2つ以上の資格を並行して勉強する場合、勉強プランをうまく工夫しましょう!

  • 投稿者:クマ吉さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 38歳のとき、ある税務の勉強会に参加した事をきっかけに簿記などに興味を持ちました。試験勉強は20年ぶりになるため不安はありましたが、チャレンジしてみようと思い簿記3級の勉強を開始しました。

 簿記3級に合格する頃には簿記の魅力に取り憑かれ、どうせなら極めてみようと思い、すぐに2級へチャレンジする運びとなりました。

 また、簿記の勉強を始めてから他の資格にもチャレンジしたいと思うようになり、興味のあったFPや宅地建物取引士の取得も決意しました。

 ちなみに、私の実際の受験スケジュールは以下のとおりです。少しでもこれから勉強・受験をされる方のお役に立てれば嬉しいです。

  • 2018年06月:第149回日商簿記3級[合格
  • 2018年09月:FP3級[合格
  • 2018年10月:宅地建物取引士[合格
  • 2018年11月:第150回日商簿記2級[合格

使用したテキスト

  • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
  • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
  • 第150回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級
  • 無敵の簿記2級 第150回直前総まとめ
  • 2018年度版 スッキリとける日商簿記2級 過去+予想問題集
  • CASIO JS-20WK(電卓)

 2級のテキストは3級と同様、総合的な評価が高く、簿記検定ナビでもおすすめされていたTACの「スッキリわかるシリーズ」にしました。

 テキストの内容に関しては、他のテキストを使った事がないので評価のしようがないのですが、自分的には合っていたと思います。

 電卓も簿記検定ナビでおすすめされてたものを選びました。最後は、実際に売り場で見てCASIOのJS-20WKを購入しましたが、叩いた時の音や感触が良く凄く気に入ってます。

学習の進め方

勉強スケジュール(第1期:6月11日~7月22日)

 この期間の目標は、全体の把握と巻末の問題集をスラスラ解けるところまでもっていくことでした。

 簿記3級の試験が終わったあと、簿記2級の試験までは約5ヶ月程度ありましたが、その間にFP3級(9月)や宅地建物取引士(10月)の試験があります。

 これらの試験が終わってから簿記2級の勉強を開始しても到底間に合わないと思い、簿記3級の試験後すぐに簿記2級の勉強を開始しました。

  • 勉強の進め方
    1. テキストを読み進める
    2. 対応する巻末の練習問題を解く
    3. 前日に解いた練習問題を復習する

 基本的には1~3の作業を繰り返しました。また、テキストは常に携帯し、移動時間などスキマ時間を利用して何度も読み込みました。

 途中、意味がよくわからない&なかなか理解できない論点が出てきましたが、ひとまず最後まで解くことを優先して勉強を進めました。

 1週間に1度、まとまった時間がとれる時は、それまでに進めたところをサラッと読み返したうえで、再び練習問題を解き、何度も間違えてしまう苦手論点についてはテキストに付箋を貼るなどして、いつでもチェックできるようにしていました。

付箋を貼ったテキスト1
付箋を貼ったテキスト1

付箋を貼ったテキスト2
付箋を貼ったテキスト2

 また、巻末の問題を解く際には、正解は○、間違いは×と印をつけていました。答え合わせをする際には、自分の答えが間違っていてもすぐに解説を読まずにテキストを見ながら再チャレンジし、なるべく自力で解答までたどり着くことを心がけていました。

各問題に記した◯×の印1
各問題に記した◯×の印1

各問題に記した◯×の印2
各問題に記した◯×の印2

 なお、まとめノートなどは一切作ってないです。らくがき帳を使って、ひたすら問題を解く、書くを繰り返しました。

勉強スケジュール(第2期:10月22日~10月30日)

 この期間の目標は、まずは簿記の頭に切り替え、第1期の記憶を掘り起こすことでした。

  • 勉強の進め方
    1. 巻末の練習問題を解く
    2. 解けなかった問題をテキストに戻って復習する
    3. 前日に解いた練習問題を復習する

 残り期間の都合上、テキストの復習をせずにいきなり問題を解き始めましたが、正直、絶望するほど忘れてしまっていて、商業簿記・工業簿記ともにほとんど解けませんでした。

 結局は、ほとんど最初からテキストを読み返すことになったため、「試験日まで1ヶ月切っているのに間に合うのだろうか…」と精神的に焦ってしまい、勉強しても内容がなかなか頭に入ってこなかったです。

 このままではまずいと考え、10月いっぱいは第1期の復習に全てを費やすと決め、過去問などの直前対策は11月(第3期)から頑張ろうと仕切り直しました。

勉強スケジュール(第3期:11月1日~11月17日)

 この期間の目標は、過去問6回分と予想問題3回分を解きまくることでした。

  • 勉強の進め方
    1. 過去問を解く
    2. 過去問を解く
    3. 過去問を解く

 本当は全ての問題を3周したかったのですが、スケージュール的に厳しかったこともあり、3周目は「2周目までに間違えた論点の問題」や「満点が狙える第1問・第4問・第5問の問題」を優先して解きました。

試験日1日の流れ

5時 起床

 特別早く起きた訳ではなく、いつも通りの時間に起きました。出発時間まで問題演習や復習をしました。

12時30分 出発

 受験票・電卓・筆記用具など、忘れ物がないかを確認。テンションの上がる音楽を聴いて気分を盛り上げました。

13時 到着

 試験会場は専門学校だったのですが、席の間隔が非常に狭くて出入りが大変でした。トイレを済ませ、持ってきたテキストの付箋が貼ってある部分を読み返しました。それと同時に電卓で指の運動をして、指をほぐしました。

13時30分 試験開始!

 全体に軽く目を通し、予定通り「第1問→第5問→第4問→第2問→第3問」の順で解答スタート。

第1問

 得点源と考えていた第1問からつまずいてしまい、完全にペースが崩れてしまいました。

 役務収益と役務原価の問題は自分が考えた勘定科目がどこにもなく、何度も何度も見返しましたがやっぱりなく、この時点で完全にパニックになってしまいました。

 役務の未払いは未払金で処理する問題しか解いたことがなかったので、営業活動の中で生じた役務の未払いを買掛金で処理する発想までたどり着けなかったです。

 今振り返ってみると、分からない問題は飛ばして次に行けばよかったのですが、変にこだわってしまって無駄な労力と時間を費やしてしまいました。

 また、冷静な状態であれば解けたはずの消費税の問題も、問題の読み取りを間違えて誤答。とにかくここで一旦リセットしようと、深呼吸をして気持ちを落ち着かせました。

第5問

 CVP分析は得意分野だった事もあり、ここでなんとかペースを取り戻せました。解答欄がさらっと(%)表記になっていて見逃しそうになりましたが、気持ちを落ち着かせた事で見逃さずに対応できたのかなと思います。

第4問

 費目別計算に関する仕訳問題。見たことがある内容でしたが、1問だけ誤答。

第2問

 税効果会計・アップストリームなど、集中的に問題を解いてきた論点が出たのでしっかり解けました。問題文上部にさらっと「直接法」と書いてありましたが、なんとなくいつもの流れで「間接法」で解き始めそうになりヒヤッとしました。問題文はよく読まないといけないです。

第3問

 貸借対照表の問題でしたが、これは損益計算書を下書きする余裕もあるぐらい簡単で、ゆっくり見直す時間もあったのでバッチリでした。

試験結果と反省点

合格証書
合格証書

  • 第1問:12点
  • 第2問:18点
  • 第3問:20点
  • 第4問:16点
  • 第5問:20点
  • 合 計:86点

 第2問だけ自己採点よりも2点引かれてましたが、その他は自己採点と同じ結果でした。

 今回は「第1期→(FPや宅建の勉強のため中断)→第2期・第3期」というスケジュールで勉強を進めましたが、今振り返ってみるとこのプランは失敗だったと思います。

 なぜなら、一度時間を空けてしまうと、もう一度簿記の脳に切り替え、エンジンをかけるのに思った以上の労力と時間、そしてストレスがかかってしまったからです。

 完全に止めてしまうのではなく、1日10分でも良いから簿記に触れ続けておけば良かったと強く思います。

管理人からクマ吉さんへ追加の質問

 クマ吉さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
■商業簿記
 最初の頃は税効果会計と連結会計の未実現利益の消去が苦手でした。克服するために、原始的ですが何度も何度も過去問や問題集を解きました。

 この論点は、ここだけにフォーカスした問題を解くとイメージがわかなかったのですが、決算整理や一連の流れの問題を解いているうちに、直前期になって急に考え方ややり方がスッと頭に入りまして、逆に最後は得意分野になりました。

■工業簿記
 標準原価計算が苦手でした。こちらも原始的ですが何度も何度も過去問や問題集を解きました。工業簿記は得点源にしたいと考えていたので、直前までたくさん問題を解きました。

 ただ、逆に「工業簿記を得点源にしないといけない」という余計なプレッシャーが重荷となって、最後までスムーズに解けませんでした。

 最後の最後は、理解うんぬんはひとまず置いておいて、過去問等でやったことがあるパターンは絶対に落とさないという気持ちで取り組みました。

 クマ吉さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 簿記3級を受けようと決めた時、なんとなく簿記2級までは取ってみようと決めていましたが、その後、簿記の魅力にハマってしまい、簿記2級を受験する時には「2019年に簿記1級に合格すること」が最終目標となっていました。

 この目標を達成するためには、簿記以外の資格試験日の関係上、150回試験で簿記2級に合格する事が絶対条件となっていたので、なにがなんでも合格するんだ!という気持ちがモチベーションの源泉になりました。

管理人コメント

 クマ吉さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 まず電卓について。クマ吉さんもおっしゃっていますが、CASIOの高級電卓はキーを叩いたときの感触がしっとりとしていて気持ちがいいです。電卓の購入を検討されている方は、ぜひ家電量販店等で実際に打ってみてください。

 また、勉強スタイルについては「自分の答えが間違っていてもすぐに解説を読まずにテキストを見ながら再チャレンジし、なるべく自力で解答までたどり着くことを心がけていました」という点をぜひ見習っていただきたいです。

 ドラゴン桜の英語講師のモデルとなった竹岡先生も、プロフェッショナルという番組で「適当に問題を解いて、適当に丸付けしても力はつかない。1問1問じっくり考えて解くことで力がつく」とおっしゃっていました。勉強は「時間」だけでなく「質」も大事です。

クマ吉さんが使われた教材や電卓のまとめ