仕訳力の強化は、第1問だけでなく第2問・第3問にも効果があります!
- 投稿者:継続さん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約9か月
はじめに
私は32歳会社員で、現在総務課に所属しております。仕事内容は主たる業務として給与計算を行っております。
第142回(平成28年2月開催)で3級に合格し、今回の第144回で2級を受験しましたが、勉強中は毎日のように簿記ナビにお世話になりました。
皆様のお役に立てるかは分かりませんが、今回私の勉強法を投稿させて頂きます。皆様に少しでもお役に立てれば幸いでございます。
使用したテキスト・電卓
- スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記(TAC)
- スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記(TAC)
- 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)
- ステップアップ問題集 日商簿記2級 商業簿記(大原)
- 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集(TAC)
- 簿記2級弱点克服のための特別講座(大原)
- 無料公開模試(大原)
- ND-26S(CASIO)
TACのスッキリわかる(2冊)は内容、例え話など、とても分かりやすかったです。100点。
TACの過去問は、(特に工業簿記の)初学者にはもう少し噛み砕いた説明があっても良いと感じましたが、経験者にとっては問題なかったです。80点。
大原のステップアップ問題集は、銀行勘定調整表の理解には1番役に立ちましたが、それ以外の内容は少し簡単すぎるかもしれません。70点。
TACの網羅型問題集は工業簿記が難しく、一周目はこなすのでいっぱいいっぱいでししたが、きちんとやれば間違いなく力がつくと思います。95点。
勉強法
3級の合格発表前の平成28年2月にTACのスッキリわかる(2冊)と過去問題集を購入し、3月1日より勉強を開始。最初から過去問を解き始めました。
解くといっても、解答を読み込んで問題を見るというスタイルでした。最初に門前払いとなったのは、第131回の問4のシュラッター図です。全く理解が出来ず、何を聞かれているのかさえ理解出来ない状態でした。(基本的に工業簿記は3月~7月頃まで何を聞かれているかさえ分からないという状態でした…)
次に、3級で馴染みのあった商業簿記の仕訳問題だけは自信をつけようと第130回~第141回までの過去問の仕訳のみを行い、少しずつ力がついていくのがわかりました。
その時、間違えた仕訳に〇をつけてその部分を繰り返し勉強しました(時間が経つとすぐに忘れてしまいますが…)。
また、6月頃から「間違いノート」を作成し、間違えた部分をノートに書き、朝と寝る前に見直すことを習慣にしました(正直、何回間違えるんだよ!と自分に腹が立つほど、何度も同じ論点での間違いもありましたが、結果的にはそういう論点ほど明確に覚えることができました)。
7月の上旬に大原の無料特別講座があり、少し考え方が変わりました。それまで工業簿記の出来が悪い分を商業簿記でカバーする考えで勉強していましたが、講師の先生方より「最近の傾向を踏まえると逆である」とのアドバイスを頂きました。
また、この時期から昼休みに簿記ナビさんの仕訳を最低5問解くことを習慣とし、自信をつけることができました(仕訳の力がつくと第3問でも活きてくることが実感し、一石二鳥でした)。
9月に入り、新試験範囲の内容を踏まえた「網羅型完全予想問題集」を開始しました。ネット上のレビューでは「工業簿記の難度が高い」と書かれていましたが、予想以上に難しく、解答を何度も読んでも分からない部分がありました。
あまりにも分からないため、車の移動時間の合間にコピーしたプリントを何度も読み込んだりして、細切れ時間を有効利用して根気強く取り組んだところ、徐々に理解できるようになりました。また、この月から休日は3時間勉強することとし、1か月かけて全10回分を1周しました。
10月からは本番と同様に2時間の制限時間を計り、テストの模擬練習をしました。
ただ、あまりにも点数が酷いとモチベーションが下がってしまうので、前夜に翌日朝に行うテスト内容を見て、寝ている間に脳に整理してもらったうえで、翌朝に2時間計り問題を解きました。70点に届かない回も何回かありましたが、とにかく前向きに取り組むように心がけました。
その後、10月下旬に開催された大原の無料公開模試を受けましたが、まさかの50点台…改めて日商簿記2級の怖さを思い知りました。
本来であれば得点源にしなければならない工業簿記(今回は部門別計算・CVP分析)は、どこから手を付けていいのか分からず、ほぼ白紙の状態で終了時間を迎えてしまいました。
答え合わせ後、先生に勉強方法の確認に行くと「(合格ラインのボーダーラインにいる方は)工業簿記は満点か、白紙に近い状態になってしまう両極端になる傾向があります」とのことでした。
つまり、問題文を読んだときに「この問題は解き方を知っている」と脳が判断できれば普段の力を発揮することができるが、そうでなければ今回のように手も足もでない悲惨な状況になるということです。
そこで私は、色んな問題を解き応用力をつけたほうが良いと考え、新しい問題集を買おう!…と決めかけましたが、まずは今ある問題集を完璧に仕上げるほうが先だと思い直し、とにかく理解が浅かった工業簿記を何度も繰り返し解き直しました。
11月からは特に苦手な問題をかき集めて集中的に解き直ししました。また、簿記ナビさんと大原の“出題予想”を参考にし、「やらない論点」を絞り、今回は工業簿記では直近の試験で2回連続出題されていた標準原価計算は完全に「やらない論点」としました。
また、商業簿記では一部が1級の出題範囲に移行された本支店計算は第3問では「やらない論点」としました。(※第1問の仕訳では勉強しました)。
ポイントを絞ることはある意味勇気がいることと感じますが、広い範囲をやろうとすることによりその弊害で点数が伸びない事態に陥るより、諸先輩方の今までのご経験と実績を元に予想されている出題予想の論点を繰り返し解き、「これが出たらまず大丈夫」という状態にするほうが合格する確率は高いであろうと考えました。
11月の本試験1週間前は平日3時間・休日6時間勉強し、最後の追い込みをかけました。しかし、働きながら勉強時間を3時間確保するのは難しいので、通勤時間やお昼の休み時間等の細切れ時間を有効活用しました。
試験日1日の流れ
3級と同じ試験会場であったため、交通経路等は分かっていましたが、起床時間はいつもと変わらず4時30分とし、試験開始2時間前には到着するよう逆算して予定を立てました。
また、持ち物の用意は前日の朝に済ませした。当日だと慌ててしまうこと、前日でも夜だと脳が疲れているので、前日の朝に事前に作っていたリストに沿って用意しました。
- 受験票
- 電卓(故障に備え2台)
- 時計(故障に備え2台)
- 財布(お金は多めに&身分証明書)
- 筆記用具(シャープペンの替え芯は大丈夫か?)
- セロハンテープ(受験票を固定するため)
- クリップ(プリントが落ちないように固定。今回はそこまで出番はなかった)
- 間違いノート(参考書より大事でした)
- 見直したい参考書
- バインダー(試験開始前の勉強で机がないところだと活躍してくれます)
- チョコレート(試験開始前に脳を働かせる)
- タオル
- 会場の地図(スマホが壊れた時に見れなくなるため)
- 上着(会場が寒かった場合着れるようなもの)
今回は上記のようなリストを作りました。受験票は必須ですが、忘れた場合の会場での対処方法も確認しておけば安心かもしれません(慌てて取りに帰る必要がない場合もあるようです)。
今回、特に活躍してくれたのはセロハンテープです。会場の机が狭かったので、まず受験票は落ちない!という安心感は点数にして2点分位は価値があったかもしれません。
試験会場に到着
まず受験する教室を確認し、2級は13時30分試験開始のため、試験中眠くならないように少し早めに昼食を取りました。幸いなことに食堂が解放されていたので、昼食を取りながら間違いノートの見直しをしました。
入室後、まずセロハンテープで受験票の固定し、筆記用具の準備(シャープペンシル・消しゴムは各2個)をしてトイレを済ませ、チョコレートを食べながら間違いノートの確認…という流れで試験開始を待ちました。
試験開始!
試験開始の合図後はまず、第1~5問の問題を確認しましたが、そこで衝撃が走りました。第2問が見たこともないような問題だったからです。ひとまず心を落ち着かせ、当初の予定通り工業簿記から着手しました(第5問→第4問→第1問→第2問→第3問)。
ちなみに、第5問→第4問の順番にしたのは、第5問のほうが簡単そうだったからです。工業簿記の2問を20分弱で解き終えて、第1問へ移りました。初見の問1・問5は深く考えず、問2・問3・問4の仕訳だけは死守しようと思って解きました。
さて、ここでようやく第2問の登場です。問題をじっくり読んでみると、仕訳の難度はそれほど高くはないものの、処理する量が多いことが分かりました。
実際に解き始めてみたものの、準備していなかった論点の問題のため思ったよりも時間がかかりそうです。答案用紙を少し埋めただけで予定していた制限時間もきたため、ひとまず第3問へ移りました。
第3問は(結果的には裏書譲渡の問題で見事にひっかかっていましたが)なんとか当期純利益まで出せました。なんとなく間違いがありそうだったので、手汗をかきながら仕訳の見直しをしたところ、案の定一つ間違いを発見しました。
この時点で残り10分。第2問に深入りすることはやめて、工業簿記の見直し→第1問の見直し→第3問の見直しをしたところで終了となりました。
試験終了後
試験終了後はメンタル的にボロボロでした。ネット上のいろいろな情報を見ては落ちこみ、または安堵しての繰り返しでしたが、今さら考えても合否にはなんの影響もないので、合格発表までは今回の試験の再トライ、苦手な論点のまま試験受験になった部分の勉強などを1週間かけて行いました。
そして11月29日の結果発表。いつもと同じ時間に起床し、スマホで確認すると、第1問12点、第2問4点、第3問14点、第4問20点、第5問20点。ぎりぎり70点で合格してました。
今までのやってきたことが報われた感がし、早朝から嬉しい気持ちでいっぱいになりました。これも簿記ナビさんをはじめ様々な情報提供及び試験問題の分析などご提供くださった方々のお陰であると感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
今後の目標
次の目標は、2018年8月の試験で社会保険労務士試験に合格することです。簿記で培った勉強の習慣をベースにして、日々精進していければと思っております。
受験期間中から田口様に何か少しでも恩返しが出来ればと思い、駄文ではございますが、体験記を書かせて頂きました。田口様、本当にありがとうございました。
管理人から継続さんへ追加の質問
継続さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか? | |
得意論点は、第1問の仕訳です。簿記ナビさんの過去問類題を、移動時間や1日のルーティーンに落とし込んで解きまくりました(特に固定資産、有価証券は力がつきました)。
苦手論点は、標準原価計算です。与えられる数字の使い方、各差異を計算するさいに実際と標準を逆に計算してしまったり…最後まで苦手意識が抜けませんでした。 |
継続さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。 | |
合格体験記を1日1つ読んでいました。自分も合格してここに書くぞ!と思い続けたことが、結果的にモチベーションの維持につながったと思います。 |
管理人コメント
継続さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。
最近の試験問題は商業簿記(特に第2問・第3問)が難しく、工業簿記が簡単なことが多いので、工業簿記で40点満点に近い点数を取れるかどうかが合否を分けるカギになります。
第1問の仕訳対策とあわせて、工業簿記の対策(いろんなパターンの問題をたくさん解く→間違えたところはきちんと復習する)にも力を入れてください。
なお、苦手論点を克服するためには、継続さんが行ったような「苦手な論点の問題を集めて、集中的に解く(まとめ解き)」が非常に効果的です。工業簿記の点数が伸びない方は、ぜひ参考にしてください。
持ち物の用意に関しては、継続さんのようにリストを作ると万全です。
また、セロハンテープを使って受験票を固定するのはナイスアイデアだと思いますが、厳しい試験官ですと「剥がしてください」と言われる可能性があります。これから受験される方はご留意ください。
なお、持ち物を用意するタイミングに関しては…いろんな考えがあると思いますが、前日の朝に用意すると、前日の夜、最後の勉強をした時に使った電卓などを戻し忘れてしまいがちです。
よって、個人的には、試験前日の夜(最後の勉強を終えたあと)に用意することをおすすめいたします。
継続さんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記
- テキスト:スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記
- 問題集:ステップアップ問題集 日商簿記2級 商業簿記
- 過去問題集:合格するための過去問題集 日商簿記2級
- 予想問題集:日商簿記2級 網羅型完全予想問題集
- 電卓:CASIO ND-26S
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