のサブ電卓として持参しました。12桁表示、キータッチの軽さ、静音性、見やすい液晶(画面角度の調整可能)と2,000円以下で買える電卓としてはかなり使いやすい部類に入ると思います。

     個人的には、この電卓に日数計算機能がつけば私にとっては一番使いやすい簿記用電卓になるのにな…と思っています。

    勉強の流れ

    9月上旬

     3級のテキストを読み始める。並行してネットの簿記学習サイトも活用し始める。

    9月中旬

     3級のトレーニング本に取り組む。わからないところはテキストに戻って復習。通勤電車の中や会社の休み時間などのすきま時間に3級の仕訳問題を解く。

    9月下旬

     3級の過去問に着手。試算表・精算表問題を解くスピードの遅さに驚く。「過去問ナビ」小冊子とネットで公開されている動画を活用し、コツをつかむ。

    10月上旬

     2級の商業テキストを読み始める。すきま時間に解いていた仕訳問題も2級へシフト。

    10月中旬

     工業テキストを読み始める。商業の仕訳問題も継続して解き続ける。

    10月下旬

     工業トレーニング本に取り組む。簿記というより算数パズルを解いているような感覚で、楽しいと思えるようになってくる。(数学は得意ではありませんでした。超文系です。)

     このころ2級の過去問題集に取り組み始めるも、結果はボロボロ。解説を読んでもわからないところは、またもやネットの動画にお世話になる。

    11月初頭

     大原の無料模試(2・3級)を受ける。3級は問題にボリュームがあったためやや苦戦したものの、合格点。

     2級はまったく時間が足りず、得点も52点と冴えない出来。ただ、たまたま第5問の等級別総合原価計算で20点満点が取れ、「工業は確実な得点源になる」というのを体験したことが大きな収穫に。

    会場の雰囲気は?

    ・3級(午前開催)…会場は大学の中規模講義室くらいの大きさの教室でした。年齢層は思ったよりも高めで、学生さんは少なめ、社会人~壮年・シニア層といった方々が結構いらっしゃいました。2級に比べるとかなりのんびりした雰囲気です。

    ・2級(午後開催)…講堂のように大きな会場でした。年齢層は学生さんが多めで、なかなか活気がありました。そのぶん「自分も頑張らなきゃ! 」といい刺激になりました。

    無料模試の流れは?(2・3級共通)

     会場に入るとアンケート用紙が机の上に置いてあります。

    • 個人情報を書く欄(書くと本試験の解答&解説冊子が後日送られるとのこと)
    • 簡単なアンケート(どんなテキストで勉強しているか、模試の感想など)

     これらを記入して待機。時間になると本試験と同様に注意事項の説明をした後、2時間の試験を実施。試験終了後は、休憩→解説(解答・解説配布)となります。

     解説タイムは、次週に行われる大原の有料模試の告知・案内等が半分くらい入るので、解説自体はやや急ぎ足でされますが、ちゃんと黒板を使って要点 を絞り解説してくださるので特に不満はありませんでした。解説もわかりやすかったです。

     帰り際にアンケートが回収され、希望者は大原の入学金免除券がもらえるとのことでした。

    勧誘の有無は?

     会場にいる受験者全員に向けての告知・案内はありますが、個別の勧誘はありませんでした。

    無料模試まとめ

    • 本試験とほぼ同じ条件下で予想問題が解ける
    • 問題・解答用紙・下書き用紙・解答&解説冊子すべてを持ち帰ることが出来る
    • その時点(本試験2週間前)での実力・弱点がわかる
    • 無料かつ、勧誘もされない

     …という点で、おススメです。

     ただし、大原の中でも無料模試を実施しているところはあまり多くないようなので、事前にHPでご自身の行ける地域で実施しているかどうかのチェックは必須です。

     なお、無料模試は事前にHPからの申し込みが必要ですので、あわせてご注意ください(直前有料模試は、当日受付もOKとのことでした)。

    試験の2週間前

     試験対策として以下のことを設定。

    • 3級:問題を解く順番は「1→4→2(難しければ最後へ)→5→3」。
    • 2級:問題を解く順番は「1→4→5→3→2」。第1・4・5問の仕訳・工業問題で満点(60点)を取る。残りの10点を第2・3問の部分点で取る。

     対策にしたがって2級の過去問は第1・4・5問をメインに解き、第2・3問は出題予想の上位に来ている論点の類題を優先。

     過去問に取り組んだタイミングが遅かったため、過去16回分収録された問題集の半分弱までしか進められず本番の日を迎えることに。

    試験前日・当日の流れ

    試験前日

     大原の無料模試で持ち帰った問題(2級)を再度2時間制限で解いたところ、ギリギリ合格点。出る問題の相性さえ良ければ何とか合格出来るかもと思い、翌日の持ち物チェックをして早めに就寝。

     しかし緊張のせいかまったく寝付けず、結局夜中に起きだして弱点問題を眠くなるまで解く。

    試験当日

    • 6:30 起床

     ふだんより早く起き、しっかり朝食をとる。カフェイン入りのチョコを一粒、気合を入れるために食べる。その後は、シャワー→身支度→最後の持ち物チェック→出発。

    • 移動中

     初めて行く会場&かなりの方向オンチのため、とにかく電車や道順を間違えないことを最優先に。電車に乗っている間、間違いやすい問題のおさらいを少々。

    • 8:30 会場到着~試験の説明開始

     自分の席を確認後、お手洗いへ。席についてからは机の上に出すもの、スペアの電卓などをセッティング。電卓の動作確認と指慣らしをかねて、簡単な計算をしながら試験官の説明開始を待つ。

    • 9:00~11:00 3級試験

     第5問が貸借対照表・損益計算書であることに驚く。ただし全体のボリュームは少な目なので、気を取り直して対策通り「1→4→2→5→3」の順に解いていく。

     解いた印象としては、第5問以外はスタンダードな内容。

     第5問はほとんど解いたことのない貸借対照表・損益計算書であることに加え、問題文のレイアウトが無理に詰め込んだ感じで読みづらく、やや苦戦した。

     すべての問題を解き終わって20分くらい時間が余ったので、軽く見直しをして答えを問題用紙に書き写して終了。

    • 昼食

     事前に調べておいたお店で昼食をとる。3級受験のご褒美と2級受験へのパワーチャージ。会場の席に戻ってから、仕訳と工業簿記で苦手な問題を軽く復習。

    • 13:30~15:30 2級試験

     第2・3問を見て、再び驚く。見たことのない第2問(株主資本等変動計算書)と3級の第5問に続いて再び貸借対照表が2級の第3問で登場(読みづらいレイアウトまで同じ!)。

     第2・3問は10点取れれば良いと自分に言い聞かせ、「1→4→5→3→2」で解いていく。

     第1・4・5問は、第4問の一部で少々時間がかかったものの普通にスラスラ解ける内容。

     第3問は、一言でいうと「解きづらい問題」。クセのある文章に加え見慣れない処理を含み、仕訳を切っていくのも一苦労。

     このあたりで試験開始から30分が経過し、退室者が続出。「この難問をもう解き終えたの?!」と動揺するも、後で「解くのをあきらめて退出した人」が多かったと知る。

     時間をかけて何とかすべての仕訳を切り、貸借対照表に埋めていこうとしても3級のようにキレイに埋まらない。時間も押し迫ってきたので、埋められるところはとにかく埋めて第2問へ。

     第2問にかけられる時間は10分ほど。ここでもとにかく仕訳を切って数字を埋めることに専念。ただし、合っている気がまったくしない。答えを書き写す暇もなく2級試験が終了。

    • 帰宅後

     ネットの解答速報を3級・2級の順にチェック。3級は合格を確信、2級は自己採点で68点。「2級は来年の2月に受け直しだな、でも万が一もあるかも。」と50%くらいの希望を残す。

    合格発表

     12月19日に結果発送と書かれていたのですが、その2日前に封筒が届きました。3級は88点、2級は76点で合格。

     落ちたと思っていた2級は第2問が自己採点では6点(18点満点中)でしたが実際には14点取れていたので、おそらく簡単なところに多めに配点されたのだと思います。

    振り返り

    反省点

    • もっと早めに過去問に取り組むべきだった(簿記の勉強はたくさん手を動かした人が伸びるというのは本当です)。
    • まちがいノートを作成していなかった。
    • 本番で使う電卓は出来るだけ早くから使い始めた方がいい。

    良かった点

    • 「今年中に2級合格」というわかりやすい目標を立てたため、短期間で集中できた。
    • テキストだけでなく、ネットの動画も活用した。
    • 無料模試で試験の雰囲気や出題予想を知ることが出来た。
    • 満点ではなく合格点を取ることに集中し、そのための対策を行った。
    • 試験本番で難しい問題にあたっても、最後まで解答欄を埋めるのをあきらめなかった

    最後に

     2級・第2問の配点にかなり助けられたダブル合格でしたがひとまずの目標は達成でき、安堵しています。

     こちらの「簿記検定ナビ」も大いに活用させていただきました。特に「仕訳問題対策」の問題は学習スタート時から試験直前まで
    すきま時間によく解いていました。

     また、下書き用紙の効率的な書き方や持ち物チェックなど、独学では欠けがちな情報が得られるのも有難かったです。

     管理人様、大変お世話になりました。長々とつづってしまい、読みづらい点も多々あったかとは思いますが、この体験談がどなたかのお役に立てば幸いです。

    管理人からナッツさんへ追加の質問

     ナッツさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    <得意な論点>

    【個別原価計算】【総合原価計算】
     図や表をきちんと書き込んでいけば解ける問題は私に合っているようです。算数パズルのようで楽しいと言っていたのはこの辺の問題です。

    <苦手な論点と克服法>

    【直接原価計算と全部原価計算の違い】
     テキストを復習してもピンとこなかったので、自分が理解出来るまでネットでいろんな解説を探し回りました。
     その解説を見て、自分で2つの計算方式の違いがわかりやすくなるようメモにまとめ直しました。2級受験の直前もそのメモを読み返していました。

    【剰余金の配当】
     何となくでしか理解していなかったところ、大原の無料模試・第1問で出て間違ってしまいました。こちらは復習して素直に丸覚えしたら本試験の第2問で出たので、やはり復習しておいて良かったと思いました。

     ナッツさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
    <なぜ合格したいのかを明確にする>
     私の場合は目的の一つに「経理系の部署に異動したい」というのがあったので
    今年中に2級まで取っておくことで来年3月の異動の判断材料にしてもらえるかもという思いがありました。

    <小さくていいのでご褒美を設定しておく>
     普段はお金をかけずに勉強したいので、仕事が終わった後に夜遅くまで開いている図書館を利用していました。
     その代わり、模試や本試験の会場の近くで食事をとるときには、行ったことのない美味しいお店でゆっくり食事をすることで「今日ここへ来て、頑張って試験を受けて良かった~」と思えるようにしていました(食べることが大好きなので)。

    管理人コメント

     ナッツさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     資格の大原の無料模試について詳しく書いていただきましたが、「無料&勧誘なし&本試験の雰囲気を体験できる」と、受験生にとって良いことばかりなのでおすすめです。

     なお、資格の大原には無料模試だけでなく「特別講義&問題特訓」という、各自の弱点を補強してくれる無料講座もあるので、時間に余裕があれば両方利用しても良いと思います。

     あとは、試験勉強を振り返っていただき、良かった点の一つに「試験本番で難しい問題にあたっても、最後まで解答欄を埋めるのをあきらめなかった。」と書いていただきましたが、この姿勢はとても重要だと思います。

     ここ最近、簿記2級の本試験問題は新形式の難しい問題がよく出題されますが、問題の難易度が高いほど配点が甘くなるので、最後まで諦めずに分かるところから金額を埋めていきましょう。

    ナッツさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 電卓:SHARP EL-N942X
    • 電卓:SHARP EL-N732K
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.125

    自分なりの勉強スタイルを確立し、ゲーム感覚で楽しんで勉強しましょう!

    • 投稿者:RUNNERさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    はじめに

     第138回簿記検定試験2級に合格することができたため、今後、簿記2級を目指す方々に、私の勉強方法等が多少なりともお役に立てればと思い、投稿させていただきます。

    簿記2級を受験するに至った経緯

     FP1級の学科試験に合格後、ずっと勉強せず放置していたため、気が付いたら一部合格期限である【H27/3月末】がすぐそこに来てしまいました。

     妻にちょっと責められまして…急遽FP1級の実技試験(資産設計提案業務)を受験することにして勉強を開始したのですが、学科に比べると楽すぎて、正直ちょっと「物足りなさ」を感じました。

     そんな時、偶々、書店で簿記の本を見て、学生時代(もう10年以上前ですが…)、簿記3級には合格していたこともあり「当時にはなかった面白そうな本も出てるし、簿記の勉強を久々にやってみよう!」とふと思い、受験することにしました。

    勉強開始時の知識レベル

     私は金融機関で「企画・調整系」の仕事をしております。仕事上、法律関係の知識は多少ありますが、簿記については3級を取得後、一切触れておりませんでしたので、知識レベルは「ゼロ」からのスタートでした。

    試験までの準備(使用教材)

     ネットスクール株式会社のもので統一しました。理由は「気に入った」から。実際に手に取り、自分に合うものを選ぶ形で良いかと思います

    テキスト

    • すいすい♪簿記 マンガ見てGO! 日商2級商業簿記 860円(税別)
    • すいすい♪簿記 マンガ見てGO! 日商2級工業簿記 860円(税別)

     個人的にはオススメできます。FP1級時にもテキストを読まず、過去問だけで学科・実技をクリアできたので「いらないかな」とも思ったのですが、簿記については専門外でしたので、念のため、テキストを使用することにしました。

     サイズ・分量的にも通勤時間(朝・夕:計1時間)を使えば5日間で一回転できる内容ですし、読み物としても楽しんで読むことができました。簿記2級で理解すべき内容を大枠で把握するには十分だと思います。なお、試験までに結局5回転しました。

    問題集

    • 日商簿記2級過去問題集 出題パターンと解き方 2014年11月対策 1,800円(税別)
    • 第138回試験11/16を完全予想! 日商簿記2級ラストスパート模試 1,250円(税別)

     過去問は3回転しました(使用方法は後述)。模試は試験2日前に購入し、1回だけやったのみです。模試の問題は解いてて楽しいので、やっておいた方が望ましいと思います。

    参考:結局使わなかった問題集

    • サクッとうかる日商2級 商業簿記トレーニング 900円(税別)
    • サクッとうかる日商2級 工業簿記トレーニング 900円(税別)

     テキスト終了後、即時過去問に移行したため結局使用せず…。結果論ですが、問題集は買う必要が無かったです。

     なお、「簿記2級では不要」と私は思いますが、簿記1級を目指す場合、テキスト終了後に「何」をするかは検討中です。今後、テキストを読み終わってから検討しますが、こういったトレーニング問題集も必要かも知れません。

    試験までの準備(勉強時間)

     私が1週間で確保できる最大勉強時間を算出した結果は以下のとおりです。

    • 月~金: 3時間(=通勤1時間+就寝前2時間)
    • 土~日:16時間(=8時間×2日)

     飲み会等もありますし、ふとした瞬間に仕事のアイデアが思い浮かぶと勉強が手に付かなくなります。結局、試験までの勉強時間は合計200時間前後かと思います。

     その分、勉強中は集中して取り組むことを心がけました。なお、やりたくない日は一切やりませんでした。結局、メリハリだと思います。

    試験までの準備(過去問の使用方法)

     私の使用方法は少し特殊かも知れません。参考にならないかも知れませんが、一応記します。なお、今回の試験を終えての反省から、オススメも正直できないと思っています。

    1回目

     問題文を読み、解答を確認。答案用紙に解説・解答を極小文字で記載します。このとき、「出題者は「何」を理解しているかを確認しているのか」を意識して問題文を読むこと、また、「解答・解説は「なぜ」記載のとおりになるのか」を意識して理解に努めることに重点をおいて取組みました。

     なお、作成した答案用紙は、通勤中に眺めていました。その際は、問題文を想像し、頭の中で問題を解いているイメージを持つよう、心がけていました。

    答案用紙への書き込み1
    答案用紙への書き込み1
    答案用紙への書き込み2
    答案用紙への書き込み2

    2回目

     何も見ず、時間を計って解きます。この時点では2時間ギリギリかかって、得点は7~8割程度。誤りを分析すると、ケアレスミスと理解不十分が半々でした。

     正解箇所も含め、理解不十分と思われる箇所は復習し、理解に努め、ケアレスミスの傾向をしっかり認識し、自分の弱点を把握するように心がけました。

    3回目

     2回目と同様に何も見ず、時間を計って解きます。平均1時間30分で終了、間違い箇所は数か所でした(ケアレスミスは完全には無くならず…)。

    試験までの準備(予想問題集について)

     私は1回転しかできませんでした。平均1時間40分で終了、できは8割~9割でした。時間を捻出し、2回転はしておいた方が安心感が違うと思います。

     私は若干の不安を抱えての試験当日でしたので、2回転はしておくことが望ましいと思います。なお、簿記検定ナビの予想問題集も、第2問以外は全部解きました。

    試験までの準備(問題を解く際の下書きについて)

     私は仕訳までしっかり書いて、問題を解くようにしました。今後、簿記1級取得を目指す際には頭で仕訳することも検討しないといけないですが、少なくとも、簿記2級では、仕訳を紙に書いても、試験時間が不足することはないと個人的には思います。

     スピードより正確性を重視…というより、簿記2級までは基本重視で望む方が良いと思います。あくまで個人的見解ですので、最終的にはご自身のスタイルに合う形で下書きの精度を高めていってもらえればと思います。

    試験までの準備(間違いノートについて)

     一切、作成しませんでした。作った方がいいのでしょうが、そんな時間はありませんでした。

    試験日の1日の流れ

    前日の過ごし方

     予想問題を1回転し、終了。テレビを見て、12時には寝ました。

    当日の過ごし方(試験前)

     起床時間は平日より2時間遅い午前7時。朝ごはんを食べて、出発。会場到着は一番乗りでした。これまでやった答案用紙を眺めながら「余裕だろ」とこの時点では考えてました。この時点では。。。

    • 試験開始!

     答案用紙に名前を書く際、第2問を見て「なんだこれ?」となり、一瞬、冷静さを失いました。

     試験が始まり、当初の予定(第1問から順番に解く)を急きょ変更し、第1問を焦って解いて、第3問に突っ込みました。第2問を飛ばすことは勉強中も1回もしたことはないので、結構焦っていたようです(笑)

     冷静さを欠いた脳では今回の第3問には対処できず、途中で諦め、焦った状態で中途半端に第4問・第5問と進みました。第5問を完了した時点で、1時間30分経過。

     この時点で時計を見て、逆に冷静になりました。株主資本等変動計算書は見たことが一度もなかったのですが、問題文から仕訳を行い、解答フォームを「部下が作成したわかり難い資料」と思い込むことで、資料構成を推測、埋めるだけの単純作業でOKと判断し、結局15分で解答作成完了。第2問は満点でした。

     第2問終了時点で残り15分。第4問を見ると計算がハチャメチャで、全部数字がおかしいことになっていました。何とか3問だけ修正が間に合った時点で2時間終了。

     各社の解答速報を見た結果、合格点は取れたと思えたので安堵しましたが、正直、反省点ばかりが残る2時間となりました。

    試験結果と反省点

     私の点数は以下のとおりです。

    • 第1問:16点/20点
    • 第2問:18点/18点
    • 第3問:12点/22点
    • 第4問:12点/20点
    • 第5問:20点/20点
    • 合計:78点/100点

     反省点は「答案用紙だけを見て、問題文を読まず、第2問を後回しにするという短絡的な判断を下したこと」の1点に尽きると思っています。

     結局、満点は第2問と第5問のみ。第1問は間違い箇所不明ですし、第4問はラスト15分で修正した3か所がそのまま正解できたことからも、どのような状況でも冷静さを保つことの大切さを改めて感じた次第です。第3問も十分部分点が取れる内容ですし。。。

     ただ、色々な意味でいい経験にはなりました。仕事で突発事象があっても、最近は焦りもしなくなっていたのでです。とりあえず、簿記1級までは取得したいなと思っていますので、今回の反省を活かし、準備を進めていきたいと思っています。

    最後に

     簿記2級は努力すれば十分に合格できる試験かと思います。これから勉強を始める方は、自分なりの勉強スタイルを確立し、ぜひ合格を勝ち取ってください!この体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。

     最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

    管理人からRUNNERさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「CASIO DW-20ET」です。妻が大学在学中、簿記3級を受験する際に「簿記の大原」の先生に勧められて購入したそうです。他の方には…正直10年以上前に購入したものですので、今は手に入らないと思います。

     使用感は…特に不便は感じませんでした。電卓で合否が決まるものではないと思いますので、12桁電卓の中で気にいったものを使用すればよいと思います。

     RUNNERさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     今回の点数で言うのは憚られるのですが、正直苦手と感じる論点はありませんでした。

     苦手な論点がある方は、①苦手と思わないこと、②自分は絶対理解できる(理解できないはずがない)と思い込むところから始めてみてください!バカバカしく思うかもしれませんが、学習中の理解力があがりますよ。

     RUNNERさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     独学の楽しさは「試験の攻略方法を自分自身で考えること」だと思います。試験本番は自分の立てた戦略が正しかったかを確認する場だと思います。戦略を立て、実証することをゲーム感覚で楽しむことがモチベーションにつながっています。

     仕事じゃないから人に迷惑もかからないし、勉強したことは自分の血肉になるし、一石二鳥です!

     不合格になった場合は、それこそ根本から戦略を立て直す必要がありますが、結局、それを仕事に支障のない範囲内で楽しんでやってます。

     受かろうと肩ひじ張らずに、資格試験を攻略することを楽しむ気持ちが大切なんだと思います。落ちても死にはしませんし、次に受かれば良いんですから。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     思いつくものを徒然に…

     ① 「自分は●月の簿記検定で必ず合格できる!合格するに決まっている!!」と思い込んで勉強に打ち込んでください。合格するという強い信念・自分への自信を持ってください。

     ② 問題ができたときは「さすが、自分」と思い込み、できなかったときは「新しい知識を得ることができた!」と、すべての物事を前向きにとらえてください。ポジティブシンキングは物事を好循環へと促します。

     ③ 勉強できる環境に感謝を。やりたくてもできない人はいっぱいいます。

     ④ 合格率なんて気にしてはいけません!合格率30%は「10人に3人は合格する」ということです。その3人に入ればいいだけです。難しく悩む暇があったら、今できることを、コツコツ一生懸命取り組みましょう。

     ⑤ テキストは一種類のみにしてください。いくつも読むのは時間の無駄です。そんな暇があったら、遊びにでかけましょう。

     ⑥ テキストは過去問1回転後に再度読んでみてください(過去問取組中も可)。1回目に読んだときと、理解力が違うと思います。「この記載、過去問にあったなぁ。」なんて思いついたりもします。

     ⑦ 初見の問題に触れておいてください。予想問題はネットスクール+TAC、もしくは、過去問最新●回分みたいな感じで、いくつかやっておく必要があると思います。今回、とても痛感しました…。

     ⑧ 時間のない方は、過去問の理解を優先してください。その理由ですが、予想問題や模擬問題と過去問(試験問題)の問題作成者の意識の違い(問題の生み出され方の違い)にあります。

     予想問題等は「このレベルができれば、試験問題と戦えるよ。倒せるよ。」というもの。過去問を分析し、戦える状態に育成してくれる良いツールですが、プロの作る問題なので洗練されすぎている印象です。

     では、過去問(試験問題)はどうかというと、たまに「君たちこれ知ってる?知らないよね??」というものが出てきます(私は「ドヤ顔問題」と名付けています)。今回の第2問のようなものです。

     日商の講評を見ればよくわかりますが、言葉を選ばずに言うと「上から目線」な記載です。また、問題文も洗練されていません。

     同じ商工会議所の試験で、たまに難易度で比べられる「ビジ法2級」は結構理解しやすい記載なんですが、簿記は回りくどい日本語になっています。なので、多くの過去問触れて表現に慣れ親しんでおいた方が良いと思います。

     ⑨ 妻は簿記のような数字は大嫌い、かつ苦手です。でも、10年以上前に通った「簿記の大原」の先生(女性)は、とても教え方が上手で楽に理解できたそうです。時間のある方は、スクールに行くことも選択肢の一つかと思います。

     ⑩ これだけ長々書きましたが、勉強方法(独学orスクール、テキスト選択など)は最後は自分の責任で決めてください。また、その自覚を持ってください。

     「どのスクールがよいか」「どのテキストがよいか」を最終的に決めるのは自分です。「先生の教え方が悪いから」とか、他人に責任を擦り付けているうちは、何をやってもうまくいかないと思います。結果責任は他人は取ってくれません。

     ⑪ 試験勉強を楽しみましょう!自分の力を信じて、自分で選んだ方法で合格できるように祈っています。

    管理人コメント

     RUNNERさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     簿記の勉強スタイルに関しては「テキスト&トレーニング→過去問→予想問題」という流れが最もスタンダードな形ですが、RUNNERさんのようにトレーニングを飛ばしたり、テキストからではなくいきなり過去問から入るという方もいらっしゃいます。

     「一般的に良いと言われている勉強スタイル=自分に合う勉強スタイル」とは限らないので、勉強を始めるさいに、自分の能力・確保できる勉強時間等と勘案して、自分の採るべき勉強スタイルを考えてみるのもアリだと思います。

     また、試験結果と反省点のところで「どのような状況でも冷静さを保つことの大切さを改めて感じた」と書いていただきましたが、この点は私も100%同感です。

     試験の独特の雰囲気の中で、一度、冷静さを失ってしまうとリカバリーすることが非常に難しくなります。冷静さを保つために…個人的には以下の3点をおすすめしているので参考にしてください。

    1. 試験開始後、すぐに解き始めない。目を閉じて2度、3度大きく深呼吸をして、気持ちを出来る限り落ち着かせてから解き始める。
    2. 試験の独特の雰囲気を予め体感するために、TACや大原などの直前対策答練を教室で受講する。1度でも受けておくと気持ちに余裕ができます。
    3. 新形式の問題・難易度の高い問題は、満点を狙わずに部分点狙いに切り替えて、分かるところからひとつずつ埋めていく。新形式の問題はパッと見が難しいだけで中身は簡単なことが多いですし、難易度の高い問題にも簡単なところは必ずあります。ある程度、金額が埋まってくると気持ちも落ち着いてきます。

     新形式の問題・難易度の高い問題は、配点が甘くなることが多いです。RUNNERさんのように、最後の1分1秒まで諦めずに粘り強くがんばってください。

    RUNNERさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.124

    テキストで簿記の基礎を理解し、過去問で合格に必要な応用力を身につけよう!

    • 投稿者:綾瀬さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約2か月半
    • 備考:勉強期間は2回目の受験時の数字

    はじめに

     まずは私がどのような人なのかを知っていただこうと思います。なお、以下「簿記」「二級」「三級」とあるのはすべて日本商工会議所主催の簿記二級・三級試験を指すこととします。

    • 経歴…現在大学四年生。
    • 時間…大学の授業も少なく、可処分時間は人より多め。二か月半、ほぼ毎日3~4時間程度費やした。
    • 知識…簿記に関する知識はゼロからスタート。高校でも大学でも簿記を習ったことは一度もありません。

     簿記の受験歴は以下のとおりです。

    • 大学一年生の2月に三級をすっとばしていきなり二級を受験→不合格
    • 大学四年生の6月に三級を受験→合格
    • 大学四年生の11月に二級を受験→合格

     このように、一度不合格となった経験があるので、合格体験記だけでなく不合格体験記も書こうと思います。

    まずはここから-不合格体験記と敗因の分析

     「はじめに」でも書いたように、私は以前二級に落ちました。そこで、今回受験するにあたって、まずはなぜ前回不合格となったのか、その敗因を徹底分析しました。

     その結果、以下の二つが敗因であることを自覚しました。

    1. 基礎的理解がおぼつかなかった→簿記の基礎(三級の範囲・主に仕訳)の知識不足
    2. 勉強時間が圧倒的に不足していた→問題演習量の不足

    1.基礎的理解がおぼつかなかった→簿記の基礎(三級の範囲・主に仕訳)の知識不足

     1.については、無茶な勉強をしたことが背景として挙げられます。三級の基礎的な仕訳についての理解も三級の範囲の問題演習も圧倒的に不足したまま二級の勉強をしてしまい、何が何だかわからないままに本番を迎えてしまったのです。

     三級の合格方法については他の方の三級の合格体験記に譲りますが、一つ言えるのは、出題されるすべての仕訳を完璧に切れるようにしておくことの重要性です。第三問・第五問といった大部な問題だって、仕訳を正確に切れないとお話になりません。

     私は三級を受験する際、こちらの簿記検定ナビ内にある仕訳問題対策のpdfファイルをiPadにダウンロードしてすべての問題を正解するまで繰り返し解きました。結果、6月に三級を受け98点で合格することができました。

     もし過去の私と同じように三級をとばして二級を受けるあるいは二級三級の同時受験をなさる方がいらっしゃったら、必ず三級の仕訳を完璧にし過去問で合格点を取れるレベルになってから二級の勉強にとりかかることを強くお勧めします。

    2.勉強時間が圧倒的に不足していた→問題演習量の不足

     2.は、独学者特有の過ちです。私ははじめテキストを読むのに精一杯で、問題演習はテキストをすべて理解し終えてからだ、まだわからないところがあるから過去問には手を付けないでおこう、と問題演習を後回しにしがちでした。

     しかし、はっきり言います。簿記は問題演習して初めて勉強のスタートラインに立てます

     これから学習を始める方は、テキストを読んだら、やった範囲・解ける範囲で構いません、せめて第一問や工業簿記第四問の仕訳問題だけでもいいので過去問に手を付けてみてください。

     むやみに過去問を消費してしまうのが嫌だという方は、簿記ナビの仕訳問題対策ファイルで演習しても構いません。また、分野別に問題を解きたいという方は、後で紹介する「プラス8点のための問題演習」を使ってもいいでしょう。

     まずは問題演習をしてみて、わからないところがあったらテキストに戻ればいいのです。ただ平板にテキストをぼーっと読んでいるよりそっちのほうが断然覚えますし、気付きも多いです。テキストを読んだら、とにかく早く問題演習をしてください。

    本題-使用したテキスト類の紹介と勉強の流れ

     私が簿記二級受験にあたり使用したテキストは以下の通りです。これが全てだし、これ以上のことは絶対に必要ありません。はっきり言ってこれでもオーバーワークなくらいだと思います。

    サクッとうかる日商3級 商業簿記テキスト(ネットスクール)

     100点。三級でお世話になったテキストです。6月の受験後少し間が空いての勉強開始だったので、復習のためパラパラめくりました。

     「資産は借貸どっちか」等、万一何か基礎的知識でわからないところがあれば、恥ずかしがらずにすぐさま手持ちの三級範囲のテキストを参照しましょう。基礎的知識の重要性は不合格体験記のところで述べた通りです。

    サクッとうかる日商2級 商業簿記テキスト(ネットスクール)

    サクッとうかる日商2級 工業簿記テキスト(ネットスクール)

     100点。自分にとって分かりやすいものなら何でも構わないと思います。私は書店で自分の目で確認して、引き続き二級でも使用して大丈夫そうだと判断したのでこれを選びました。

     本書はこれで必要十分だし、これ以上のものは要らないと思いました(今回試験で初登場した株主資本変動計算書は載っていませんが、本書掲載の知識を活かせば十分に解けたと思います)。

     何を選ぶにせよ、書店で選びに選んだうえで、一度これと決めたならそのテキストと心中する勢いで頑張ることです。浮気は禁物です。

     勉強当初、まずはこれらを読むことから始めました。注意したのは、必ず理解したうえで覚えること。丸暗記はすぐ忘れますし応用が利きません。「10の丸暗記より1の本質的理解。1がわかれば10わかる」をモットーに勉強していました。

    日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC)

     80点。仕訳のところでもうすこし網羅性があったら100点です。簿記2級はとにかく覚える仕訳の種類が多いので、頭を整理するためにまずこの問題集を使いました。

     はじめは量の多さに挫折するかもしれませんが、せめて仕訳のところだけは全部やりましょう。(私も第二問以降は全部解く前に過去問に移ってしまいました)使用時期としては、テキストの各単元を読み終わった時です。解ける問題が出たらすぐに解く、という感じで使っていました。

    「プラス8点のための問題演習」での書き込み
    「プラス8点のための問題演習」での書き込み

    合格するための過去問題集2冊(TAC)

     100点。私は、最新版を1冊、それから古いものを1冊古本屋で買ってきて、合計2冊(計24回分)解きました。とにかく簿記は演習量がものを言います。特に出題範囲の広い簿記二級において、過去問はある程度の量(最低12回分)を解かないと全てのパターンの問題に触れられません。

     使用時期としては上記「プラス8点~」と同時期でした。「プラス8点~」に飽きたらこれ、という風に使っていました。

     ちなみに私はすごく変則的な解き方をしていて、今第一問を勉強しているなら第一問だけ24回分、工業簿記を勉強しているなら工業簿記だけ24回分解くということをしていました。管理人さんもおっしゃっている「まとめ解き」です。簿記二級は範囲が広いため、まとめ解きをしないと記憶に残りにくいように思います。

     それから、当たり前ですが、解いたら解きっぱなしにせず、答え合わせと間違いチェックをしてください。私はズボラなのでノートのたぐいは一切つくりませんでしたが、解説の文章の要点に蛍光ペンでマークをして暇があればそこを拾い読みするようにしていました。

    サクッとうかる日商2級 商業簿記トレーニング(ネットスクール)

    サクッとうかる日商2級 工業簿記トレーニング(ネットスクール)

     過去問をやっていて「このタイプの問題は基本的な解き方すらわかってないな」と思ったときに基本に戻るために解きました。全部解いたわけではないので点数はつけないでおきますが、基礎の確認をする意味では良書だと思います。基礎が覚束ない方へ。

    第138回をあてるTAC直前予想日商簿記2級(TAC)

     80点。予想があたってないので80点。ただ力にはなるのでやって損はないです。

     ある程度過去問演習が終わったら、予想問題集に手を付けました。結局今回予想があたったかといえばそのような印象はありませんでしたが、やるのとやらないのとでは試験直前のメンタルが違うのでやっておいたほうが良いにこしたことはありません。

     …と、ここで終わると今回のイレギュラーな出題に困惑している各予備校が可哀想なのでフォローしておきますが、三級のときは予想問題集の問題が当たって救われたこともありました。なので、時間がある方は是非ともお守り代わりに4回分解いてみてください。

    日商簿記2級網羅型完全予想問題集(TAC)

     65点。理由は下記。少々オーバーワーク。使いどころに悩む教材。

     直前期、なにもかもやり終わって問題が尽きてしまったので買いました。管理人さんは教材のページでオススメなさっていましたが、解ききった感想としては、近年の簿記二級と比べると少々オーバーワークだと思います。

     難易度が本試験よりほんの少し高いように感じますし、ここまでやらなくて良いと思います。やや高めな難易度のせいで、直前期にやると落ち込みます。過去問集3冊目が手に入るならそっちを買っていたかもしれません。やる問題が無くなった方はどうぞ。

    究極の仕訳集日商簿記2級(TAC)

     100点。直前期に使用。特殊売買の仕訳など、頭が混乱していたところを整理する教材がほしくて本屋に行ったところ最適な教材を発見して購入しました。価格も800円と手ごろです。

     すべての仕訳がきちんと切れるかの確認に使いました。直前期だけでなく、基礎力養成期に使用してもいいと思います。

    使用教材一覧
    使用教材一覧

    試験日の1日の流れ

     二級の試験開始は午後ですし、起床から会場到着までは省きます。ここまでで言えることは時間に遅れないように早めに出発することくらいです。

    • 到着後試験開始前

     テキスト(サクッと受かる~の商業・工業簿記テキスト)を持って行って一ページ目から最後までパラパラめくるということをしていました。工業→商業の順に確認しました。第四問で工業簿記の基礎的な流れがわかっているかを問う出題があったので、ここで確認していたことが活きたと思います。

     教科書のパラパラ読みはお勧めです。直前まで基本の確認を怠らないでください。周りは気にせず、自分の今できないことをできるようにすることのみに集中して、浮ついたりせず平常心を保つことです。

     答案用紙が配られた瞬間、例の株主資本変動計算書があるのを見つけました。やや焦りましたが、難しそうなのは見た目だけかもしれない、きっときちんとした誘導がある、と心を落ち着けながら名前・受験番号の記入を行いました。この時点で第二問を最後に回すこと決定していました。

    • 試験開始!

     まず第一問を解きます。普通に解けました(後で採点すると問五が間違っていたのですが…汗)。

     次に工業簿記に行きます。第四問は普通の難易度ですがこういうところで差がつくのだろうなと考え問題用紙の「第四問」の印字のところにグルグルと丸印をつけ自分に見直しを課しました。第五問はあまりに簡単だったのでその場で見直しまで済ませました。

     次に第三問(第二問を飛ばすことはすでに解答用紙配布時に決定済)。問題文の日本語が難解で焦りましたが、わかるところから計算用紙に記入していきました。次第に建物・備品減価償却など見慣れた問題文が出てきてすこし落ち着きを取り戻したところで、日本語の意味が取りにくいところは意味を汲み取り推測して入れていきました。

     ここはもう部分点を稼げれば受かると思ってとにかく落ち着いて一つ一つこなしていきました。実際、後で採点したところ部分点を半分程度稼げていました。勝因は、日ごろの大量の問題演習により培った応用力と何があっても動じない精神力だと思います。

     最後に第二問。見たことない問題形式でしたが、分解していくとただの普通の会社関係の仕訳です。おまけに、ご丁寧にも解答欄の記入すべき箇所に「( )」という記号がついています。この丁寧な誘導の御蔭で結構な部分点をもぎとることができました。

     全問解き終わったらまず第三問のわからなかった仕訳に取り掛かりました。しかし何度頭をひねってもわからないところはわかりません。ここにあまり時間をかけるのは得策ではないと思い、そのあとは、まずは事前に見直しの丸印をつけた第四問を見直し、その後比較的簡単な第一問、第二問、第五問を繰り返し繰り返し見直しました。

     何か難しい問題が出て、そこを何度見直ししてもあまり得点が取れない、時間の無駄だと思ったときは、早々に諦めて簡単な問題を確実に取りに行く方針に切り替えるのは試験で大事なテクニックです。参考にしてください。

    本番の書き込み
    本番の書き込み

    試験後・採点結果

     試験後は「難しかったな」と思いつつ、さほど無茶な難易度とは思いませんでした。ツイッターで「簿記二級」で検索をかけて受験者の様子を探ると阿鼻叫喚といった感じでしたが、そこまで言うほど難しくはなかった印象でした(実際、私の商工会議所の合格率は27%前後で極端に低くはありません)。

     しかしそうは言っても、解答速報で採点したところ、75点前後とかなりボーダーギリギリの点をとっていたので、採点後はかなり不安になったものです。自己採点の結果は以下の通りです(※配点などは各予備校の予想に基づいているので実際の点と乖離している可能性があります)

    • 第一問 16/20
    • 第二問 14/18
    • 第三問 12/22
    • 第四問 12/20
    • 第五問 20/20

     感想としては、第一問の1ミスと第四問の2ミスが痛かったなと。今回落ちたらここを反省して次に活かそうと思っていました。どんなに難しい回でも基本的な問題をきちんと取れば受かるし、逆に基本がおろそかだとすぐに落ちます。

     この試験は減点法の試験です。30点なんてあっという間に失います。4点配点を8箇所間違えただけで不合格になるんです。ちょっとした基本的なミスがすぐに不合格につながります。私も人のこと言えませんが、浮ついて足元を掬われないように、どんな難問奇問に出会っても、”基本を大事にする”、これを忘れずに頑張ってください。

    総括-勝因の分析

     過去問を解いていない方のために説明しておくと、私の受験した138回は、第二問で株主資本変動計算書という見たことのない出題形式が出され、第三問では解読するのも嫌になる難解な文章で貸借対照表作成問題が出された回です。

     しかし、のちに説明しますが、私はそんなときでも両問ともに半分は点をもぎとることができました。この勝因を分析すると①基礎を理解し、②十分な問題演習をして応用力を身につけていたことの2点が挙げられます。

     要するに不合格時に分析して分かった敗因をきちんと反省し勉強に取り入れたことが勝因だと思います。
    上でやたらテキストを列挙したので「ここまでやらないと受からないのか」と思った方もいるかもしれませんが、実際のところここまでやる必要はないと思います。

     しかし、①テキストを読んで基本を理解し、②基礎的な問題を演習し、③過去問を十分な量(最低12回分)解くというのはどの合格者もやっていることだと思うので、どんなに時間のない方でもこれだけは欠かさないようにしてください。

    管理人から綾瀬さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     CASIO JW-122CLです。私の電卓選びの基準は①大きさが程よいか②キーの高さ・打鍵感は良いか③太陽電池がついているか(重要です。試験本番で電池切れ、なんてことの無いように!)の三つでした。

     この機種はこれらの条件をすべて満たし、また色もパステルトーンで好みにあっておりましたので、店頭で一目惚れして購入しました。

     日付計算機能がないので、日付計算が苦手な方にはお勧めできませんが、そのほかの方にはおすすめできる機種です。

     もっとも、自分が好きなものを使うに越したことはありません。

     勉強へのモチベーションって、案外、「電卓のデザインがスタイリッシュ!」とか「パチパチとした打鍵音が心地良い!」とかそういう単純なところからググッと上がったりします。

     時間が許す限りなるべく店頭に赴いて、自分の好きな一台を見つけてください。

     綾瀬さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は伝票会計です。ああいった作業的なことが好きなもので、過去問演習を始めた頃は伝票が来ると砂漠にオアシスが現れたかのような面持ちで嬉々として解いていました(笑)

     それから、苦手な論点についてですが、お恥ずかしい話、論点単位で特定することができないくらいに工業簿記全般が苦手でした。

     商業簿記は結局のところ仕訳がきちんと切れればあとはその積み重ねで8割方対応できてしまうと思うのですが、こと工業簿記は、「工業簿記」というシステム全体を俯瞰できるようにならないと、“今自分が何を求めるためにどういう作業をしているのか”が見えなくなって、合格ラインに達しないように思います。

     私も初めは「この原価計算は何のためにやってるんだ…」と、まるでコンパス無しで樹海に放り込まれたような状態でした。

     工業簿記が苦手、辛い、やりたくない…この三重苦を克服するために私がとったのは、とにかく問題演習に次ぐ問題演習でした。

     具体的には、①どれだけ嫌でも一日一問は工業簿記の問題を解くことを自らに課し、②今日解いた問題に関しては完璧に解けるようになろうと決めて問題集の解説とテキストを熟読する、ということをしていました。

     勿論、忙しい日はお休みすることもありましたが、何だかんだで、「嫌だ、もう嫌だ」と言いながらも毎日最低6題(2題×3回分)は解いていたように思います。

     前述のとおり、工業簿記で合格ラインに達するには、“「工業簿記」というシステム全体を俯瞰できるようになる”ことが必要です。

     別にすべての問題について勘定連絡図を描けるようになれとまでは言いませんが、“今自分が何を求めるために何の数値を用いてどういった作業をしているのか”を把握できるくらいの力は必要です。そのためには、ある程度の演習量が必要です。

     沢山の問題に触れ、その正しい解き方を学んでください。そうすれば、脳内に自然とパターンの蓄積がされていき、ちょっと応用的な問題を出されても動じなくなっていきます。何事も経験です。

     最初は辛いかもしれませんが、慣れてくれば、簡単な問題に関してはパズルのような面白さを感じながら解けるようになります。頑張ってください。

     綾瀬さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     前述した工業簿記のように、苦戦した点も多かった試験勉強期間。

     そんな中私のモチベーションとなっていたのは、第一に、学生には馬鹿にならない検定料でした。税込4630円というのは、(運営側の苦労はお察し致しますが、)学生には結構痛い金額です。豪勢な飲み会が一回開けます。

     そんなわけで、私は、試験勉強に挫けそうになったら、家族や友達に「検定料を無駄にしてたまるか!」「絶対に一回で受かってやる!」となんともケチ臭いことを言いながら自分を鼓舞していました。

     勿論お金の話だけではなく、簿記の重要性を実感していたこともモチベーションの一つになっていました。私は大学四年の4月に某企業のスタッフ部門に内定を頂いたのですが、その過程で先輩社員の方から、「スタッフ部門の業務には、業界知識だけでなく、簿記・会計等の知識も必要だ」ということを教わりました。

     そこで、入社後役に立つ知識を身に着けるべく、内定を頂いた直後から簿記の勉強を開始しました。結果的に6月に三級・11月に二級と順に合格することが出来たのは、(決してお金の力だけではなく(笑))、ひとえに、その勉強の重要性を感じていたからだと思います。

     …最後に、唐突ですが、皆さんに一つ質問をします。皆さんが簿記を受験する理由は何ですか?単位のためでしょうか、就職活動のためでしょうか。或いは、業務に活かしたいからでしょうか、それとも資格手当が出るからでしょうか。どうでしょう、きちんと何か思い浮かびましたか?

     何故こんな質問をしたかというと、試験勉強の最中は、「なんでこんな勉強してるんだろう」と思う瞬間が必ずやってくるからです。その時、あなたは自分にちゃんとした答えを用意してあげられますか?

     ここからは私見ですが、資格は、必要に迫られないと取れないと思います。何のために勉強しているかわからないでする勉強は、つまらないし、続きません。そんなことに時間を使うくらいなら、趣味に時間を使って気分をリフレッシュさせたほうがよっぽど有益だと思います。

     もっとも、そうはいってもあんまり高尚で立派な理由はすぐには思いつかないものです。「何もない」という方もいらっしゃることでしょう。

     実際のところ、本当に何でも構わないのです。「そんなこと言われても、もう申し込んじゃったよ!」という方もいらっしゃるでしょうし、そういった方は、最初に書いたように、「受験料が勿体ないから!」という単純な理由でも構わないのです(笑)

     何か一つでもいい、「合格を勝ち取りたい理由」を自分の胸に思い描いてください。そして、それを実現するために、全力で頑張ってください。私も全力で応援しています。皆様の合格を心よりお祈り致します。

    管理人コメント

     綾瀬さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     テキスト選びに関して、綾瀬さんからいくつかのアドバイスがありましたが、一番参考にしていただきたいのは「書店で選びに選んだうえで、一度これと決めたならそのテキストと心中する勢いで頑張ること」というところです。

     「人気教材=万人に合う」というわけではありませんので、可能なかぎり書店等で中身を確認して、自分に一番合いそうなものを選ぶようにしてください。

     あとは、勉強を進めていくと「このテキスト・問題集だけで大丈夫かな…」と不安になるかもしれませんが、市販テキストの内容自体はどれも似たようなものなので、綾瀬のおっしゃるとおり、浮気をせずにはじめに選んだ教材を信じて勉強を進めてください。

     なお、過去問対策に関しては私は1冊(12回分~16回分)で十分だと思いますが、綾瀬さんのように2冊使う方もいらっしゃいます。昔の過去問を使う場合は、勘定科目や会計基準、試験範囲等が現行とは異なる可能性があるので、その点に留意して利用してください。

     最後に、本試験で新形式の問題が出題されたら…まずは落ち着いてください。綾瀬さんも「やや焦りましたが、難しそうなのは見た目だけかもしれない、きっときちんとした誘導がある、と心を落ち着けながら名前・受験番号の記入を行いました。」と書かれています。

     ここ最近、新形式の問題・パッと見て難しそうな問題の出題が続いていますが、これらの問題は必ず配点が甘くなっているので、まずは心を落ち着かせて仕訳を考え、分かるところから金額を埋めて部分点を積み上げていきましょう。

    綾瀬さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.123

    間違いノートは「作る時間を短く、使う時間を長く」がポイントです!

    • 投稿者:#さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約3か月
    • 備考:勉強期間は3回目の受験時の数字

    はじめに

     日商簿記2級を受験しようとしたきっかけは、就職するために少しでも役に立てばいいなと思ったからです。

     高校のときに授業の一環として日商簿記2級を受験したのですが、合格できずにそのまま卒業してしまいました。それから数年、簿記にはほとんど触れることないまま事務として勤めてきました。

     現在、私は仕事を辞めて就職活動をしていますが、求人票には必要な条件として「事務経験」の他に「日商簿記3級」や「日商簿記2級」が組み込まれていることが多いです。そこで、自分の選択肢を広げるために、一番近かった138回を受験することにしました。

    テキストと電卓について

     はじめは、3級を2級を同時受験しようと思っていましたが、2級だけにしぼって勉強したほうが効率がいいと考え、2級のテキストを購入しました。

    スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第6版 [テキスト&問題集] (TAC出版)

    スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第3版 [テキスト&問題集] (TAC出版)

     字が多いテキストだと後で行き詰ってしまうだろうと思い、スッキリわかるシリーズの参考書を選びました。

     ここがこうなるから、最後はこの形になるんだよと順序を追って解説してくれることが多くて助かりました。例題の数字の桁も少なめに設定してあるおかげで取り組みやすかったです。

    日商簿記2級まるごと過去問題集〈2014年度版〉(ダイエックス出版)

     簿記検定ナビの合格体験記に、とにかく簿記は過去問をどんどん解いていくことが大事とあったのですぐに探しにいきました。お手頃な価格だったのと、過去15回分ほどが掲載されていたので購入しました。

     問題によっては解説がやや不親切だったので、不明な点はネットや簿記検定ナビの解説を参考にしました。

    日商簿記検定模擬試験問題集 2級【改訂六版】(ネットスクール出版)

     こちらは先に購入していたのですが、まずは過去問を解くのがいいと思い後回しにしました。過去問が1周した後に模擬問題のみ解きましたが、こちらも解説がやや不親切だと感じました。

    MW-12GT(CASIO)

     高校の時に選んだもので、10ケタよりも12ケタの方が使いやすいと判断して購入したものです。ずっと使っていることもあり、自分としては操作しやすいと思っています。ただ、よく使う数字が徐々に薄くなってきているのが少し残念です。

    学習スケジュール

    • 8月の終わり~9月いっぱい:商業と工業簿記の基礎
    • 10月前半:商業と工業簿記の見直し
    • 10月後半~11月:過去問と模擬問題、仕訳問題

     1日平均5~6時間は勉強したと思います。

     10月後半に入ると過去問を1日に2問(午前と午後に分けて)、合間に仕訳問題を中心に固めていきました。私は仕訳問題が特に苦手で、以前に受験したときも点数を稼ぐことが出来なかったので、今回は仕訳対策に時間を割きました。

     過去問は…1週目は本当にひどい点数ばかりでした。100点中30点台を行ったり来たりで、このまま勉強を続けても合格点に届かないのではないかと心配になりました。この時点では「仕方ない、これが今の実力なのだから」と割り切って解いていきました。

     その後は模擬試験問題集を1周はさんでから、過去問の2周目に入りましたが、2周目は1周目で出来の悪かった回を優先的に解きました。

    商業簿記について

     仕訳ができないと点数が伸びないので、簿記検定ナビの仕訳対策を使って対策をしました。

     具体的な使い方は、まずひととおり問題を解いて、間違えてしまった問題・理解できなかった問題をピックアップし、解説や他の参考書で復習した後、何度も繰り返し問題を解きました。

    工業簿記について

     まず、材料費・労務費・経費の関連図を覚えました。費目別計算は特に苦手だったので、書いて覚えて書いて覚えて…の繰り返しでした。

     差異分析で使うシュラッター図は、何も見ないでも書けるように白紙を使って練習しました。語呂合わせを併用すると覚えやすかったです。

     総合原価計算は、ボックス図の数量や金額を記入ミスすることが多かったので、ボックス図をつくるときは特に気をつけました。また、仕損や減損、先入先出法や平均法、材料の追加投入などは解き方を混同しないように間違いノートにまとめました。

    学習するうえで工夫したこと

    • 過去問を解くときは必ず時間を計ること。
    • メモ用紙を折って「問1は左上から記入する」など自己ルールを決めた。
    • 勘定科目を全て漢字でメモするのではなく、自分が分かる範囲で省略した。
    • 数字もメモするときに100,000ならば→100,-とカンマのあとは棒線で省略。
    • (問題の)特に条件が指定されている箇所は○で囲むなど目立つようにした。

     問題を解く順番は「1→4→5→3→2」が一番いいと思いました。また、90分以内に解き終えることを意識しました。過去問を解いていく中で、全体を見直すためには少なくとも30分は必要だと感じたからです。

    反省点

     はじめの頃、参考書の文をそのままノートに書き写していたことです。それに加えて間違いノートの作成に取り掛かってしまい、過去問に取り掛かるのが遅くなってしまったことです。

     ノートの作成する場合は、何度も間違えてしまうところや理解が曖昧なところだけをピックアップして、簡潔にまとめることをおすすめします。

    試験前日

     簿記検定ナビの予想問題と大原簿記の予想問題を解きましたが、なんとか合格点を取ることができました。夜は少しだけ仕訳問題を解いて、明日の準備と試験会場に向かう時間を確認をしてから寝ました。

    試験日の1日の流れ

     9時頃起床し、身支度を整えたあと間違いノートをパラパラと見て、受験票など持ち物の確認などをして家を出発する時間までのんびりと音楽プレーヤーで好きな曲を聴いていました。

     お昼は小さめのパンを1つだけ食べて、会場に向かいました。会場に着いてから試験開始までの20分間は、受験票や筆記用具を準備してぼんやりとしていました。

     時間になると問題用紙と答案用紙が配られました。答案用紙に名前と受験番号を記入しているときに第2問と第3問がチラッと見えましたが、予想していなかった問題だったので一気に落ち込んでしまいました。

    • 試験開始!

     まず、全ての問題に目を通しましたが、時間内に解けるのか不安でいっぱいでした。ひとまず、いつもどおりに1→4→5→3→2で進めていくことにしました。

    第1問

     問題文の長さが、今まで解いた過去問の中でもかなり短い方だと感じました。あまりにも短すぎるので、逆に何かひっかけがあるのではないか、と疑ってじっくりと読んでしまいました。第1問は、普段とほとんど変わらない時間(15分前後)で解けたと思います。

    第4問

     (2)と(3)と(5)に時間がかかってしまいました。

     (2)製造間接費の予定配賦額の求め方が分からず焦りました。仕掛品/製造間接費の形は分かるのに金額が分からない…と頭の中がパニック状態になったので一度飛ばすことに。

     (3)製品完成高を解こうと思うも意味が読み取れず、さらに(5) 製造間接費の配賦差異にいくも(2) 製造間接費の予定配賦額が分からなければ金額が分からず…だんだんやる気が消えていきましたが、とりあえず落ち着こうと再度(2)製造間接費の予定配賦額に挑戦しました。

     これはもしかしてシュラッター図を書かなければ解けないのでは…と思った矢先、分からなかった数字がパパっと埋まっていきました。そのおかげで(5)製造間接費の配賦差異も解くことができました。

     残りの(3)製品完成高は数分悩みましたが解けなかったので、最後の見直しの時にもう1度考えようと思い、目立つようにマークをつけて第5問に進みました。

    第5問

     ボックス図の減損の処理を間違えないように気をつけました。あと、金額が細かいので答案用紙には慎重に記入しました。

    第3問

     初めて見るタイプの問題かつ指示も読み取りづらかったので、あれも分からないこれも分からない…と頭のなかが真っ白になってしまいましたが、せめて分かるところだけは解こうと必死に食らいつきました。

    第2問

     「千円単位」と「マイナスには△とつけること」の2つに気をつけたのに、なぜか△を付け忘れてしまいました。また、試験後に気づいたんですが、上下で別々に合計金額を出していました。相当テンパっていたようです。

    最後の見直し

     この時点で90分くらいだったと思います。ひとまず第4問に戻って(3)を考え、その後は全体的な見直しに時間を使いました。ただ、第2問と第3問の対応で疲れ果ててしまっていたので、最後の見直しは全く集中できませんでした。

    合格発表

     ネットで合格していることを知りました。点数は82点でした。2級を受けようと決意して勉強を始めた当初、本当に私は受かるのかと不安だらけだったのですが、最終的に無事に合格ができてよかったです。

     ちょっと休憩…と言い訳しつつ勉強を休んでしまったりもあったのですが、そんな時は簿記検定ナビの合格体験記を読んで、「私このままじゃだめだな」と反省し、なんとか続けていくことができました。

     試験勉強中は他の皆さんの合格体験記に支えてもらいました。本当にありがとうございました。この経験を無駄にしないようにこれからに繋げていきたいと思います。

    管理人から#さんへ追加の質問

     #さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     好きな音楽を聴いたり、好きなテレビを見たりしてストレス発散をしました。あとは、次の1回しか受験機会はない、と自分を追い込んでいました。

     それでもやる気が出ないときは簿記検定ナビの皆さんの合格体験談を読んでました。勉強の仕方を確認したり、試験までの過ごし方を読んだりして元気がもらえました。ありがとうございます!

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     自分の勉強法を振り返ってみると、参考書の文章を丸々写して覚えていた時間が勿体なかったと思いました。その場かぎりの暗記になってしまったので、できるならば理解してからしっかりと間違いノートにまとめれていればよかったなと思いました。

     また、なるべく早めにかつ多めに過去問を解く時間をとったほうがいいと思いました。仕訳問題も1回できたら終わりではなく、何度も繰り返し解くと力がつくと思いました。

    管理人コメント

     #さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     #さんもおっしゃっていますが、間違いノートは要点だけを簡潔にまとめて、細切れの時間等を有効活用して何度も目を通す…つまり、「作る時間を短く」かつ「使う時間を長く」するのがポイントです。

     間違いノートはきちんと活用すれば大きな武器になりますので、受験生の方は作り方・使い方を今一度ご確認ください。

     また、随所で過去問対策の重要性にもふれられていますが、私も全く同じ考えです。簿記は昔も今も(たぶんこれからも)過去問対策が必須です。

     最近は新形式の問題が出題されることが多いので、過去問対策の重要性は相対的に低くなった…という意見もありますが、今回の試験問題の第1問・第4問・第5問は典型的な過去問類似問題です。

     過去問対策をきちんとやっていれば、60点満点取れる問題だったので、あとは難しかった第2問・第3問の40点中10点の部分点が取れれば合格できる計算になります。

     新形式の問題を予想することは難しいので、(簿記2級と簿記3級は特に)確実に点数になる過去問対策に力を入れて勉強することをおすすめします。

    #さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.122

    簿記の勉強は「質」も大事だけど、それ以上に「量」が大事です!

    • 投稿者:ああさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    はじめに

     現在、私は大学生です。経済・経営・商学部に属しているわけではなく、簿記や会計系のサークルに属しているわけでもないのですが、商業高校出身ということで、高校では簿記に触れるための環境が十分に整っていました。

     当時は特に簿記に強い関心があったわけではなかったので、日商簿記検定を受験しようとも思いませんでした(今思えば、そういう風に自らに言い聞かせることで、自分自身に対して言い訳をしていたのかもしれません)。

     また、高校時代に全商簿記検定1級は取得していましたが、まさに「受かるための勉強」をさせられていたような感じで、その時点では簿記の面白さに触れることができていませんでした。

     全商簿記検定(全商系の検定は全て当てはまると思いますが)はいくつかのパターンを覚えてしまえば、割りと楽に解けてしまうこともあり、さほど勉強しなくても合格することができました(例えば、「しーくりくりしー」については、完全に暗記していました。当時は何のためにしているのかよく分かっていませんでした)。

     では、なぜ今回、受験を決意したかというと、一つは大学生ということもあり、時間にそれなりの余裕があったことです。中学・高校時代は勉強、部活などで多忙な日々を過ごしていましたが、今回の受験の過程において、時間的な制約はあまり感じませんでした。

     もう一つは、せっかくある程度の簿記の知識を持っているのであれば、簿記2級を必死に勉強して取得することで、就職活動を少しでも有利にしたいと考えたからです。

    使用したテキスト・電卓

    • 超スピード合格! 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(成美堂)
    • 超スピード合格! 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(成美堂)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’14年11月検定対策(TAC)
    • 第138回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC)
    • 日商簿記2級 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)
    • AZ-25S(CASIO)

    超スピード合格! 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(成美堂)

    超スピード合格! 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(成美堂)

     90点。決して悪くないと思いますし、何なら良い方のテキストだとは思いますが、ときどきこのテキストだけではうまく理解できない箇所があったので、10点分引かせてもらいました。

     内容に関しては多分、他社のテキストも似たようなものだと思うので、ここにわざわざ特筆するようなことはないです。

     ただ、「テキスト&問題集」と書かれてありますが、「テキスト」としての要素が大半で、「問題集」としての要素はあまりないので注意してください。同社から実践問題集が出ているので、このテキストを使用しようと思われた方は、実践問題集も併用されてはいかがでしょうか。

     私は「テキスト&問題集」という言葉を信じすぎてしまった結果、問題集を使用せずに過去問を解き始めてしまったので、過去問を初めて解いたときは分からなさ過ぎて、絶望しました。テキストは自分で実際に見比べて購入するのがベストだと思います。

    合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’14年11月検定対策(TAC)

     100点。業界最大手のTACが出版している過去問題集ということもあり、非常にわかりやすい解説で、勉強が捗りました。

     私自身の実体験をもとに、この場をお借りしておすすめしたい勉強方法は、簿記検定ナビの過去問分析と併用することです。

     併用することによって、うまく理解しきれていない問題を完璧に理解することができるようになると思います。また、2つの異なった解き方を学ぶことは、簿記の本質を理解するうえでの一助になると考えるからです。

     この過去問題集にも簿記検定ナビにも共通して言えることなのですが、どちらも問題を解く側の視点にたって、わかりやすい解説がなされているので、勉強にいそしんでいる私にとって、非常に鼓舞されるものがあり、高い状態でのモチベーションの維持にも一役買ってくれました。

     さらに、この過去問題集には各大問ごとの難易度が明示されているので、問題を解く際の一つの目安にもなり、「ここは絶対に落としてはいけない」、もしくは「ここは落としても良い」などの分別もできるようになるので、そういった点においてもおすすめです。

    第138回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC)

     100点。合格するための過去問題集と同様に、予想問題集も非常に良かったです。的中率がどうこうではなく、例えば解説がわかりやすいことはもちろんなのですが、下書きの例示もしっかりとなされていて、非常に参考になりました。

     また、どこの出版社の予想問題集にも当てはまると思いますが、予想問題集は全体的に過去問題よりも難しく作られているので、この予想問題集の問題でひどい点数をとってしまったときには、「このままでは落ちてしまう!」と感じ、モチベーションが上がりました。

     特に過去問で着実に満点近い点数がとれるようになってきていて、安心しきってしまい、モチベーションが下がり気味になっていた私に対してはてきめんに効きました。

     過去問題集と同様に、問題ごとの難易度が示されているので、「ここは落としてはいけない問題」と「ここは落としてもいい問題(むしろ時間をかけてはいけない問題)」とを分別することができ、そういった点でとても役立ちました。

     また、付属の仕訳カードも使い勝手が良く、試験当日まで重宝していました。

    日商簿記2級 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)

     100点。仕訳攻略ナビと前述した過去問題集付属の仕訳カードを併用すれば、圧倒的な仕訳力が身につきます(もちろん、仕訳攻略ナビだけでも十分ですが)。

     また、仕訳攻略ナビに付属しているまるごと合格BOOKも非常に役に立ちます。勉強のスタイルから試験前日や当日の過ごし方までもが完璧に網羅されているからです。そういった有用さもあり、私はお守りとして使っていました(笑)。

     話が逸れてしまうかもしれませんが、今回の第138回の試験の第2問では、株主資本等変動計算書という、どの出版社もほぼノーマークだった計算書が出題され、第3問では、過去10年の第3問のなかで最も難しかったと言われているほどの難度の高い貸借対照表が出題されました。

     仮にこのような傾向が今後も続くのであれば、工業簿記でできるだけ満点の40点に近い点数をとる必要が出てきます。また、仕訳の20点を確実にもぎとらなくてはならなくなってきます(しかも仕訳は1問につき4点なので、その差は想像以上に大きいです)。

     仕訳で点を稼ぐ必要性が増している昨今、携帯性にも優れている仕訳攻略ナビや仕訳カードを用いて、隙間時間などに勉強することがより一層大切になってきていると思います。

    AZ-25S(CASIO)

     100点。高校入学時に購入したものであり、他の電卓と比較をしたわけではないので、あまり説得力はありませんが、優秀な電卓だと思います。特に不満を感じたことはありません。使いやすく、見やすく、機能も豊富なので、おすすめできます。

     ただ、ネットで調べてみたところ、学校専用電卓らしいので、一般の方が購入するのは難しいのかもしれません。購入できるようであれば、ぜひ購入してみてください。

     ただし、人によっては電卓を叩く際の音が気になるかもしれません。もし、電卓を叩く際の音が気になる方がいれば、ネットなどで検索をかければ解決策が見つかりますので、一度検索してみることをおすすめします。

    勉強スタイル

     基本的に空いている時間は、全て簿記の勉強に費やしていました。効率がどうとかはあまり気にせず、とにかく量をこなしました。

     平日は、その日に入っている講義の関係によってまちまちなので、具体的な勉強時間を言及することはできませんが、休日はだいたい1日10時間は勉強していたと思います。

     また、簿記検定ナビの管理人の田口様もすすめていらっしゃいますが、勉強をする時間帯のなかでも朝の勉強は捗ります。合格を目指して頑張っている方にはぜひ、朝方に勉強して欲しいと思います。

     その他には、例えばテレビは一度見始めると、そのままずっと見続けてしまうので、最初から見ないようにするべきだと思います。このような勉強スタイルは高校・大学受験のときから実践していたので、今回の日商簿記検定2級対策の勉強においても実践しました。

     また、時折、「工業簿記はある時期を境に急激に伸びる」といったことを聞きますが、これは本当です。私も10月の終わりごろに突如覚醒したように工業簿記がわかるようになりました。

     覚醒するためには、やはり勘定連絡図をマスターすることが何よりの近道だと思います。勘定連絡図をマスターすることによって、全体の流れが意識できるようになり、結果的に理解が早まると思います。

    勉強の流れ(スケジュールに沿って進めました)

    9月上旬から9月の終わりまで

     上記の成美堂のテキストを用いて、簿記2級の大まかな流れを頭にインプットしていきました。1回目はざっと流し読みするような感じで、2回目は精読していきました。

     ただ、テキストに書いてあることの本当の意味を理解するためには、実践的な問題を解くことが一番だと思うので、「完璧にテキストを理解するまでは、過去問を解かない」といった、異常なまでにテキストに固執しすぎるのは良くないと個人的には思います。

     また、3級の内容でわからないところがあれば、インターネットなどを駆使して、その都度調べていました。この地道な作業をおざなりにしてしまうと、後々かなり後悔することになると思うので、理解できない箇所は必ず何らかの方法を用いて解決しておいた方が良いと思います。

    10月の初めから10月の終わりまでの1か月間

     上記の過去問題集を使って、過去問を3回通り解きました。3回目の解答を終えた時点で、80点に満たない問題があれば4回目に突入しようかと考えていましたが、大体どの問題も最終的には満点に近い点数がとれるようになっていたので、予想問題集に移りました。

     過去問を完璧にしておけば、どんなに難しい回でも合格できると思うので、過去問が完璧になるまでは、次のステップに移る必要はないと思います。

     また、前述しましたが、簿記検定ナビの過去問分析と併用することで、効率的な勉強ができると思います。うまく理解できないところは、適宜テキストに戻って復習しました。

    11月の初めから試験前々日まで

     上記の予想問題集を使って、仕上げの作業に入りました。4回分の問題があるのですが、1回目の予想問題では余裕で合格点をとることができました。しかし、その後の3題ではボロボロで、ひどい点数をとってしまったので、悔しさと焦りを糧に必死で勉強しました。

     過去問題集を解いていたときと同様に、わからない箇所は適宜テキストで復習しました。2回通り解き、2回目にはどの問題においてもほぼ満点がとれるようになっていました。

     また、このころには、過去問・予想問題ともにほぼ完璧に答えられるようになっていたので、苦手な論点などはほぼなくなっていました。全ての論点が得意になっていたと言っても過言ではないと思います。

     そういった非常に良い状態であったことから、本試験では100点満点を狙っていました。それでも結局、本試験では満点に遠く及びませんでした(第3問のせいで(笑))。

    試験前日

     簿記検定ナビの簿記ナビ模試を総仕上げとして解きました。予想問題集よりも難易度は低く感じました。

     1回目では合格点ぎりぎりしかとることができませんでしたが、2回目には100点満点をとることができ、「これはいける! 明日は何とかなる!」と思いました。

     また、過去問題集から予想問題集、簿記ナビ模試まで一貫して時間を測りながら解いていました。一人ひとり、得意・不得意な問題があり、その問題にかかる時間も違ってくると思うので、自分の時間配分を形成していくうえでも、時間を測りながら解くべきだと思います。

    試験日の1日の流れ

     9時30分に起床しました。仕訳攻略ナビの付属のまるごと合格BOOKに、脳を活性化させるためには試験(1時30分に説明が始まる)の3~4時間前に起きると良いと書かれていたので、素直に実行しました。

     11時30分ごろに朝食を兼ねた昼食を食べ(食べ過ぎないように注意してください)、12時ごろに試験会場へ向けて出発しました。試験会場は一度行ったことがあり、知っている場所だったので、迷子になるかもしれないといった心配は無用でした。

    • 会場に到着

     12時30分ごろに到着し(一番乗り!ただし、そんなに2級の受験者が多くなかったからだと思います)、仕訳攻略ナビと仕訳カードを用いて仕訳の最終確認をしていました。わからない箇所は何度も解き、本番でも解けるようにしておきました。

     会場に着いてから、ぼーっとしている人も多いみたいですが、私は何かしていないと逆に不安になってしまうタイプなので、仕訳を解いていました。さすがに、問題集の問題を解くことはしませんでしたが。

     その10分後くらいから少しずつ人が来始め、試験開始10分前にはほとんど人が到着していたと記憶しています。試験会場の様子としては、テキストなどをせわしなく確認している人がいれば、何もせずただぼーっとしている人もいました。知り合いと思われる人と楽しそうに談笑している人もいました。

     そして、試験開始の前には名前と受験番号を問題用紙の各ページに記入していきます。その際に、第2問に株主資本等変動計算書が見えたので絶望しましたが、迷わず最後に解くことに決めました。1時30分から試験の説明があり、それから少し経った後、試験が始まりました。

    • 試験開始!

     まずは一通り問題を確認しました。第2問は当然最後で、第3問の貸借対照表も相当難しそうだったので、後回しにすることにしました。逆に、第1問と第5問は基本的な問題で簡単そうだったので、先に解くことにしました(よって、順番的には、1-5-4-3-2)。

     第1問の仕訳は、過去問題集や予想問題集、簿記ナビ模試よりもずっと簡単に感じました。私は他の人よりも仕訳に時間をかけて勉強をしたと自負できるくらい仕訳に注力してきたので、自分の解答に手応えを感じることができ、とてもうれしかったことを今でも覚えています。解答時間もあまりかからず8分ほどで終わりました。

     第5問も、基本的な問題で8分くらいで終わったと思います。きっちり勉強していれば解ける問題だったと思います。ケアレスミスだけはしないように注意し、入念に確認をしました。

     第4問では、少々てこずってしまい、それなりの時間を要してしまいました。ただ、試験終了後に答え合わせをした結果、合格するためには十分の点数がとれていたので、安堵しました。

     第3問の貸借対照表の作成問題は、形容しがたいほど難しく、決して貸借対照表の作成が苦手というわけではありませんでしたが、撃沈してしまいました。まず、問題文の日本語をよく理解することができませんでした。今、改めて見てみても、やはり難しいなと感じます。

     追い打ちをかけるように、この時点では謎の株主資本等変動計算書という、そのときに名前すら初めて見た計算書が待ち受けていたので、それはそれは不安で仕方がなかったことを今でも鮮明に覚えています。

     第2問の株主資本等変動計算書を最初に見たときは、何をすればよいのかもはや意味がわかりませんでしたが、「これは難しい」という先入観のようなものを取っ払ってしまえば、そこまで難しくはなかったと思います。

     ただ、「(単位:千円)」という注意書きを見逃してしまい、点を全くとることができなかった方が割りといると聞いたので、そのときに改めて「問題文を注意深く読むことの大切さ」を実感しました。

     私は「(単位:千円)」を〇で囲んで見やすくしていたので、きちんと単位を千円にして解答することができました。

    • 試験終了…

     そして、満足に見直しもできないまま、試験は終了しました。試験終了の合図とともにまず思ったことは、「これは落ちたわ」でした。

     試験終了後にインターネットで「日商簿記検定 第138回 2級 感想」と検索し、受験者各々の感想を見てみると、「できるわけねぇよ、こんなの!」といった感想であふれていたので、やけに安心したことを覚えています(笑)。

    さいごに

     約一週間後、合格していたことを電話で聞いたときは、本当に嬉しかったです。筆舌にしがたい嬉しさでした。そして、周りの誰かに報告するよりもまず、お世話になった合格体験記に私の体験記も書こう、簿記検定ナビの利用者としての、合格者としての証を残そう、と思いました。

     私の合格体験記が、日商簿記2級を取得しようと考えている、日本のどこかに住む誰かのモチベーションアップに繋がるのであれば、幸いです。

    管理人コメント

     ああさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     名前を書く時に視界に入った株主資本等変動計算書(第2問)…さらに受験生を震撼させた財務諸表作成問題(第3問)…今回はいろいろと大変だったと思います。本当にお疲れ様でしたm(__)m

     それでは早速、中身を見ていきましょう。まず受験生の皆さんに参考にしていただきたいのは、テキストの感想のところに書いていただいた「テキストは自分で実際に見比べて購入するのがベストだと思います。」という一文です。

     ネットで評判のテキストであれば、基本的にどれを使っても(内容的には)問題ないと思いますが、人によって「向き不向き」があるので、ああさんのおっしゃるとおり、テキストはなるべく自分の目で見て確かめて、他と比較して購入することをおすすめします。

     また、市販の過去問題集と簿記検定ナビの過去問分析を併用して勉強されたとのことですが、この点もぜひ見習ってほしいです。

     「総合問題を解く際の下書きの書き方」はいろんな方法があるので、2つを見比べていただいて、分かりやすいor覚えやすいほうの下書きの書き方をマスターしてください。

     さらに、「工業簿記は勘定連絡図をマスターすることが大事」と書いていただきましたが、これもその通りだと思います。

     例えば、直接材料は材料勘定→仕掛品勘定→製品勘定…という流れで金額が転がっていきますが、間接材料は材料勘定→製造間接費勘定→仕掛品勘定→製品勘定…という流れになりますよね。

     このような「勘定の流れ」をイメージできるようになると工業簿記の理解がより深まるので、問題を解く際は「勘定の流れ」をまとめた図・勘定連絡図を常にイメージして問題を解いてください。

     最後にもうひとつだけ。「問題を解き始める前に問題をひととおり確認し、難易度に応じて解く順番を決めている点」や、「(単位:千円)など間違えやすいところに印を付けている点」もぜひ見習ってください。すごく大事です。

    ああさんが使われた教材や電卓のまとめ