育児と勉強の両立は、細切れの時間の使い方がポイントになります!

  • 投稿者:あゆみみさん
  • 勉強形態:職業訓練
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約11か月

はじめに

 出産を機に仕事を辞めましたが、子供が1歳になり少し生活も落ち着いてきたところで求職活動をしようと思い、約1年前からハローワークに通い始めました。

 そこで職業訓練の講座の中に簿記2級の取得を目指す講座があると知りました。仕事を辞める前は一般事務の仕事をしていたのですが、これからはもう少し専門性が高い経理事務の仕事をしたいと考えていて、いずれは簿記2級の資格を取得したいと数年前から思っていました。

 このチャンスを逃したらもう2級をとることはできないだろうと思い、職業訓練で大原学園に通うことを志望し選考が通り、2級の勉強を始めました。

 ちなみに、3級は約4年前に独学で取得していたので、2級の勉強もすんなり入ることはできました。しかし、実際は勉強・試験はそう簡単にはいきませんでした。

 勉強を始めたころは1回目で合格すると思っていたのですが、結局、3回目での合格となりました。本当にもがき苦しんだ11か月でしたので、私みたいに苦しんでいる方の参考になればと思い、合格体験記を投稿することにしました。

使用した教材・電卓

  • スッキリわかる日商簿記2級商業簿記(TAC) A+
  • スッキリわかる日商簿記2級工業簿記(TAC) A+
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC) A+
  • 直前予想 第(152回・153回)をあてる(TAC) A-
  • ズバリ!2級的中(152回) 完全予想模試(ネットスクール) B+
  • 簿記ナビ模試 A+
  • 職業訓練時の大原のテキストと問題集
  • 電卓:Canon HS-2200A

 TACのスッキリわかるシリーズは、3級に合格した後にすぐ購入したものです。開かないまま本棚で眠っていましたが、職業訓練が終わった後にもう一度基礎からやり直そうと思って読み直しました。説明がとても分かりやすかったです。

 合格するための過去問題集は、12回分の過去問はもちろんですが、個人的には第1部の「TAC式 出題別攻略テクニック編」がとても役立ちました。特に連結会計の問題がたくさん載っていたので、繰り返し解くことにより理解が深まりました。

 TACやネットスクールの予想模試に関しては、難しめに作ってあると思うので、あまり点数は気にしなくてもいいと思います。

 153回試験対策の簿記ナビさんの模試では、試験範囲の改定で追加されたけどまだ出題されていない論点の問題が第3問で出題されていました。これを1回解いておくだけで、すごく安心できたのでよかったです。

 今までに見たこともないような問題がいきなり出題されて、解き方も分からず点数をごそっと落としてしまうリスクはできるだけ避けたかったので、予想模試などを使って未知の問題を解いておくことは大事だと感じました。

 Canonの電卓は簿記3級の勉強を始めた時に買ったものです。電卓のサイズが大きめなので、キーが押しやすくて使い勝手もよかったです。

 ただ、試験の時など限られたスペースで使用することを考えますと、もう少しサイズが小さい電卓のほうが良かったかもしれません。

学習期間・方法・落ちた時の結果

151回(2019年2月実施)に向けて

 2018年11月下旬から職業訓練が始まりました。最初の3週間で3級の範囲を学習し、12月上旬から2級の学習が始まりました。

 1月中旬にはテキストの範囲がすべて終わり、そこから試験までは「授業中に問題を解く→家に帰って復習する」という毎日を繰り返しました。

  • 結果:58点
    • 第1問:4点
    • 第2問:12点
    • 第3問:10点
    • 第4問:18点
    • 第5問:14点

152回(2019年6月実施)に向けて

 2回目の挑戦にもかかわらずなかなかモチベーションが上がらず、今思うとエンジンがかかるのが遅かったです。

  • 結果:61点
    • 第1問:12点
    • 第2問:18点
    • 第3問:16点
    • 第4問:4点
    • 第5問:11点

153回(2019年11月実施)に向けて

 153回で絶対に受かりたいと思い、以下のような計画を立てました。

  • 7月:大原で使っていた問題集2周目を解く
  • 8月:TACの過去問題集の第1部(攻略テクニック編)の問題を解く→間違った問題だけもう一度解く
  • 9月~10月:TACの過去問題集の第2部(本編)の問題と153回をあてるTAC直前予想日商簿記2級を解く
  • 11月:苦手なところをもう一度復習

 途中、なかなか思うように進まないこともありましたが、ある程度割り切って計画通りに勉強を進めることを優先したため、おおよそこの通りに実行できたと思います。

 勉強していて感じたのは、問題を解くのはあまり時間がかからないけど、解説を読んで理解してテキストに戻って…とやっていると思った以上に時間がかかることです。

 計画より時間がかかってしまうのは当然で、それで出来なかったと嫌悪感を抱いてネガティブな感情になるより、「時間は限られてるからしょうがない。次へ次へ!」と、ある程度割り切って先に進むメンタルが大事だと感じました。

 また、私は152回の試験のさいに工業簿記で点数を落としたので、試験2週間前は工業簿記の苦手論点を中心にもう一度問題を解き直しました。

メンタル面

 はじめにも書きましたが、私は151回で合格するつもりでした(今思うとおこがましいですが…笑)。

 151回の試験は第3問で難問が出てしまい、ケアレスミスしたこともあって58点でしたが、職業訓練に通っている時は答練で60~80点くらいの点数を推移していたので、次は普通の問題が出れば受かるだろうと思っていました。

 しかし、152回の試験では「これでやっと受かる。家族に良い報告ができる」と余計なことを思ってしまい、工業簿記を解いている最中に様々な邪念が入ってきてしまって全く集中できなくなってしまいました。結果は61点でした。

 前回よりも3点しか上がっていなくて、本当に自分に幻滅しました。どうしてこうなるんだ、もう自分は一生受からないんじゃないかとも思いましたが、ここまで勉強した以上、あとには引けない状況なので受かるまで受け続けようと決意しました。

 私の場合、本番でマイナス20点になるのだから練習では90~100点を目指さないと受からないと考えました。

 例えば、今までに見たことがないような難度の高い問題に遭遇した場合、それまでだったら「こんな問題は出ないでしょ」と思っていましたが、それからは「こういう問題も解けないと受からないんだ」と思って自分を奮い立たせていました。

勉強時間について

 私は専業主婦ですが、子供の前では勉強をしないということを決めていたので、勉強時間を確保するのは大変でした。毎日の勉強時間は以下のような感じです。

  • 子供のお昼寝時間(約1時間半~2時間)
  • 夫と子供がお風呂に入っている時間(約15分)
  • 子供を寝かしつけてお風呂に入った後(1時間)
  • 歯磨きをしている時間(約5分)

 田口先生がよくツイッターなど仰っていた「細切れ時間を有効に活用しましょう」というアドバイスを参考にして、毎日の細切れ時間を勉強にあてて少しでも多く勉強時間を確保しようと工夫しました。

 子供がお風呂に入っている時間は、仕訳問題や大原簿記のツイッター(簿記トレ2級@資格の大原/関西)の問題を解いていました。

 また、歯磨きをしている時間は、自分の間違った問題や苦手な所をまとめたものをA4用紙に書いて、それを冷蔵庫に貼って歯を磨きながら眺めていました。

 特に主婦の方にオススメしたいのは冷蔵庫にまとめノートを貼ることです。歯磨きをしている時だけでなく、料理している間とか洗い物が終わった後とかにちょっと眺めるだけで勉強になります。

A4用紙にまとめたもの1
A4用紙にまとめたもの1

A4用紙にまとめたもの2
A4用紙にまとめたもの2

A4用紙にまとめたもの3
A4用紙にまとめたもの3

A4用紙にまとめたもの4
A4用紙にまとめたもの4

苦手分野

 商業簿記の苦手分野は連結会計でした。なかなか理解できなかったので、とりあえず形を覚えようと思い、開始仕訳の形を中心に冷蔵庫に貼ってある用紙で覚えました。

 私は弥生カレッジCMCさんの連結会計の無料動画がとても役に立ちました。特に連結2年度の問題の開始仕訳の解き方は、すばやく処理できるようになって感動したのでオススメします。

 工業簿記の苦手分野は標準原価計算直接原価計算でした。苦手分野の対策は、間違った問題を自力で解けるようになるまで何度も解くことが一番の効果的だと思います。

試験日1日の流れ

8時 起床

 いつもの休日の朝と同じ位の時間に起き、朝食をとりました。

 田口先生のツイッターで「簿記は暗記科目ではありません」という忠告を頭に入れていたので、前日も早く寝て、朝食後も不安な所を見直す程度で、あまり頭を動かし過ぎないように心掛けました。

 13時半に試験開始なので、早めに11時前から家で昼食をとりました。そして11時過ぎから30分程度ベッドの上で目を瞑って体を少し休ませてから家を出発しました。

12時30分 試験会場到着

 試験会場には試験開始の約1時間前に到着しました。

 試験の前に、いつも使っていたノートに今の心境をつらつら書き留めました。「今まで頑張ってきたね。やれるだけのことは全てやってきたよ。支えてきてくれたみんなに感謝をしながら試験を受けよう」と書いていました。

 私はこれで、心が整えられて、スムーズに試験に入ることができました。

13時30分 試験開始

 第1問~5問までの問題を確認した時に、第3問で151回の連結会計のような問題が出題されていることが分かったので、第3問は一番最後に解こうと決めて第1問から解き始めました。

 いつもは1→4→5→3→2の順番で解いているのですが、第2問の空欄推定問題は時間が掛からず解けそうだったので、第1問が終わったあとにそのまま第2問を解きました。

 次に第4問、第5問と解いたのですが、第5問の途中で割り切れない数が出てきてすごく焦りましたが、まだ時間はあると自分に言い聞かせて最初から見直しをしていったところ、間違えている箇所を見つけたのでひと安心しました。

 最後に残った第3問は「深入りしちゃだめだから30分で解けるところまで解こう」と決めて、基本的な処理だけは絶対点数を落とさないように気をつけながら慎重に解きました。

結果

  • 結果:90点
    • 第1問:20点
    • 第2問:20点
    • 第3問:10点
    • 第4問:20点
    • 第5問:20点

 過去問や模試では必ずと言っていいほどケアレスミスをしていたので、90点という結果を見てびっくりしました。

 模試や過去問をたくさん解いたことにより、確かな自信を持って試験に臨むことができたからこそ、ずっと集中力を維持しながら最後まで解けたのではないかと思います。

最後に

 私は3回目の挑戦で合格できましたが、この1年間はとても苦しかったし悔しかったです。でも合格した時の喜びはひとしおでしたし、受かったからこそ言えることですが、簿記のことを深く知ることができて良かったと思います。

 1回目・2回目で受かっていたとしたら簿記の知識も浅かったと思いますし、なかなか実力を発揮できない自分の精神力・弱さとも向き合えていなかったと思います。

 世の中にはきっと、なかなか合格できなくて何度も試験を受けている人、苦しんでいる人がいっぱいいると思います。でも苦しんだぶんだけ合格した時の喜びも倍になるので、悔しい経験を活かして勉強して次の試験にその想いをぶつけてほしいと思います。

合格証書
合格証書

 今後は…子供がある程度大きくなったら、経理職の正社員の仕事に就きたいと思っているので、簿記2級の資格を活かして税理士事務所でパートの仕事をして実務経験を積みたいと考えています。

 また、本屋さんでFPの試験の参考書を手にとってみたところ、自分が興味のある分野だったので、時間ができたらFPも勉強したいと思っています。

管理人からあゆみみさんへ追加の質問

 大原の職業訓練の講座の様子を教えてください。
 簿記3級から2級までの取得を目指している講座だけあって、講座・教室の雰囲気はピリッと引き締まっていて、集中して講座を受けることができました。受講生の年齢層は20代前半から50代前半までで幅広い年齢層の人たちが集まっていました。

 4か月という長い訓練だったので、最初から協力し合って4カ月を乗り切りましょうという声かけを大原学園の先生がしてくれたこともあって、受講生同士で各々コミュニケーションをとっていました。

 簿記の試験や仕事のことなどの情報交換をする友達もでき、試験勉強を続けていく中でもとても励みになりました。

 過去問題集や予想問題集に収載されている問題を何回ぐらい解きましたか?
・過去問題集
工業簿記は間違えた問題を自力で解けるようになるまで1回~3回ぐらい解きました。商業簿記は時間の余裕がなくて1回~2回ぐらいしか解けませんでした。

・予想問題集
過去問と同様、工業簿記は間違えた問題を自力で解けるようになるまで1回~3回ぐらい解きました。商業簿記は時間の余裕がなくて1回しか解いていませんが、苦手なところだけピックアップして2回解きました。

管理人のひとことコメント

 あゆみみさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

 幼児の子育てと勉強の両立は大変だったと思いますが、途中でドロップ・アウトすることなく合格を勝ち取ってもらえて本当に良かったです。

 あゆみみさんの合格体験記の中で、受験生の方に特に参考にしていただきたいのは細切れの時間を有効活用されている点です。

 塵も積もれば山となる、という言葉があるように、細切れの時間も合計するとそれなりの時間になります。なにかと忙しい社会人が、この時間を有効活用しない手はありません。

 なお、時間の使い方に決まりはありません。あゆみみさんのようにまとめノートを冷蔵庫に貼ってこまめに目を通してもいいですし、単語帳やアプリを使って仕訳対策をしてもいいと思います。

 いろいろ試行錯誤して、自分にとってのベストな活用方法を見つけてください。

あゆみみさんが使われた教材や電卓のまとめ