簿記の勉強はある程度の「量」が必要。努力は決してムダにはなりません!

  • 投稿者:みるみるさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約4か月

簿記受験の動機

  • 大学時代に単位獲得のために受講したが内容の大半を忘れてしまっていた
  • 経理の実務にわりと長く携わっているのに、自身が簿記の資格を持たないことに長らく疑念を感じていた

 この二点にケリを着けたくようやく重い腰をあげて受験を決めました。今回の2級と以前の3級受験時に、簿記検定ナビを非常に活用させていただいたので、御礼と感謝を込めまして今回、投稿させていただきました。

 また、自分のような社会人、独学という環境では身近に同様に受験を目指し刺激ややる気を喚起してくれる存在が居ない方が多いのではと考え、拙筆ながらその一助になれればとも思いました(自分はこちらの合格体験記から、幾度となく刺激とやる気をいただきました)

テキスト

  • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記(TAC出版)
  • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記(TAC出版)
  • 第135回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)※古本購入
  • 日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC出版)※古本購入
  • 資格の大原 第134回問題解答集
  • 資格の大原 第136回問題解答集
  • 簿記検定ナビ 仕訳問題対策
  • 簿記検定ナビ 第137回試験予想問題

勉強法

  • テキスト2周(2周目は確認問題のみ)→演習問題→過去問、予想問題2周(予定)
  • テキスト2周(2周目は確認問題のみ)→演習問題→過去問、予想問題1周+間違えた問題、弱い問題を再度(実際)

 第135回の3級を首尾よく合格でき(独学、勉強期間約2ヵ月)、その勢いで第136回の2級受験を検討しました。

 ただ、勉強期間が約3ヵ月では短いと感じたのと年末年始の休暇中に勉強しないであろう自分が容易に想像できた(笑)ので、第136回はパスし6月の今回の受験に切り替え2月より勉強をはじめました。

2月~4月中旬

 勉強開始当初は、3級受験時と同様に昼休みにテキストを読むことからはじめました。(このころは、帰宅後や休日は勉強していませんでした…)

 ただ、以前の3級勉強時にテキスト章末確認問題は、本試および模試(予想問題)のレベルに程遠いということを経験していたので、今回は章末確認問題は出来て当たり前、間違えたり理解の乏しいところはしっかりテキストを読み返し再度解くとか、web上で類題を探して解くなどを繰り返して進めました。

 結果、基礎はしっかり理解出来ましたが、予想以上に日数が掛ってしまい過去問と予想問題に取りかかる時間が予定より減りました。

4月中旬~5月中旬

 勉強開始より2ヵ月程経過したこの頃から、ペースアップのため帰宅後の時間や休日を復習というか、類題を解くために使うようにしました。

5月末~

 勉強開始当初のペースの遅さと基礎部分に時間が掛ったため、試験の10日程前になってようやく過去問、予想問題に取りかかれました。

 工業簿記の部分で、若干面喰うところはありましたが、基礎の理解に力を入れてきたお蔭か、取りかかり当初より70点を上回ることができ少し安心しました。

 「さぁ、ここから精度上げて本試に臨もう」と気合を入れましたがなかなか精度が上がらず、60後半~80点の間行き来してばかりで少し心配になりました。

 結局、納得のいく精度まで高められずに本番となりました。(3級受験時は直前期に90点以上取れるようになり、自信を持って本試に臨めたんですが…)

試験前日

 仕事だったので帰宅後に簿記検定ナビの第137回予想問題をやりました。結果は、74点。

 う~ん…80点以上なら明日の準備を再確認して早めに就寝と考えていましたが、少し心配だったので工業簿記を中心に気になる論点の問題をいくつかやってから就寝しました。

試験日の1日の流れ

  • 9:00

 起床。前日の就寝時刻が予定していたより遅くなってしまったため、ゆっくり休んだらこの時間でした。

  • 10:30~

 TVや新聞を見たりしてリラックスしながら完全に目が覚めるを待ち、解答や解説を見ながら、直前期にやった過去問と予想問題を解いた際の下書き用紙の最終確認をしました。

  • 13:00

 軽く昼食を済ませたのち、13時に会場に向けて出発。

  • 13:15~

 会場着。自分の席に着き筆記用具や電卓を準備し、ここでようやく周りを確認してみる。テキストやノート等を読み返している人、緊張した面持ちで座っている人、受験仲間?と話している人…と様々で、そんなにピリピリした空気ではなかったと思います。

 自分も、試験中に脳をフル回転させるために持ってきたチョコレート菓子を一つつまんで、糖分補給をして試験に備える。なお、テキスト等は持込みしませんでした。集中力を高めるのと気持ちを落ち着かせるのに時間を使いました)

  • 13:37 試験開始!

 受験番号と氏名記入の際、解答用紙をみて1→4→5→3→2の順で解くと決める。

第1問

 本店支店の仕訳問題は、念のために両支店と本店の仕訳を下書き用紙に書き出し、解答を完成させてから記入した。問4は、さんざん迷って当座預金を借方に集約してしまい不正解。最初に記入したのが正解でした…。

 「利息の計算の日数が前日まで」とか「当座に振り込まれることになっている」といった問題文の指示は、しっかり目立つようにチェックしていたので大丈夫でした。

第4問

 直接労務費の計算でミスしそうになるもなんとかクリアし順調に進めていく…が、当月製造製品原価のところで合計が合わない。

 二度ほど見返すも特に誤りを発見できず、この時一気に心拍数が上昇しました。結局、当月製造製品原価が予め与えられていたので逆から計算し、辻褄?を合わせました。

第5問

 この問題も順調に解き進めていき、あとは月末製品棚卸高を計算するだけのところまできました。製品の数量は設問中にあるので単価を求めればよいのですが、計算するも見事に端数…割り切れない。

 これは違うな、と感じながらも他の計算方法が浮かばず、頭を捻っていると…突然、ボックス図が頭に浮かび、そのボックス図に当てはめて単価を計算すると出来ました。お蔭で事なきを得ました。

第3問

 この時点で残り時間60分少々。予想以上に時間が掛りすぎていたので少々焦りました。また、問題文の捻り?に苦戦したので心が折れかけていました。

 ただ、「あきらめたら、解ける問題も解けなくなる」と自分自身を鼓舞し、なんとか30分程度で解答欄を埋め最後の問題へ。

第2問

 残り30分くらいで少し厳しいかな、思いつつ第2問に目をやると…この時点でようやく第2問が銀行勘定の問題だと気付きました。(予め確認しておけば第3問と取りかかる時に焦らずに済んだのに…)ほとんどノーマークな論点でした。

 ただ、難易度は高くなかったので、わかるところで確実に得点出来るようにと解きました。およそ15分程度で終了。結果的に予想よりも多く見直しに時間を掛けることが出来ました。

試験を終えて

 やるべきことは果たしたという思いはありましたが、合格点を取れているという手応えはほとんどありませんでした。なので、果報は寝て待てといわんばかりに、解答速報による自己採点は合否発表後にしようと決めて過ごしていました。

 しかし、3日後くらいにどうしても気になり自己採点しました。結果は74点。一応、配点箇所は厳しめにしました。(明確に解答を控えてこなかったので、問題用紙、下書き、記憶力頼みの自己採点です)

管理人からみるみるさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 90点。テキストは人によってそれぞれ使いやすさ(読みやすさ)があるかもしれませんが、自分にはこのテキストが合っていたと思います。

 TAC出版さんの「第○○回をあてる TAC直前予想」は、個人的に問題のレベルが高いと感じたので試験対策には良いと思います。

 簿記検定ナビの仕訳問題対策、第137回試験予想問題は非常に良いです。特に、仕訳問題対策はやりこめば充分な力が付くのでおすすめです。

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 カシオのJS-200W。普段、仕事で使っているので機能よりも慣れを選択しました。チルトディスプレイで、見やすい角度に変えられるもの個人的には良かったです。
 みるみるさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 仕訳、特殊仕訳帳、伝票会計、精算書は得意というか点数を取れている論点でした。本支店会計、財務諸表、費目別計算、原価計算全般は点数が低く苦手意識があったと思います。

 原価計算に関しては当初、テキストの章末問題のような必要な数字はすべて与えられていて、あとは計算するのみといった出題に慣れてしまっていたので、本試レベルのような問題文や解答用紙から数値を読み取ったり、計算したりする出題に慣れるのに苦労しました。

 克服法としては、月並みですが「やった分だけ力になり、自信になる」と信じ、とにかくたくさんの問題を解くということを心掛けました。

 同じ問題は多くても2回程度にして、なるべく多くのパターンの問題を解くようにしました。その結果、工業簿記に関しては得点源と呼べるレベルになりました。

 みるみるさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 勉強期間の前半は、勉強が終わった後に好きなこと(サッカー観戦や読書等)をする時間を作るようにしてました。

 後半は、試験が終わったあとの過ごし方…例えば、夏休みの予定を考えたり、欲しいものをネットで探したりして気分転換していました。

 また、こちらに掲載されている合格体験記を読んで、やる気やモチベーションを喚起しました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 一番ダメだったと感じているところは、綿密な勉強計画を立てなかったせいで終盤にしわ寄せがきてしまった点です。

 この日までにテキストを終わらせるとか、この日から過去問等の対策をするといった具体的な計画を立てることの重要さを今回改めて実感しました。

 また、簿記の受験に関しては、勉強のスタイルを問わず「やった分だけ力になり、自信になる」とも感じました。

管理人コメント

 みるみるさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 今回の合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、本試験の第1問・仕訳問題の問題文を読むさいに重要語句を目立たせて、ケアレスミスを防いでいる点です。

 きちんと出来ている方にとってはごく当たり前の行為ですが、実際にきちんと出来ている受験生は意外と少ないです。これに関しては勘定科目のチェックとともに、普段から意識して取り組み、体で覚えてしまってください。

 逆に、みるみるさんも自覚されていますが「残り30分の時点で、第2問が銀行勘定調整表の問題だったことに気づいた」というのはあまり良くないです。

 このミスは試験開始後、まず問題用紙・答案用紙をすべて確認し、各問題のボリュームや難易度を考慮して解く順番を決めるようにすれば簡単に防げますので、上の問題文・勘定科目のチェックとともに、練習段階で体で覚えるようにしてください。

 なお、最新の過去問は資格の大原資格の学校TACで無料請求できますので、特に古いバージョンの過去問題集を使う場合は有効活用することをおすすめします。

みるみるさんが使われた教材や電卓のまとめ