短期間で合格するには効率重視の勉強が必要。マイルールを決めましょう!
- 投稿者:fu-mamaさん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約3か月半
目次
はじめに
私は2人の娘がいるワーキングママです。今回、簿記2級取得に至ったのは、職場が閉店して転職せざるを得なくなったためでした。
育休中からその噂が流れていたため、ハローワークに行き、希望する事務職の転職先を探していると「簿記2級必須」という会社が多く、子持ちの転職は厳しいことが予想されたので、資格取得を目指すことに決めました。
同じように働きながら子育てされていて、資格取得を目指す方のお役にたてれば幸いです。
ちなみに、簿記3級は育休中に取得しました。3ヶ月間、毎日1日30分~2時間勉強した結果、試験直前には過去問で90~100点近く取れるようになり、本番でも一問ミスしただけで98点で合格できました。
自己採点で合格がわかっていたので、試験の3日後には簿記2級の教科書と問題集を買って勉強を始めました。
使用したテキストと電卓の評価
教科書(みんなが欲しかった 簿記の教科書:95点)
本屋で手に取り、読みやすいものをと選びました。分かりやすく書かれているのと、巻末の最後にある「参考」のページまで読み込むと、細かい論点まで把握できるので良かったです。
連結会計はタイムテーブルを書けるようになると、連結4年度以降でも部分点狙いができると知り、連結会計の問題を解く度に「参考」のページのタイムテーブルの書き方を読み返し、タイムテーブルを書けるようになったのが、本番前に自信に繋がりました。
また、付録で付いてくる仕訳集は毎日持ち歩き、通勤時間や会社の休憩時間にパラパラめくり、スキマ時間を活用できたので大変役に立ちました。かなりボロボロになるまで使い込みました。
読み返すうちに「ここがもっと丁寧に書かれてあれば良かったな…」と何回か思ったので5点引きました。
問題集(みんなが欲しかった 簿記の問題集:70点)
商業・工業を2冊買うと、模試6回分付いてくるのがお得な気がして買いました。
ただ、模試の問題が簡単なのと、問題集の問題がすごく難しい問題と簡単な問題と両極端なので「いまいち」と評価いたしました。特に、仕訳問題は過去問と比べると偏っているし簡単すぎます。
電卓(CASIO MW-C20C)
選んだ理由はデザインです。12桁、メモリー機能、GT機能、早打ち機能など…欲しい機能が全てあり、なおかつ勉強のモチベーションが上がるような可愛いデザインが良いなと思って選びました。
参考図書(簿記の電卓操作の本:100点)
タイトル・著者名は忘れてしまいましたが、調べるといくらでも出てくると思うので、こんな感じの本を一冊読むだけで、問題を解くスピードと正確性が上がるので「必読」だと思います。
簿記の勉強の合間に、気分転換がてら図書館で借りてきた本を流し読みしただけで、正確性とスピードが格段に上がりました。特に、メモリー機能とGT機能は知っていたほうが良いと思います。
ネットにも電卓操作術など書かれていますが、私は本のほうが見やすく、練習問題など実践してみて理解できたことが多かったので本をオススメします。
新品にこだわらなければ古本屋で安く手に入りますし、自信にも繋がるので読んで損はないと思います。
効率重視の勉強
転職するために1回で合格しなければならず、簿記ナビさんの合格体験記を読み込んだ結果、3ヶ月で合格を勝ち取るには効率重視の勉強法が必要と感じ、自分なりのルールを決めて勉強しました。
ルール1:10分でも良いから必ず毎日勉強する
簿記3級を勉強するときに感じたのですが、少しでも勉強しない日があると簿記の感覚が鈍ります。他の方は商業・工業別々に勉強の期間を設けている方が多いですが、私はどちらの感覚も鈍りたくないので、3ヶ月間毎日、商業・工業両方を勉強しました。
ルール2:情報収集を徹底し、合格体験記を読んでイメトレする
簿記ナビさんの合格体験記には、テキスト活用術、苦手対策の克服法など、独学で合格するためのヒントが凝縮されています。人それぞれ合う勉強法は違うので、いろんな方の合格体験記を読んで、自分に合う勉強法を模索しました。
また、合格体験記を読んで簿記2級に一発合格してる自分をイメージすることで、より合格が身近に感じることができたのが良かったです。私は、簿記ナビさんに合格体験記を書くところまで妄想してました(笑)
ルール3:自分の頭で考えて答えを導くことにこだわる
タイトル・著者名は忘れてしまいましたが、有名塾講師の方が書いた本の中に「数学は自分の頭で考える過程で力がつく」と書かれていました。
初めは教科書を見ながらでも良いので、問題を解くさいは「頭を使って答えを導く過程」にこだわってみてください。教科書を見ながらでも「問題を解くさいに頭に入れるべき論点はどこか」を意識することで、自然と論点が頭に入っていきます。
初めは教科書を見ながらでもちんぷんかんぷんですが、何回も同じ過程を辿ると段々理解できるようになりました。
ルール4:スキマ時間こそ合格のカギ
合格体験記を読んでいると、アプリなどでスキマ時間を有効活用されている方が目にとまりました。
私は通勤で電車に乗ってる時間は6分しかありませんでしたが、電車を待つ4~5分と乗車時間に仕訳集をパラパラめくり、駅から会社に向かう道中では頭の中で仕訳を反復してました。
特に「試験1ヶ月前には九九算レベルで瞬発的に仕訳を切れるようになりましょう」と、他サイトに書かれていたのを読み、意識して仕訳集を読み込んでいました。
また、連結会計の精算表と財務諸表を苦手としていたので、見慣れるために、問題を解いた後の解答用紙をコピーして、そこに覚えるべき注意点を書き込み、暇さえあれば見て覚えるようにしました。
学習期間と1日の学習時間
- 学習期間:3ヶ月と11日(103日)
- 学習時間:合計260時間くらい
前述したとおり、仕事と育児と家事の合間に勉強しなくてはならず、まとまって勉強時間を確保するのが難しかったので、とにかくスキマを縫って勉強してました。
育休中は次女の昼寝の1時間。長女を保育所に迎えに行き、次女と長女が遊んだりテレビに夢中になっている間、仮眠30分とって夜の勉強に備え、娘たちを寝かし付けた後に2時間勉強していました。
仕事復帰後は、通勤時間と会社の休憩時間に仕訳集をパラパラ。娘たちを寝かし付けた後に1~2時間勉強しました。仕事と育児の疲れで眠い日は無理せず寝るようにしてましたが、自分が決めたスケジュールよりも遅れてしまっているときは無理やり勉強しました。
仕事の休みが平日1日と日曜・祝日なので、平日の休みは娘たちを保育所に預け、6~8時間勉強しました。土曜は主人が休みで、主人が娘たちを見ているので、朝ごはんを用意して出勤する準備をしたら早めに家を出て、会社の近くの商業施設のフリースペースで45分くらい勉強してから出勤してました。
学習方法
まずは簿記のテキスト(商業・工業)をさらっと読み流しました。簿記2級の用語に慣れるためです。次はテキストをしっかり読み込み、テキストを見ながら章ごとにある基本問題を解きました。
その次に問題集に手をつけました。仕訳問題は簡単でしたが、2問~5問対策の問題は難しく、テキストを見ながらでもかなり時間がかかりながら問題を解きました。終わったのは勉強を始めて1ヶ月後くらいだったと思います。
なんとか問題集を一周して、力試しに過去問の第151回を解いてみました…が玉砕。一発合格は無理なんじゃないかと不安が押し寄せてきて、ただでさえ「転職するために一発合格しなくちゃ」とかなりプレッシャーを感じていて勉強に集中できない日もありました。
主人に相談したところ「6月じゃなくて11月の試験を目指せば?」と言ってくれたので「一発合格は目指すけど、一発合格したらラッキーってスタンスでいこう」と割り切ることにしました。それからはプレッシャーを感じず勉強に集中できました。
この時点で残り2ヶ月でした。過去問に手を出すと自信がなくなると感じ、またテキストに戻りました。テキストの基本問題を、今度はテキストを見ずに解き、一周しました。
それから問題集もテキストを見ずにもう一周。間違えノートを作る時間がなかったので、間違えたさいは自分用テキストを仕上げるつもりでテキストに書き込みました。
それからやっと模試に手をつけました。まとまって勉強できる時間がなかったので、平日休みの1日に模試と過去問を3回分解き、解説を読み込み、間違えた箇所はテキストに書き込んでいきました。
模試6回分、過去問3回分はあっという間に解き終えてしまったので、簿記ナビさんと他サイトの模試も解きました。どちらも難易度が高く、「このままでは合格できない!」と気を引き締めました。
そこで、テキストの基本問題と問題集の間違えた問題を一周しました。そして、模試7回分をもう一回解き直し、試験当日に至ります。
苦手問題の対策
娘たちが機嫌よく遊んでいる時間を見計らい、Youtubeの無料講義をひたすら見ました。目からウロコが出る解き方を教えてくれるし、机に向かわないので気楽に勉強でき、とても重宝しました。試験で使えるテクニックがあれば、その都度、テキストに書き込んでいきました。
特に、連結会計は4年度以降の問題はタイムテーブルを書いて整理したほうが部分点狙いができるので、Youtubeとテキストのタイムテーブルの書き方を何回も見て、連結会計の問題が出れば必ずタイムテーブルを書いて解くようにしたら、本番前までに連結会計が得意な論点になりました。
また、会社の休憩時間に簿記のサイトを巡っては、苦手とする固定資産や有価証券を理解しようとネットサーフィンしてました。
工業簿記は問題をこなせばこなす程得意になっていると感じたので、ひたすら問題を解きました。標準原価計算、部門別原価計算、全部原価計算を苦手としていたので、とにかくいろんなパターンの問題を解くように意識しました。
近年の過去問を見ていると、問題の資料の与え方をひねって出すパターンが見受けられます。そういうパターンの対策のために、いろんな問題に慣れるというのは2問~5問対策に良いかもです。
試験日1日の流れ
有名塾講師の方が書いた本の中に「数学のテストは頭を使うので寝不足はダメ。徹夜せずに睡眠をとること。」と書かれていたので、前日は娘たちと一緒に21:30に寝ました。
当日は試験前に頭を疲れさせたくなかったので、簿記ナビさんの予想出題に書かれてあった銀行勘定調整表の問題1問だけさらっと解いて終わりました。
11時半から昼食をとり、12時15分に家を出る予定でしたが、家にいてもソワソワするだけなので12時に家を出ました。乗った地下鉄が途中で立ち往生したり、駅に着いてから道に迷ったりするハプニングがありましたが、試験45分前には会場に着きました。
試験開始までの過ごし方
電卓とシャープペンと消しゴムを2個ずつ机に並べました(※1個は予備)。その後、トイレに行きました。チョコレートを食べるつもりで持ってきましたが、お腹がすいていなかったので食べませんでした。
周りの方はテキストやノートを見返してましたが、直前にやっても焦って頭に入らないと思っていたのと、頭を疲れさせたくなかったので、試験が始まるまでiPodで音楽を聴いてリラックスしてました。
試験中の出来事
まず試験開始前に答案用紙が配られ、記名するように指示されます。そこでざっと問題を把握しました。
3問目が得意な連結会計や精算表じゃなかったことにがっかりしましたが、4問目が得意分野になった部門別原価計算だったので、心の中でガッツポーズしました。
また、2問目が簿記ナビさんが出題予想されていた銀行勘定調整表で「朝解いたばっかり!簿記ナビさんありがとうございます!」とテンションが上がりました。「今回は自分と相性の良い回だから合格できる!」と言い聞かせました。
試験が始まると、いつも解くように「1→5→4→3→2」の順に解いていきました。
過去問対策を全然しなかったため、1問目の仕訳から苦戦しました。答えが合っているか不安なまま解き終わり、5問目に入ると、資料の与え方がひねってあり、これまた苦戦しました。問題の最後のほうが分からなかったんですが、時間が足りなくなるのが怖かったので空白のまま4問にいきました。
4問目は簡単だったのでさらっと解き終わり3問目にいくと税効果会計の財務諸表…一筋縄じゃいかないと感じ、先に2問目を取り掛かることにしました…が、問題集で解いたような銀行勘定調整表とは違い、難しいと感じたので分からないところは空白のままにして、3問目に戻りました。
この時点でまだ1時間以上あったので、気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて取り組めました。なんとか答えを埋め、残った時間で5問目と2問目の空白を埋め、ざっと見直しました。それでも10分くらい余ったので、解答を書き写して試験終了の時間になりました。
試験終了後
半年間の勉強から解放されて、清々しい気持ちで試験会場を出ました。予備校の解答速報は17時からだったので、家に帰ってから答え合わせをしました、自己採点の結果は68点。別の予備校の解答速報で答え合わせをしても68点。もう合格はないだろうと思いました。
息抜きするのが怖かったので、息抜きをせず3ヶ月みっちり勉強していたこともあり、「努力しても報われないんだ」と落ち込みました…が、合格発表の日に結果を見るとまさかの合格。「予備校の配点は厳しめだから実際は3~4点プラスに考えていい」というネットの情報は本当かもしれません。
試験結果と反省
- 合計:70点
- 第1問:16点
- 第2問:12点
- 第3問:12点
- 第4問:16点
- 第5問:14点
買ってきた問題集(みんなが欲しかった 簿記の問題集)の模試が簡単だったのは、基本的な力をしっかりつけることが目的なのかもしれないと思いました。
もし「みんなが欲しかった」シリーズを買われた方は、テキストと問題集と模試を2~3周するのプラス、簿記ナビさんの無料模試を2~3回解くのと、簿記ナビさんの仕訳対策をしっかりやりこめば「合格」に近付けるのではないでしょうか。
私は簿記ナビさんの仕訳対策を試験の1週間前に知り、ほとんど手を付けないままいたことを後悔しています。もし、ちゃんとできていたら試験でも焦ることなく第一問目を自信持って完答できていたと思います。
管理人コメント
fu-mamaさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。
fu-mamaさんの勉強スタイルでぜひ参考にしていただきたいのは、ネットを有効活用しているところです。ネット上には論点ごとの詳しい解説や解説動画がたくさんありますので、うまく使えばピンポイントで理解を深めることができます。
説明する人が変わると説明の仕方や論点の切り口が変わるため、教材だけではなかなか理解できなかった論点もスーッと理解できることが多々あります。まずは、苦手な論点を「●● 解き方」などのキーワードでググってみましょう。
また、「効率重視の勉強」のルール4のところに「連結会計の精算表と財務諸表を苦手としていたので、見慣れるために、問題を解いた後の解答用紙をコピーして、そこに覚えるべき注意点を書き込み、暇さえあれば見て覚えるようにしました。」と書いていただきましたが、こちらも苦手分野の克服に効果的です。
特に連結精算表・連結財務諸表は個別の精算表・財務諸表と表示形式や集計方法が異なるため、まずは精算表・財務諸表の基本形(ひな形)や解答手順を覚えることが重要です。ぜひ参考にしてください。
fu-mamaさんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記
- テキスト:みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記
- 問題集:みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 商業簿記
- 問題集:みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 工業簿記
- 電卓:CASIO MW-C20C
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