計算用紙・解答用紙には得点アップのヒントがたくさん詰まっています!

  • 投稿者:へりうむさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月半

はじめに

 パソコンコースの職業訓練を受講した時に、おまけで付いてきたのが始めて触れた簿記でした。会計は全くの門外漢で最初は戸惑いましたが、やってるうちに面白くてはまってしまいました。第126回で3級に合格しましたが、履歴書に書くのは2級からという事でしたのでこのまま勢いで2級まで行こうと思い勉強を始めました。

使用テキスト

  • 日商簿記2級 とおるテキスト 商業簿記(ネットスクール)
  • 日商簿記2級 とおるテキスト 工業簿記(ネットスクール)
  • 合格トレーニング 日商簿記2級商業簿記(TAC出版)
  • 合格トレーニング 日商簿記2級工業簿記(TAC出版)
  • 日商簿記検定模擬試験問題集 2級商業簿記・工業簿記〈平成22年度〉(実教出版)
  • 第127回を完全予想!ラストスパート模試 日商簿記2級(ネットスクール)
  • 簿記検定ナビ仕訳問題対策

学習法

 3級を学習した時に簿記は反復練習だと思いアウトプットを重要視した。問題演習1ヶ月、過去問(試験形式問題)対策に1ヶ月取りたかったのでインプットを12月中に終わらせるスケジュールで学習開始。テキストは全てを理解しようとせずに7割程度理解出来たら先に進むようにした。

 商業は3級の知識があるので順調に5日で読み終わったが初体験の工業は苦労しながら10日で終了。この段階で過去問をやってみると当然のように30点も取れず本番に間に合うのか不安に駆られる 本番2ヶ月前の12月27日に問題集に取り掛かる。

 私の問題演習のやり方は、計算用紙兼解答用紙の間違った箇所に正解を赤で、間違った理由を青で書き込むというスタイルです。間違った理由を書いていると同じ理由で何度も失敗している事が青文字を追いかけるだけで分かります。

 よくやった失敗が定率法で累計額を控除せず減価償却費を計上、工業簿記で材料を加工に応じて投入する問題で始点投入だと思い込み間違うという物でした。この反省から材料の投入状況を一番最初に確認するのが癖になってしまいました(笑)

 問題集を商業・工業を1回転させて同じ過去問を解いてみると60点近く取れ、間に合うかどうかの不安が少し減少した。2回転目では問題を解く前に1回目の計算用紙の青文字を確認してから問題に取り掛かるようにした。2回転終了段階でまた同じ過去問を解いてみると90点取れました。

 問題演習をこなして行くと確実に点が伸び、それ以上に解答時間の短縮を実感しました。この解答スピードのアップは本番でも時間が足りなくなる事はないという落ち着きを与えてくれる重要な物でした。過去問を解く時もスピードがあった方が効率よく問題数をこなせますしね。

 ここで簿記検定ナビの仕訳問題対策を1回転。時間に余裕があったので飛ばしていいと書かれていた第107回の5問もテキストと格闘しながらチャレンジ。まさか本番であんな問題が出るとはこの時には想像もしてませんでしたが。

 1月末から過去問予想問題に取り掛かる。問題集と同じように赤と青でチェックしながら2冊を2回転し、間違えた問題だけ3回目に挑戦した。

感想

 独学だったので漠然とした不安感との戦いになりましたが、不安を取り除いてくれたのは反復演習をこなして積み上げた計算用紙の山でした。不安がなくなる事はありませんでしたが、これだけやったんだから大丈夫と言い聞かせ本番でもかなり落ち着いて解くことが出来ました。これからは1級に挑戦してみようと思いますがまた不安感との戦いになりそうです。

試験日の1日の流れ

 朝7時に起床し朝食を取りゆっくりしてから10時ごろ電卓練習のため本支店と総合原価計算の問題を解く。普段は試験前日と当日は勉強しないんですが、3級受験時にいきなり本番に臨んで電卓ミスを連発してしまった反省からです。

 1時ごろに試験会場に着きトイレを済ませて座席に座って待つ。試験開始5分前にまず解答用紙だけが配られて受験番号と名前を書くように指示される。第5問の標準原価カードが目に入って会場がわずかにざわめく。解答用紙から第2問が普通の試算表、第3問が見慣れない形式と判断し、解く順番1→2→4→5→3と当たりをつける

 1時半試験開始。まず問題を第2問から第5問まで読んで先に決めた解答の順番で行けると判断し解き始める。1時間程度で第3問を残して問題を解き終わる。第3問(1)見慣れない本店の損益勘定は無視して、計算用紙に自分で合併財務諸表を書き(2)を最後まで埋める。

 残った(1)に取り掛かるが仕訳問題対策で苦労して学習した内容である事を思い出して何とか全部埋める。30分ほど余った時間で解答を問題用紙に書き写しながら計算間違いはないかチェックして行く。試験終了後に7割以上は取れた手ごたえがあり帰宅の途についた。

管理人からへりうむさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 オーム電機 KCL-103Tという電卓です。普段は関数電卓を使っていたのですが、簿記検定では使用できないと3級受験の直前になって知り慌てて近所のホームセンターで購入しました。メモリー、GT、00キーと基本的な機能は備えているので特に不便はありませんが、勉強されるならしっかりした電卓の方がいいかと思います。
 今回、勉強に使われた教材は、他の方におすすめできますか?
 書店で4種類ほど見比べ、3級の学習で使ったとおるテキストを2級でも継続する事にしました。合格する事が第一目標だが、それだけでなくしっかりと簿記を学習したい人にはお薦めです。いくつか誤植があるのでネットスクールのサイトで確認をされた方がいいです。

 合格トレーニングは問題の種類も量も豊富ですが、時間がない人は優先度の低い問題には手を出さなくても十分だと思います。

 模擬試験問題集は値段の割りに問題数も多くお薦めです。ただ、解答解説がシンプルですので個別論点を問題集で演習した人向けでテキストから直接過去問へと進む人は解説がしっかりした問題集がいいと思います。

 予想問題集は当たれば儲け物ぐらいの感覚で購入しましたが、過去問をきっちり仕上げた人は特にやらなくてもいいかも知れません。

 へりうむさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は帳簿組織と標準原価計算(差異分析)、苦手な論点は特殊商品売買(委託販売、受託販売)です。帳簿組織はテキストで学習している時は苦手でしたが、2日ほど帳簿組織の問題だけを集中して解いているうちにどれが二重仕訳なのか理解出来るようになり、そうなると一気に得意論点になりました。

 特殊商品売買は問題集と簿記検定ナビの仕訳問題対策でその論点の問題だけを何度も繰り返して解きましたが未だに苦手意識はあります。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 テキストは自分で見比べて選んだ方がいいという事です。評判がいいテキストはどれを選んでも問題ないと思いますが、自分に合った物を実際に見て選んだ方が確実です。

 簿記の学習は毎日継続して行くのがいいのですが、問題演習の時には休日に丸一日簿記まみれという日を作って集中して問題を解くとかなり効率が良かったです。翌日以降に回して忘れる前に、とにかく頭の中に叩き込んでいく感覚は受験勉強をやってるような懐かしい感覚でした。学習は忘却との戦いですが、簿記は特に反復練習が必要なので忘れる前にやってしまうが有効な気がします。

 時間を計って過去問を解く時には1時間30分を制限時間として問題を解いていました。この時間で問題を解くには無駄な下書きや計算を減らす必要があるので効率的な解答のためにはいい訓練ですし、時間に余裕を持たせて解いた方が本番で慌てる事がないです。

管理人コメント

 へりうむさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 へりうむさんの勉強法で参考にしていただきたいのは「計算用紙兼解答用紙の間違った箇所に正解を赤で、間違った理由を青で書き込むというスタイル」という点です。計算用紙・解答用紙の見直しをしない方が結構いらっしゃるみたいですが、これらには得点アップのヒントが隠されていますので、へりうむさんのように工夫して有効活用するようにしてください。

 また、試験開始前に受験番号や名前を書く時間がありますが、このときに出題論点を素早く把握し、場合によっては予め考えておいた解答手順の再構築をするようにしてください。へりうむさんも普通の試算表問題を優先し、新形式の本支店会計を最後にもってきています。

 あと、「テキストは自分で見比べて選んだ方がいい」と書いていただきましたが、こちらもぜひ参考にしていただきたいです。簿記検定ナビのおすすめテキスト・問題集・過去問
で紹介しているテキストであれば、どれを選んでもまず問題ないと思いますが、実物をチェックして自分に一番合うものを選ぶのが一番良いです。

へりうむさんが使われた教材や電卓のまとめ