過去問はなるべく早めに取り組むべし!電卓の準備もお早めに。

  • 投稿者:Ryouさん
  • 勉強形態:通信
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月弱

きっかけ

 社会人になって働く理由は給料です。しかし私を含め、多くの方々は意外とその肝心な金の流れを知らない。自分が働いている会社の経済状況はどうなのか、自分が貰う給料明細の記載は正しいものなのか、自分の給料はどういう風に捻出されていて、どういう風に計算されているのか。

 私は、元は営業部でしたが転職に成功して某零細企業の事務になりました。労務に触れることで一会社の経営という視点から物事を見るようになりました。

 商業高校に通う弟が間近に迫る簿記検の勉学に励まず立場上注意することが多かったこと、職場にいる社長のゴマ擦りギツネの営業君が自分は簿記を持っているとふんぞり返っていたことにむかついたこと、自分が最も苦手とする数学という科目に挑戦したかったこと、数学的な思考を持ってみたいと思ったこと、何より自分が今後も収入を確保するため。そういったものが全て重なって簿記を受けることにしました。

教材 通信か通学か独学か~勉強法~

 重ねて申し上げますが、私は数学が一番苦手です。数学の次は数学を使う物理とか化学とか。更に言うと自分の身の回りに数学が得意な人もおらず、経理や簿記に詳しい知人が一人でもいればその方を頼るのですが、そうしたこともまず望めませんでした。

 大手での通学も考えたのですが、受講金額を見て(簿記くらいなら独学か通信で受けるべきだ)と思いました。実際に簿記3級を受けてみて感じたことですが、簿記3級くらいなら独学や通信で充分受かる範囲です。

 大手通学はもっと専門的な資格を取る時にする、周囲に簿記に詳しい人が全くいない状況では市販のテキストと問題集のみでは不安、間違った覚え方をしたくない、飽きることは避けたい…等などさまざまなことを考え、以下が私が最終的にお世話になった教材です。

  • 某通信講座(3級・2級セット教材/講義DVD付/Email・TELでの質問受付有)
  • 簿記検定ナビ(電卓の選び方、試験問題予想、簿記の語呂、勘定科目の省略パターン一覧表、他)
  • TAC簿記検定講座 合格するための過去問題集
  • ネットスクール ラストスパート模試
  • TAC簿記検定講座 直前予想

某通信講座について

 まず、某通信講座は基礎を勉強するのに大変有益でした。

 試験勉強飽きの対策として当初からDVD付の教材に着目していたのですが、これが私にとってかなり効果的でした。私のお世話になった通信講座のTEL受付は土曜のみ、社会人としての受験勉強時間を考えると大抵夜間に質問したいところが出るので、夜中にEmailで質問を入力、翌日以降の返事を待つ、という方法でしたが、まあまあ悪くはなかったです。

 簿記初心者は一つの問題につまづくと先に進むことに躊躇して真面目にEmailの返信が来るまで待ってしまうのですが、それは私も途中からやめました。Emailの返信が来る前に先に進んでしまった方がいいように感じます。

 主に活用したものは講義DVD、配布される講義内容のプリントとプリントテストです。付属の問題集は弱点補強の為にのみ活用しました。通信講座の終盤に模擬試験が一部送られて来ますが、本音を言うと全く使っていません。

 大手通学と通信講座の決定的な違いは講師の教え方の上手さであるように感じます。実際、試験中の時間短縮方法や語呂合わせなど、対試験用の実務的な内容は教えてもらえておらず、教科書の内容を浚う程度に等しいので、これは途中から自力で検索しました。

簿記検定ナビについて

 簿記検定ナビは、簿記検を受けようと決めた当初からお世話になったサイトです。

 まず「電卓の使い方」と「おすすめテキスト&問題集」でお世話になりました。ナビを見てCANON HS-1220TUGを購入しました。試験会場に行くとあまり専門的な電卓を使っている人はいなくて、自宅にあるような小型の10桁電卓やカード電卓を使っている人もいましたが、私的には簿記や会計を念頭に入れている人の導入電卓としては価格、サイズ、能力、全体バランスにおいて申し分ないと思います。何にせよ試験用の電卓は早めの購入をおすすめします。

 電卓購入時はナビでおすすめされた通りamazon、その際「日商簿記受験生のための電卓操作自習帳」という本が目に入り、セットで購入しているのですがこちらは3級取得後の現在もほとんど活用出来ていません。2級では活用できるのかな、わからないのでとりあえず取っておいています。

 先述の通り、簿記検定ナビには簿記勉開始前からお世話になっていましたが、本格的にお世話になったのは簿記検直前です。安価な部類に入る通信講座では触れてくれなかった実用的な試験対策として「試験問題予想」「簿記の語呂」「勘定科目の省略パターン一覧表(下書きPDF)」にとにかく感謝しています。随所でサイト管理人さんの簿記に対する深い愛を感じました。

他市販教材について

 告白すると、(既に通信講座で金額を払っているから、市販教材をあまり買いたくない)という意志が強く、分厚く持ち運びに不便そうで過去何年分あるかもわからない過去問題集1冊の金額と、薄く要点のみを纏めている2社の模試問題2冊を天秤にかけ、当初は後者を選択。

 過去問題集を購入せず、購入しないまま試験を受けるつもりでしたがそうはいきませんでした。結論から言うとこの過去問題集は買っておいて損は無いです(後述します)。

 模試はネットスクール社とTAC社の2社、それぞれ同価格の1,000(税抜)で購入できます。それぞれの模試問題には「第一予想」「第二予想」「第三予想」「大穴予想」の4種が挿入されている模試です。

 難易度はネットスクールは実試験より少し易しめ、TACは逆に実試験より少し難しめといった感じで、(この中間は無いのか)という感想が脳裏に過ぎったことを覚えています。模試をある程度こなしてしまうと回答自体を覚えてしまうので、より問題を解く為必然的に過去問題集が必要になりました。

 過去問題集は分厚さと、問題と解答と問題用紙の切り離しが出来ないのが短所で、商品としては改善して欲しいなと思うところはありますが、試験問題の勉強という意味では最も活用した本でした。なるべくなら1ヶ月前くらいにはもう購入しても良いんじゃないかなと思います。私は試験2週間前に購入したので激しく後悔しました。

おまけ

 あとは、私はi-pod touchを持っていたので、無料iOSアプリの簿記問題を片っ端から集めました。一時期「音簿記」というリスニング簿記が売られていたそうなのですが、私が探した時には見つかりませんでした。

 最も活用したiOSは「ストップウォッチ」です。問3(30点)→問5(30点)→問1(20点)、この3問で点を獲得すれば合格ラインである70点以上は取れます。残りの問2、問4は部分点目的で他の問と比べ浅く勉強しました。

試験日1日の流れ

  • 6:30

 起床。当初電車とバスを利用して試験会場に行く予定が、母が試験会場まで車で送って行ってくれるというので母に甘え、車での出向に変更。試験準備と睡眠時間の確保は前日までにしっかりと行っていました。

  • 7:30

 母と車でドライブ。車内でテキストやまとめノートを見直そうとしましたが、車酔いしそうになったので中断。無意味に電卓だけには触れてぽちぽちと指慣らしをしていました。途中コンビニに立ち寄って栄養ドリンクと飴を舐めました。

  • 8:30

 私の所定試験会場では開始前の30分前にならないと入室が出来ないので、時間ぴったりに試験会場に到着したとしても問3か問5のどれか1問しか解くことができません。

 トイレ休憩やら筆記用具の点検やらをしている内に15分が経ち、残り15分前から試験会場の試験担当から声が上がり始め周囲のざわめきが強くなります。家で問題を解いてくる、試験会場ではまとめノートを見返し簡単な問題を解いてみる、くらいが丁度いいように感じました。

  • 9:00

 問3→問5→問1→問4→問2の順で問題を解きました。問5で幾らかの問題を潰してしまった分、問4と問2のボーナス点に助けられました。

 試験のメンバーは本当に学生からご年配までと老若何女それぞれです。圧倒的多数で学生が多いのだろうなと思っていた分少し拍子抜けでした。

 試験終了まで残り50分と残り30分の段階で、問題を全て解き終えたので提出して帰るという一抜け組が現れはじめ、「おお格好良い、私もそうなりたい」と思ったので、2級の試験でその地位を目指してみようと考えました。

試験を終えて

 3級をスキップして2級を受けてしまう方法もありましたが、試験の雰囲気を感じることを目的に今回3級のみ受けました。個人的には反省点、改善点諸々、小さな所でぽつぽつとありますが、結果的にはこの流れが自分にとってのベストだと感じています。この調子で2級を目指します。

管理人コメント

 Ryouさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 まず電卓についてですが、Ryouさんのおっしゃる通りなるべく早め(出来れば勉強開始時)にきちんとしたものを用意してください。なお、簿記検定ナビでは2,000円前後の「CANON HS-1220TUG」、4,000円台の「SHARP EL-N36-X」、6,000円台の「CASIO JS-20WK」の3つが人気です。

 あと、過去問題集・予想問題集についても試験直前に購入するのではなく、なるべく早めに余裕を持って購入し取り組んでください。どちらも3回転ぐらいさせると「総合問題を解くコツ」が分かるようになるはずです。なお、どちらかひとつしかやる時間がないという方は過去問題集を優先してください。

Ryouさんが使われた教材や電卓のまとめ