大原の無料模試を有効活用!本試験とほぼ同じ条件下で予想問題が解けます!
- 投稿者:ナッツさん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約2か月半
はじめに
現在、一般事務として働いています。簿記検定を受けようと思ったきっかけは、大きく分けて3つあります。
- 現在の業務にごく簡単な経費精算があるが、より理解を深めたい。
- 経理系の部署に異動したい。
- 財務諸表を見て内容が理解出来るようになりたい。
上記の内容からもわかるように、それまでの簿記知識はほぼゼロに等しいものでした。ただ「今年中に2級まで取得したい」という気持ちはあったので、それだけを支えに試験勉強をスタートしました。
使用テキスト・問題集など
簿記3級
- 「サクッとうかる日商3級商業簿記 テキスト」(改訂二版・2009年)
- 「サクッとうかる日商3級商業簿記 トレーニング」(改訂三版・2010年)
- 「サクッとうかる日商3級商業簿記 厳選過去問ナビ」(第2版・2009年)
出来るだけ費用を抑えて勉強したかったので、3級のテキスト類はすべて古本屋で調達。
サクッとうかるシリーズは古本屋にたくさん流通しており自然と手に取る形となったのですが、他のテキストと見比べてもわかりやすい内容だったので結果的には簿記学習の入口として最適だったと思います。
「トレーニング」はあまり深く考えずに購入したのですが、テキストの例題と過去問の中間くらいの難易度でテキストと過去問の橋渡し役となり、意外に重宝しました。
時間の関係で「過去問ナビ」の問題はあまり解けませんでしたが、試験問題の解き方に関するコツが凝縮された小冊子がついており、私はその小冊子だけを取り外して持ち歩き、活用していました。
簿記2級
- 「サクッとうかる日商2級商業簿記 テキスト」(改訂二版・2009年)
- 「サクッとうかる日商2級工業簿記 テキスト」(改訂四版・2014年)
- 「サクッとうかる日商2級工業簿記 トレーニング」(改訂三版・2010年)
- 「日商簿記過去問題集2級 出題パターンと解き方(2014年11月対策)」(2014年)
商業簿記テキストと工業簿記トレーニングは古本屋、工業簿記テキストと過去問題集は最新のものを書店で購入。
工業簿記テキストを購入する際、書店でいろいろ見比べたのですがサクッとうかるシリーズが私にとっては理解しやすかったので選びました。
3級と同じく「テキストで概要をつかんだらトレーニング本に移行、その後過去問へ」という流れで学習。どのテキスト・問題集も満足のいくものでした。
電卓
- SHARP EL-N942
試験のひと月半前に購入。管理人さんもおすすめの「SHARP EL-G37」に似たモデルで家電量販店でも入手できるものがEL-N942でした。
日数計算も出来るので利息等の日割計算に役立つ!と思って買いました。キータッチはやや硬め。本番でもこの電卓を使いましたが、購入する時期が遅かったため手が慣れないままという感じでした。
- SHARP EL-N732K
ふだん会社で使っている電卓。試験日に万が一のとき用のサブ電卓として持参しました。12桁表示、キータッチの軽さ、静音性、見やすい液晶(画面角度の調整可能)と2,000円以下で買える電卓としてはかなり使いやすい部類に入ると思います。
個人的には、この電卓に日数計算機能がつけば私にとっては一番使いやすい簿記用電卓になるのにな…と思っています。
勉強の流れ
9月上旬
3級のテキストを読み始める。並行してネットの簿記学習サイトも活用し始める。
9月中旬
3級のトレーニング本に取り組む。わからないところはテキストに戻って復習。通勤電車の中や会社の休み時間などのすきま時間に3級の仕訳問題を解く。
9月下旬
3級の過去問に着手。試算表・精算表問題を解くスピードの遅さに驚く。「過去問ナビ」小冊子とネットで公開されている動画を活用し、コツをつかむ。
10月上旬
2級の商業テキストを読み始める。すきま時間に解いていた仕訳問題も2級へシフト。
10月中旬
工業テキストを読み始める。商業の仕訳問題も継続して解き続ける。
10月下旬
工業トレーニング本に取り組む。簿記というより算数パズルを解いているような感覚で、楽しいと思えるようになってくる。(数学は得意ではありませんでした。超文系です。)
このころ2級の過去問題集に取り組み始めるも、結果はボロボロ。解説を読んでもわからないところは、またもやネットの動画にお世話になる。
11月初頭
大原の無料模試(2・3級)を受ける。3級は問題にボリュームがあったためやや苦戦したものの、合格点。
2級はまったく時間が足りず、得点も52点と冴えない出来。ただ、たまたま第5問の等級別総合原価計算で20点満点が取れ、「工業は確実な得点源になる」というのを体験したことが大きな収穫に。
会場の雰囲気は?
・3級(午前開催)…会場は大学の中規模講義室くらいの大きさの教室でした。年齢層は思ったよりも高めで、学生さんは少なめ、社会人~壮年・シニア層といった方々が結構いらっしゃいました。2級に比べるとかなりのんびりした雰囲気です。
・2級(午後開催)…講堂のように大きな会場でした。年齢層は学生さんが多めで、なかなか活気がありました。そのぶん「自分も頑張らなきゃ! 」といい刺激になりました。
無料模試の流れは?(2・3級共通)
会場に入るとアンケート用紙が机の上に置いてあります。
- 個人情報を書く欄(書くと本試験の解答&解説冊子が後日送られるとのこと)
- 簡単なアンケート(どんなテキストで勉強しているか、模試の感想など)
これらを記入して待機。時間になると本試験と同様に注意事項の説明をした後、2時間の試験を実施。試験終了後は、休憩→解説(解答・解説配布)となります。
解説タイムは、次週に行われる大原の有料模試の告知・案内等が半分くらい入るので、解説自体はやや急ぎ足でされますが、ちゃんと黒板を使って要点 を絞り解説してくださるので特に不満はありませんでした。解説もわかりやすかったです。
帰り際にアンケートが回収され、希望者は大原の入学金免除券がもらえるとのことでした。
勧誘の有無は?
会場にいる受験者全員に向けての告知・案内はありますが、個別の勧誘はありませんでした。
無料模試まとめ
- 本試験とほぼ同じ条件下で予想問題が解ける
- 問題・解答用紙・下書き用紙・解答&解説冊子すべてを持ち帰ることが出来る
- その時点(本試験2週間前)での実力・弱点がわかる
- 無料かつ、勧誘もされない
…という点で、おススメです。
ただし、大原の中でも無料模試を実施しているところはあまり多くないようなので、事前にHPでご自身の行ける地域で実施しているかどうかのチェックは必須です。
なお、無料模試は事前にHPからの申し込みが必要ですので、あわせてご注意ください(直前有料模試は、当日受付もOKとのことでした)。
試験の2週間前
試験対策として以下のことを設定。
- 3級:問題を解く順番は「1→4→2(難しければ最後へ)→5→3」。
- 2級:問題を解く順番は「1→4→5→3→2」。第1・4・5問の仕訳・工業問題で満点(60点)を取る。残りの10点を第2・3問の部分点で取る。
対策にしたがって2級の過去問は第1・4・5問をメインに解き、第2・3問は出題予想の上位に来ている論点の類題を優先。
過去問に取り組んだタイミングが遅かったため、過去16回分収録された問題集の半分弱までしか進められず本番の日を迎えることに。
試験前日・当日の流れ
試験前日
大原の無料模試で持ち帰った問題(2級)を再度2時間制限で解いたところ、ギリギリ合格点。出る問題の相性さえ良ければ何とか合格出来るかもと思い、翌日の持ち物チェックをして早めに就寝。
しかし緊張のせいかまったく寝付けず、結局夜中に起きだして弱点問題を眠くなるまで解く。
試験当日
- 6:30 起床
ふだんより早く起き、しっかり朝食をとる。カフェイン入りのチョコを一粒、気合を入れるために食べる。その後は、シャワー→身支度→最後の持ち物チェック→出発。
- 移動中
初めて行く会場&かなりの方向オンチのため、とにかく電車や道順を間違えないことを最優先に。電車に乗っている間、間違いやすい問題のおさらいを少々。
- 8:30 会場到着~試験の説明開始
自分の席を確認後、お手洗いへ。席についてからは机の上に出すもの、スペアの電卓などをセッティング。電卓の動作確認と指慣らしをかねて、簡単な計算をしながら試験官の説明開始を待つ。
- 9:00~11:00 3級試験
第5問が貸借対照表・損益計算書であることに驚く。ただし全体のボリュームは少な目なので、気を取り直して対策通り「1→4→2→5→3」の順に解いていく。
解いた印象としては、第5問以外はスタンダードな内容。
第5問はほとんど解いたことのない貸借対照表・損益計算書であることに加え、問題文のレイアウトが無理に詰め込んだ感じで読みづらく、やや苦戦した。
すべての問題を解き終わって20分くらい時間が余ったので、軽く見直しをして答えを問題用紙に書き写して終了。
- 昼食
事前に調べておいたお店で昼食をとる。3級受験のご褒美と2級受験へのパワーチャージ。会場の席に戻ってから、仕訳と工業簿記で苦手な問題を軽く復習。
- 13:30~15:30 2級試験
第2・3問を見て、再び驚く。見たことのない第2問(株主資本等変動計算書)と3級の第5問に続いて再び貸借対照表が2級の第3問で登場(読みづらいレイアウトまで同じ!)。
第2・3問は10点取れれば良いと自分に言い聞かせ、「1→4→5→3→2」で解いていく。
第1・4・5問は、第4問の一部で少々時間がかかったものの普通にスラスラ解ける内容。
第3問は、一言でいうと「解きづらい問題」。クセのある文章に加え見慣れない処理を含み、仕訳を切っていくのも一苦労。
このあたりで試験開始から30分が経過し、退室者が続出。「この難問をもう解き終えたの?!」と動揺するも、後で「解くのをあきらめて退出した人」が多かったと知る。
時間をかけて何とかすべての仕訳を切り、貸借対照表に埋めていこうとしても3級のようにキレイに埋まらない。時間も押し迫ってきたので、埋められるところはとにかく埋めて第2問へ。
第2問にかけられる時間は10分ほど。ここでもとにかく仕訳を切って数字を埋めることに専念。ただし、合っている気がまったくしない。答えを書き写す暇もなく2級試験が終了。
- 帰宅後
ネットの解答速報を3級・2級の順にチェック。3級は合格を確信、2級は自己採点で68点。「2級は来年の2月に受け直しだな、でも万が一もあるかも。」と50%くらいの希望を残す。
合格発表
12月19日に結果発送と書かれていたのですが、その2日前に封筒が届きました。3級は88点、2級は76点で合格。
落ちたと思っていた2級は第2問が自己採点では6点(18点満点中)でしたが実際には14点取れていたので、おそらく簡単なところに多めに配点されたのだと思います。
振り返り
反省点
- もっと早めに過去問に取り組むべきだった(簿記の勉強はたくさん手を動かした人が伸びるというのは本当です)。
- まちがいノートを作成していなかった。
- 本番で使う電卓は出来るだけ早くから使い始めた方がいい。
良かった点
- 「今年中に2級合格」というわかりやすい目標を立てたため、短期間で集中できた。
- テキストだけでなく、ネットの動画も活用した。
- 無料模試で試験の雰囲気や出題予想を知ることが出来た。
- 満点ではなく合格点を取ることに集中し、そのための対策を行った。
- 試験本番で難しい問題にあたっても、最後まで解答欄を埋めるのをあきらめなかった。
最後に
2級・第2問の配点にかなり助けられたダブル合格でしたがひとまずの目標は達成でき、安堵しています。
こちらの「簿記検定ナビ」も大いに活用させていただきました。特に「仕訳問題対策」の問題は学習スタート時から試験直前まで
すきま時間によく解いていました。
また、下書き用紙の効率的な書き方や持ち物チェックなど、独学では欠けがちな情報が得られるのも有難かったです。
管理人様、大変お世話になりました。長々とつづってしまい、読みづらい点も多々あったかとは思いますが、この体験談がどなたかのお役に立てば幸いです。
管理人からナッツさんへ追加の質問
ナッツさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか? | |
<得意な論点>
【個別原価計算】【総合原価計算】 <苦手な論点と克服法> 【直接原価計算と全部原価計算の違い】 【剰余金の配当】 |
ナッツさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。 | |
<なぜ合格したいのかを明確にする> 私の場合は目的の一つに「経理系の部署に異動したい」というのがあったので 今年中に2級まで取っておくことで来年3月の異動の判断材料にしてもらえるかもという思いがありました。 <小さくていいのでご褒美を設定しておく> |
管理人コメント
ナッツさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!
資格の大原の無料模試について詳しく書いていただきましたが、「無料&勧誘なし&本試験の雰囲気を体験できる」と、受験生にとって良いことばかりなのでおすすめです。
なお、資格の大原には無料模試だけでなく「特別講義&問題特訓」という、各自の弱点を補強してくれる無料講座もあるので、時間に余裕があれば両方利用しても良いと思います。
あとは、試験勉強を振り返っていただき、良かった点の一つに「試験本番で難しい問題にあたっても、最後まで解答欄を埋めるのをあきらめなかった。」と書いていただきましたが、この姿勢はとても重要だと思います。
ここ最近、簿記2級の本試験問題は新形式の難しい問題がよく出題されますが、問題の難易度が高いほど配点が甘くなるので、最後まで諦めずに分かるところから金額を埋めていきましょう。
ナッツさんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:サクッとうかる日商簿記2級 商業簿記 テキスト
- テキスト:サクッとうかる日商簿記2級 工業簿記 テキスト
- 問題集:サクッとうかる日商簿記2級 工業簿記 トレーニング
- 過去問:日商簿記2級過去問題集 出題パターンと解き方
- 電卓:SHARP EL-N942X
- 電卓:SHARP EL-N732K
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