簿記は「慣れ」が大事。慣れるまでひたすら問題を解こう!

  • 投稿者:ゆきむしさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 簿記検定ナビには資格取得に向けお世話になったので合格体験記を書きたいと思います。これから3級を目指す方々への参考になれば幸いです。

日商簿記検定を取ろうと思ったきっかけ

 将来への危機感(金融危機・終身雇用制の崩壊等)を覚え、30半ばで大きく転身を決意。将来的には税理士を目指そうと考え、それには簿記が必要と考え資格取得を試みる。この景気悪化時に就活をしてもと思い、自己研鑽への投資を考えファイナンシャルプランニング技能士2級を併せてチャレンジ!現在は求職中です。

使ったテキストと問題集

  • 松田慎太郎のなるほど!わかるテキスト(TAC出版)

 知り合いの先生の勧めでTACのものが良いと聞き、予備校内で実際に見てテキストを購入。さすが予備校の先生が書いたものだけあって、試験向けの実践的な説明で自分では好印象。ただ、人気があるのは「すっきりわかるシリーズ」のようですね…

  • 合格するための過去問題集日商簿記3級(TAC出版)

 これはTAC予備校に簿記講座説明会で参加時に貰ったもの。いくぶん古く、直前2回分は入ってませんでした。

具体的勉強方法

  • 学習計画

 まずは計画を立てるために、ネットや予備校に出向き情報を収集。簿記検定ナビも、その過程で見つけました。計画も詳細まで決めてしまうと萎えるのでザックリ立てる。1週間単位で決め、テキストを読んだ後は、ノートに要約、過去問演習、その後は試験の傾向と対策を練るといった具合に…

  • テキストの使い方

 最初は読んでもそう簡単に頭には入ってこない。挫けず読み続けること3回目。ようやく有機的に知識が繋がってきて、ここまでくればしめたものです。その後は、自分が大事だと思ったところを重点的に、自分の言葉でノートに要約。(これが、かなり効きました。予備知識が無いに等しかったので…)書き込んだノートを寝る前を中心に読み替えす。

  • 過去問題集の使い方

 ある程度知識が定着したら過去問題に挑戦。設問別に集中して過去問の12回分解く。(この方が断然効率的!)ただ、実際に解いてみると…如何に暗記だけの知識が通用しないか痛感。(インプットとアウトプットの両方が大切!)ここで気を取り直し、合格体験記等で簿記は「慣れ」だと聞いていたので、挫けずに第5問まで解き続ける。

 第5問の精算表の問題は比較的容易でしたが、第3問の試算表の問題は、仕訳や計算ミスなどにより最後に合計が合わなく泣きが何度も入りま した…一通り、終了したら2回目を回す。このときは設問別ではなく各回毎に解きました。やはり、2回目はすらすら解け自信が付いてきました。一番苦手だった第3問は得意分野にまで格上げしました。やはり、簿記は「慣れ」だということを実感しました。

  • 間違いノートの作成

 間違えた問題について、何故間違えたのか1冊のノートにまとめる。自分の弱点がよくわかります。ちなみに、私の弱点は仕訳では手形の裏書きと為替手形の振り出しや現金過不足、伝票関係でちょろちょろ間違えました。あと、1回目は「飛んで火に入る夏の虫」の如く、大抵のひっかけに掛っていました…

 下の画像は間違いノートの一部ですが、自分が必要だと感じたものしか書き込んで無いのでかなり濃縮された内容となっています。工夫した点と言えば、書く事は最小限にするといったことくらいでしょうか。。

間違いノートの一部
間違いノートの一部

勉強する上で工夫したこと

 本格的に勉強を始めたのが試験日約2か月前だったので、短期間かつ一発合格をしたいと思いました。懸念事項を一つ一つつぶしていくことに力を入れました。

  • 試験で使用する計算機(電卓)の検討

 はじめは近所のケーヨーD2で買った千円以下のもの使用。ただ、色々な意見を参考にして無難にSHARP製EL-G36をTAC通販で4700円で購入。また、効率を考え左打ち(右は書き込み専用)に変更。最初は大変でしたが、そのうち慣れました。

  • 仕訳問題対策

 簿記検定ナビ仕訳問題対策を使用し、仕訳が苦手だった私にはもってこいの材料。 過去問を少し変えての問題のようで、まとまった時間が作れないときを中心に勉強してました。 解説も親切・丁寧で、知識の穴埋めには良いです。

  • TACの解答用紙ダウンロードサービス

 これは非常に助かりました。意外にないんですね、こういったサービス。2回目の問題を解く際にはまっさらな状態で行え、実際の試験を想定するのにも良いです。

  • 独学の限界

 独学だと判らない個所にぶつかったときに非常に時間を喰われます。こういった時には、簿記検定ナビの掲示板で管理人さん他、色々な方々から知恵を借りることが出来ました。お世話になりました。

  • 余裕のある方は…

 2級を視野に入れた勉強を行うと3級の問題が簡単に見えてきます。将来的に2級以上を取得される方は同時並行で勉強をすると非常に効率が良いです(2級と3級は同時受験が可能なため。。。)

  • 出題の意図・講評(日本商工会議所のHPに記載)

 商工会議所の公式HPには過去の各試験問題について、試験問題作成者側のまとめが載っています。この作成者側の考えを知ることで問題をどう解けば良いのか?違った観点から問題を見ることができます。問題を見た際に解答の方針が立てやすくなります。

試験日当日の1日の流れ

  • 6:50 起床

 前日はユルイ生活をしていたので目覚めは良い。コーヒーとバナナとお茶漬けを軽くすませる。前日は雨が降り寒い一日だったが、当日は晴れて比較的暖かい朝を迎える。

  • 7:20 出発

 ドアツードアで50分くらい。前日に下見をしていたので、気持ち的に余裕あり。(下見は是非しましょう!)

  • 8:10 現地到着

 バスと地下鉄を乗り継いで、現地に着いたのは試験開始40分前。該当の教室にたどり着き、試験会場は7階だったので綺麗な景色を見て気分転換。トイレを済ませ、席に座る。前日のままなのか、黒板には数か所の落書きがあり自身の学生時代を思い出しニヤッとする。連日の無理に持ちこたえるために栄養ドリンクを飲む。

  • 8:45 アナウンス

 試験開始前に「試験場の注意」を受ける。監督官は冗談が通じる人なのか、若干のダジャレで教室内には笑いが出る。

  • 9:00 3級試験開始

 第1問ではひっかけ探し。新入社員向け事務処理用パソコン。。販売用では無いな…ひっかけらしきものを数ヵ所発見!あわてず、丁寧に解く。第2問では見慣れない伝票会計問題。当座預金なのか現金なのか、紛らわしい表現あり。計算終了後、何度か確認。

 第3問では恒例の試算表の問題。残高のだということを確認。ん?過去問より易しそう…二重仕訳もないの?比較的すんなり合計金額が一致。とりあえずOK。第4問では起票の問題。特に問題はなさそうかなと思った時、(1)で売掛金?発送費?で迷いが…ただ、いままでの流れから気にせず。

 第5問では清算表の推定問題。ラッキー。設問の文で惑わされる事は無し。それぞれ4項目において下段の合計金額と照合して一致。このとき、70分経過。この時点で合格を確信。一応、一通りケアレスミスをチェックして自分で納得。試験終了40分前に退室。

  • 10:30 休憩

 校舎の1階に座る場所があったのでほっと一息。時間までに自家製の弁当と栄養ドリンクを飲んで午後の2級の試験に向け待機。

  • 13:30 2級試験開始

 2級の試験を受けましたが、3級の体験記なので割愛させていただきます。

  • 15:30 試験終了

 よくぞ、ここまで体がもった☆この試験終了での解放感に浸る。受験者の人ごみに紛れ帰路へ。帰路は寒気が流れ込んできたのか、風が強く寒かった~。

管理人からゆきむしさんへ追加の質問

 今回、利用されたテキストや電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 テキストは、初心者の方に特にお勧めですね☆TACの講師が執筆したもので、試験に実践的な内容が加味されていて、過去問にはすんなり入ることが出来ました。特にマンガ形式で登場する人物の砕けた吹き込みが分かりやすく笑えます。

 また、ボリューム・難易度についても初心者である自分にとって丁度良かったです。ただ、章末に問題も併せて載っていますが、これだけでは足りないので、過去問か別の問題集が必要になるでしょう。

 電卓は値段が少々高いですが、お勧めは出来ますね☆こんな使いやすい電卓があったんだな~と言うのが正直な感想です。1000円以下の電卓や関数電卓は使用した事はありますが、速く正確にという考えならこの電卓で問題ないと思います。

 前の電卓に比べクリアの位置が左右逆で慣れるまで少々時間がかかりましたが、「00」と「→」は重宝しています。ちなみに、「GT」はあまり使ってません…(GTの使い道教えて下さい)大きさや重量感、ボタンの押し具合(適度な抵抗感)、本体の傾斜は文句無いですね。

 ゆきむしさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 最初はすべて苦手でした。勉強していくうちに苦手意識は薄らいでいきました。あえて言えば…以下のような感じです。

苦手な論点:ひねった伝票と帳簿問題独特の形式に惑わされます(実務で関わったことが無いため抵抗がなかなか拭えない)

得意な論点:清算表と試算表の作成問題着々と達成していく過程と最後に合計が一致したときの快感はたまりません(最初は苦手意識がありましたが、「慣れ」ました)

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 上述の「勉強する上で工夫したこと」で大概は説明していますが…テクニック等は色々な方が述べていますのでそれらを自分にあったものに改造することが良いでしょう。更には、私もそうでしたが、勉強する過程で挫けないことです。何度も言っていますが、簿記は「慣れ」ですね。
 現在は簿記2級の勉強をされていると思いますが、前回の勉強と比べて工夫していることはありますか?
 簿記2級の勉強はまだしていません^^;年明けからするつもりです。試験内容は3級に比べ数段難易度が高くなっています。難易度が高いのと工業簿記が新たに加わるため勉強時間(3級に比べ倍~3倍程度)がかかります。ただ、3級の知識があれば、商業簿記は思ったより早く終わります。

 反省点としては、苦手分野の詰めが甘かったことと勉強時間が足りなかったことでしょうか?今後の課題は、帳簿関係を中心とした苦手分野の克服と工業簿記での勘定連絡図に絡む問題を中心とした過去問題を解いて「慣れ」ることでしょうか。

管理人コメント

 ゆきむしさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ゆきむしさんとは質問掲示板で何度かやりとりをさせていただきましたが、とても礼儀正しく好感の持てる方でした。ご投稿いただいた合格体験記にもその人柄が滲み出ているのでしょうか、とても分かりやすいものに仕上がっていると思います。

 さて、合格体験記の中で受験生の方に参考にしていただきたいのは「出題の意図・講評に目を通す」という点です。「出題の意図・講評」とは、日商簿記検定の主催団体である商工会議所が公表しているもので、間違いが多かった問題のポイントや、受験生の出来具合などが問題別にまとめられていますので、少なくとも直近の数回分に関しては目を通すようにしてください。

 で、「いつ目を通せばいいか?」ということになりますが、個人的には「過去問を解いた後、すぐに目を通す」のが一番効果的・効率的だと思います。例えば、第122回の過去問を解いて答え合わせをした後に、第122回の出題の意図・講評に目を通すといった感じです。問題を解いてから時間が経てば経つほど、解答時の感触が薄れていってしまいますので、出来るだけ間をおかずに目を通すことをおすすめします。

 あとは…地味なポイントになりますが、「試験会場の下見」をしておくことも大事だと思います。家からどれぐらいかかるのか、どの交通手段で向かうのか…などなど、当日はなんやかんやで慌しくなりがちですので、気持ちに余裕を持たせるためにも、ぜひ下見に行くようにしてください。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたゆきむしさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

ゆきむしさんが使われた教材や電卓のまとめ