工業簿記は90%を死守する!第2問・第3問は時間の使いすぎに気をつけて!

  • 投稿者:簿記大好きさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 私は2021年から社会人になる大学4年生です。入社する会社から簿記の取得を勧められたので、簿記2級を受験しました。大学では政治経済を専攻していますが、(簿記の受験を決めるまでは)簿記の知識はゼロでした。

 勉強期間は3か月、独学で簿記2級に一発合格しました。勉強しているときに簿記検定ナビを使用したので、合格体験記を書かせていただきます。

学習の流れ

 私の簿記の勉強の流れは以下の通りです。

  1. Youtube「ふくしままさゆき」で簿記を理屈で理解する
  2. 「みんなが欲しかった簿記の教科書」で仕訳を覚える
  3. 「みんなが欲しかった簿記の問題集」で問題を解く
  4. 過去問・予想問題で、時間配分の感覚をつかむ
  5. 苦手なポイントをノートにまとめる

 以下でそれぞれについて詳しく書いていきます。

1. Youtube「ふくしままさゆき」で簿記を理屈で理解する(試験90日前~60日前)

 「ふくしままさゆき」さんという方がYoutubeで簿記3級と2級の解説動画を出しています。この方は「なぜ、そうゆう仕訳をするのか?」という解説をしていたので、理屈っぽい私には相性が良かったです。

2. 「みんなが欲しかった簿記の教科書」で仕訳を覚える(試験90日前~60日前)

 ふくしままさゆきさんの動画を見ながら、「みんなが欲しかった簿記の教科書」を読んで仕訳を覚えました。このテキストはコンパクトでイラストも多いので、仕訳暗記用として使っていました。試験を受ける前に、何十回も見直しをしたと思います。自分が苦手なポイントは付箋をつけて、すぐに復習できるようにしていました。

3. 「みんなが欲しかった簿記の問題集」で問題を解く (試験60日前~30日前)

 教科書をある程度覚えたあとに、問題集を解きました。1周目は全然解けませんでしたが、2周目から少しずつ解けるようになりました。試験までに4周くらいしたと思います。

4. 過去問・予想問題で、時間配分の感覚をつかむ(試験30日前~前日)

 試験の1か月前から過去問を解き始めました。過去問は12回分を解き、80点以下の回は2回解き直しました。過去問の成績が12回中10回合格だったので、気持ちに余裕が出てきました。過去問は時間配分と難問の見極めを特に意識して取り組みました。

 予想問題はTAC出版のを使いましたが、少し難しめに作られていて直前期には良い教材だと感じました。

 また、苦手なポイントやケアレスミスをまとめたノートを作成しました。簿記で一番恐いのがケアレスミスだったので、自分が間違える傾向を知るためにまとめました。

まとめノート1
まとめノート1

まとめノート2
まとめノート2

使用したテキスト

テキスト

  • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級(TAC出版)
  • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記(TAC出版)
  • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記(TAC出版)

 フルカラーで図やイメージが多くて、暗記用としてよい参考書だと思います。またコンパクトなので、持ち運びしやすい点も好きでした。ただ「なぜこの仕訳になるのか?」という理屈が少ないのがマイナスポイントです。そこは、ふくしままさゆきさんの動画で補いました。

問題集

  • みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 商業簿記(TAC出版)
  • みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 工業簿記(TAC出版)

 テキストとリンクした問題集です。難易度は過去問より少し易しいレベルだと思います。過去問を解く前のクッション材みたいな存在です。ただ工業簿記の解説に勘定連絡図が書かれていないのが、個人的なマイナス点です。

過去問・予想問題

  • 第156回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)
  • よくわかる簿記シリーズ 合格するための過去問題集 日商2級(TAC出版)

 最近の簿記2級は難しいので、過去問は必ず解いた方が良いです。特に、TAC出版の過去問題集は、工業簿記の問題に勘定連絡図が入っているのでお勧めです。

 予想問題は時間がある方向けです。TACの予想問題は難しいので、良い練習になると思います。

その他

  • Youtube(ふくしままさゆきチャンネル)

 この方の動画の良い点は、できる限り、簿記を理屈で解説している点です。簿記の参考書だと「こうゆう場合は、こうゆう仕訳をします。覚えてね。」という説明が多いですが、この方の解説は「なぜ、そうゆう仕訳をするのか?」という点にフォーカスされています。ただ、動画の時間が長いため、短期で簿記2級を取得したい方には向かないかもしれません。

試験日1日の流れ

10時 起床

 試験は13時30分なので、遅めに起きました。

11時 朝食

 昼食をとらない予定だったので、朝食にうどんを食べました。

12時 自宅を出発

 忘れ物がないか確認をしました。電卓を忘れると最悪なので、念入りに確認しました。

13時 試験会場に到着

 事前に試験会場の下見をしていたので、特に迷うこともなく到着しました。時間に余裕がある方は下見をオススメします。試験開始直前にトイレを済ませました。

13時30分 試験開始

 特にトラブルもなく、良い緊張感で試験に臨めました。過去問演習の時から【4→5→1→3→2】で練習していたので、本番も同じ順番で解きました。

 工業簿記の問4と問5は教科書レベルで、20分で終わりました。問1もそこまで難しくなかったので安心しました。問2と問3は難しかったので、途中で止めて、問1・4・5の見直しに入りました。すると問4で計算ミスをしていたことに気が付きました。

15時30分 試験終了

 正直、手応えはありませんでした。特に問2と問3の計算量が多く、計算ミスをしていたらヤバイかも…と思っていました。試験終了後にtwitterを開いたら「簿記2級」がトレンド入りしていて驚きました(笑)

19時 自己採点

 TAC・大原・ネットスクールの解答速報をもとに自己採点しました。結果はTACと大原が80点、ネットスクールが78点でした。

結果

 当日まで、結果にドキドキしていましたが、無事合格していました。大問ごとの点数は以下の通りです。

  • 合計:80点
    • 第1問:16点
    • 第2問:10点
    • 第3問:14点
    • 第4問:20点
    • 第5問:20点

これから簿記2級受ける方に向けたアドバイス

 最後にアドバイスを3点ほどしたいと思います。

1. とにかく工業簿記は90%を死守する。

 簿記2級の過去問を13回分(予想問題も合わせると18回分)解きましたが、「工業簿記を制する者が簿記2級を制する」というのが私の結論です。

 少なくとも過去4年間、工業簿記で難問が出題されたことはありません。商業簿記で難しい問題が出たとしても(※151回や153回など)、工業簿記で90%取っていれば合計で70点以上を取ることは容易です。

 工業簿記の勉強としてオススメしたいのが「勘定連絡図を書くこと」です。これは時間がかかって面倒くさいですが、必ず点に結びつきます。TAC出版の過去問題集には、すべての解説に勘定連絡図が書いてあるのでオススメです。

2. 問1の仕訳問題で落とさない。

 問1の仕訳問題は1問4点なので、これを落とすと一気に合格から遠ざかります。仕訳問題の対策は直前期にやりましょう。簿記検定ナビが出している「重要仕訳TOP100」もオススメです。

3. 問2と問3は部分点狙い!時間を使いすぎない!

 最近の簿記2級は問2と問3が難しい傾向にありますが、難しくても8点~10点ぐらいの部分点は取れますし、逆に時間をかけすぎて他の問題を間違えていたら本末転倒です。

 私は今回の問2を半分しか解きませんでしたが、代わりに他の問題の見直しに時間を割きました。自分が解ける問題を探して解きましょう。その見極めをするには過去問演習が必須なので、直前期にはぜひ過去問を120分で解いてみてください。

おわり

 まず、独学の私にとって簿記検定ナビは非常にありがたかったです。運営者の田口さん、ありがとうございました。

 簿記に限らず、何かを達成するためには(1)計画、(2)モチベーション、(3)環境が大切だと思います。

 (1)の計画は自分の性格に適した勉強計画を立てることが大切です。私は理屈っぽい&問題を解きながら覚えたいという人間なので、それに合わせてテキストを買いました。これから受ける方も、自分の性格や確保できる勉強時間などを鑑みて、勉強計画を立てることをお勧めします。

 (2)のモチベーションは、「なぜ簿記2級を取りたいのか?」ということを言語化することが大切です。私は毎日、紙に書いていました。(3)の環境ですが、私は簿記2級を受ける友達と一緒に勉強していました。

管理人から簿記大好きさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 勉強に使った電卓は「SHARP製 学校用電卓 EL-G37 (12桁)」です。TAC出版書籍販売サイトで直接購入したので、少し安く買えました。
 簿記大好きさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意論点は工業簿記全般です、勘定連絡図を繰り返し書いたので得意になりました。苦手論点は有価証券と連結会計です。教科書や問題集を何回も見て、苦手を克服しました。

管理人のひとことコメント

 簿記大好きさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

 簿記大好きさんの合格体験記の中で、受験生の皆さんに一番参考にしていただきたいのは「工業簿記を勉強するさいには、常に勘定連絡図を書くこと」という点です。

 工業簿記の理解を深めるためには、商業簿記以上に勘定の流れを正確に把握する必要があります。問題を解くさいは、常に頭の中で勘定連絡図をイメージし、今、どの段階のどの部分の処理が問われているのかを考えるクセを付けましょう。

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