簿記3級は、テキストと問題集をきちんとやれば合格できます!
- 投稿者:サッチーさん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約2か月
受験を決めた理由
簿記に興味もなく縁もなかった私は自分が簿記検定を受けることなんて生涯ないだろうと思っていました。そんな私が簿記検定を受けた理由は他の人と少し違っているかもしれません。
私は昨年「管理業務主任者」と「マンション管理士」の試験を受けました。実はこの試験には仕訳問題が二問づつ出題されるのですが、両試験の計四問中正解できたのは一問だけでした。
「今後も簿記の知識は必要かも」と考えた私は簿記を少し勉強してみることにしました。しかし面倒なことは先送りしがちです。テキストを買ってもなかなか勉強が進まないことは充分ありえます。そこで試験を受けることにすれば否応なしに勉強に取り組む環境ができる、そういう理由で受験を決めました。
使用教材&電卓
- スッキリわかる 日商簿記3級
- プラス8点のための問題演習 日商簿記3級
教材は簿記検定ナビのおすすめ教材ページの情報を参考に、書店で実物を見て決めました。テキストについては「サクッとうかる日商3級商業簿記テキスト」も検討しました。どちらも簿記用語にはちゃんとふりがなが付いていて、内容にも大差ないと感じました。ほとんど好みの問題でページが見やすいと思った方を選びました。
「プラス8点のための問題演習」は、テキストを「スッキリわかる日商簿記3級」にすることにした時点で購入を決めていました。この本には所々に合格テクニックとして受験時の解答方針などが書かれていて、独学の場合はこの種の情報が入り辛いので参考になりました。
過去問に手をつける時間がなく、上記二冊だけで勉強しましたが合格できました。3級ならこれで充分なのか、あるいは運が良かっただけなのかはわかりません。
- コンパクト電卓8桁 8905-8(キャンドゥ)
縦11.5cm、横8.5cm。ゴム足付。100均の電卓です。大きすぎるものは手に余るし、2級についてはどうするか決めていなかったので安く済ませました。指の太い方(男性)、2級受験用にはおすすめできません。
勉強の流れ
- 第一段階
まず「スッキリわかる日商簿記3級」(以下テキストと略)のはしがきなどを読んで、著者がこの本をどう使って欲しいと考えているのかを確認しました。著者が考える最も効率の良いテキストの利用法を知るためです。
その上で簿記についてはまったく知識がないので簿記の全体像を把握する目的で一通りざっとテキストを読みました。このステップは他の人には特におすすめはしません。
- 第二段階
一通りテキストを読み終えた後は著者おすすめの方法「テキストを読みつつ練習問題を解く」を二度繰り返しました。一巡目はテキストを読んでわかったはずなのに問題が解けず、テキスト本文を見ながら解答することが多くなりました。とにかく一巡目ということで先に進むことを重視してなんとか一通り終えたという感じでした。
二巡目はテキストを読んで練習問題に取りかかった時、なるべくテキスト本文に戻らずに解答するようにしました。どうしてもわからない時はテキスト本文に戻って答えを出しました。二巡目になってようやく仕訳がスムーズに出来るようになってきました。
第二段階を終えた時、「こんな調子で大丈夫なのかな」と不安でした。仕訳はまずまず出来るようにはなったものの、とても合格点は取れそうにない気がしていました。
- 第三段階
テキストの練習問題だけを解き、間違ったところはテキスト本文で確認しました。この段階で同じ練習問題を解くのは三回目になりますが、わからない問題、間違えてしまう問題は依然としてありました。間違った時はどういった理由で間違った答えが出てきたのかを考えるようにしました。
ノートにまとめることはしませんでしたが理由を考えるのは理解を進める上で、また間違いを減らす上で役に立ったかもしれません。間違った理由を考えるのはある程度簿記に慣れてきた頃でないと難しいように思います。
最初のうちはあまりこだわらずに先に進んで全体像をつかむ方が近道かもしれません。練習問題が全部終わった時点で試験までは残り10日となっていました。
- 第四段階
「プラス8点のための問題演習」にとりかかりました。この本はまず例題があり、正解できれば実践問題へ、正解できなければフィードバック問題を経由して実践問題へ進むように構成されています。
しかしせっかくフィードバック問題があるのに省略するのももったいない気がして、例題が解けたかどうかにかかわらずフィードバック問題も解きました。実際に解いてみての感想ですが、このフィードバック問題は確認という位置付けのせいかやや難易度は低く、無理に時間をさく必要はないと思います。
実践問題には目安となる制限時間が書かれているのでキッチンタイマーを利用して時間をはかりながら問題を解いてみましたが、なかなか制限時間内には終わりませんでした。そのため試験時間が足りるのだろうかとかなり心配になりました。
第127回の試験を受けた感じからすると制限時間はややきびしめに設定されているようにも思えますが、この一回だけでは正確なことは言えません。他の方の意見も参考にしたいところです。試験まであまり日がなかったこともあって、問題集の4/5ほどをこなした所で試験日となりました。
- その他
一日の勉強時間は勉強しない日もあれば三時間ぐらい勉強した日もあるなどばらばらでした。ダイエットと同じで毎日必ずと決めてしまうと出来なかった時に意欲が失われるので、出来ない日があるかもという方は少しゆるい目の目標を立ててもよいのではないかと思います。
間違いノート、まとめノートなどは作りませんでした。資格試験とは違い簿記は技能検定であるせいか、知識を問われているというより作業手順を覚えているかを試されている感じでなかなかなじめませんでした。マークシートの資格試験とは方向性が違うなと感じました。
試験日が2月の終わりということもあり、風邪には注意するようにしていました。インフルエンザについては新型に対する免疫がないこともあって予防接種を受けていたので風邪の予防と同程度の注意をしていました。3級合格にかかった費用は交通費なども含め、総額で約6000円でした。
試験日前日・当日の流れ
前日は早めに就寝。当日はシャワーを浴びて出かけました。駅では帰りが混雑すると思い、往復切符を購入しました。テキストは持って行ったものの、試験前に見ることはしませんでした。ほかの受験者はテキストを見ている人、ただ時間を待っている人などまちまちでした。
簿記3級の受験者は若い人が多いようで、また他の資格試験と比べると女性の比率も高いせいか、試験会場ではガラの悪さは感じませんでした。
商工会議所によって対応が違うのかもしれませんが、無線通信機器(携帯電話)の扱いは電源を切るように指示されただけだったので甘いと感じました。他に受けたことのある資格試験では封筒が配られ、その中に携帯電話を電源を切って入れた後、封をするように指示されました。
- 試験開始!
事前に各問の割り当て時間と解く順番を考えていましたが、第3問に提示された資料が初めて見る形式だったので後にまわしました。実際のところは資料の形式を見たことがなかっただけで、特に難しい部分はありませんでした。
試算表と精算表の問題は合計が合わないことを前提に解答しました。予想していた通り合計が合わなかったので見なおしてみましたが、間違い個所は見つけられませんでした。時間が充分余っていれば見なおしもしっかり出来たと思いますが、「合計が合わないくらいはいいか」とそのままにしておきました。
満点を取る必要はないのでこれくらいの楽な気持ちで受けてもいいのではと思います。噂には聞いていましたが、試験中は電卓のキーをたたく音が響き渡っていて笑ってしまいそうになりました。
試験終了、帰宅の途に。やはり駅の切符売り場に行列が出来ていました。自分の解答をメモしていませんでしたので自己採点はできませんでした。
管理人からサッチーさんへ追加の質問
サッチャーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか? | |
はじめの頃は費用と負債の区別にとまどいました。これは少しすれば区別出来るようになりました。いまだに苦手なところは「帳簿の締め切り」に関する部分です。テキストに書いてあることは理解できるのですが、いざ問題に向かってみると答えが出てきません。
詳しく書いてある本やネット上の解説なども探してみましたがどれも似たような説明で大きな差はなく、結局解決できていません。第127回の試験でも第2問に出題されましたが完全には答えられませんでした。 |
ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。 | |
勉強を始めた頃は簿記になじめませんでしたが、なんとかやっているうちにだんだん簿記というものが見えてきたように思います。始めのうちはあまりこだわらずにとりあえず問題を解いてみるぐらいの軽い気持ちで先に進むことに重点を置いた方がよいかもしれません。
「プラス8点のための問題演習」は問題を解く手順が順を追って詳しく書かれているよい本だと思いました。この本は独立して作られていて、「スッキリわかる日商簿記3級」と連携している部分はないので他のテキストで勉強していても問題ありません。「テキスト → プラス8点のための問題演習 → 過去問・予想問題集」の流れがおすすめです。 |
管理人コメント
サッチーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!「勉強の流れ」をかなり詳しく書いていただきましたので、どのような勉強をすればいいのか悩んでいる受験生の方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
サッチーさんは、100均の8桁電卓を使い、過去問をやらずに合格されたとのことですが…出来れば、電卓は最低でも2,000円ぐらいするもの(CANON HS-1210TUという電卓がおすすめです。)を用意し、よっぽどのことがない限り過去問にも手を付けるようにしてください。
あと、過去問と予想問題集のどちらを優先してやればよいですか?という質問をよくいただきますが、基本的にはどちらもやってください。ただ、どうしても時間がないという場合は、出題可能性が高い論点がまとめられている予想問題集のほうを優先するようにしてください。
最後に、受験者の多い会場では帰りの切符売り場が混雑することがありますので、サッチーさんのように最初から往復切符を買っておくことをおすすめします。
サッチーさんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:スッキリわかる日商簿記3級
- 問題集:プラス8点のための問題演習 日商簿記3級
- 電卓:コンパクト電卓8桁 8905-8(キャンドゥ)
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