理解重視の勉強で一発合格!解答の順番や時間配分にも気をつけましょう!
- 投稿者:ETさん
- 勉強形態:独学+通学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約7か月
目次
はじめに
簿記検定ナビの情報などを参考に学習した結果、第141回試験で3級、第142回試験で2級に合格することが出来ました。インターネット上の様々な情報のおかげで自分としてはスムーズに学習することが出来たと感謝しています。
いろいろ試した結果、少し変わったプロセスを経たと思っています。振り返ってみるとこうすれば良かったという点がいくつもありますが、そのような反省点も含めて具体的な学習のプロセスや方法をご紹介することにより、オーソドックスな学習法に自分なりのアレンジをする際の何らかの参考になればと思っています。
簿記の学習を開始するまで
数年前、虎ノ門にある「ビジネススクールインターナショナル」という、ビジネス&英語学校で、「Basic Accounting(会計学基礎講義)(計10回)」を受講したことがあります。テキストは英語の「Essentials of Accounting」でしたが、当時の講義は日本語でした(2016年現在、英語による講義のようです)。
この講義の中に、財務諸表や仕訳なども出てきました。ただし、講義に出席するだけで、復習をサボったこともあり、大部分忘れてしまっていました。簿記についてはその時から興味を持っていましたが、なかなか時間がとれず、電卓を使った学習をしたことはありませんでした。
昨年(2015年)の夏頃から少し時間に余裕が出来たため、「Essentials of Accounting」を復習するとともに、簿記3級を受けてみようかと思ったことが学習開始のきっかけです。
簿記3級の学習(2015年8月~11月)
1)学習の経過(独学!?)を振り返って
前述のとおり会計学基礎講義(計10回)を受講したことがあるため、厳密にいうと独学といえるかわかりませんが、簿記3級受験対策講座などは一切受講しませんでした。後から考えると、無料講座などを活用すれば、よりスムーズに学習できたのではと思います。
1級や2級に比べると3級講座は割安なので、基礎を固めるために受講するのも良い選択のようです。次の級を受ける際の割引制度(ステップアップ割引)もあるため、2級の取得を考えている方は受講を検討してはどうかと思います。
また、説明会に参加すると過去問題集をもらえたりするので、試しに参加するのは悪くないと思います。自分自身でも大原やTACの2級説明会、1級説明会や無料体験講義、個別相談に参加しましたが、しつこく勧誘されたことは一度もありませんでした。
2)学習(独学)の概要
学習の流れは、まず①全体的な流れと基本的な考え方の理解に重点を置きました。②次に仕訳に取り組んで、仕訳がほぼ確実に出来るようになってから、③試算表や精算表にチャレンジしました。
試算表や精算表の問題は、当初は解けるようになることに重点を置き、時間は気にしないようにしました(実際、当初は制限時間の倍以上かかっていました。練習を重ねるうちに時間短縮のコツを習得するようにしました)。
なお、試算表や精算表に取り組むようになってからも、試験前日まで仕訳は毎日最低でも5問は解いていました。④最後に伝票や補助簿に取り組みました。
全体的な流れと基本的考え方については、主に「Essentials of Accounting」で学びました。かなりの時間がかかりましたが、なぜそのように処理するのかという背景がある程度分かったためか、仕訳で悩むことは一切なく、その後はスムーズに学習することが出来ました。
ここでいう基本的考え方とは、The conservatism concept、The realization concept、Matching conceptなど「Essentials of Accounting」で説明されている8つの原則:それぞれ「保守主義の原則」や「実現主義の原則」、「費用収益対応の原則」などに相当する考え方ですが、とても分かりやすく解説されています。
仕訳が1巡した時点で、まず試算表、次に精算表に取り組みました。伝票などは週末にまとめて取り組みました。
時間を計っての実践問題としては、過去問(直近12回分)と簿記検定ナビの予想問題だけを解きました。過去問は10月に入ってから開始したため、それぞれ1回ずつしか解きませんでしたが、安定して85点以上を取ることが出来ました。
基本的考え方や流れを理解した上で、仕訳を徹底的に練習した効果と思います。間違えたポイントは自分の解答を見直して何回も復習しました。
細かく記録していなかったので、学習に費やした時間ははっきり分かりませんが、「Essentials of Accounting」に費やした時間も含めると合計150時間程度(含めないと70時間程度)と思います。
3)学習の具体的な流れ
- 入門書を読んで、簿記の仕組みや「簿記一巡」について大まかに把握。
- 仕訳などの会計処理の「基本的な考え方」について学習(「Essentials of Accounting」を含む。)
- 仕訳を徹底的に練習(簿記検定ナビの仕訳過去問41回分を3回)
- 並行して電卓の練習(運指練習→1~50までの足し算を1日2、3回)
- 入門書を再読して、簿記一巡について理解を深める。
- 簡単な帳簿の問題を解いて、帳簿のフォーマット(形式)に慣れる。
- 代表的な総合問題にチャレンジして、間違えた箇所を徹底復習。
- 時間短縮とミス防止のための実践練習(過去問)をする。
4)試験(2015年11月15日午前)
- 前日は、23時頃就寝。
- 就寝前にこれまで間違えた仕訳の問題を確認。
- 当日朝は、平日と同じ時間の6時頃起床。
- 駅から会場に向かう受験生の数に圧倒されました。
- 若干早めの8時頃に会場着。
- 1冊だけ持って行ったテキストをちょっと確認したほかは、リラックスして過ごしました。
- 解く順番は、1→5→2→4→3に決めていました(比較的得意な仕訳と精算表を先に仕上げて、試算表は最後にじっくりとの考え)
- 見直しは、1を重視(配点が高いため)。
- 2と4の見直しは比較的簡単なため、必ず行いたいと思っていました(3と5の見直しは、時間があったら)。
試験開始!
- 試験中は緊張のためか字をきれいに書くことが出来ず、何度も書き直して時間を浪費しました。
- 想定した順番(1→5→2→4→3)で解いていったところ、5の現金過不足についての推測と未払利息計算で若干手間取ったため、見直しの時間が10分弱しかありませんでした。
- 3の試算表は、1カ所左右の合計が一致せず焦りましたが、見直しの結果、残高を計算する際のミスであることが判明して修正することが出来ました。
結果は2015年12月17日に手元に届きました。「繰越試算表」を「残高試算表」としてしまった以外は運良く合っていたらしく、98点でした。
5)雑感
多くの関連サイトでおすすめされているように、毎日の仕訳練習が基礎となると思います。個人的には仕訳の基本的考え方の理解も重要と思います。具体的には、過去問40回分を毎日数問ずつ解く際に、なぜそのように仕訳するのかはっきりと理解できるまで解説などで確認しました。
簿記検定ナビのお勧めのとおり、関連する前後の取引の仕訳も必ず確認しました。また、日々の生活や新聞記事中の出来事について、仕訳したらどうなるかを考えるのが、とても良い頭の体操になりました。
残高試算表、精算表や商品有高帳などの帳簿記入の練習は、仕訳がかなり出来るようになってからの開始で十分と思いました。これらの帳票については、単に穴埋め的に帳簿の数字を埋めるだけでなく、白紙のノートに帳簿自体を自分で書いてみました。
時間がかかりますが、白紙に最初から書いてみると帳簿の様式やその工夫について「気づき」があり、理解も深まるのではないかと思います。自分で書いたり電卓をたたいたりすることが重要とのアドバイスを実感しました。
最初の簿記の考え方の理解には、入門書を何冊かめくってみて、自分に合った入門書を探してみるといいのではと思います。個人的には、前述の「Essentials of Accounting」がとても良い入門書と思いました。
残念ながら日本語翻訳版は絶版のようですが、会計専門用語以外は平易な英語で書かれているので、将来的にMBA留学や米国CPAなどを目指す方だけでなく、興味のある方は英語版を入手してトライすると、英語の勉強にもなって一石二鳥と思います。
簿記2級の学習(2015年11月~2016年2月)
1)学習法に関する情報収集
3級受験直後から2級の学習を開始することとしました。この時点では独学を考えていて、独学の学習方法についてインターネットで情報収集をしたり、書店にテキストを見に行ったりしていました。
インターネットの簿記関連サイトに、工業簿記の学習に時間がかかるとの記載があったため、まず工業簿記の入門書を一読して、次にテキストを読み始めました。
入門書はすんなり読めたのですが、テキストの例題で解き方がよく分からない部分が多くあって中断(挫折)しました。どうしようかと、独学2級の学習方法についてさらに情報収集をしましたが、そんな中、大原の無料体験講義が開催されたため、参加することにしました。
2)学習の流れ
(1)工業簿記(基礎講義のみ教室受講)
- 入門書を読んで、大まかな流れを把握する(独学)
- 工業簿記のテキストを購入して独学を開始するものの、挫折…。
- 同時期に体験講義で工業簿記を受講する。
- 工業簿記のみ基礎講義(計12回)を受講する。
- 基礎講義から1週間以内にStep Up問題集の該当箇所に取り組む。
- 過去問にチャレンジして、間違えた箇所を徹底復習する(独学)
(2)商業簿記(すべて独学)
- 「仕訳攻略ナビ」を一読する。
- 簿記検定ナビの仕訳過去問42回分(毎日最低1回分がノルマ)
- テキストを購入して、商品減耗損・商品評価損などを学習(新年になってから)
- 簿記検定ナビの総合問題で確認する。
- 過去問に挑戦して、帳簿のフォーマット(形式)に慣れる。
(3)直前期(工業簿記及び商業簿記)
- 無料講習会(1月23日)、無料模試(2月7日)、公開模試(2月21日)を受験する。
- 予想問題集にチャレンジして、間違えた箇所について理由を含めて徹底復習する。
3)学習の詳細
①入門書
図書館で借りた絶版の本ですが、「90ページでもよくわかる原価の仕組み」がとても分かりやすく、Amazonで古本を購入して何回も読みました。勘定連絡図などの全体の流れの把握のためには、入門書を何冊か読むのがいいと思います。
また、工業簿記の講義受講がほぼ終了した時点で再度読むことにより、より深く理解が可能になったと思います。原価管理の入門書の「トコトンやさしい原価管理の本」など関連した入門書は何冊か図書館で借りてきて読みました。
②講義受講(工業簿記)
無料体験講義は工業簿記の第1回の講義でした。受講の手続きはとても簡単で、事務部門で体験受講カードを受け取って氏名等を記入し、講師に渡して受講するだけでした。事務部門で受講手続きの際に、その回の講義テキストのコピーをもらいました。
その後の勧誘なども一切ありませんでしたが、分かりやすく楽しかったことから、受講継続することにしました。受講申込みに当たっては、いくつか選択肢がありました(スクールによってはフルセットだけしか選択肢がない場合がありますので、確認が必要です)。
- 選択1:フルセット(商業簿記、工業簿記、直前答練、公開模試)約80,000円
- 選択2:工業簿記の基礎講義のみ(計12回) 28,800円
- 選択3:工業簿記+商業簿記の基礎講義
- 選択4:直前答練のみ
次の理由から、選択2の工業簿記の基礎講義のみを受講することにしました。
- 講義日程の都合で商業簿記は映像授業となってしまうこと
- 時間的に早期のDVD講義の受講が難しいと思われたこと
- 3級の発展的内容が主のため、商業簿記は独学でも何とかなりそうと思ったこと
- フルセットと比較して費用が半額以下ですむこと。
フルセットに含まれる「答練」を受けなかった代わりとして、無料講習会(大原)、無料模試(大原)、有料模試(大原)を受けるとともに、予想問題(簿記ナビ模試、TACの市販の予想問題集、パブロフ簿記2級)に取り組みました。
工業簿記の講義を受講したメリットとして、①テキストだけでは習得が難しい解き方のコツを教えてもらえること、②実務との関連を聞くことが出来たこと、③商業簿記の疑問点についても質問できたこと、④自習室が使用出来たこと、⑤団体申し込みによって大原の渋谷校で受験できたため、試験時の緊張が少なかったことがありました。
工業簿記の講義には、ほぼスケジュール通り毎回出席しました。都合が付かない場合は振替受講で別の日に同じ回の講義を受けることが出来ました。
ただ、振替でうけた講師の講義は実務的な話題が少なく、受験対策に絞ったお話をする講師だったので、実務との関連性に興味がある自分としては出来るだけ振替にならないようにしていました。
③予習と復習について
予習はほとんどしませんでしたが、次の講義までに復習として練習問題をこなすようにしていました。実際、復習問題をこなしていかないと、①講義について行くことが出来なくなる&②以前に講義を受けた内容を忘れてしまうため、大原で配付されたチェックシートで確認しながら、復習していきました。
可能であれば、すべての問題を解いてみるほか、間違えた問題や不安な問題は後日解き直しました。学習の癖をつけるためにも、大原のStep Up問題集を毎日最低1問解くことにして、休日など時間があるときは5問程度解きました。
④練習問題
それぞれの問題に挑戦した当初は、時間は気にせずに、自力で解けるか挑戦し、答え合わせの後はなぜ間違えたか数回復習するようにしました(①答え合わせ時、②翌日、③一週間後など)。
基本問題がある程度出来るようになってきたら、過去問に挑戦しました。時間は計りましたが、制限時間をオーバーしたからといって気にせず、復習時に早く解けるようになるコツを思い浮かべながら、徐々に時間短縮に向けてチャレンジするようにしました。
⑤過去問と予想問題について
過去問は仕訳を除き、130回~139回と141回をそれぞれ1回しか解く時間がありませんでしたが、間違えた部分はその理由を書き出して何回か復習しました。なお、特殊仕訳帳と本支店会計の問題には手をつけませんでした。
また、またそれぞれの大問をばらばら解いたこともあり、時間は計りませんでした。140回の過去問を解かなかった理由は、単に購入した過去問題集に載っていなかったためです(141回は大原の問題・解答集を使用)。改めて過去問を購入するより、予想問題に取り組むことにしました。
予想問題は、簿記ナビ予想問題(1回分)、TAC予想問題集4回分、パブロフ簿記予想問題2回分に時間を計って取り組みました。TACの第一予想問題はぼろぼろでしたが、それ以外は70点~85点でした。
⑥無料講習会、無料模擬試験、公開模擬試験について
無料講習会(1月23日)は、水道橋の大原学園の体育館と思われる会場に椅子を並べての講習で、参加者は2百人いたと思います。2時間と時間が限られていたため、主に工業簿記についての解説でしたが、「単に資格取得だけじゃだめで、実務で使えなきゃ意味がない。」、「損益計算書や財務諸表の項目を覚えるべき。」といった厳しめの指摘もあり、モーチベーションアップにもなりました。
無料模擬試験(2月7日)は、無料講習会と同じ会場でした。自己採点でしたが、本試験と同様な雰囲気で問題を解くことが出来ました。工業簿記について丁寧な解説がありました。後日やり直せるように答案用紙がもう一つ付いていてとても役に立ちました。
直前の公開模擬試験(2月21日)は、講師が採点して返却してくれるため、実際の答案の書き方のチェックにもなると思います。工業簿記で写し間違いをしたほか、損益計算書で商品評価損を足してしまうという良くあるミスをしていて、77点でした。
5)学習時間の概略
後から集計してみると、2級の学習で机に向かった学習時間は合計160時間ほどでした。ただし、これ以外に入門書を何回も読んだり、ネットの関連記事を見たりしたので、合計200時間程度は費やしたと思います。
6)試験(2016年2月28日午後)
- 前日はいつもどおり23時頃就寝。
- 就寝前に間違えた過去問を確認。
- 当日朝は、週末のいつもどおり7時頃起床。
- 団体申し込みのため、会場は慣れた教室でした。
- 1冊だけ持って行ったテキストをちょっと確認したほかは、リラックスして過ごしました。
- 解く順番は、1→2→4→5→3にしていました(一番時間がかかる問題が第3問のことが多いため)
- 見直しは、1を重視(配点が高いため)
- 工業簿記(4,5)の見直しは、必ず行いたいと思っていました。
- 計算が遅いのを自覚していたので、当初から財務諸表は部分点狙いと割り切っていました。
試験開始!
- 最初に取りかかった第1問の仕訳問題では、予想問題で間違えた「営業外受取手形」が出て、感謝しつつ順調に進めました。
- 研究員の給料と諸手当について、労務費になるか研究開発費になるか迷いましたが、研究開発専用の備品は研究開発費と理解していたので、研究員の労務費もとりあえず同じ研究開発費として、後で見直すことにしました。
- 次に第2問に取りかかり、「その他資本余剰金の配当」に少々戸惑いましたが、とりあえず指示通りに計算して、縦横の合計が一致したので次に移りました。
- 第3問を飛ばして第4問に取りかかったのですが、最初の仕訳問題で科目名が頭にまったく浮かんで来なくなってしまいました。これではいかんと、第4問は最後に回すことにして第5問に取りかかりました。
- 第5問は、材料の投入タイミングに注意して計算して比較的迅速に回答完了しました(この時点で約60分経過)。
- 次に第3問に取りかかったのですが、過去問では見たことがないくらい複雑で難しく感じたため、この時点で第3問は30分だけと決めました。最初から部分点狙いだったので、落ち着いて計算していくことが出来ました。
- 200%定率法は予想問題で出ていた項目で、直前に復習(テキストを見るだけでなく、インターネットでも確認)した効果がありました。
- 税金の還付があるなどまったく思いもよらず、流動資産の空欄の項目に何を書くのか分からず、長期前払費用を記入してしまいました。
- 第3問を解き始めてから30分経過した時点で、投資その他の資産は空欄のまま、税引前当期純利益を貸借均衡から逆算して第4問に移りました(この時点で残り30分)。
- 最後に回した第4問は、仕訳を思い出して何とか埋めることが出来ました。「解く順番はあらかじめ決めておいて詰まったら次に移る」というアドバイスが効果を発揮しました。
- 残り10分で第1問、第2問、第5問を簡単に見直しして、時間になりました。
- 差異分析の方法が4分法、3分法と2分法の3通りもあることは大原の講義で教わっていました。ただし、3分法が2通りあるということは理解していませんでした。
- 第135回第5問で差異分析(3分法)が出題されていて、固定費能率差異を能率差異に含めた解答が正解になっています。この問題を間違えて疑問に思ったことが本番での結果につながりました。
- 「能率差異が変動費と固定費からなる」との考え方については、後に学習した直接原価計算との比較でしっくりきていませんでした。現場でコントロールが難しい固定費の差異を能率差異に含める理由に納得できていなかったためです。実際、第135回の過去問を解いた際には、固定費の能率差異に関する記載がよく理解できずに間違えました。
- 能率差異の考え方については、試験2日前に受けたTACの簿記1級説明会終了後に質問してみました。どのように教えてくれるのか興味があったというのもあります。すると、「能率差異の考え方は2通りあって、問題文に指示がある」と教えてもらいました。家に帰ってから、第135回の問題を確認して問題文の意味がやっと理解できました。このような経緯があったため、今回の問題で「ただし能率差異は変動費のみで計算するものとする。」との記述を読んでピンときました。今回はたまたま運が良かっただけかもしれませんが、間違えた問題は理解できるまで復習して、疑問に思った点は質問するなどして解消しておくことの重要性について身をもって体験できたと思っています。
結果は2016年3月30日に手元に届きました。94点(20,20,14,20,20)でした。予想問題や模試でこれほどの点数がとれたことはなかったです。まぐれに加え、直前見直しの成果があったのだと思います。
7)雑感
- 解答の順番はとても重要と思いました。アドバイスのとおり、自分の得手不得手などを分析して、あらかじめ計画しておくのがいいと思います。
- 詰まったら次の問題に移るというのは、いろいろな方が合格体験記でアドバイスしてくださっているポイントですが、その効果を実感しました。
- 理屈は考えずに仕訳を覚えていった方が効率的との意見もありますが、個人的には、なぜそのように処理するのかという背景(「保守主義の原則」や「実現主義の原則」などの基本的考え方)が分かった方が覚えやすく忘れにくいように思いました。入門書としてご紹介した「Essentials of Accounting」では、これらの基本的考え方がわかりやすく解説されています。
- 間違えた問題は理解できるまで復習して、疑問に思った点は質問するなどして解消しておくことの重要性について身をもって体験しました。
- 大げさな言い方かもしれませんが、簿記を学習することで世界の見え方が広がると思います。経理や財務を目指す人だけでなく、多くの人に簿記の学習をお勧めしたいと思っています。
管理人からETさんへ追加の質問
今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか? | |
CASIO DS-12WT。大きいので持ち運びに若干不便ですが、手が大きい人には使い易い電卓と思います。特に左手5本指打ちを目指す方に向いていると思います(右手打ちだとキー配置の関係で親指が使えず、5本指打ちはしにくいと思います)。気に入っている点は以下のとおりです。
・表示盤が大きく角度も付いているので見やすい。 |
管理人コメント
ETさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!
簿記3級・簿記2級の具体的な勉強方法だけでなく、あまり話題にのぼらない書籍や大原の簿記講座の情報なども詳しく書いていただいたので、中身の濃い合格体験記に仕上がりました。
参考にしていただきたいところはたくさんありますが…個人的には、最後の雑感に書いていただいた「解答の順番をあらかじめ計画しておく」と「詰まったら次の問題に移る」の2点をぜひ見習っていただきたいと思います。
解答の順番は、試験前にある程度の順番を決めておきます。そのうえで、試験が始まったらすぐに解き始めるのではなく、まずはすべての問題にざっと目を通して各問題の難度をチェックし、最終的な順番を決めてから解き始めましょう。
詰まったら次の問題に移るのも重要です。ひとつの問題にハマって解答時間を浪費するのは得策ではありませんので、ETさんのように「第3問は30分だけ」と強制的に時間を区切るのも賢い受験テクニックだと思います。
なお、上記の2点は本試験でいきなりやろうと思っても出来ませんので、練習段階から常に意識して取り組むように心がけてください。
ETさんが使われた教材や電卓のまとめ
- 教材:大原の教材など多数(本文参照)
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タグ : 第142回