簿記の勉強はアウトプットが大事。問題をたくさん解きましょう!

  • 投稿者:菜緒さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約7か月半

受験しようと思った理由

 勤務先の会社は中小企業ということもあり、会社に経理が1人しかおらず、経理は会社の財務状況を何でも知っていて当たり前のように周りから色んなことを質問されます。

 私は高校生の時に簿記3級を取得して以来、簿記・会計のことは全然勉強していなかったので聞かれても答えられないことが多々あり、日商簿記2級を取得すればこの問題が解決するのではと思い受験することにしました。

使用した教材

テキスト

  • パブロフ簿記 3級商業簿記 テキスト&問題集(100点
  • パブロフ簿記 2級商業簿記 テキスト&問題集(100点
  • パブロフ簿記 2級工業簿記 テキスト&問題集(100点
  • スッキリわかる 2級商業簿記 テキスト&問題集(70点
  • スッキリわかる 2級工業簿記 テキスト&問題集(70点

 3級取得からブランクがあり、このまま2級の勉強を始めても途中で挫折しそうな気がしたので、基礎固めのためにパブロフ簿記3級のテキストを購入して勉強しました。

 パブロフ簿記には模擬問題集も付いているので、テキストを読んでインプットした後に問題集でアウトプットして基礎力を付けていきました。約1ヵ月間、問題集でほぼ満点近く取れるまで勉強しました。

 最初にパブロフ簿記商業のテキスト読んで問題を解いて2周させた後に、スッキリわかる商業簿記を読みました。私は勉強にあまり慣れていないので、パブロフ簿記の方が4コママンガになっていて初心者でも分かりやすく内容が理解しやすかったです。

 商業簿記を2ヵ月勉強した後に、工業簿記を約1ヵ月間半勉強しました。工業も商業と同じようにパブロフ簿記を2周した後にスッキリわかる工業簿記を読みました。

問題集

  • パブロフ簿記 2級商業簿記 総仕上げ問題集(100点
  • パブロフ簿記 2級工業簿記 総仕上げ問題集(100点
  • ネットスクール 模擬試験問題集(80点
  • TAC 網羅型完全予想問題集(100点
  • 第152回をあてるTAC直前予想(80点
  • ネットスクール ズバリ2級的中完全予想模試(70点

 パブロフ簿記の総仕上げ問題集は、テキストを読んだ後のアウトプット用に使用しました。こちらの問題集は解き方も詳しく書いてあったので、独学でも分かりやすくて勉強しやすかったです。

 その後、商業・工業の知識が付いた後に、実際の試験形式に慣れるために模擬問題集に取り掛かりました。

 試験2ヵ月前までには基礎力が付いていたので、模擬試験をする時間は割とあり新しい問題に慣れるために問題集を増やしていったら結果的にたくさんの量になりました。それぞれ2~3周回し、模擬試験・過去問でトータル84回分をこなしました。

電卓

 CASIOのJS-20WKを使いました。本格実務電卓なので、キーも打ちやすく使いやすかったです。カラーバリエーションも豊富で、私は大好きなピンク色を使っていたので、見ているだけでも癒されて良かったです。

 簿記検定の勉強前に電卓検定を受験し、1級の資格を持っていたので電卓の使い方も左手で電卓を打つ技術もあったので、その分だけ他の人より早く問題を解けたと思います。

1日の勉強スケジュール

 平日は仕事をしていて勉強する時間が限られているので、スキマ時間を有効活用しました。

 朝は少し早めに起き早く準備して会社に行き勉強しました(30分~1時間くらい)。お昼も早く済ませ30分くらい勉強しました。仕事から帰ってからは家で1時間~2時間しました。

 休日はだいたい2時間~4時間ほど。試験が近づくにつれモチベーションが上がり、勉強時間も増えていきました。7ヵ月半のトータル学習時間は425時間です。

勉強内容

 前回の試験(第151回)で見たことがない問題が出題されていたので、本試験ではどんな問題が出るか不安で、テキストに載っていることはすべてマスターしようとたくさん問題を解きました。

 模擬問題も前回よりいい点数が取れ、かつ、早く解けるとモチベーションがあがるので、点数表を作成して記録していきました。網羅型完全予想問題集は難易度が高く、初めて問題を解いたときは工業簿記のレベルが高すぎて相当苦労しました。

 でも、本試験の直近のレベルを考えれば、このレベルの問題が出題されてもおかしくないと思い何回も何回も解き全12回分を3周させました。最初は、平均70点くらいだったのが、3周目の時は平均96点近く取れるようになっていたのでモチベーションも上がりました。

点数表
点数表

ミスノート
ミスノート

試験日1日の流れ

7時 起床

 緊張であまり眠れず、早く起きました。試験中のお腹痛くならないように、またトイレに行きたくならないように朝ごはんも少なめにし、水分も必要最低限にしました。

 家にいても落ち着かなかったので、試験会場近くの図書館で勉強しようと早めに家を出発しました。図書館で軽く勉強したあとは、近くのショッピングモールで早めの昼食をとりました。

 1時間前に試験会場に到着し、テキストを読んだりして過ごしました。

13時30分 試験開始

 試験開始前に答案用紙に受験番号・名前・生年月日を書く時間があるので、その時に答案用紙から問題内容を確認しました。

 第2問が当座預金勘定調整表、第4問が部門別計算、第5問が標準原価計算ということが確認でき、いずれの論点も自信があったので心の中でガッツポーズ。「第1問→第2問→第4問→第5問→第3問」の順に解きすすめることにしました。

 13時40分頃に試験が始まりましたが、緊張で手が震え、下書きを問題文の上に書くという失態を犯しました。

 第1問がすべてテキストで勉強した内容だったので緊張が解け、第2問からは第1問の緊張が嘘のように落ち着いて解くことができました。

 第2問・第3問は今までにない出題形式で少し驚きましたが、たくさん模擬試験を解きまくっていろんな出題形式の問題に触れていたので、本試験でもすんなり対応することができました。

 全体的に簡単な印象を受け、1時間ちょっとで全問解き終わり見直しをしました。見直し中に2問ほどケアレスミスに気づいたので訂正し、それでも時間が少し余ったので、自己採点しやすいように問題用紙に答えを記入しました。

試験結果

  • 合計:96点
    • 第1問:20点
    • 第2問:20点
    • 第3問:20点
    • 第4問:16点
    • 第5問:20点

 第4問の差異をケアレスミスして勘定科目を逆に書いていましたが、初めての2級受験で90点台の高得点で合格できたので上出来だと思います。

勉強の感想

 ほぼ簿記の知識を忘れている中で、独学でここまでできるとは自分でも思っていませんでした。

 商業簿記2級では覚えることの量の多さに何度も間違えては不安になり、工業簿記では今まで学習していた商業簿記と内容が異なり戸惑い何度も不安になりました。

 それでも進まなければゴールできないので、何度も間違えては次は間違えないように頑張ろうと自分のモチベーションを上げ続け勉強を続けました。

 毎日やれば少しずつでも成長でき、今まで分からなかったこと・出来なかったことが分かるようになるのを感じられるのでやっていて楽しい時もありました。

 特に、ある程度理解できるようになってからは勉強していて楽しかったです。簿記の知識以外にも人間的にも成長できたので、日商簿記検定を受験して本当に良かったと思いました。

管理人から菜緒さんへ追加の質問

 パブロフのあとにスッキリを利用されていますが、スッキリを併用した理由があれば教えてください。
 どこかの情報で、テキストを1つにすると情報が偏ると書いてあったので2つ併用しました。スッキリシリーズは一度読んだらほとんど使用しなかったので、簿記2級は1つのテキストで問題なかったと思います。
 菜緒さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
得意な論点:精算表・総合原価計算

 精算表は最後に一気に計算するのが好きなのと、B/SとP/Lの当期純利益(損失)の金額がきっちりあったときの喜びがあるからです。総合原価計算は工業簿記の中でもパズルみたいで、計算していて楽しかったからです。

苦手な論点:製造業会計・直接原価計算

 製造業会計は仕訳の量も多く、工業簿記の範囲では分かっていても商業簿記と一緒になることで自分の中では一気に難易度が上がり苦手でした。直接原価計算は工業簿記の中では一番理解しにくく、固定費をなぜ含めるか含めないか元々の理解が分からず一番苦戦しました。

 苦手な論点を克服するために、たくさん問題を解きました。間違えたときはその部分が理解できていないので、何度もテキストを読んで頭に叩き込みました。

 あとは、苦手な論点をネットで検索して詳しく書いてある記事を見つけて理解するようにしました。最初の頃は標準原価計算のシュラッター図がよく分からなかったので、ネット記事を読んだり動画を見て理解を深めていきました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 一番失敗したと思うのは、インプット期に商業簿記の後に工業簿記を始めたのですが、工業簿記を勉強している約1ヶ月半ずっと工業簿記の勉強ばかりしていたので、その後商業簿記の問題を解いたとき、ほとんど忘れてしまい、またテキストを見て再度勉強する羽目になりました。

 工業簿記の勉強中も商業簿記の勉強を並行して行っていれば、もう少し早く模擬問題にかかれたと思います。その時に改めて簿記の勉強は毎日しないと忘れるものだと痛感しました。

 良かったと思うのは、模擬試験形式の問題をたくさん解いたことです。簿記の勉強はインプットよりアウトプットが大事なので、たくさん問題を解いて慣れていくことが大切だと思います。

 いろんな問題に触れることで、本試験で見慣れない形式の問題が出題されても慌てることなく取り組むことができました。

 実際に今回の本試験も事前に難易度が高めの問題をたくさん解いていたので、簡単に思えて緊張することなくできたと思います。

 簿記2級の勉強を始める前と合格した後とでは仕事の取り組み方が変わりましたか?(どんなところで2級の知識が役立っていますか?)
 簿記取得前は分からない会計処理あったらすぐに会計事務所の人に聞いていましたが、簿記取得後は自信がついたこともあり、自分で考えた答えであっているかを聞くようになりました。

 会社での質問事項も取得前は自信なく答えていたことも、取得後は自信をもって答えられるようになりました。

 また、財務諸表がすんなり読めるようになったことは、簿記の知識がすごく役に立っていると思います。

管理人コメント

 菜緒さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 仕事柄、日商簿記検定の短期合格・一発合格のコツを聞かれることが多いですが、菜緒さんがおっしゃっているように「問題演習(アウトプット)に力を入れること」はかなり重要です。

 特に、商業簿記の第1問(仕訳問題)や第4問・第5問の工業簿記は出題パターンがある程度決まっているため、たくさん問題を解いて「対応できるひきだし」を増やしておくと本試験でかなり有利になります。

 また、菜緒さんのように点数表を作って解答時間や点数を記録しておくと、徐々に力がついていく過程を目で確認することができるため、モチベーションの維持に役立ちます。こちらもぜひ参考にしてください。

 なお、基本テキストは「管理人から菜緒さんへ追加の質問」のところで菜緒さんもおっしゃっていますが、基本的には1種類でじゅうぶんです。時間に余裕がる場合は基本テキストではなく問題集を追加購入して問題演習(アウトプット)に力を入れましょう。

菜緒さんが使われた教材や電卓のまとめ