仕訳は簿記の基礎中の基礎。仕訳と工業簿記を完璧にすれば何とかなります!

  • 投稿者:ポンタさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約10か月

はじめに(受験の動機等)

 私は30代の会社員です。2018年4月にこれまでの部署とは全く業務内容が異なる現在の部署に異動しました。業務には経理の内容も関わっており、また周囲は全員簿記2級取得者だったため、受験を決意しました。

 5歳と1歳の子供がおり、限られた時間での勉強だったため、合格までに10カ月掛かりましたが、ようやく簿記2級に合格することができました。働きながら簿記2級合格を目指している方の少しでも参考になればと思い合格体験記を投稿しました。

簿記2級取得前

 簿記3級は大学在学中に取得しましたが、取得から10年以上が経過しているため簿記の記憶はほとんどなく、初学者とほぼ変わりない状態からのスタートでした。

使用したテキスト

  • パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集(翔泳社):A
  • スッキリわかる 日商簿記2級 テキスト&問題集 商業簿記(TAC):S
  • スッキリわかる 日商簿記2級 テキスト&問題集 工業簿記(TAC):S
  • みんながほしかった簿記の問題集 商業簿記2級(TAC):A
  • みんながほしかった簿記の問題集 工業簿記2級(TAC):A
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC):B
  • 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集(TAC):B
  • 簿記検定ナビ 仕訳問題対策&簿記ナビ模試
  • 電卓:Canon LS-121TS

 ※S・A・Bの評価は私の感想です。

 パブロフ流・スッキリシリーズはどちらも分かりやすくて、初学者にはおすすめです。過去問や網羅型は、もう少し解説が分かりやすいと良かったです。

 結果的に色々なテキストに手を付けてしまいましたが、もっと数を絞って、何度も繰り返し解いて完璧にしたほうが良かった気がします。

学習の進め方

第150回(2018年11月)

  • 勉強方法(基本の勉強時間:通勤電車30分、昼食後30分、帰りの電車30分)
    1. パブロフのテキストで簿記3級の復習。
    2. スッキリ商業簿記2級のテキスト+付属問題を2周。
    3. スッキリ工業簿記2級のテキスト+付属問題を2周。
    4. 過去問題集を1周。
  • 試験結果:合計68点(不合格
    • 第1問:12点
    • 第2問:16点
    • 第3問:12点
    • 第4問:8点
    • 第5問:20点

 電車中心での勉強だったため、問題演習が圧倒的に不足していました。また、まとまった勉強時間が取れなかったため、実際の試験形式に慣れないまま試験日を迎えてしまいました。

 試験結果は第1問と第4問のケアレスミスが響いて惜しくも不合格になってしまいましたが、次への手ごたえを感じました。

第151回(2019年2月)

  • 勉強方法(基本の勉強時間:通勤電車30分、昼食後30分、帰りの電車30分、試験3週間前は夜120分)
    1. みんなが欲しかった簿記の問題集 商業簿記を2周。
    2. みんなが欲しかった簿記の問題集 工業簿記を2周。
    3. 過去問題集を3周。
    4. 簿記ナビ模試。
  • 試験結果:合計68点(不合格
    • 第1問:8点
    • 第2問:14点
    • 第3問:10点
    • 第4問:16点
    • 第5問:20点

 不足していた問題演習を強化するために、みんなが欲しかった簿記の問題集を追加。さらに、試験慣れするために、簿記検定ナビで配布されていた簿記ナビ模試を直前に解きました。

 試験は難問の第3問(連結精算表)に時間を掛けすぎてしまって、他の問題の見直しができませんでした。第1問・第2問でもケアレスミスを連発してしまい、またもや68点で不合格。過去問で9割以上得点できていたため、大きなショックを受けました。

 2回も落ちるなんて簿記の才能がないと諦めかけましたが、第151回は難易度が高すぎたんだと割り切って、再度、受験することを決意しました(掲示板やブログのコメントに勇気付けられました)。

第152回(2019年6月)

  • 勉強方法(基本の勉強時間:通勤電車30分、昼食後30分、帰りの電車30分、試験3週間前は夜120分)
    1. みんなが欲しかった簿記の問題集 商業簿記を1周。
    2. みんなが欲しかった簿記の問題集 工業簿記を3周。
    3. 簿記検定ナビの仕訳対策を3周。
    4. 網羅型予想問題を3周。
    5. 簿記ナビ模試。

 今回は150回・151回の不合格の原因をきちんと分析してから勉強を始めました。

 過去問だけでは太刀打ちできないと思い、予想問題を追加。また、仕訳に弱点があったため、簿記検定ナビの仕訳対策を何度も解きました。

 さらに、得点源である工業簿記は絶対落とさないよう、工業簿記の問題を数多く解きました。なお、苦手箇所はまとめノートを作成して対策しました。

まとめノート1
まとめノート1

まとめノート2
まとめノート2

試験日1日の流れ

8時00分 起床

 朝食をとって、ゆっくりコーヒーを飲む。いつもと変わらない朝を迎えました。

9時00分 復習

 まとめノートを読み返す。簿記検定ナビで予想されている論点の問題の解き方を復習。

11時00分 休憩

 子供と遊ぶ。直前で詰め込むよりはリフレッシュしたかったので。

12時30分 出発

 おにぎりを食べながら車で会場に向かう。

13時00分 会場到着

 試験開始まではまとめノートのみ持参をして、一通り読み返すのみ。また脳の活性化の為にチョコレートを食べる。3回目なので会場の雰囲気にもだいぶ慣れましたが、試験会場が大学だったからか、学生が多いように感じました。

13時40分 試験開始

 全ての問題を眺めて、解答する順番を決めてから問題に取り掛かりました。

  • 第1問:比較的容易な仕訳問題ばかりでした。簿記検定ナビの仕訳対策が役に立ちました。
  • 第4問:典型的なパターンの部門別原価計算だったので、自信を持って解けました。
  • 第5問:与えられた情報が多すぎて戸惑いましたが、情報を整理すれば容易に解けました。しかし、情報整理に予想以上に時間が取られました。
  • 第2問:予想されていた銀行勘定調整表だったのでホッとしましたが、出題形式がこれまでと異なっていたので若干戸惑いました。第5問と同様に、予想以上に時間が取られました。
  • 第3問:若干複雑な仕訳もありましたが、部分点狙いで一つ一つの仕訳をしっかりとして、全て解答することができました。

15時40分 試験終了

 第5問・第2問で予想以上に時間を取られてしまったこともあり、見直しできずに試験終了。

試験結果

 自己採点をしたところ、仕訳でケアレスミスをしていたものの、合格ラインには届いていて一安心。結果は自己採点通りの88点でした。

  • 152回の試験結果:合計88点(合格
    • 第1問:12点
    • 第2問:16点
    • 第3問:20点
    • 第4問:20点
    • 第5問:20点

試験を振り返って

 簿記2級の勉強を通して感じた反省点は以下のとおりです。

  • 短時間でも毎日簿記に触れる。
  • 参考書はシリーズを統一したほうが良い。
  • 仕訳と工業簿記を完璧にすれば何とかなる(特に仕訳は全ての問題の基礎!)。
  • 近年は過去問よりも予想問題の比重を上げたほうが良い。
  • 不合格の原因をしっかりと把握して、勉強方法を修正する。

最後に

 簿記検定ナビさんには非常にお世話になりました。また家族にも迷惑を掛けましたが何とか合格できて本当に良かったです!

 これから受験される皆様、何回落ちてしまったとしても、いつかは簡単な回であったり、自分の得意な論点の回に当たると思いますので、諦めずに頑張ってください!

管理人からポンタさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 価格が手頃で大きさもちょうど良く、持ち運びに便利なのでおすすめです!
 得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は標準原価計算です。苦手な論点は連結会計です。克服するためにやったことは「その論点の問題を数多く解くこと」「よく間違えてしまう箇所はノートにまとめて何度も見返せるようにすること」の2点です。
 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 簿記受験者の掲示板や合格体験記を読んで、苦しみを分かち合うこと!独学でやっていたので、孤独感を感じないことが重要でした。

管理人コメント

 ポンタさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 仕事・育児と並行して勉強するのはかなり大変だと思いますが、ポンタさんは通勤の電車内やお昼休みなどの細切れの時間を有効活用されています。

 同じような環境でまとまった時間を確保するのが難しい方は、ぜひこの細切れの時間を有効活用してください。1つ1つは短い時間であっても、コツコツ積み上げていくと結構な時間になるはずです。

 また、最後の「試験を振り返って」のところに書いていただいた不合格の原因をしっかりと把握して、勉強方法を修正することも非常に重要です。

 すでに足りているものに時間を掛けても効果が薄いので、何が足らなかったのかをじっくり考え、それに重点的に時間を掛けると効率よく勉強できます。ぜひ参考にしてください。

ポンタさんが使われた教材や電卓のまとめ